フリー・ゲシュタルトな気づき

心理学と変性意識(ASC)を身につけて、 自由さ、創造性、アウトプットを獲得する フリー・ゲシュタルト・ワークス 〈流れる虹のマインドフルネス〉で、 あなたのコーチングやカウンセリングに、 プラスαアルファの魔法を

心理学と変性意識(ASC)を身につけて、
 自由さ、創造性、アウトプットを獲得する
  フリー・ゲシュタルト・ワークス
〈ゲシュタルト〉と〈流れる虹のマインドフルネス〉で、
 あなたのコーチング・カウンセリングに、
  プラスαアルファの魔法を

フリー・ゲシュタルト・ワークスは、
「心理学」―ゲシュタルト療法―
をベースに、
・目標達成や願望実現、成功獲得
・卓越したパフォーマンスや影響力の発揮
・能力と才能(天才性)の開発
・自信や意欲の増進(回復)
・人間関係や心の葛藤解決
・並外れたアウトプット(成果)の創出
・意識や知覚力の拡張(変性意識の習熟)
など、
心の能力を育て、増大するための、
セッションや方法論を、
ご提供しているスクールです。
コーチング・スペース、
セラピー&カウンセリング・スペース、
また、能力・創造性開発の、
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ゲシュタルト療法と、変性意識状態(ASC)を、
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気づきの3つの領域

自己想起 self-remembering の効能


さて、以前、
世間一般や心理療法の現場で、
漠然と語られている、
気づきawarenessという心理状態を、
構造的に理解するために、
G・I・グルジェフの、
自己想起self-remembering
という気づきの実践技法を、
さまざまに見てみました。
気づきawarenessと自己想起self-remembering

マインドフルネスが、
語られるようになってきた昨今、
特に重要なテーマと、
考えられたからです。

そこでは、
変性意識状態(ASC)の研究で有名な、
チャールズ・タート博士の著書、
『覚醒のメカニズム』(吉田豊訳、コスモスライブラリー)
をもとに、
諸々を考えみました。

今回は、
グルジェフの弟子としても著名な、
ウスペンスキーの著書、
『奇蹟を求めて』(浅井雅志訳、平河出版社)から、
グルジェフの言葉や、
ウスペンスキーの洞察を取り上げ、
自己想起self-rememberingの、
大きな潜在力について、
考えてみたいと思います。

ところで、
それに少しでも取り組むと分かるように、
自己想起self-rememberingは、
非常に困難であると同時に、
極めて重要な実践であり、
人生を、
決定的に違う光りのもとに、
照らし出すものとなっています。

さきのタート博士は語ります。
「ウスペンスキーの『奇蹟を求めて』を読んだ結果、
私が初めて自己想起を実践した時、
これは自分が必要としている
何かきわめて重要なことだと
すぐにわかった。」
(前掲書)

また、
ウスペンスキーも語ります。
「G(グルジェフ)の言ったこと、
私自身が考えたこと、
また特に自己想起の試みが
私に示したことすべてから、
私はこれまで科学も哲学も出合ったことのない
全く新しい問題に直面しているのだということを
間もなく納得したのである。」
(前掲書)

ウスペンスキーの言葉は、
すでに、100年前のものですが、
この間、人類はまったく進化していないので、
事態はまったく変わっていないのです。

グルジェフは語ります。
「人生全体、人間存在全体、
人間の盲目性全体は
これに基づいているのだ。
人が自分は自分を想起することができない
ということを本当に知れば、
彼はそれだけで
彼の存在(ビーイング)の理解に
近づいているのだ。」
前掲書)

ところで、
筆者自身は、
拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』
の中でも記したように、
個人的には、
「自分の自意識を外側から見る」
というような変性意識的体験により、
自分の日常意識の、
「無明性(眠り)」を突きつけられた結果、
この自己想起の重要性に、
気づいていったという、
経緯があります。
内容紹介『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』


◆自己想起の実態

さて、
この自己想起self-rememberingですが、
ウスペンスキーの本の中では、
弟子たちが、
自己観察の宿題に対して、
さまざまな回答する中で、
グルジェフが語ったことにあります。

「誰も私が指摘した
最も重要なことに気づいていない。
つまり、誰一人、君たちは
自分を想起 remember yourselvesしていない
ということに気づいていないのだ
〔彼はここの部分を特に強調した〕。
君たちは自分を感じて feel yourselvesいない。
自分を意識 conscious of yourselvesしていないのだ。
君たちの中では、
〈それ it が話し〉
〈それ it が考え〉
〈それ it が笑う〉のと同様、
〈それ it が観察する〉のだ。
君たちは、
私 I が観察し、
私 I が気づき、
私 I が見るとは感じていない。
すべてはいまだに、
〈気づかれ〉
〈見られ〉ている。
……自己を本当に観察するためには
何よりもまず
自分を想起しなければならない。
〔彼は再びこの語を強調した〕。
自己を観察するとき
自分を想起 remember yourselvesしようと
してみなさい。」
(前掲書)

自己想起self-rememberingは、
普通に、現代社会で生活する中では、
決して教わることのない、
独特な意識の働かせ方です。

自己観察の宿題を、指示する中で、
グルジェフは
私たちが、
自分自身だと思い。
自分たちの自明の道具(特性)だと思っている、
この「意識」は、
決して確固として、
いつもここに在るわけではない、
私たちの存在を満たしているわけではない、
と指摘していたのです。
それを観察するようにと、
示唆していたのです。

「私の言っているのは、
意識が再び戻って来たとき初めて、
それが長い間不在だったことに気づき、
それが消え去った瞬間と
再び現れた瞬間を見つけるか、
あるいは思い出すことができるということだ。」

「自分の中で、
意識の出現と消滅を観察すれば、
君は必然的に、現時点では、
見もせず認識もしていない一つの事実を
見ることになるだろう。
その事実というのは、
意識を持っている瞬間というものは非常に短く、
またそれらの瞬間瞬間は、
機械の完全に無意識的かつ機械的な働きの
長いインターヴァルによって
隔てられているということだ。」
(前掲書)

ウスペンスキーは、
実際に、自己想起をトライした印象を
次のように語ります。

「自分自身を想起すること、
あるいは自分を意識していること、
自分に、
私は歩いている、
私はしていると
いいきかせること、
そしてとぎとれることなく
この私を感じ続けること、
こういった試みは
思考を停止させるというのが
私の最初の印象である。
私が私を感じていたとき、
私は考えることも話すこともできず、
感覚さえ鈍くなった。
それにまたこの方法では、
ほんのわずかの間しか
自分を想起することはできなかった。」
(前掲書)

そして、
ウスペンスキーは、
とりあえず見出した定義として、
次のように語ります。

「私は、
自己想起self-rememberingの特徴的な点である、
注意の分割ということを
話しているのである。
私は自分に
それを次のような方法で説明した。
何かを観察するとき
私の注意は観察するものに向けられる。
これは片方だけに
矢印が向いている線で示される。

 私―→観察されている現象

私が同時に自己を想起しようとすると、
私の注意は観察されているものと
私自身の両方に向けられる。
第二の矢印が線に現われる。

 私←→観察されている現象

このことを明確にしたとき、
問題は
何か他のものに向ける注意を
弱めたり消したりしないままで
自分自身に注意を向けることにある、
ということに気づいた。

さらに
この〈何か他のもの〉は
私の外部にあると同様、
私の内部にもありうるのであった。」

「注意の
そのような分割の最初の試みが
私にその可能性を示してくれた。
同時に私は二つのことに
はっきり気づいた。」

「第一に、
この方法がもたらす自己想起は
〈自己を感じること self-feeling〉や
〈自己分析 self-analysis〉とは
何の共通点もないことがわかった。
それは奇妙に親しい趣のある
新しくて興味ある状態だった。」

「第二に、
自己想起の瞬間は、
まれにではあるが生活の中で
たしかに起こることに気づいた。
このような瞬間を
慎重に生みだすことによってのみ
新しさの感覚を
生むことができるのである。
(中略)
私は、
自分の人生の一番古い記憶
―私の場合は非常に幼少時のものであった―
は自己想起の瞬間 moments of self-remembering
であったことが
はっきりわかった。
このことに気づくと
他の多くのことがはっきりしてきた。
つまり私は、
自分を想起した過去の瞬間だけを
本当に覚えているということが
わかったのである。
他のものについては、
それらが起こった
ということだけしか知らない。
私には
それらを完全によみがえらせrevive、
再びそれらを経験することは
できない。
しかし自己を想起した瞬間は
生きてaliveおり、
またいかなる意味でも
現在presentと違っていなかった。」

「私はまだ
結論に至ることを
恐れていた。
しかし、すでに自分が
おそろしく大きな発見の敷居の上に
立っていることに気づいていた。」
(前掲書)

そして、

「これらはすべて
最初の頃の認識であった。
後になって注意を分割することが
できるようになったとき、
自己想起は、
自然な形で、
つまりおのずから、
非常にまれな、
例外的な状況でしか現れないような
すばらしい感覚を生み出すことが
わかった。」
(前掲書)

自己想起の能力は、
訓練によって、
変容していくのです。

ところで、
筆者自身も、
人生の最初期の記憶は、
自己想起self-rememberingと思しきものでした。
それは、一人で、
公園の砂場で遊んでいる時のもので、
その状況はまったく覚えていませんが、
何かを求めて、注意を、
視界のない(遠くの)どこかに、
向けている時のものでした。
そして、これが、
今も記憶として残っている理由は、
風景の内容のせいではなく、
「遠くに注意を向けている自分の存在」
というものを、
強烈に感じ取っていたためであったのです。

さて、
以前の記事にも引いた、
タート博士の言葉を、
再び見てみましょう。

「人々が
『感じること、見ること、聞くこと』を
初めて試みる時、
彼らは、しばしば、
ある種の微妙な透明さ―
その瞬間の
現実により敏感で、
より存在しているという感じ―
を体験する。
それは、合意的意識では味わうことができず、
また、事実、
言葉では適切に述べることができない、
そういう種類の透明さである。
たとえば私は、
それを『透明さ』と呼ぶことにさえ
自分がいささかためらいを感じているのに
気づく。
と言うのは、その言葉は
(あるいは、それに関するかぎりでは、
いかなる特定の言葉も)
それ(透明さ)が安定した、
変わらない体験であることを
含意しているからである。
それはそうではない
―バリエーションがある―のだが、
しかしそのことは、
あなたが
この種の自己想起を実践すれば、
自分で発見するであろう。」
(前掲書)


さて、ところで、
ゲシュタルト療法では、
「気づきの連続体 awareness continuum」といって、
刻々の自己の状態に、
気づいてawarenessいくことを、
重要な実践として行なっていきます。

エクササイズもありますが、
エクササイズ自体は、
あくまでもイメージをつかむためのもので、
本番は、
日々の暮らしの中で、
これを、
いつも行なっていくことにあります。
気づきの3つの領域 エクササイズ

この連続的な実践は、
きちんと深めていくと、
「透明さ」
「その瞬間の
現実により敏感で、
より存在しているという感じ」
に近づいていくものでもあります。
それは、
セッション(ワーク)を深めると同時に、
普段の統合感を、
進めていくものであるのです。

そして、
つまりは、
この気づきawarenessの連続的な実践に、
自己想起の要素を持ち込むことは、
私たちの気づきの範囲をひろげ、
その統合的な効果を、
より倍化させていくことでも
あるのです。

そのような点からも、
この自己想起self-rememberingは、
注目すべき実践と、
なっているのです。


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。






【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
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気づきawarenessと自己想起self-remembering

さて、
ゲシュタルト療法においては、
気づきawarenessの力について、
特に重視しています。

気づきの3つの領域 エクササイズ


ゲシュタルト療法の創始者、
フリッツ・パールズは語ります。

 「『気づく』ことは、クライエントに
自分は感じることができるのだ、
動くことができるのだ、
考えることができるのだということを
自覚させることになる。
『気づく』ということは、
知的で意識的なことではない。
言葉や記憶による『~であった』という状態から、
まさに今しつつある経験へのシフトである。
『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる」

「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、
行動への可能性をひらくものである。
決まりきったことや習慣は学習された機能であり、
それを変えるには
常に新しい気づきが与えられることが必要である。
何かを変えるには別の方法や考え、
ふるまいの可能性がなければ
変えようということすら考えられない。
『気づき』がなければ
新しい選択の可能性すら思い付かない」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

拙著やサイトの、
別の個所でも述べているように、
気づきawarenessは、
通常の私たちの心に対して、
少しメタ(上位)レベルの機能とも、
いえるものなのです。
内容紹介『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』

さて、しかし、
この気づきですが、
「気づきawareness」という言葉は、
日常的な言葉な分だけに、
その状態が、
カバーしている帯域は非常に幅広く、
実践している人たちの間でも、
その状態(含意)が、
きちんと特定できていないという、
難点があります。

最近、日本においても、
マインドフルネスや、
ヴィパサナー瞑想も、
大分、メジャーになって来て、
気づきawarenessの重要性が、
知られるようになって来ていますが、
それでもいくらか、
わかりにくい要素が多いようです。

ここでは、
「気づきawarenessの先にあるものが何なのか」
と補助線を引くことで、
その途中段階にある、
「気づきの状態」を特定し、
それを訓練し、
育てていく実践と勘所について、
考えていきたいと思います。


◆気づき・自己想起・客観意識

そのため、ここでは、
気づきawarenessの状態の、
より先にある状態として、
ロジアの秘教的な思想家、
G・I・グルジェフが唱えた、
「自己想起self-remembering」
というものについて、
取り上げてみたいと思います。

グルジェフ自身は、
スーフィー系の、
秘教的なスクール出身のため、
その修行システムの体系には、
なんとも判断しがたい、
不思議な宇宙論が含まれているのですが、
それを脇に置いて、
その実践的な心理学を取り出すだけでも、
心理療法的な見地からも、
充分示唆に富む内容となっているのです。

変性意識状態(ASC)という言葉を有名にした、
アメリカの心理学者で、
意識の諸状態の研究家、
チャールズ・タート博士は、
そのようなグルジェフの実践システムについて、
心理学的な知見から、
『覚醒のメカニズム』(吉田豊訳、コスモス・ライブラリー)という、
興味深い本をまとめています。

今回は、
そこで描かれている、
自己想起self-rememberingの、
特性や原理・構造を見ていくことで、
気づきawarenessに必要な状態(強度)が、
どのような状態であるのかについて、
見ていきたいと思います。

それというのも、
気づきawarenessは、
訓練の果てに成熟していくと、
だんだんと、
自己想起self-remembering
の状態に近づいて来るからです。

逆にいうと、
自己想起self-remembering
と、まったくかけ離れている、
気づきawarenessは、
まだ、非常に微弱な段階にある、
幼い、気づきawarenessの状態である、
ということでもあるのです。

ところで、
自己想起self-rememberingとは、
その名の通り、
「自分のことを思い出している状態」
のことです。

重要なポイントは、
ただ思い出すだけではなく、
普段の日常生活の中で、
何かを(没頭的に)行なっている時に、
それを行ないつつ、
「このことを行なっているのは私」
と、自分の存在自身に、
気づいているということなのです。

つまり、生活の中で、
つねに、
自分の存在に、
今ここで、
ずっと気づいているawareness
という状態なのです。

たとえば、
この文章を読みつつ、
読んでいる自分自身の存在にも、
気づいていることです。
「読んでいる内容」をくみ取りながら、
「読んでいる私(自分)の存在」にも、
気づいていることです。

ウスペンスキーは、
注意力を、
対象と自分自身に分割する、
といいましたが、
そのような状態です。

実際に、
行なってみると分かるように、
この状態を、
持続的に維持していくことは、
至難の業です。

そのような自己想起self-rememberingが、
気づきawarenessの先にあることの意味が、
分かるかと思います。

実際、
自己想起self-rememberingに習熟すると、
気づきawarenessの状態も、
ずっと練度と力を増したものに、
なっていくのです。

ところで、
この自己想起の体験内容
(人生を一変させる、
めざましい覚醒感と豊かさ)を、
表現するのも、
至難の業です。
しかし、
これは自己想起を説明しようとする、
すべての人が、
逢着する地点なのです。

自己想起について、
さまざまに解説した後、
タート博士は述べています。

「私はこれらの言葉に満足していない。
けれども私は、自己想起のなんらかの体験をした
他の誰かには、かなりよく
これらの言葉の意が伝わることを知っている。」
(前掲書)

「気づきawareness」も、
そのような伝達の難しい側面を持っていることは、
分かるかと思われます。
自己想起は、
それがより強まったものでもあるのです。

ここからも、
気づきと自己想起の関係が、
類推されます。


◆自己想起の困難

自己想起はまた、
実践が難しいものです。
短時間、自己想起できても、
私たちはすぐにその実践を、
忘れてしまいます。

その難しさのひとつの要因は、
力とエネルギーに属することにもあります。

タート博士は述べています。

「自己想起の初期の難しさを理解するのに
役立つ類比がある。
われわれの注意力は筋肉―
われわれの心的機能が
あまりに自動化してしまっているので、
自分の側のなんの努力もなしに
われわれの注意を
その自動的な通路に沿って
いともたやすく運んでくれるため、
ほとんど使われることのない、
そういう筋肉―
のようなものである。
今あなたはそのたるんだ筋肉を
意図的な注意のために
使い始めているのだが、
しかし意図的な努力に慣れていないので、
それはすぐに
疲れてしまうのである。」
(前掲書)

また、慣性によってすぐ自動化する、
私たちの心の普段のふるまいに合わないからだとも、
いえます。
グルジェフは、
心の自動化を防ぐため(常に目覚めるため)、
自己想起を重視したので、
当然といえば当然なわけです。

「困難は、
必要とされる注意力と
努力の連続性を
維持することにある。
私の経験では、
自己想起は自動的にはなりえない。
あなたは常に、
それを意志的に行うことに、
意図的で意識的なわずかな努力と注意を
当てなければならないのである。」
(前掲書)


◆自己想起の存在論的な強度

たとえば、
タート博士は、以下の文にあるように、
自己想起の実践で起こる感覚を、
「透明さ」
「より存在しているという感じ」
と呼んでいますが、
多くの人が、
自己想起の中で、
そのような、濃密化する存在感を、
感じ取るのです。

「人々が
『感じること、見ること、聞くこと』を
初めて試みる時、
彼らは、しばしば、ある種の微妙な透明さ―
その瞬間の現実により敏感で、
より存在しているという感じ―
を体験する。
それは、合意的意識では味わうことができず、
また、事実、
言葉では適切に述べることができない、
そういう種類の透明さである。
たとえば私は、
それを『透明さ』と呼ぶことにさえ
自分がいささかためらいを感じているのに
気づく。
と言うのは、その言葉は
(あるいは、それに関するかぎりでは、
いかなる特定の言葉も)
それ(透明さ)が安定した、
変わらない体験であることを
含意しているからである。
それはそうではない―バリエーションがある―のだが、
しかしそのことは、
あなたがこの種の自己想起を実践すれば、
自分で発見するであろう。」

これは、
ある種のマインドフルネスで、
人が、はじめのうち、
新鮮に体験する領域と、
近いものでもあります。

ちなみに、ここで、
「合意的意識」と呼ばれているのは、
既成の社会の集合的合意によって、
催眠をかけられている、
普段の私たちの日常意識のことです。
「合意的トランス」とも、
呼ばれたりしています。

催眠の専門家でもあるタート博士は、
グルジェフと同じように、
私たちの日常意識とは、
社会集団が、成員に押しつけたい、
合意的な信念(ビリーフ)によって、
催眠をかけられている状態であると、
喝破しているのです。

そして、
その催眠を解くには、
自己が同一化している、
さまざまな自動的な自我状態に、
刻々気づく、自己想起の状態が、
必要であるとしているわけです。

自己想起が育つことで、
私たちは、
自分の自動化に気づき、
そのパターンを中断し、
より意識的な統合を、
なしていくことが、
できるわけなのです。


◆自己想起の構造・原理・効能

さて、そのような、
私たちの催眠にかけられた、
複数の自我状態(副人格)と、
自己想起self-rememberingの、
構造的関係を、
次に見てみましょう。

ゲシュタルト療法における、
気づきawarenessと、
複数の自我を扱う、
ワーク(セッション)のアプローチと、
大変近いことが分かると思います。

「基本的に、自己想起は、
とりわけ、任意のいずれかの時の
あなたの意識の特定の中身と同一化せず、
あなたの全体性の跡を
つけていくことができる、
そういう意識の一側面を
創り出すことを伴う。
それは、合意的トランスからの
部分的ないし完全な覚醒である。」

また、
「自己観察」と対比しつつ、
自己想起の特性を、
以下のように述べます。

「自己想起でも
同じ内容の世界および体験を
観察することができるが、しかし
観察のレベルまたは源泉が異なる。
注意を分割し、それによって、
両腕両脚中の感覚のような何か他のものに
同時に注意を留めながら、
通常よりもずっとよく観察いられるようにすべく
行使される意図的な意志は、
普通の心の外側のレベルで作用する機能を
創り出す。
あなたは起こりつつあることに心を奪われない。
あなたが―
『独立して』という用語が
通常用いられているよりも
はるかに大きな意味で―
独立して存在する、
そういう仕方があるのだ。」
(前掲書)

ここでも、
「普通の心の外側のレベルで作用する機能」
「あなたは起こりつつあることに心を奪われない」
「独立して存在する」
と、自己想起のつくる、
心的機能の新しい支点(中心)が、
私たちの自動化を超克する機能として、
指摘されています。

「自己想起とは、
われわれの分離した諸機能を
より統一された全体へと
まとめ上げることをさす用語である。
それは、
あなたという存在の(理想的には)全体、
あるいは、少なくとも
その全体のいくつかの側面が、
意識の詳細と同時に
心に留められるような仕方での、
意識の意図的な拡大を伴う。
それは、
われわれの知的な知識はもちろん、
われわれの身体、われわれの本能、われわれの感情を
想起することであり、
それによって
われわれの三つの脳の発達と機能の統合を
促進するのである。
このより広い範囲に及ぶ注意は、
われわれが体験の詳細に熱中し、
それらの詳細および
そのような熱中に伴う
自動化した機能と
同一化することを防いでくれる。
通常の自動化した同一化と
条件づけのパターンの外側に
意図的な意識の中心を
創り出すことによって、
われわれは、より多く目覚め、
より少なくトランス状態に陥っている自己―
主人のための土台―
を創り出すことができ、
それによって
われわれはより良く自分自身を知り、
より効果的に機能することが
できるのである。」
(前掲書)

さて、
ここでは、
自己想起の狙いでもある、
「意識の意図的な拡大」が、
指摘されています。

私たちは、
そのような意識の拡張を通して、
分裂と自動化を超え、
より統合した存在に、
近づいていくのです。

このような構造にも、
ゲシュタルト療法や、
当スペースが記している、
方法論との共通点が、
うかがえるかと思います。

実際、ゲシュタルト療法に、
グルジェフの観点を持ち込むことは、
大変、益の大きなことなのです。

また、
このような構造的連関で見ていくと、
気づきawarenessと言われている状態に、
自己想起self-rememberingと同じく、
どのような強度が無ければならないのか、という、

前段(冒頭)の論点も、
より見えやすくなって来るのです。

そのような意味でも、
この自己想起self-rememberingの視点は、
気づきawarenessを考える上でも、
大変、参考になるものとも、
なっているのです。

また、興味深いことは、
グルジェフ自身は、
この自己想起の成長の先に、
「客観意識」という、
次の状態があることも、
示唆しているという点です。

自己想起は、
まだまだ不安定な状態ですが、
それが確固として、
安定した状態があるとしているのです。

そのような観点(考え)も、
本書で扱っている、
意識の階層構造の仮説と、
通ずるものがあり、
意識の海図を構成する上での、
また、実践を進める上での、
興味深いヒントと、なるものなのです。
映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識
「聖霊」の階層その3 意識の振動レベル


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。





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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

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気づきと変性意識の技法 基礎編
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カスタネダと「世界を止める」


さて、前回、
攻殻機動隊に出て来る、
「疑似体験の迷路」
という言葉を素材に、
私たちの日常的現実について、
考えてみました。
映画『攻殻機動隊』2 疑似体験の迷路と信念体系

そして、
私たちの日常的現実や、
日常意識も、
疑似体験の迷路と、
そんなに違うものでもない、
ということについて、
考えてみました。

加えて、そのような、
日常意識の中身を、
見抜くのに、
変性意識状態(ASC)からの視線が、
有効であることについても、
見てみました。

さて、今回は、
そのような、
疑似体験の迷路としての、
日常意識に、介入するための、
より身近な視点について、
考えてみたいと思います。


◆カスタネダと「世界を止める」

カルロス・カスタネダといえば、
人類学者として出発し、
インディアンのシャーマンに、
弟子入りすることで、
そのサイケデリックな世界観を、
内側から報告する作家として、
有名になりました。

その後、
作品の語り口は、
さまざまに変貌し、
途中からは、
南米の古代的なシャーマニズムや、
その独特の世界観や方法論を、
伝える作家となりました。

カスタネダの師匠であった、
ドン・ファンの実在性そのものが、
創作であると疑われているように、
カスタネダの語っていることが、
本当に、伝統的なシャーマニズムの、
ものであるか否かは、分かりません。
(本人は、事実であると明言していますが)

ところで、
そのようなカスタネダの、
有名になった言葉のひとつに、
「世界を止める」
という言葉があります。

私たちの「世界」とは、
私たちの内的なおしゃべり、
内的な対話によって、
作り出されている、
という事柄に由来する、
言い回しです。

私たちは、いつもいつも、
「世界とは、こういうものだ」
「世界とは、かくかくしかじかのものだ」
と、自分自身に向かって、
言い聞かせることで、
この「世界」を維持していると、
カスタネダは指摘するわけです。

そして、
その内的対話を止め、
世界を止める、ということが、
真のリアリティへの道である、
というわけなのです。

この内的対話は、
信念体系(ビリーフ・システム)の、
働きとも、連動して、
私たちの知覚・認知する世界を、
保持しているのです。
NLPニューロ・ロジカル・レベル(神経論理レベル)の効果的な利用法

「その点に関する
ドン・ファンの説明はこうだった。
われわれは
みずからに語りかけることによって、
世界にたいする自分の知覚を強化し、
それをある一定レベルの効率と機能に
保っておけるのである。
『全人類が、
内的対話によって確固たるレベルの
機能と効率を保っているのだよ』
いつだったか彼が私にいったことがある。
『内的対話は、集合点を全人類が
共有する一点へ固定しておくための鍵なのだ。
その一点とは、肩甲骨の広さの、
腕をいっぱいに背後へ伸ばしたところにある。
内的対話とは正反対のもの、
すなわち″内的沈黙″を達成することによって、
実践者は集合点の固定した状態を
打破することができ、
知覚の驚くべき流動性を
獲得することができるのだ」
カスタネダ『呪術の実践』(結城山和夫訳、二見書房)

ここでは、
「集合点」という、
知覚を編集するエネルギー・ポイントが、
言及されていますが、
この興味深い内容については、
別の機会に譲りましょう。

この集合点云々の説明を、
抜きにしても、
また、暗喩として、とらえたとしても、
ここで、語られている事態の、
意味合いや妥当性は、
理解されるかと思われます。

私たちが、
内的対話を続けることで、
世界体験を、反復的に、
自己産出しつづけていることは、
明らかなことと、
思われるのです。

私たちの内面を、
冷静に振り返ってみても、
自分がいつもいつも、
自分の中で、おしゃべりを、
し続けている(止められない)ことに、
気づかれるかと思います。

私たちは、
このような、
おしゃべりを止められないのです。

このような、
おしゃべり自体が、
偏向的な性格によって、
自動的に反復されている、
「疑似体験の迷路」
ともいえるものなのです。

これらの内的対話を止めることで、
私たちは、
妨げられることなく、
より直接的に、
世界というものを、
体験していくことが、
出来ることにもなるのです。

その世界とは、
おしゃべりに曇らされることなく、
生き生きと、
陽光にみちた、
より色鮮やかな世界でも、
あるのです。


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気づきの3つの領域 エクササイズ

◆気づき awarenessとは

 

ゲシュタルト療法では、

〈気づき〉 awareness

の持つ機能(力)を、

とても重視しています。

 

この点が、

ゲシュタルト療法を、

単なる心理療法を超えて、

禅や各種の瞑想流派に

近づける要素でもあります。

 

これは、

〈気づき〉という機能が、

通常の注意力や意識に対して、

メタ(上位)的な働きを含め持ち、

それらを統合していく力を、

持っているからです。

 

「『気づく』ことは、

クライエントに自分は感じることができるのだ、

動くことができるのだ、

考えることができるのだということを

自覚させることになる。

『気づく』ということは、

知的で意識的なことではない。

言葉や記憶による『~であった』という状態から、

まさに今しつつある経験へのシフトである。

『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

 

気づきの力は、

自分が意識している体験自体に、

気づくことができるのです。

 

ゲシュタルト療法では、

この気づく能力を高めることで、

統合的なプロセスを進め、

治癒過程を深めていくのです。

 

「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、

行動への可能性をひらくものである。

決まりきったことや習慣は学習された機能であり、

それを変えるには

常に新しい気づきが与えられることが必要である。

何かを変えるには別の方法や考え、

ふるまいの可能性がなければ変えようということすら考えられない。

『気づき』がなければ新しい選択の可能性すら思い付かない。

『気づき』と『コンタクト』と『現在』は、

一つのことの違った側面であり、

自己を現実視するプロセスの違った側面である。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

 

パールズは、

「自覚の連続体 awareness continuum」

とも呼びましたが、

意図的な気づきの力は、

それだけでも、

心の治癒を促進する、

大きな効力を持つものです。


 

気づきの3つの領域

 

さて、

ゲシュタルト療法では、

気づきがとらえる3つの領域を、

区分しています。

 

通常、人は、

無自覚(無意識)のうちに

注意力を、

これらの各領域に、

さまよわせています。

 

ゲシュタルト療法では、

自分の注意力が、

どの領域にあるのかに、

瞬間瞬間、

気づくことによって、

また、

各領域にバランスよく注意を向け、

気づけるようになることを通して、

統合のプロセスを、

促進していきます。

 

3つの領域とは、

上に図にしたように、

外部領域、内部領域、中間領域と呼ばれます。

それぞれは、以下を意味しています。

 

外部領域

 →目の前や周りの環境、自分の皮膚の外の世界です。

  自分が、外部として、対象化する世界です。

 

内部領域

 →自分の皮膚の内側の領域です。

心臓の鼓動、動悸、胃の痛み、血流、体温、興奮等々、

内的な感覚です。

 

中間領域

 →思考と空想の領域です。

  外部でも内部でもない世界です。

諸々の想念(心配、不安、希望、意欲、妄想)の

るつぼです。

 

ゲシュタルト療法では、

「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」で見たように、

環境に生きる生き物として、

内部への「引きこもり」から、

外部への「接触(コンタクト)」までの、

欲求行動を、

速やかに、とらわれなく、

自由に実行できることを、

健全な能力と見ます。

 

しかし、人は、

さまざまな要因(トラウマや癖)により、

偏った領域に、

「注意力」を、

集めがちです。

 

たとえば、外部領域で、

傷つきやトラウマの体験を持った人が、

中間領域(空想や思考の領域)に、

引きこもりがちになってしまうというのは、

常識的な感覚からいっても、

納得されることでしょう。

 

そして、

自分が、無自覚に、

どの領域に、

「意識」や「注意力」を、

向けているかに、

〈気づき〉を持てるだけでも、

その偏差に対する、

統合(修正)効果となるのです。

 

 

気づきのエクササイズ Exercise

 

さて、そのため、

ゲシュタルト療法では、

以下のような、

「気づきのエクササイズ」を、

行なっていきます。

 

このことを通して、

自分の「意識」や「注意力」の、

偏りの持ち方に

気づいていくのです。

 

ABの二人が、

一組になって行なう、

エクササイズです。

 

1人が、

相手の人に、

問いかけを続けます。

(数分間つづけます)

問いかける側が、

応える人の答えを、

メモしていきます。 

 

A: 「あなたは、今、何に、気づいていますか?

B: 「私は、今、○○に気づいています」

 

Bの答えの例としては、

 

「私は今、

 あなたの声のかすれに、気づいています」 

 →外部領域

私は今、

 首の痛みに気づいています」 

 →内部領域

私は今、

 明日の会社の仕事を考えているのに気づいています」 

 →中間領域

等々がありえます。

 

これを、

数分続けます。

 

エクササイズ終了後、

振り返りの中で、

それらの回答(気づき)が、

3つの中の、

どの領域に、分布しているかを、

お互いに見ていきます。

 

人によって、

ある領域が、多かったり、

ある種の傾向性があったりと、

自分の癖やパターンが、見えてきます。

 

ゲシュタルト療法では、

このパターンの偏りが、

心の可動域をせばめたり、

充分な体験を阻害したりと、

能力の制限にもなっていると考えます。

 

この部分を、

ゲシュタルト療法では、

ワーク(セッション)などを通して、

心の可動域が広がるようにします。

 

この能力は、

頭(中間領域)で理解しただけでは、

なんの解決にもなりません。

 

日々の気づきと、

ゲシュタルト療法的な実践の中で、

3つの領域に、

自在に〈気づき〉をめぐらせる訓練の中で、

開放されていくものなのです。

 

現代人の場合、特に、

「中間領域」(空想領域/心配/妄想)への耽溺が、

大きな特徴として上げられます。

思考過多(中毒)なのです。

 

ゲシュタルト療法のアプローチは、

この現代人の中間領域志向についても、

強い解毒作用を発揮します。

この点などが、などとの共通点ともなっているのです。

 

ゲシュタルト療法普及の初期に、

その実存主義と禅の風味を強調した時代に、

クラウディオ・ナランホが示した、

ゲシュタルト療法の基本姿勢は、

このあたりの感覚を、よく表現しています。

ゲシュタルト療法の基本姿勢


関連記事

→気づきawarenessと自己想起self-remembering


 


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ゲシュタルト療法とは はじめに

ゲシュタルト療法 gestalt therapyは、

フリッツ・パールズ Fritz Perlsらによって

創始された心理療法であり、

主に、1960年代後半、

パールズが晩年をすごした、

米国西海岸のエサレン研究所

中心に、一般的には広まりました。

 

1960年代の当時、グループ・セラピーである、

エンカウンター・グループ encounter groupなどとともに、

「自己成長のための心理療法」として、

ゲシュタルト療法は、注目を集めたのでした。

 

当時は、

治療のためだけに心理療法を受けるのではなく、

人々が、

自分の問題解決や、能力の開発、

また、心の可能性(解放)を探るために、

新しいタイプの心理療法(体験的心理療法)を、

試してみたのです。

 

「私は、以前より、開かれ自発的になりました。
自分自身をいっそう自由に表明します。
私は、より同情的、共感的で、忍耐強くなったようです。
自信が強くなりました。
私独自の方向で、宗教的になったと言えます。
私は、家族・友人・同僚と、より誠実な関係になり、
好き嫌いや真実の気持ちを、
よりあからさまに表明します。
自分の無知を認めやすくなりました。
私は以前よりずっと快活です。
また、他人を援助したいと強く思います」
(ロジャーズ『エンカウンター・グループ』畠瀬稔他訳、創元社)

 

これは、

エンカウンター・グループ体験者の言葉ですが、

このような心のしなやかさや感度の獲得は、

体験的心理療法のセッションを深めて、

それが十分な、心理的統合を達成した場合の、

おおよその共通した要素といえます。

ゲシュタルト療法においても、

同様の心理的統合が、実感されていきます。

 

 

◆気づき awareness の力

 

ところで、

ゲシュタルト療法では、

気づき awarenessの能力というものを、

とても重視します。

そこに、心理的な変化を生み出す、

重要な能力(支点)を見るのです。

 

パールズは言います。

 

「『気づく』ことは、クライエントに

自分は感じることができるのだ、

動くことができるのだ、

考えることができるのだということを

自覚させることになる。

『気づく』ということは、

知的で意識的なことではない。

言葉や記憶による『~であった』という状態から、

まさに今しつつある経験へのシフトである。

『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる」

 

「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、

行動への可能性をひらくものである。

決まりきったことや習慣は学習された機能であり、

それを変えるには

常に新しい気づきが与えられることが必要である。

何かを変えるには別の方法や考え、

ふるまいの可能性がなければ

変えようということすら考えられない。

『気づき』がなければ

新しい選択の可能性すら思い付かない

(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

 

このように、

「今ここの気づき」のなかに、

変化と飛躍の因子が、

潜んでいるのです。

(※ベイトソンのいう、

三次学習(学習Ⅲ)の微細な因子が含まれているのです)

 

もし、何かが変化するとしたら、

それは、

「今ここの気づき」

を通してしか、

起こらないのです。

 

セッションの時間の中では、

このような、

「今ここでの、気づき」

で得たことを利用して、

さまざまな取り組みを、

行なっていきます。

 

クライアントの方は、

セッション空間の中で、

その瞬間の気づきで得たことをもとに、

実際に、実験的に、

新しい自己表現を試してみます。

 

そのことで、

「自分が、新しい行動をとれること」

「自分が、新しい感情を味わい、表現できること」

を、まざまざと実感していくことになるのです。

 

子どもの頃のように、

自分が、制限されていない、

自由で可能性に満ちた存在であることを、

実感していくことになるのです。

 

そして、

そのようなセッションを重ねることで、

クライアントの方の中に、

確実な変化や力が、

実現・蓄積されていくことになるです。

 

※パールズとベイトソンは、

同時期に、エサレン研究所に滞在していました。

あまり仲は良くなかったようですが…


……………………………………………………

 

さて、

ゲシュタルト療法が広まった当時は、

カウンター・カルチャー(対抗文化)的な思潮の、

盛んな時期でもありました。

のちにアップルをつくる若きスティーブ・ジョブズが、

サンフランシスコ禅センターなどに、

通ったような時代です。

 

そのような時代の雰囲気の中で、

ゲシュタルト療法のもっている、

風変わりで直截的なスタイルが、

そのめざましい治癒効果とあいまって、

注目を浴びたのでした。

 

しかし、時代の流行も去って、

ゲシュタルト療法も、

さまざまな効果検証を経ながら、

時代とともに、そのスタイルやアプローチ方法を、

洗練させてきました。

時代によっても、個人の療法家によっても、

そのスタイルは多様です。

 

ただ、ゲシュタルト療法の持っているエッセンスは、

今も変わらずに、

その可能性と有効性を、

秘めているといえます。

 

当スペースでは、

そのようなゲシュタルト療法を使って、

心の悩みの癒し、

人間関係の改善、

自信の回復、

能力や創造力の開発など、

さまざまな心理的サポートを、

提供しています。

 

※ゲシュタルト療法の効果は

→「セッションで得られる効果」

 

※実際のセッションのイメージは

→「セッション(ワーク)の実際」

 

※当スペースについて

→フリー・ゲシュタルト・ワークス



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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法【基礎編】

ゲシュタルト療法【実践・技法編】

ゲシュタルト療法【応用編】

「セッション(ワーク)の実際」

 

【PART2 Standard】

気づきと変性意識の技法 基礎編

変性意識状態(ASC)とは

「英雄の旅」とは

体験的心理療法

禅と日本的霊性

NLP 普及・効果・課題

野生と自然

 

【PART3 Advanced】

気づきと変性意識の技法 上級編

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