フリー・ゲシュタルトな気づき

心理学と変性意識(ASC)を身につけて、 自由さ、創造性、アウトプットを獲得する フリー・ゲシュタルト・ワークス 〈流れる虹のマインドフルネス〉で、 あなたのコーチングやカウンセリングに、 プラスαアルファの魔法を

心理学と変性意識(ASC)を身につけて、
 自由さ、創造性、アウトプットを獲得する
  フリー・ゲシュタルト・ワークス
〈ゲシュタルト〉と〈流れる虹のマインドフルネス〉で、
 あなたのコーチング・カウンセリングに、
  プラスαアルファの魔法を

フリー・ゲシュタルト・ワークスは、
「心理学」―ゲシュタルト療法―
をベースに、
・目標達成や願望実現、成功獲得
・卓越したパフォーマンスや影響力の発揮
・能力と才能(天才性)の開発
・自信や意欲の増進(回復)
・人間関係や心の葛藤解決
・並外れたアウトプット(成果)の創出
・意識や知覚力の拡張(変性意識の習熟)
など、
心の能力を育て、増大するための、
セッションや方法論を、
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また、能力・創造性開発の、
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ゲシュタルト療法と、変性意識状態(ASC)を、
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体験的心理療法

ホドロフスキー氏とサイコ・シャーマニズム


◆知らされた消息

昔は、
アレハンドロ・ホドロフスキー監督といえば、
ジョン・レノンが惚れ込んだ、
『エル・トポ』や、
その後の『ホーリー・マウンテン』などの、
カルト・ムービーの映画監督として、
有名でした。

その後は、
『サンタ・サングレ』など、
わずかな作品の紹介はありましたが、
長く、その消息を耳にすることもなく、
彼が、活動しているのか、していないのかさえ、
分からない状況でもありました。

(昨今では、
その多様な作品や活動が、
知られる状態となっており、
昔日の状況を思うと、
少し不思議な気持ちにさせられます)

さて、長く、
そのような状態であったため、
自伝として届けられた、
『リアリティのダンス』(青木 健史訳/文遊社)は、
ホドロフスキー氏の、
その間の消息を伝えてくれる、
貴重なドキュメントとなっていたわけです。

そして、その内容は、
『エル・トポ』以前も、以後も、
彼が、実に濃密で、
精力的な活動を、
生涯の探求として
推し進めていたことを、
知らせてくれるものでもあったのです。


◆サイコ・シャーマニズム

さて、
その自伝的な内容ですが、
シュルレアリスム(超現実主義)や、
パニック演劇との関係など、
アート系の活動は、
比較的、予想がつく範囲内での、
内容であったわけですが、
その延長・周辺で、
さまざまな精神的探求の活動も、
同時に推し進めていたというのは、
驚きでもあり、
納得的な事柄でもありました。
(『サンタ・サングレ』は、
心理療法的な物語でした)

そして、
(本物らしき?)カルロス・カスタネダや、
アリカ研究所のオスカー・イチャーソなど、
その関係での、
人々との交流や、その描写も、
とても興味深い内容となっていたのでした。

中でも、
多くの紙数を割いている、
サイコ・シャーマニズム、
サイコ・マジック関連の記述は、
その内容の具体性からも、
方法論的な見地からも、
大変貴重なドキュメントとなっているものです。

当スペースのように、
心理療法や、変性意識状態(ASC)、
シャーマニズムや、創造性開発を、
方法論的なテーマにしている者にとっては、
特に、そうであったわけです。

ところで、
彼のいうシャーマニズムとは、
いわば、
「本物のシャーマニズム」です。

通常、現代社会の中で、
シャーマニズムという言葉が、
方法論的な概念として使われる場合、
 (当スペースなどもそうですが)
多くは、その構造的なモデルを、
利用するために使われているものです。

変性意識状態(ASC)を含んだ、
意識の運動性や、
心理的変容を描くのに、
シャーマニズムのモデルが、
とても有効に働くという、
見地からです。
内容紹介 拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

それは、必ずしも、
伝統社会のシャーマニズムのように、
信念体系(世界観)として、
使われているわけではないのです。

そのような意味では、
ホドロフスキー氏のシャーマニズムは、
本物のシャーマニズムにより近いもの、
もしくは、
本物のシャーマニズムとなっているわけです。

そこでは、精神が、
物質の情報を、
書き換える力を持つことを、

もしくはその区分が無いことを、

前提と(確信)しているものでも、
あるからです。

まさに、
マジック・リアリズム(魔術的現実主義)、
なわけです。

そして、もし、
ホドロフスキー氏の施術が、
事実であるとしたなら、
私たちは、
物質・精神・情報についての、
近代的な世界観を、
少し考え直さなければならない、
というわけなのです。

そのような意味においても、
本の中では、
施術のディテールを、
詳細に、記してくれているので、
その点でも、非常に参考となるものに、
なっているわけです。

そして、
その可否や評価については、
各人が、
さまざまな自分の経験を通して、
検証していくしかないものと、
なっているのです。


◆心と信念の影響範囲

さて、
この最後の点(世界観)についていえば、
前回、取り上げた、
NLPの神経論理レベルの中における、
信念(ビリーフ)などとも、
関係して来る事柄といえます。
NLPニューロ・ロジカル・レベル(神経論理レベル)の効果的な利用法

NLPの、
神経論理レベルにおいては、
「信念」という階層が、
実現可能性(できる)の上に、
位置しています。

このこと(世界観)は、
通常、人は、
信念の内あることのみを、
実現できる、
ということを、
意味しているわけです。

信念が、
人のリアリティの範囲を、
確定していくという、
世界観です。

ところで、
ホドロフスキー氏の、
サイコ・マジックを原案にし、
彼自身も出演した映画、
『Ritual(邦題ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリー)』
では、
主人公が、
癒しのために受ける儀式(施術)に対して、
恋人の男が、しきりに、
「信じるな」と、
連呼します。

彼の世界観では、
魔女のような施術者が行なう、
儀式などは、迷信以外の、
何ものでもない、
というところなのでしょう。

そして、
映画の最後は、
主人公の儀式(施術)を妨害して、
台無しにした結果、
その恋人が、
主人公に殺されてしまうという、
結末となっています。
(本当は、この施術の結果として、
主人公の苦痛と妄念は、
取り除かれるはずたったのです)

つまり、
恋人の男は、
「信じない」ことによって、
自らの命を、
落としたともいえるでしょう。

では逆に、
彼が、信じていた世界とは、
果たして、どのような世界だったのでしょう。
主人公や、施術者が、信じる世界より、
彩り豊かな世界だったのでしょうか…


さて、
ホドロフスキー氏の作品や活動は、
この他にも、
非常に多岐に渡っていますが、
そのどれもが、
現代社会を覆う、
私たちの制限的な信念(リミティング・ビリーフ)を超えた、
生や現実の豊かさを、
教えてくれるものとなっているのです。

そのような意味において、
ホドロフスキー氏の世界は、
現代では数少ない、
本物のマジック・リアリズム、
となっているわけなのです。



※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
をご覧下さい。






【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
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変性意識と天国的な身体


以前、

映画『マトリックス』について語る中で、
通常の私たちの意識が、
過ごしている世界が、
認知的な残像でしかないことについて
触れました。

→『映画マトリックスのメタファー 残像としての世界

そして、
体験的心理療法的な、
心身一元論的解放が、
私たちに別の世界を、
垣間見せてくれることについて、
記しました。

ここでは、
(去年16年ぶりの新譜を出した)
アヴァランチーズThe Avalanchesの、
昔のミュージック・ビデオ(PV)、
楽しくも、感動的な、
Since I Left You
を素材に、
私たちの中にある、
変性意識状態と、
天国的身体の獲得について、
記してみたいと思います。





この動画は、
ストーリー仕立てになっています。

冒頭のシーンは
生き埋めになった
炭鉱夫二人が、
途方に暮れている情景です。

すると、
どこからともなく音楽が
聴こえてきます。

音の方向を掘り崩すと、
そこに板があり、
それを開けると、
二人の女性が、
彼らを、迎えるように、
見つめているのです。

そこでは、
何やら、
ダンス・オーディションのようなことが、
行なわれているのです。

さきの女性のダンサーたちが、
踊るのを見ていた、
片方の鉱夫(相棒)は、
フラフラと
音楽に誘われるように、
ダンスに加わっていきます。

そして、
最初のうち、
動きも硬かった相棒は、
だんだんと、
こなれたステップを、
取りはじめるのです。

何かから、
解き放たれるかのように、
徐々に、
華麗なステップを、
取りはじめるのです。

そして、
最後には、
素晴らしい大回転(ジャンプ)を、
決めるのです。

拍手喝采となります。

そして、
ふと、彼の姿を見ると、
そこには、
光に包まれた、
彼の姿があったのです…

さて、
このビデオには、
最後に、
種明かしがあります。

老人になった、
踊らなかった男が、
回想して語ります。

救出されてからは、
彼(相棒)とは会っていない。
でも、彼がどこに行ったとしても、
彼は、素晴らしい時を過ごしていると思うよと。

つまり、
この動画の情景は、
いわば、
臨死体験の、
風景だったわけです。
語っている男は、
この世に戻り、
踊っていた相棒は、
光の国に行ったのです。

動画には、
最初の時点で、
すでに仕掛けがあります。

板の扉を開けた時点で、
Welcome to paradise, paradise, paradise
と声が聞こえているのです。

つまり、
このオーディションは、
そもそも、
彼ら自身の、
天国へのオーディション、
だったわけです。

だから、
女性たちは、
明るい不思議な眼差しで、
彼らを、迎えたのです。
そして、
相棒の彼は、
オーディションに受かって、
向こうの世界に、
行ってしまったわけです。

さて、
そのことが分かると
この映像は、
どのように見えて来るでしょうか。

フラフラと、
踊りに加わった相棒は、
この世に残った男より、
すでに、あの世に近いところにいた、
というわけですが、
これは、おそらく、
メタファーとして、
とらえられると思います。

フラフラと、
審査員の前に出た、
相棒の彼は、
まるで、
ふと何かに気づいたかのように、
踊りはじめます。

音楽のグルーヴに
身を任せつつ、
徐々に、
しなやかになっていきます。

最初はぎこちなかった、
身のこなしも、
だんだんとほぐれてきて、
しなやかな波動を、
放ちはじめます。

女性ダンサーたちや、
音楽と、
ひとつに、なっていきます。

おそらく、彼が、
それまでの人生の中では、
さまざまな重みから
とれなかったであろうような、
彼本来の、
軽やかなステップを、
取り戻していくのです。

踊る中で、
彼から、
さまざまな「この世」的なものが、
脱落していきます。

彼は、
自分の自由なステップ自身に
なっていくのです。

解き放たれていくのです。

そして、
「本来の彼」自身に、
なっていくのです。

また、
踊りに加われない炭鉱夫も、
とても重要です。

彼ら二人は、
どちらも、
私たちの内側にいる存在(自我)
だからです。

私たちの中には、
踊れないと思っている自分と、
本当は素晴らしく踊れる自分とが、
います。

通常、私たちは、
勝手に、
自分は踊れない、
と思っているだけです。

しかし、
そんな踊れない自分でさえ、
解放された相棒の、
素晴らしいステップを見ていると、
自分も思わず身体を揺らして、
タンバリンをたたいてしまうのです。
(最後のシーンに、
天国のダンスを忘れなかった証として、
彼のタンバリンが映っています)

そんな風に、
自分の中の、
踊れる自分を、
活かしていくことが、
大切なのです。

私たちは、
自分の天国的な音楽に、
本来の自分の音楽に、
身を任せきることができれば、
皆、踊れる存在なのです。
それが、
私たちの本来の姿なのですから。

相棒の男が、
しなやかに、
解放されていく姿は
私たちの心を打ちます。

それは、
私たちの皆が持っている、
本来の姿だからです。

反復される歌詞も、
別のことを語っていません。

Since I left you
I found the world so new
Everyday

あなたを後にしてから
毎日、毎日、
世界を、とても新しく感じていた

私たちは、
思い込みの、
残像としての世界を離れれば、
いくらでも、
解き放たれた、
新しい世界を、
見つけだすことができるのです。

それは、
今まで、
感じたこともなかったような、
カラフルで、
鮮やかな世界です。

映像では、
向こう側の世界が、
カラーで、
こちら側の世界が、
白黒になっていることにも、
それは暗示されています。
(だから、最後、
踊らなかった男は、
白黒に戻っていくのです)

心身を解き放っていく中で、
そのように、
色あざやかで、
光に包まれた存在の次元(天国的身体)を、
変性意識的に、
自分の内に、
持つことができるのです。

そのような、
二重の存在として
この世を生きることが、
可能なのです。

素晴らしい時は、
死後にあるわけではないのです。
それは、
今ここで得ることが
可能なのです

天国へのオーディションを、
軽やかに突破して、
自分の本来の天国を持つことが、
可能なのです。

それには、
相棒の彼のように、
事態に、
気づいて、
自分自身のステップを、
踏みはじめることです。

最初は、
上手くできなくても、
いいのです。

音楽の流れに身を任せて、
グルーヴのままに、
身体を動かしていくことです。

そのうち、
身体のかたさも、
とれてきて、
流れや波動に、
乗りはじめます。

身体の動きが、
天国の音楽と、
ひとつになっていきます。

自己の内側に、
変性意識的な、
天国的身体が、
生まれてきます。

まずは、
一歩、一歩、
生活の中で、
自分本来の、
ダンスのステップを
取りはじめることです。

まずは、
埋もれた壁の向こうから、
聴こえて来る音楽に、
耳を澄まし、
自分の本来のグルーヴを
感じ取ることから、
はじめることです。

そのことで、
私たちの人生に、
毎日、毎日、
新しい世界を、
見つけることができるのです。
 

 


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心理学的に見た「チベットの死者の書」

50死者の書



 

「チベット死者の書」という、

有名な書物があります。

 

チベット仏教のカギュ派の、

埋蔵教(偽典)として知られる書物ですが、

この本は、ゲシュタルト療法はじめ、

体験的心理療法や、変性意識状態のことを考える上で、

とても参考(モデル)になる本です。

 

今回、ここでは、その「チベット死者の書」を、

ティモシー・リアリーらが、心理学的にリライトした、

『サイケデリック体験 The Psychedelic Experience』※

(『チベット死者の書 サイケデリック・バージョン』菅靖彦訳 八幡書店)

をもとに、色々と見ていきましょう。

 

 

◆バルドゥ(中有)と心の構造

 

まず、死者の書が、

何について書かれた経典(本)であるかというと、

「人が死んでから、再生する(生まれ変わる)までの、

49日間(仏教でいうバルドゥ/中有)のことが

書かれた経典(本)である」

ということです。

 

人間が、生まれ変わることが、

前提となっているというわけです。

ただ、この前提は、この経典(本)を読むにあたって、

無視しても構わない前提です。

 

なぜなら、語られている内容は、確かに死に際して、

心の底から、溢れてくる出来事ということになっていますが、

それは、心の構造そのものに、

由来するものと考えることができるからです。

 

だから、生きている私たちにも、

同様に存在している心の世界だと、

とりあえずはいえるからです。

 

ティモシー・リアリーらが、

この経典(本)をリライトしたのも、

薬物による、サイケデリック体験でも、

同様の出来事(世界)が溢れてくるので、

この本を、サイケデリック・トリップの、

導きの書にしようという、意図からでした。

 

そのため、この経典(本)は、

私たちの深層の心の世界を、語っているものとしても、

読むことができるのです。

 

さて、

この経典の形式ですが、

たった今、死んだ死者に向かって、

語りかける言葉(声かけ)が、

形式となっています。

 

その死者が、見ているだろうものを告げ、

アドバイスを与えるという、形式です。

 

「聞くがよい、○○よ。

今、お前は、○○を見ているであろう」

という感じです。

 

ところで、

死者は、死んだ後に

3つのバルドゥ(中有)を体験し、

生まれ変わるしされています。

 

しかし、

経典(本)の中心のメッセージは、

「さなざまな無数の心惹く像が、現れてくるが、

それらにとらわれることなく、

本当の眩い光明を、自己の本性と知り、それと同一化せよ」

というものです。

 

そうすれば、解脱が達成されて、

生まれ変わり(輪廻)から、

脱するというができるであろう、

というものです。

 

そりため、

3つのバルドゥ(中有)の経過が、

刻々語られますが、

それは、各バルドゥで訪れる、

解脱のチャンスの中で、

解脱できなかった者たちに、

対してであるということです。

 

 

◆3つのバルドゥ

 

さて、死者は、

3つのバルドゥを順に体験していきます。

 

①チカエ・バルドゥ

→超越的な自己の世界

→法身

 

②チョエニ・バルドゥ

→元型的な世界

→報身

 

③シパ・バルドゥ

→自我のゲーム

→応身

 

下の矢印の言葉は、

当スペースの考えで補ったもので、

一般にオーソライズされているものでもないので、

その点は、ご了承下さい。

 

さて、この3つは、心理学的には、

心の表層から、心の深層までの、

3つの地層(宇宙)を表したものと、

見ることができます。

死後の時間的遷移を、

逆に見ていくと、

この構造はわかりやすくなります。

 

 

③シパ・バルドゥ

→自我のゲーム

→応身

 の世界は、再生に近い、最後の段階です。

その世界は、もっとも身近な、

私たちの自我の世界です。

通常の心理学が扱うのも、この世界です。

リアリーらの死者の書では、

とらわれの自我のゲームを、反復してしまう世界として、

描かれています。

サイケデリックな体験の中でも、

低空飛行している段階で、

日常の自我のゲームが、再演されている状態です。

 

 

②チョエニ・バルドゥ

→元型的な世界

→報身

 

の世界は、

心の深層の世界、私たちの知らない深層世界が、

ダイナミックに、滾々と湧いてくる世界です。

死者の書では、

膨大な数の仏たちが現れてきます。

心の先験的とも、古生代ともいうべき、

元型的な世界です。

系統樹をさかのぼるような、世界かもしれません。

(サイケデリック体験などでは、

系統樹をさかのぼり、自分が、

爬虫類に戻る体験を持つ人もいます)

 

 

①チカエ・バルドゥ

→根源的な世界

→法身

 

は、根源的な、超越的な自己の世界で、

上の2つの較べて、

空なる世界に一番近い世界です。

ある面では、心理学の範疇には、

入らない部分ともいえます。

ただ、そのような世界(状態)を、

仮定することはできます。

 

リアリーらは、

この状態を、ゲームの囚われから解放された、

自由の、自然の、自発性の、

創造の沸騰する世界と見ます。

それでも、充分有効なとらえ方と言えます。

 

さて、死者の書の中では、

それぞれのバルドゥで、

「光明」が2つずつ現れてきます。

 恐れを抱かせるような眩い光明と、

より親しみを感じさせる、くすんだ方の光明の

2つです。

 

そして、恐れを抱かせるような、より眩い光明が、

根源の光明であり、それを自己の本性と見なせと、

アドバイスします。

根源の光明に共振し、同調し、

同化せよ、

ということなのでしょう。

 

よりくすんだ方の光明に惹かれるであろうが、

それに向かうなと告げます。

ただ、多くの人は、この後者の光明に向かうようです。

そして、転生への道を進んでしまうのです。

 

 

◆経過

 

さて、死者は、このような3つのバルドゥを、

経過していくのですが、

ティモシー・リアリーは、

サイケデリック体験における、

この3つの世界の、推移の仕方について、

おもしろい喩えを使っています。

 

それは、高いところから、

地面にボールを落とした時の、

「ボールの弾む高さ」

に似ているということです。

 

落ちてきたボールは、

最初は、高く弾み上がります。

2度目は、それより少ししか弾みません。

3度目は、さらに少ししか弾みません。

 

つまり、

サイケデリック・トリップの、

初発の段階が、重力(自我)から解放されて、

一番遠くの、チカエ・バルドゥまで行けて、

次に、チョエニ・バルドゥ

次に、シパ・バルドゥと、

段々と、日常的な心理的に次元に、

落ちてきてしまうという、喩えです。

 

この喩えは、私たちの心の構造や、

心の習慣、可能性を考えるのにも、

大変示唆の多いものです。

 

2つの光明の喩えといい、

私たちの中には、

大いなる自由に比して、

慣習と怠惰に惹かれるという、

何かがあるのでしょう。

 

 

◆変性意識(ASC)の諸次元として

 

さて、「チベット死者の書」の世界を、

心の諸次元の構造として、見てきましたが、

この世界は、

死の体験やサイケデリック体験を経由しなくとも、

色々な変性意識状態の中で、

さまざまに、あいまみえる世界です。

 

このモデルを、ひとつ押さえておくことで、

心理学的のさまざまなヒントになっていくでしょう。



※関連記事

→「サイケデリック体験と、チベットの死者の書」

 

※この二種類の如来についての仮説は、

「リルケの怖るべき天使 〈美〉と変性意識状態」

映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識


※変性意識状態(ASC)へのより統合的なアプローチは、

 拙著『砂絵Ⅰ  現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』をご覧下さい


※変性意識状態(ASC)の活用に特化したサイト、

「Xステーツ・テクノロジー」ご覧下さい。

 


ジョン・レノン(ビートルズ)が、

LSD体験や、この本にインスパイアされて、

Tomorrow Never Knows

という曲を創ったのは有名なエピソードです。

 

歌詞は、

Turn off your mind relax and float down stream

It is not dying, it is not dying

Lay down all thought surrender to the void

It is shining, it is shining

That you may see the meaning of within

It is being, it is being

 

わりと素直なサイケデリック体験そのまま、

という感じですが、いい具合に表現されています。




 




【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
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心理的変容の技法 見取り図

 

 

 

 

ここでは、

当スペースで、取り扱っている

ゲシュタルト療法(体験的心理療法)や、

心理的変容の見取り図について、

解説しています。

 

上に図がありますが、

これは、心の大まかな構造モデルと、

それぞれの心の部分を対象とした方法論を、

イメージとして置いたものです。

 

全体の構図としては、

深層心理学などでいう、

意識、無意識の構造が、

上下に、配置されています。

 

また、これと、

(厳密に対照するわけではありませんが、喩えとして)

心の相対的な安定性を、

上下のタテ軸としておいています。

 

 

◆各種の方法論

 

心のモデルの上に、

方法論の名称が書かれています。

  

①コーチング (NLP)

 

コーチングは、

普通に健康な人の、

意識的な側面に、働きかける方法論であり、

クライアントの方の、

「願望達成」「目標達成」などを、

サポートする方法論です。

その人の動機を高め、意欲を促進し、

成果や願望の具現化に焦点化し、

方向づけていくような、

方法論となります。

 

また、

NLP(神経言語プログラミング)も、

心理療法に、その由来を、

持つものではありますが、

その効力の多くは、

比較的軽度な、知覚操作であり、

コーチング的な主旨や範囲内で、

応用的に活用していくのが、

通例となっています。

しかし、

当スペースでは、

心理療法や変性意識状態(ASC)と、

ミックスして使用することで、

より効果的な活用を、

行なっています。

 

 

②精神医学

 

症状の重い人を対象としており、

症状の抑制や、安定化を、

目的としています。

意識的に、コントロールできる領域が、

比較的少ないという意味合いで、

図の下の方に、位置づけましたが、

まったく「無意識」の世界である、

という意味合いではありません。

 

 

③(体験的)心理療法

 

心理療法は、

幅の広い範囲を持ちます。

心の「少し調子の悪くなった人」の、

サポートという側面から、

心の「病い」の治療という側面まで、

幅をもったアプローチとなっています。

(この不調と病の違い自体、

曖昧で、相対的なものですが)

 

また、心理療法は、

各流派によって、

重視(焦点化)する心の部分に違いがあるのと同時に、

心のプログラムを修正するための、

何がしかの具体的な技法を持っています。

「意識」と「無意識(身体)」の両方に、

働きかける方法論となっているのです。

 

図では、

円の大きさが、

意識よりも、上層部(Aゾーン)まで、

広がっています。

 

これは、特に、

体験的心理療法の実践の中では、

そのような、

日常意識を超えた領域にまで、

影響が及んでいくことを、

表しています。

 

 

④変性意識状態(ASC)

 

図の一番外側にまで、

大きな円として、

変性意識状態(ASC)が、

広がっています。

これ自体は、

私たちの意識の、

本来持っている自然な機能であり、

可能性です。

 

また、

変性意識状態(ASC)自体は、

意識の様態を指す概念であり、

心理療法の方法論ではありませんが、

心理療法の中で、

ごく自然に現れて来る、

基盤的な、意識状態となっています。

また、特に良し悪しの価値を持ちません。

それ自体は、ただの状態です。

 

しかしながら、

変性意識状態(ASC)は、

心理療法の技法や、

その他の気づきの技法と、

意図的に合わせて使うことで、

潜在能力と治癒力を活性化し、

私たちの能力を、

大きく拡大していきます。

 

そのため、

心をあつかう方法論の背後に、

自分の潜在能力と、変性意識状態(ASC)が、

あることを理解し、

信頼を置いておくことは、

アプローチに際して、

とても有効なことでもあるのです。

 

 

⑤気づきの技法

 

そして、左に、上下の矢印がありますが、

これら広範囲な心の諸領域を、

横断しつつ、自在に行き来できるのが、

私たちの〈気づきawareness〉の力なのです。

 

この〈気づき〉の一点を洩もらすとなく、

心の諸々に取り組むことにより、

私たちは、

心理的な統合と、

拡張的な意識を、

手に入れることができるのです。

 

そして、

この〈気づき〉の力の、

原理的な意味合いは、

禅や各種の瞑想技法と、

同じものであるのです。

つまり、これ自体は、

とても普遍的な原理なのです。

 

この〈気づき〉の力と、

変性意識状態(ASC)とを、

原理として、

組み合わせて活用するのが、

当スペースの特色でもあります。

 

 

……

 

さて、当スペースは、

ゲシュタルト療法という、

体験的心理療法をベースにして、

コーチングやNLPを、

構成的に使っていきますので、

上の図のような、

心の広い領域を、

カバーすることとなります。

 

特に、変性意識状態(ASC)を、

意識したアプローチを持ち、

心の潜在能力や、

心の高位の要素(X意識状態等)をも、

フォローしていくことができます。

(図のAゾーンの領域)

 

また、それらの能力を組織化して、

現実的なアウトプット(成果)を出すことを、

重視していきます。

 

このことが、

クライアントの方の、

心の統合を深めることともに、

卓越した創造性を開発する方法と、

なっている理由でもあるのです。

 

 

※当スペースの、

気づきや変性意識状態(ASC)を含めた、

より総合的な方法論については、拙著↓

入門ガイド、

『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、

『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

をご覧下さい。

 

 

 

↓動画「ゲシュタルト療法と、生きる力の増大」

 

↓動画「気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス」

 

※多様な変性意識状態についてはコチラ

↓動画「ゲシュタルト療法 変性意識状態 エクスタシィ(意識拡張)」

心身一元論的・ボディワーク的アプローチ

①ボディワーク・セラピーの地平

 

ゲシュタルト療法の創始者、

フリッツ・パールズの教育分析を行なった、

ヴィルヘルム・ライヒWilhelm Reichは、

初期の精神分析運動を加速した重要人物です。

(パールズに、ライヒを薦めたのは、

カレン・ホーナイだったと言われています。

「あなたは複雑なタイプなので、

ライヒじゃないと理解できないかもしれない」と)

 

ライヒは、活動の初期から、

物議をかもす、

さまざまな先進的な知見を持っており、

その後も、キワモノ的な扱いや、

一部では、カルト・ヒーロー的な扱いもありますが、

現在においても、その考えのすべてが、

きちんとフォローされているわけではありません。

 

 

まず、ライヒは、

精神疾患において、

目立ったトピックとしての「症状」ではなく、

一見、見過ごされがちな、

「性格」という、

恒常的な運用システムについて、

早くから注目しました。

そこに、病理が、温存される「戦略」(性格戦略)を、

見抜いたのです。

 

近年、「人格障害」が、

精神疾患をはじめ、

社会のさまざまな場面で、

注目を集めるようになりましたが、

(そういう難治の事例が、増えているからですが)

この「人格(性格)」というものの運用を核とした、

システムへの洞察や、働きかけにおいても、

ライヒは、先見の明を持っていました。

「性格の鎧」とは、

彼が有名にした言葉です。

 

さらに、重要なのは、

この「性格の鎧」が、

平行して、

私たちの肉体の中に、

「筋肉の鎧」として、

存在していることに注目したことです。

 

生気のない目。

浅い呼吸。

悪い皮膚の色。

貧弱な手足。

こわばった身体の動作。

等々…

それらが、

防衛的な生活史によって、

つくりあげられた、

(「性格の鎧」とパラレルな)

「筋肉の鎧」だと、

気づいたのです。

 

そして、その肉体のブロック()、

緊張や硬化に、直接働きかけることが、

深い情動の解放を促し、

心理的な面からの解放と、

相乗効果を生み、

より一層、速く深い治癒効果となることを、

発見したのでした。

 

ここから、

ボディワーク・セラピーの、

大きな潮流が育っていくことになったのです。

 

ライヒの直弟子であった、

アレクサンダー・ローエンの、

「バイオエナジェティックス」では、

ライヒが発見した、

身体の特有のブロック箇所に、

直接働きかけるワーク/エクササイズと、

心理的な分析とを組み合わせた、

体系的なシステムを、洗練させました。

 

別章では、

呼吸と感情との関係について触れました。

人は、通常、呼吸を止めることによって、

感情の流れを止めます。

その結果、

筋肉は段々と「硬化」し、ブロックと化します。

そして、

感情の流れは、細くなり、

流れにくくなります。

生命力が、枯渇し、

精神に障害が現れます。

 

身体の特有のブロック箇所は、

背骨にそって流れるエネルギーを、

遮断するように、

背骨に対して、「垂直に」「切る」ように、

できてきます。

目、喉、胸部、骨盤等々にです。

そこに、直接的に働きかけていくのです。

 

 

②ゲシュタルト療法における心身一元論的開放

 

さて、ゲシュタルト療法の、

心身一元的論的なアプローチでは、

身体チャンネルを通して、

クライアントの意識しない多様な自我が、

現れてくることを見ました。

 

そして、

ボディ・シグナルを糸口に、

その多様な自我と、

コンタクトすること(技法)についてを見ました。

 

さて、そして、

ゲシュタルト療法においては、

その糸口から、

多様な欲求や自我状態の、

深く十全な表現、

深い十全な感情表現というものを、

探っていきます。

 

意図せずに、

身体チャンネルに現れる自我とは、

葛藤や未完了のゲシュタルトとして、

抑圧されてがちな、

欲求(自我)だからです。

そのため、

その自我に、

十分な表現と存在の場を与えてあげることが、

必要となります。

 

そして、

その感情表現の際には、

心身一元的な視点が、

特に重要になります。

 

というのも、

ライヒらが、

筋肉の鎧をもつ、防衛的な身体には、

十分な感情体験がないことに気づいたように、

十分な感情体験とは、

十分な身体的運動(表現)が、

ともなうものだからです。

 

そのため、

クライアントの方の感情表現の際に、

身体表現にも注目します。

そこに、十全でしなやか、

自己一致した表現があるのか、

確認します。
 

また、実際、

ゲシュタルト療法においては、

クライアントとして、

そのような、心身一元的な、

全身的な、表現活動を繰り返していると、

表現と感情の流れによって、

段々と、身体の緊張や硬化が解除されてきます。

 

身体エネルギーが流動化し、

身体が変わっていくのが、

実感されます。

使えるエネルギーが増大して、

見た目にもエネルギッシュになります。

 

このように、

ゲシュタルト療法は、

心身一元論的なアプローチであり、

ワークの進展に従い、

心理的にも、

肉体的にも、

全身のしなやかな解放が進んでいくのです。

統合の進化が、

物理的にも、分かりやすい所以です。

 

※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

へリンガーのファミリー・コンステレーション

ファミコン


バート・ヘリンガー氏の創始した、

「ファミリー・コンステレーション」は、

興味深い心理療法です。

 

「コンステレーション」とは、

配置、布置、星座という

意味であり、

ユング心理学などでは、

よく使われる言葉です。

 

ファミリー・コンステレーションは、

A・ミンデル博士の、

プロセスワークで行なう、

「ワールドワーク」の、

元ネタになったとも言われますが、

実際に、そのセッション(ワーク)を経験していくと、

個人と集団(集合)

または、

個人的なテーマと、

集団(集合)的なテーマとの間にある、

一種、不思議な、

エネルギー的な結びつきについて、

感覚的な体験を、

深めていくことができます。

 

 

①ワークの方法

 

通常、心理療法のワークでは、

セラピストが、

クライアントの方の主訴を聞き、

当然ですが、

クライアントと直接に、

何らかのやり取り、

働きかけを行なっていくことにより、

ワークを進行させます。

治癒のプロセスを促進します。

 

しかし、

ファミリー・コンステレーションにおいては、

まず、そこが違うのです。

 

セラピストが、

クライアントの主訴を聞いた後、

クライアントの家族や家系等について、

いくつかの質問を行ない、

そのワークで使っていく、

「登場人物」を、

幾人か選定していきます。

(多くは、家系に関係した、両親や親族です。

クライアントが、

実際に会ったことのない人物も含みます)

 

そして、クライアントに、

「本人(自分)役」も含めて、

その登場人物たちの「役」を演じてもらう人=「代理人」を、

ワークショップの参加者の中から、

直観で、選んでもらうよう、要請します。

 

クライアントは、

それぞれの役の「代理人」を、

自分の役も含めて、

数名(人数分)選び、

部屋の中の、ここだと思う場所に、

(登場人物たちの、「関係性」を、感じながら)

空間配置します。

 

そして、そこから、

面白いことですが、

セラピストと、

この代理人たちとによって、

代理人同士のやりとりによって、

ワークが、展開されていくのです。

 

そして、

クライアントは、

それを、横で見ているのです。

 

これは、

心理療法としては、

大変、奇妙な(異様な)光景です。

 

 

②ワークの展開と体験

 

さて、

代理人を演ずる参加者は、

通常、クライアントのことを、

ほとんど知りません。

そのワークショップの当日に、

会場で、初めて会ったからです。

 

しかし、

代理人として、

その、家族・家系関係の「場」の中、

「空間配置」の中に立つと、

他の代理人(家人)との関係が、

エネルギーの強弱、

快不快の身体感覚、

感情的な情報として、

なぜか、感じられてくるのです。

 

その情報を、手がかりに、

セラピストは、

代理人たちとやり取りを進め、

代理人たちに、

空間移動をさせ、

表現を促し、

代理人(家人)の、

からだの向き、

立ち位置や位置関係を、

さまざまに変えて、

調整していきます。

 

そのことにより、

その家系(家族)の、

正しい位置関係や、

その家系(家族)の中で、

排除した(欠落させた)人物やテーマを、

探っていくのです。

 

それは、あたかも、

家系(家族)の関係性自体が、

ひとつの生体として持っている、

自律的なエネルギーを、

ほぐし、伸ばして、

「整列」させるかのように、

展開していきます。

(これを「もつれを解く」と呼びます)

 

そして、ワーク(セッション)では、

その整列・展開の果てに、

クライアントを、

家系(家族)の配置の中に、

招きいれ、

その家族・家系の、

全体のエネルギーを、

正しく流れていくように、

調整していくのです。

 

クライアントに、

自己の家系の存在と、

そのつながりを理解してもらい、

自分の存在の位置を、

深く理解してもらうのです。

 

 

 

さて、

ファミリー・コンステレーションの、

ワーク(セッション)は、

通常の心理療法とは、

まったく進め方も、

体験の質も違います。

 

しかし、

クライアントにとっても、

役を演じた、代理人にとっても、

とても不思議な、

印象深い体験となります。

 

私たちの背後に生きている、

「家系のエネルギーの流れ」という、

よくわからない力が、

何らかのエネルギーとして、

存在していることを、

(自分たちに影響していることを)

体験する、

貴重な機会となるからです。

 

そしてまた、

そのようなテーマが、

一定の心理療法的なセッションの中でも、

実は、浮上していること、

そして、

関わっていくことができることに、

気づくからです。

 

それはまた、

セッションの新たな可能性を、

見出していくことにもなります。

ミンデル博士が、

ワールドワークを、

着想していったようにです。

 

実際、

筆者自身も、

その後の経験の中で、

ファミリー・コンステレーションで、

体験した要素は、

ゲシュタルト療法その他の、

セッションの中でも、

人物たちの場の配置や、

エネルギーの流れにより、

色々と現れていることを、

その後、確認していきました。

 

そして、

ファシリテーションの幅を、

広げていく霊感にもなったのです。

 

 

   

※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

ブリージング・セラピー(呼吸法) BPM

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H.R.ギーガー


ブリージング・セラピー(呼吸法)Ⅰでは、

スタニスラフ・グロフ博士の、

「ホロトロピック・ブレスワーク」の

実際のセッション体験について記しましたが、

この理論の前提となっている、

「分娩前後マトリックス」について、

ここでは少しご紹介しましょう。

 

※S・グロフ博士の『脳を超えて』

(吉福伸逸他訳 春秋社)という大著があります。最下部の一覧表は、同書からの引用です。

 

 

◆「出生外傷(バース・トラウマ)」の発見

―「分娩前後マトリックス」

 

博士は、当初、LSDを使った心理療法を行なっていましたが、

クライアントとの、数千回にわたる、LSDセッションを行なう中で、

人間の深層に、「出生外傷(バース・トラウマ)」が、

存在することを発見しました(そう判断しました)。

http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof

 

人間が、

「胎児として、子宮から、膣道を通って、出産される」

という強烈な体験過程の記憶です。

それがLSDセッションでは、

回帰(再体験)して来ることになります。

 

これを、グロフ博士は、

これを、基本的分娩前後マトリックス

BPM Basic Perinatal Matrix)として、

体験のフェーズごとに、

BPMⅠ~ BPMⅣまで、

4つに分けて、詳説しています。

 

そして、それらが。

「原トラウマ」として、

その後の人生に大きな影響を与えていることと、

考えたのです。

それらは、

精神障害で現れるタイプ・傾向から、

日常生活での好み嗜好/強迫観念、

性的な好み嗜好まで、

その人を貫く大きな要素として、

存在しているという仮説です。

 

 

BPMⅠ 母親との原初の融合

 

最初のフェーズです。

これは、胎児が、母親の子宮の中に、

たゆたっている状態です。

子宮内が、良好な状態であれば、

これは、安逸の体験です。

子宮内が、胎児にとって、

不愉快な状態であれば、最悪の体験です。

胎児にとっては、子宮内が、

宇宙そのものであるからです。

 

 

BPMⅡ 母親との拮抗作用

 

やがて、出生の時期を迎えます。

胎児は、子宮口に吸い込まれていく体験に入ります。

胎児にとっては、危機的な状況です。

窒息や吸引など、様々な脅威が、

この体験過程の表象となっています。

 

 

BPMⅢ 母親との相助作用

 

産道・膣道を通って、出産される場面です。

胎児は、膣道の万力のような圧倒的な力に、

自己が、押し潰されそうになる脅威を感じます。

膨大なエネルギーが、発散・放出されます。

同時に、ぞっとするような性的でもある、

火山的エクスタシーを体験することもあります。

 

 

BPMⅣ 母親からの分離

 

実際に、出産されて、

母親の外に出る体験です。

恐ろしい苦難の後の、

突然の解放体験となります。

 

 

さて、以上のような4つのフェーズが、

原型的な体験となって、

私たちの心身の底に巣食い、

その後の人生に与えるというのが、

この仮説です。


※変性意識状態(ASC)へのより統合的な方法論は、 拙著

入門ガイド

『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、

『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

をご覧ください。



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↓変性意識状態を活かす方法 『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』


 

 
ブリージング・セラピー(呼吸法)Ⅰ


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グロフ『脳を超えて』(春秋社)より
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ブリージング・セラピー(呼吸法)事例

ここでは、
「体験的心理療法」の典型として、
「ホロトロピック・ブレスワーク」と、
その事例を紹介したいと思います。
その治癒的な効果と、
変性意識状態(ASC)の現れ方のあり様が、
よく分かると思われます。

ブリージング(呼吸法)を使ったセラピーは
各種あります。
呼吸は、私たちの意識と無意識をつなぐ、
とても重要な媒体(要素)であり、
そのため、古今東西の瞑想技法でも、
重視されているものです。

たとえば、私たちは、日頃よく、
「呼吸」を止めることで、
「感情」を抑制しようとします。
思わず「息を止める」という行為です。

現代人にとって、これは、
子供の頃からの習い癖となっていて、
そのため、肉体自体(肺や横隔膜)が硬化して、
呼吸が深くできないという人がいます。

しかし、そのことによって、
その人は、
「生々しい感情」から、
守られていることにもなります。
その一方で、
生き生きとした生命力の不足に、
悩まされたりもします。

そのため、
呼吸をなめらかに滞りなく流すこと自体、
自分の感情を、なめらかに流していくことにつながります。
(各種のボディワーク・セラピーにおいては、
身体の硬化したブロックを、
直接的に、ほぐしていくことで、
このプロセスを促進していきます)

自分の感情を抑えたり、コントロールすることを
習い癖にしている人は、
感情を深く体験することにはじめ恐怖を感じます。
また、呼吸の開放によって、
感情のコントロールを失うんじゃないかと
恐れを抱きます。

しかし、心配は不要です。
コントロールは、自然に働くものです。
また、そういう人は、
穏やかな呼吸法を使った瞑想法を、
まず実践してみるといいのです。
感情の開放と、呼吸のコントロールとの、
自然で統合的なつながり(流れ)を見出し、
自分自身の新たな在り方(可能性)に、
気づくことができるでしょう。

さて、ブリージング・セラピーでは、
このような呼吸の特質を使って、
心の深層の次元に、アクセスしていく、
力強い方法論なのです。


◆ホロトロピック・ブレスワーク

「ホロトロピック・ブレスワーク」とは、
スタニスラフ・グロフ博士が、開発した、
ブリージング・セラピーです。
グロフ・ブリージング、ホロトロピック・ブリージングとも、
呼ばれたりします。

(↓グロフ博士のインタビュー
http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof)

博士は、当初、
合法だったLSDを使った心理療法を行なっていましたが、
LSDに法的規制が加わった後、

ブリージング・セラピーでも、
同様の内的プロセスを促進できることを発見し、
その方法論を体系化したものです。
詳しくは、
S・グロフ博士の『自己発見の冒険』
(吉福伸逸他訳 春秋社)などに、
詳しい記述がありますで、そちらをご覧下さい。
ここでは、ポイントだけを記してみいきます。
 

①セッションの方法

1セッションで、
1時間から数時間かけて行ないます。
 
セッションは、二人一組になり、
中心のクライアント(ブリーザー)と、
サポートする「シッター」と役割を決めて、
行ないます。

クライアント(ブリーザー)が、行なうことは、
セッションの間の数時間、
大音響で、音楽が流れる中、
ただ、「過呼吸」を行ない、
生起して来る内的プロセスに、気づきをもって、
身を委ねるだけです。
プロセスは、自然に生起してきます。
その中で、
起承転結が、自然に起こるのです。

 
②内的プロセス セッションの経過

グロフ博士は言います。

「たいていの場合、ホロトロピックな体験は、
オルガスム曲線を描き、感情のもの上がりとともに、
身体的兆候が現れ、それが絶頂期を迎え、
突如の解決に導くといった経路をたどる」(前掲書)

この内的・現象的・症状的な経過は、
とても自然な流れで起こり、
私たちの内部の〈自然〉の圧倒的な自律性(知恵)を
感じさせる類いのものです。

セッションの間は、
主観的には、この体験が、
どこに向かうのか、何が起こるのか、
まったく予測がつかない状態ですが
症状や体験過程が、ある程度、進行して来ると、
そのプロセスに無理がなく、
私たちの経験的な体感覚とマッチしていることもあり、
とりあえずは、その過程の行く末に、
任せてみようという気になってきます。


◆「出生外傷(バース・トラウマ)」

「分娩前後マトリックス」

「出生外傷(バース・トラウマ)」は、
フロイトや弟子のオットー・ランクらが、
人間の深層にあるトラウマとして、指摘していたものです。
しかし、その指摘は、どこか暗喩的なニュアンスがありました。

グロフ博士は、
クライアントとの、数千回にわたる、
LSDセッションを行なう中で、人間の深層に、
文字通りの物理的・体験的記憶として、
「出生外傷(バース・トラウマ)」が、
実際に存在することを発見(判断)しました。

クライアントの、
「胎児として、子宮から、膣道を通って、出産される」
という物理的な体験の記憶です。

これを、グロフ博士は、
基本的分娩前後マトリックス
BPM (Basic Perinatal Matrix)として、
BPMⅠ~ BPMⅣまで、
4つのフェーズに分けて、詳説しています。

実際の、「産道体験」である同時に、
その、それぞれのフェーズに、
特徴的な存在状態の解説となっており、
そして、どのフェーズで、
トラウマな固着をもった場合に、
人生で、どのような傾向の問題(妄想)を
引き起こすかを、体系化したのです。


◆体験例                   

ここでは、
筆者の体験を引用しておきましょう。
ブリージング自体は、
過去に何回も、行なっていますが、
ここでは、はじめて、
顕著な体験をした時のものを、
拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
より引用しておきます。

この時点で、既に何回か、ブリージングは、
行なっていましたが、
これといって、
特別な体験は何も起こっていなかったので、

この時も、さしたる期待もなく、
セッションを始めたのでした。

「……………………………
………………………
…………………

いつものように、
音楽に気を紛らわし、
過換気呼吸に、
集中していく…

過換気自体は、
不快なだけ、
苦しいだけ、
といってもいい…

探索するよう、
手さぐりするよう、
感覚と手がかりを求め…
呼吸を続けていく…

…………
………………
熱気が高まってきて…
顔や皮膚に、
ちりちりと、
蟻が這うよう、
痒さが走る…

茫漠とした不安に、
さきの見えない、
不快感が、
つのっていく…

呼吸に集中し…
気づきを凝らし…
内側から、
深層のプロセスが、
生起して来るのを、
見つめている…

光の斑点が、
眼の裏に、
交錯し、
輪舞する…

どのくらい、
経ったのか…
汗ばむ熱気の中、
苦しさは薄まり…
痺れとともに、
遠いところから、
満ちて来る、
生理の、
深いざわめきに、
気づく…

呼吸を続け、
その波を、
増幅し、
持続させることに、
集中する…

いつものよう、
手足のさきが、
痺れはじめ…
熱気の中、
斑らに現れる、
奇妙な汗ばみ…
冷たさの感覚… 

とりとめのない、
記憶や映像が、
夢の破片ように、
去来する…

どこへ向かっているのか、
予想もつかない…
しかし、
何かが、
満ちて来る気配…

内側の遥かな底に、
荒れ騒ぐよう、
何かが高まり、
生起する感覚…

呼吸を続け…
意識が、
途切れがちになる…
呼吸を保ち…
意識をただし…
気づきを凝らし…

………………………
………………
…………

どのくらい、
時間が経ったのか…
明滅する意識の向こうに、
ふと気づくと、
そこに、

「胎児である自分」

がいたのである…

それは、
記憶の想起ではなく、 
今現在、
今ここで、
「胎児である自分」
なのであった… 

感じとられる、
肉体の形姿が、
からだの輪郭が、
いつもの自分とは、
完全に違っている…

巨大な頭部に、
石化したよう、
屈曲した姿勢…
激しく硬直する、
腕や指たち…

手足のさきが、
堅く曲がり、
樹木のよう、
奇妙な形に、
ねじくれている…

からだ全体が、
胎児の形姿、
姿勢である…

そして、
気づくのは、
今ここに、
自分と重なって、
「その存在がいる」
という、
圧倒的な、
臨在の感覚である…
その存在の、
息吹である…

それは、
自分自身である、
と同時に、
かつて、
そうあったであろう、
「胎児である自分」
との二重感覚、
だったのである…

「いつもの自分」
の意識と、
「胎児である自分」
の感覚(意識)とが、
二重化され、
同時に、
今ここに、
在ったのである…

分身のよう、
多重化された、
肉体の、
感覚の、
意識の、
圧倒的に、
奇妙な現前が、
在ったのである…

そして、
ふと気づくと、
手足は、
異様なまでの、
硬直の激しさである…

その筋肉の凝縮は、
普段の人生の中では、
決して経験しない類いの、
岩のような硬直と、
巨大な圧力である…

自分の内部から、
このように、
途方もないエネルギーが、
発現している事態に、
驚いたのである…

肉体の深い層から、
生物学的で、
火山的なエネルギーが、
顕れていたのである…

………………
…………

何の感覚か…
まとわり、
ぬめるよう密閉感… 
粘膜のよう、
煩わしい、
冷たい汗ばみ…
奇妙な匂い…

内奥に、
深く凝集し、
細胞的に遅延する、
時間の感覚…
生理的な、
生物的な、
渇き…

胚のよう、
種子のよう、
濃密に凝縮する、
発熱の、
震え…

暗闇に、
ぼうと浮かぶ、
輝くような、
始源の感覚…
宇宙的な、
未明の、
けはい…

肉と骨の奥処に、
岩のよう、
苛烈な硬直の、
軋み…

烈火のよう、
力のエネルギーが、
尽きることない、
火力が、
終わることなく、
滾々と、
放出されていたのである…

………………………………
………………………」


さて、このセッションは、
「胎児のとしての自分を見出し、体験する」
ということを体験の絶頂として、
身体の猛烈な硬直も、それ以上には進まず、
終息に向かっていきました。

主観的には、
この胎児との遭遇は、
大きな感情的なインパクトを持ちました。
生命の自律性に対する畏怖の感覚や、
その原初の輝きを、
目撃し、同一化する体験となったのです。
 

◆体験の後

さて、このセッションの目覚しい効果は、
その翌日に、すぐ現れました。
 
肉体の深層に埋め込まれていた、
硬化した緊張感が、忽然と無くなり、
膨大な量のエネルギーが、
解放されていたのでした。

からだが、信じられないくらい、

軽くなっていたのでした。


そして、逆算的に、

過去を振り返ってみて、
昨日まで、そのような膨大なエネルギーの、
重圧感を抱えて生きていたことに、
その朝、気づいたのでした。

普段、そのようなことは、
気づきもしていませんでしたが、
膨大な緊張感が無くなってみてはじめて、
心身の深層に、
そのような苦しく圧迫的なプログラムが、
埋め込まれていたのに、
あらためて気づいたわけでした。

そして、自分がすでに、
「解放された存在」になってしまったことに、
その朝、気づいたわけでした。

 



※変性意識状態(ASC)へのより統合的な方法論は、 拙著

入門ガイド

『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、

『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

をご覧ください。


※関連記事

 映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識


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【FG通信】具現化のための、気づき・変性意識・ゲシュタルト

コチラ


 

↓ブリージング・セラピーを含んだ、多様な変性意識状態についてはコチラ
 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』


↓変性意識状態を活かす方法 『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』



ブリージング・セラピー(呼吸法)Ⅱ BPM

→変性意識の治癒効果
 

【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
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体験的心理療法とは はじめに

当スペースで、

「体験的心理療法」と呼んでいるものは、

主に、1960年代に、

米国西海岸を中心に広まった

心理療法のタイプの一群です。

 

当スペースの中心技法である、

ゲシュタルト療法エンカウンター・グループ

ボディワーク・セラピーや、ブリージング・セラピーなどが

代表的なものです。

また、当時の普及のメッカとしては、

エサレン研究所 Esalen Instituteなどが

知られています。

 

エサレン研究所の所長、

マイケル・マーフィーは、

その活動初期に、

エンカウンター・グループを体験し、

これは、「サイケデリック物質と同じくらい、

人を恍惚とさせるものだ」と感じたようです。

そして、これを、

「新しい、アメリカのヨガであり、

個人と宇宙とを結合する道だ」

と思ったようです。

(W・T・アンダーソン 『エスリンとアメリカの覚醒』 誠信書房)

 

そして、実際、

この地から、

心理療法の新しい潮流も、

ひろまっていったのでした。

 

「私は、以前より、開かれ自発的になりました。

自分自身をいっそう自由に表明します。

私は、より同情的、共感的で、忍耐強くなったようです。

自信が強くなりました。

私独自の方向で、宗教的になったと言えます。

私は、家族・友人・同僚と、より誠実な関係になり、

好き嫌いや真実の気持ちを、

よりあからさまに表明します。

自分の無知を認めやすくなりました。

私は以前よりずっと快活です。

また、他人を援助したいと強く思います」

(ロジャーズ『エンカウンター・グループ』畠瀬稔他訳/創元社)

 

エンカウンター・グループ体験者の言葉です。

このような、心のしなやかさや感度の獲得は、

どのような体験的心理療法を体験したとしても、

それが、充分に深められた場合には、

おおよそ、共通している要素です。

 

ゲシュタルト療法エンカウンター・グループは、

実際に表現してみることや、

人間相互のやりとりを通して、

知的な解釈ではない、

深い感覚(感情)的体験を、

直接経験していきます。

 

ボディワーク・セラピーや、

ブリージング(呼吸法)・セラピーは、

身体に直接働きかけ、

そこから出発することで、

知的に乖離しているクライアントの、

存在の深部から、

直接に作用をさせます。

その分、効き方も、

強いもの(強度の体験)になります。

そのことにより、

深部の心理プログラミングを、

書き換えていきます。

 

知的なフィルターのせいで、

袋小路に陥ってしまっている、

現代人の多くにとっては、

めざましい自然治癒を活性化させる、

有効な療法でもあるのです。

 

また、体験的心理療法は、

深部からの心身一元的な領域で、

開放を促すため、

意識の多様な領域を、

開示することにもなります。

 

変性意識状態へのアクセスにおいて、

特に、実践的で、

有効なアプローチとなっています。 

 

筆者自身、実際に、

さまざまなセッションを体験してみて、

そのめざましい効果や、

体験世界のひろがりに、

圧倒されたのでした。

また、自分が自発的に持っていた、

変性意識状態を理解する、

方法論であることを、知ったのでした。

 

 

現代の日本では、

体験的心理療法は、

あまり一般の認知がなく、

場合によっては、

自己啓発セミナーなどと混同されてしまうという、

残念な結果となっています。

 

当スペースでは、

ゲシュタルト療法の他に、

周辺領域にある、

さまざまな体験的心理療法の、

知見や技法も活かして、

心の悩みの解決や、

潜在的力の開発に、

役立てています。

 


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。


(スタニスラフ・グロフ博士のインタビュー

http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof 

ゲシュタルト療法と、ケンタウロスの領域

◆ケンタウロスの領域としての心理療法

 

さて、ゲシュタルト療法は、

通常、心理学の歴史の中では、

マズローらの「人間性心理学」の中に、

分類されるものです。

 

ところで、

次世代のトランスパーソナル心理学の理論家、

ケン・ウィルバーは、

その「意識のスぺクトル」論の中で、

ゲシュタルト療法を、

「ケンタウロス」の領域にある心理療法であると、

位置づけました。

この位置づけとイメージは、

なかなか、言い得て妙でもあるので、

このことの意味合いを、

はじめに見ておきたいと思います。

 

まず、ウィルバーは、

さまざまな心理療法を、

タイプ分けするにあたって、

「人間が持つ、心の分裂と抑圧を、

どのような観点から統合していくのか」

ということをポイントに、

各流派を、マップ上に、位置づけました。

下図が、その図式です。

下にいくほど、統合するものの範囲が、

広くなっているという図表です。

 

その本人が、

「『意識や主体』として、

何に、同一化しており、

逆に、何を『無意識や客体、他者』として、

抑圧・排除しているのか」

「人間が、統合(治癒)されるとは、

何と何が、統合されることなのか」

その答えが、各流派によって、

大雑把に、タイプ分けできるというのが、

ウィルバーのアイディアでした。

上の図では、オレンジ線の、

左側が「意識や主体」、

右側が「無意識や客体、他者」

となっています。

 

例えば、

現在の多くの心理療法が、

(そのような立場ですが)

健全な「自我」が、確立されることが、

心理的な統合であると、

見なしています。

その場合は、

「仮面」(偽りの自己像)を主体として、

「影」を抑圧してる人々に対して、

「影」の部分を意識化し、

主体に、統合させていくことが、

治療的アプローチとなっていきます。

 

そのことで、

「仮面」と「影」の分裂が融解・統合され、

健全な「自我」主体が、

確立されてくるというのが、

その理論と実践アプローチとなります。

 

しかし、

別の流派(心身一元論派)の視点では、

健全な「自我」主体の確立だけでは、

統合が、不十分(部分的)であると見なされます。

そこでは、「身体」が、

抑圧され、排除されているからです。

しかし、

心身一元論的な心理療法の中では、

身体の中にこそ、重要な感情や表現、

生の基盤があると、

考えられているのです。

そこでは、「有機体」全体を、

ひとまとまりの全体性として、

主体として生きられることが、

必要な「統合」だと、

考えられているのです。

 

ところで、このような、

心と身体を合わせた「有機体」全体を、

主体と見なす、

心身一元論的な心理療法各派を、

ウィルバーは、

ケンタウロスの領域の心理療法であると、

見なしたのでした。

 

ゲシュタルト療法は、

ボディワークを主体とした、

ローウェンのバイオエナジェティックスらとともに、

この領域の心理療法に、

位置づけられています。

 

この位置づけは、

有機体全体の生命力を、

溢れるように発現させる、

ゲシュタルト療法の位置を、

正確に示しているとも、

思われるのです。

そして、また、

その生命力の拡張された流動性と、

セッションで現れる変性意識状態(ASC)ゆえに、

個を超えた体験領域(トランスパーソナルな領域)も、

部分的に持つ、

ゲシュタルト療法の性格をも、

表現しているように思われるのです。

 

ところで、

ケンタウロスとは、

ギリシャ神話に出てくる、

半人半馬の存在です。

腰から上が人間、

腰から下が馬の姿となっています。

人間の精神性と、動物の野生性とを、

結合させたシンボルとなっています。

馬のような、力強い速さで、

走る存在なのでしょう。

このイメージは、

私たちが、通常、想定するものより、

大きなパワーを持っている、

生命有機体の、自然の潜在力を、

よく表しているようにも思われます。

ウィルバーが、このイメージを採用したのも、

その力のポテンシャルゆえでしょう。

 

そして、

この神話上の存在の姿は、

ゲシュタルト療法の持っている、

野生的で、遊戯的な、

十全な生命を発露する、

その方法や姿勢を、

なかなか上手く表現しているとも、

思われるのです。

 

 

さて、このパートでは、

当スペースの基礎的な方法論である、

ゲシュタルト療法と、関連事項について、

まとめています。

 

1.ゲシュタルト療法【基礎編】

 

→基本的な理論や用語についてまとめています。

 

2.ゲシュタルト療法【実践・技法編】

 

→具体的なセッションのプロセスや技法について、

 解説をしています。

 

3.ゲシュタルト療法【応用編】

 

→応用事項から、

 周辺のポイントまでを、解説しています。

 

4.「セッション(ワーク)の実際」

 

→ゲシュタルト療法のセッションは、

 どのように進められ、

 どのようなことが体験され、

 解決されるのかを、

 プロセスにそって、解説しています。

 

「セッションで得られる効果と成果」

 

→ゲシュタルト療法による効果と、

 人生で役立てる成果について、

 解説しています。

 


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。



 

 

↓動画「ゲシュタルト療法と、生きる力の増大」

 

 

↓ゲシュタルト療法の基本については、第一部、第二部の解説をご参照ください

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