潜在意識と変性意識を利用した自己変容で
 〈流れる虹のマインドフルネス〉へ
           
〈変性意識〉と〈深化/進化型のゲシュタルト療法〉で、
    あなたのビジネス、アート、コーチング、カウンセリング、NLPに
        真の超越的次元をもたらします

フリー・ゲシュタルト・ワークスは、
「実践的心理学」―ゲシュタルト療法―
をベースに、
・ほしい未来や状態の実現、目標/目的の達成
・卓越したパフォーマンスの発揮(発現)
・並外れたアウトプットの具現化
・自信や意欲の向上、自己肯定感のアップ
・まわりの人々(他者)への影響力の増大
・人間関係の悩みや葛藤解決、過去の囚われからの解放
・才能と独創性(天才性)の発掘/発揮
・アウェアネス(awareness 気づき)とマインドフルネスの向上
・意識と知覚の拡大、覚醒 awakeness 状態の実現
・既存の自己(世界)からの超越と変容
・自己変容と至高体験 peak-experience の達成
など、
心の能力を育て、増大するための、
セッションや方法論を、
ご提供しているスクールです。
コーチング・スペース、
セラピー&カウンセリング・スペース、
また、能力・創造性開発の、
マインド・コンサルティング・スペース、
です。
変性意識状態(ASC)と、ゲシュタルト療法)を、
方法論として、
優れたアウトプットを生み出すための、
自由で、創造的なスキルの獲得をサポートしています。
〈流れる虹のマインドフルネス〉へのご招待です。
HP↓
https://freegestalt.net/intro/
動画チャンネル↓
http://www.youtube.com/c/freegestaltworks
メルマガ登録
【FreeGestalt通信】具現化のための、気づき・変性意識・ゲシュタルト↓
https://ux.nu/h1YxW
姉妹サイト↓
https://xstatestech.jimdo.com/
https://emptychairworks.jimdo.com/
本↓
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』(電子版/書籍版)
https://ux.nu/qibgG
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』(電子版/書籍版)
https://ux.nu/kaoaj
twitter↓
https://twitter.com/freegestaltwork

スタニスラフ・グロフ

諸星大二郎の『生物都市』と鉱物的な変性意識状態(ASC)

さて、諸星大二郎氏といえば、
昔はカルト作家?であり、いまや、
日本を代表する奇譚漫画家
ともいえる存在です。

その彼が、
1974年に手塚賞をとった短編、
『生物都市』は、
昭和の子どもたちの心に、
強烈な刻印を残したトラウマ漫画でした。

内容は、探査宇宙船が、
木星の衛星イオから運んできた、
謎の感染性の何かにより、
人間(生物)と金属類とが、次々と融解し、
融合していってしまうという物語です。

物語の舞台は、日本の地方都市ですが、
やがて、全世界が、抗しようもなく、
すべて溶けあってしまうだろうという事態を、
奇怪な造形と筆致で描いたものでした。

無機物質と生物が融合してしまう、
異形な映像の薄気味悪さもさることながら、
その意識や心までもが、
融解した集合体に、
飲まれていってしまうという事態が、
人間的で文化的な価値観の一切を、
洪水のように押し流してしまうかのようで、
怖ろしくも感じられたのでした。

一方、夢の世界への郷愁にも似た、
その鉱物的な世界に対する、反感と魅惑が、
両義的な感情として、心に残されたのでした。

ところで、このような、
世界が、鉱物化していってしまう物語や、
一見生物に見えない無機物質が、意識体であるという話、
惑星が、単一の意識体であるというような話は、
SF小説の世界では、
比較的、見受けられるテーマともなっています。
そこには何か、
私たちの「意識」や「文化」の曖昧さに対する、
問題提起があるようにも感じられます。

さて、一方、
シャーマニズムの伝統などに、目を向けると、
そこでは、鉱物や石などを、
私たちの同類と考え、
「長老」と見なすような世界観も、
たしかに存在しているのです。
石や鉱物たちは、
いにしえから大地に存在している、
大先輩というわけです。
 
そこには、
私たちの心の基層の空間に、
鉱物的なものとの親和性を生み出す、
何か元型のような傾向性が、
存在しているかもしれない可能性を
うかがわせるものでもあるのです。

ところで、
変性意識状態(ASC)にまつわる、
さまざまな意識の様態を見てみました。

実際、変性意識状態(ASC)における、各種の事例は、
この親和性の背後にあるものについても、
ヒントを与えてくれる場合があるのです、

スタニスラフ・グロフ博士は、
膨大かつ多様な変性意識状態(ASC)の体験を、
体系的に整理・研究していますが、
その『深層からの回帰』(青土社)には、
次のような体験報告も再録されています

これは、
あるLSD体験セッションの被験者の報告ですが、
変性意識を通して見た、
鉱物的状態についての、
大変興味深い洞察ともなっているものです。

ここで、被験者は、自分自身を、
琥珀や水晶、ダイヤモンドなどの鉱物と、
次々に、深く同一化していくという、
奇妙な体験を得ていったのでした。

「セッションのこの時点で、
時間は止まっているようだった。
突然自分が琥珀の本質と思われるものを
体験しているのだ、
という考えがひらめいた。

視界は均質な黄色っぽい明るさで輝き、
平安と静寂と永遠性を感じていた。
その超越的な性質にもかかわらず、
この状態は生命と関係しているようだった。
描写しがたいある種の有機的な性質を帯びていたのだ。
このことは、
一種の有機的なタイムカプセルである琥珀にも
同じく当てはまることに気づいた。

琥珀は、鉱物化した有機物質―
しばしば昆虫や植物といった有機体を含み、
何百万年もの間、
それらを変化しない形で保存している樹脂―なのだ。

それから体験は変化しはじめ、
私の視覚環境がどんどん透明になっていった。
自分自身を琥珀として体験するかわりに、
水晶に関連した意識状態につながっている
という感じがした。

それは大変力強い状態で、
なぜか自然のいくつかの根源的な力を
凝縮したような状態に思われた。

一瞬にして私は、
水晶がなぜシャーマニズムのパワー・オブジェクトとして
土着的な文化で重要な役割を果たすのか、
そしてシャーマンが
なぜ水晶を凝固した光と考えるのか、理解した」

やがて、この体験は、
水晶からダイヤモンドへと移っていきます。

「私の意識状態は別の浄化のプロセスを経、
完全に汚れのない光輝となった。
それがダイヤモンドの意識であることを
私は認識した。

ダイヤモンドは化学的に純粋な炭素であり、
われわれが知るすべての生命が
それに基づいている元素であることに気づいた。
ダイヤモンドがものすごい高温、高圧で作られることは、
意味深長で注目に値することだと思われた。

ダイヤモンドがどういうわけか
最高の宇宙コンピュータのように、
完全に純粋で、凝縮された、抽象的な形で、
自然と生命に関する全情報を含み込んでいるという
非常に抗しがたい感覚を覚えた。

ダイヤモンドの他のすべての物質的特性、
たとえば、美しさ、透明性、光沢、永遠性、不変性、
白光を驚くべき色彩のスペクトルに変える力などは、
その形而上的な意味を
指示しているように思われた。

チベット仏教が
ヴァジュラヤーナ(金剛乗)と呼ばれる理由が
分かったような気がした
(ヴァジュラは『金剛』ないし『雷光』を意味し、
ヤーナは『乗物』を意味する)。
この究極的な宇宙的エクスタシーの状態は、
『金剛の意識』としか表現しようがなかった。

時間と空間を超越した純粋意識としての
宇宙の創造的な知性とエネルギーのすべてが
ここに存在しているように思われた。

それは完全に抽象的であったが、
あらゆる創造の形態を包含していた」
グロフ『深層からの回帰』菅靖彦、吉田豊訳(青土社)

さて、とても興味深い体験報告ですが、
例えば、精神病圏といわれるものの背後などでも、
このような元型的な力(意識)の作用が、
どこかで働いているのではないかという、
疑問を持つことも可能なわけです。

統合失調症に見られる、ある種の特徴などは、
そのような鉱物的なものとの親和性、共振性を、
強く感じさせるものでもあるからです。
また、多種多様なアウトサイダー・アートの造形などからも、
そのような質性が、感じ取られるものとなっているです。
その硬質性、透明性、反復性、無限性などは、
しばしば、原質的で、鉱物的な風景に、
私たちを、誘うものでもあるのです。

そのように考えると、
これらの傾向性は、
それほど奇異なものではなく、
私たちの精神の基層に根ざした、
何らかの表現形態であると、
考えることもできるわけです。

そして、
シャーマニズムの伝統の中にいる人たちも、
また、私たちの身近にいる、
鉱物嗜好者たちなども、
鉱物に心身を投影することを通して、
その中に、
何らかの意識の基層的な形態を、
感じ取っている可能性が、
考えられるわけです。

『生物都市』が、
私たちの中に引き起こした、
不思議なざわめきは、
そのような事柄を考えさせるのです。


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への
より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。



91cfedc71dec90178659ca2287ec6f72

 

【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
メニュー/料金
著作紹介
メルマガ登録
お問い合わせ

「明晰夢」の効力 夢の中で掌を見る


 
さて、

人類学者C.カスタネダの本の中に、
「夢の中で、自分の掌を見る」練習をする、
という有名な話が出てきます。
これは、シャーマニズムの訓練として、
行なうものです。

これは一見すると、
奇妙な(突拍子もない)訓練にも聞こえますが、
サイトや本で取り上げているような、
気づきの訓練や、
さまざまな変性意識状態への移行を、
数多く繰りかえしていくと、
だんだんと実際にそのようなことも、
起こる(できる)ように、
なってくるものです。

夢の中で、
それが夢だと気づきながら、
行動している夢、
いわゆる明晰夢 lucid dream の状態です。

明晰夢は、
意識と無意識とが、
他にないまじかさで、
交錯する状態であり、
心の要素(知覚や能力)や傾向性を、
試したり、検証したりする
またとない機会となるのです。

また、夢のナマな創造力に、
じかに触れられる状態であり、
私たちの心の、
未知の機構を知ることのできる、
貴重な機会となっているのです。

明晰夢は、

その慣れと習熟に従って、
私たちの心に、
深い実際的な変化を、
引き起こして来ます。

それが、古来から、
世界中の瞑想技法の中で、
この状態が、
特記されていたわけなのです。

特に、
夜の夢の中における、
気づきの力の醸成と、
昼間の生活の中における、
気づきの力の醸成とは、
表裏を成してつながっており、
その相乗的効果(質性の変化)を、
とりわけ顕著に現してきます。

私たちの世界をとらえる感覚や、
〈気づき〉のあり様が、
深い次元で、
変容して来るのです。

それは、
私たちに深い解放と流動性を、
もたらして来るものなのです。


そのため、当スペースでは、

このような明晰夢の利用を、

気づきの力の養成や、

X意識状態(XSC)につながる(育てる)取り組みとして、

重要なものに、

位置づけているのです。

 

※変性意識状態(ASC)へのより統合的な方法論は、 拙著

入門ガイド

『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、

『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

をご覧ください。



※関連記事映画
→映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識

『攻殻機動隊』2 疑似体験の迷路と信念体系


※変性意識状態(ASC)の活用に特化したサイト、

「Xステーツ・テクノロジー」ご覧下さい。

 


↓動画「変性意識 『マトリックス』のメタファー 残像としての世界」



↓動画「変性意識状態(ASC)とは」



↓動画「変性意識状態 心理学的に見た、チベットの死者の書」



↓明晰夢の入り方は エクササイズ 『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』



↓明晰夢がもたらすもの 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』 






  【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
メニュー/料金
著作紹介
メルマガ登録
お問い合わせ

変性意識状態(ASC)の「ホリスティックな治癒効果」

さて、変性意識状態(ASC)について非常に興味深い点は、変性意識状態それ自体が、とても深いホリスティック(全体的)な治癒効果(癒しの力)を持っているという点です。
変性意識状態(ASC)においては、普段の生活の中では、顕在化していなかった潜在意識の深い感情・微細な生体情報・エネルギーが活性化してきて、日常意識でも気づきやすくなります。
日常意識
と深い潜在意識との間にさまざまな情報的・エネルギー的な交流が可能となるのです。
そのあたりの要素が、人間の治癒能力を増大させるのでしょう。

①変性意識状態(ASC)の心身一元論的プロセス

また、変性意識状態(ASC)の多くは、基本的に心身一元論的なプロセスの性質を持ち、身体や生体の深い生命プロセス、自律的プロセスを活性化する傾向を持ちます。
ゲシュタルト療法の用語でいうと「内部領域」という体内(生体)領域が活性化するのです。
その点が、この治癒(癒し)効果を強くする要因にもなっていると考えられるのです。

というのも、「日常意識」とは基本的には、理性的な「自我」機能に拠るものです。
理性的な「自我」機能とは、ゲシュタルト療法の用語でいえば、「中間領域」の世界です。
精神分析的な心理構造でいえば、現実原則による二次過程を担当し、生体の組織でいえば、「表層的な部分」になっています。
それがために、理性的な「自我」機能は、外部の人間世界と辻褄を合わすことに長けているのですが、生体の内部の深層プロセスとは若干「解離的」な側面も持っているわけです。

変性意識状態(ASC)においては、この理性的な「自我」機能が弛んで、拘束が解除されて、意識が生体の内部の深層プロセスにコンタクト(接触)しやすくなるのです。
この点が、変性意識状態(ASC)が心身一元論的に生体の深いプロセスを活性化するポイントとなっていると考えられるのです。

そして、身体の深層プロセスが活性化されることで、普段においては、硬化し滞っていた生命エネルギー・生体情報・感情が活性化してきて、生体のホリスティック(全体的)な活動が働きはじめるのです。
それは、心と肉体の潜在能力が深いレベルから解放された状態といえます。
その状態の中で、心身をきちんと整備しようとする「生体の自律的なプロセス、ホリスティックな自然治癒のプロセス」が、私たちを再調整・再統合していくこととなるのです。
それゆえ、変性意識状態(ASC)は、普段にない形で強い治癒作用を持つものとなるのです。自然本来の持つ自己回復機能が発現するといえるのです。

例えば、「ブリージング・セラピー」などは、テクニック面においては「呼吸」を利用するだけのシンプルな技法ですが、心身の深いプロセスを活性化して、そこで自然に生ずる強い変性意識状態(ASC)の作用によって、深い記憶の浮上、深い感情とエネルギーの放出、筋肉硬化の解除などによって、通常のセラピーでは起こらないようなホリスティックな変容をクライアントの方に起こすものとなっているのです。
ブリージング・セラピー その1 
呼吸法と事例 

②変性意識状態(ASC)のシステム論的プロセス

また違うシステム論的に考えていくと、私たちは、変性意識状態(ASC)を通して、私たちがもつ未知のホリスティック(全体的)なシステムや高次階層システムにつながっていくという可能性も考えられるのです。

別のところでは、映画『攻殻機動隊』や変性意識研究の大家リリー博士の経験を参考に、私たちの心の階層構造について考えてみました。
つまり、聖書にある「聖霊にみたされる」体験を、システム的に意識(存在)が未知なる「上部階層」とつながり、整列させられる体験として考えてみたのです。
映画『攻殻機動隊』のラストでは、主人公の意識が、広大な上部階層の世界に溶け込むことでより、下位的な現実世界から消えてしまいます。
そのような上部階層のシステムとつながる体験であるがゆえに、下位存在がシステム的に整備(プログラム)されることにより、「ホリスティックな調整作用(治癒・癒し)」が働くとのではないかと考えてみたわけです。
つまり、「聖霊に満たされる」体験とは、上位のホリスティック(全体的)なシステムにつながり・整列することで、「私たちという下位のシステム」が整えられ、癒されることを表現しているのではないかと。
そのようにに考えると、「ホリスティックな癒し」とは何かについて、よりシステム的・機能的に考えることもできるようになるのではないかということです。
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識
「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から

以上見たような理由からも、変性意識状態(ASC)に入るスキルを身につけることは、心理的な治癒においても、身体的な治癒においても、ともに大きな可能性をはらんだ効果を持っているといえるのです。

【ブックガイド】
※気づきや統合、変性意識状態(ASC)へのより総合的な方法論は拙著↓
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

関連記事
X意識状態(XSC)と意識の海の航海について
「聖霊」の階層あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識

変性意識状態(ASC)とは

【内容の目次】

1.はじめに 変性意識の活用

人間が持つ広大な潜在能力の開発や、心理療法における心理プログラムの改善・治癒作用など、心の構造や能力を理解し活用するのに際して「変性意識状態(ASC)」というとても有効(便利)な概念があります。

変性意識状態 Altered states of consciousnessとは、1969年にカリフォルニア大学の心理学者チャールズ・タート博士の編著により有名になった意識状態の定義ですが、この通常の合理的・論理的・理性的な「日常意識以外」のさまざまな意識状態を指した総称です。

日常意識以外のさまざまな意識状態――瞑想状態、催眠状態、宗教儀式などのトランス(入神)状態、夢、向精神性薬物(ドラッグ)によるサイケデリック(意識拡張)状態、神秘体験など――を指した言葉です。広くは、体外離脱体験(OBE)や俗に「ゾーン ZONE」としても知られるフロー体験 flow experience なども、これに含まれると考えてもよいでしょう。基本的には、それ自体では良いものでも悪いものでもない価値中立的な変異した意識状態です。

しかし、この変性意識状態(ASC)のあつかい方に慣れ、通常の日常意識と変性意識との間に、感覚的・情報的・意図的なつながりを持てるようになると、私たちの能力や世界というものは、ずっとひろがりを持った広大なものに変っていきます。
人生や世界がずっと深さと幅を持った、まばゆく豊かなものに変容していくのです。この人生に、ある意味、「本当の魔法」が存在することに気づくようにもなるのです。その能力を習得し、活用可能なものにすることで人生は一変していくことになるのです。
ここでは、そのような実践的な事柄について解説していきたいと思います。

ところで、かつてアメリカの重要な哲学者ウィリアム・ジェイムズは、その著作『宗教的体験の諸相』のよく引かれる文章の中で、以下のように記しました。

「…それは、私たちが合理的意識と呼んでいる意識、つまり私たちの正常な、目ざめている時の意識というものは、意識の一特殊型にすぎないのであって、この意識のまわりをぐるっととりまき、きわめて薄い膜でそれと隔てられて、それとまったく違った潜在的ないろいろな形態の意識がある、という結論である。私たちはこのような形態の意識が存在することに気づかずに生涯を送ることもあろう。しかし必要な刺激を与えると、一瞬にしてそういう形態の意識がまったく完全な姿で現れてくる。それは恐らくはどこかに、その適用と適応の場をもつ明確な型の心的状態なのである。この普通とは別の形の意識を、まったく無視するような宇宙全体の説明は、終局的なものではありえない。問題は、そのような意識形態をどうして観察するかである。―というのは、それは正常意識とは全然つながりがないからである。(中略)いずれにしても、そのような意識形態は私たちの実在観が性急に結論を出すことを禁ずるのである」(桝田啓三郎訳『宗教的体験の諸相』岩波書店)


さまざまな心の研究とともに、彼自身の変性意識体験より導かれた結論ですが、私たちの知る世界と変性意識状態について考える際にひとつの参考となる観点です。

以下では、この変性意識状態(ASC)がどのような特徴や構造を持つものなのか、また、どのような面で私たちの生活の役に立つのかについて見ていきたいみたいと思います。

2.「変性意識」が認知された時代背景

まずはじめに、そもそも、なぜタート博士が「変性意識状態(ASC)」を取り上げたのか、またそれが世間で注目され受け入れられたのかという、当時の時代背景と歴史的な文脈を見ておきたいと思います。
日本では、このあたりの文脈的・構造的理解が薄いので、変性意識状態(ASC)が、単なる偶発的で風変わりな娯楽的体験か、もしくは浅薄な自己啓発的・能力開発的エピソードで終わってしまうことにもなってしまっているのです。
この変性意識状態(ASC)の探求は、人類の意識変容に関わる重要な側面を持っているともいえるのです。

1969年、心理学者C.タート博士による編著が生まれた背景には、当時のアメリカ、特に西海岸で隆盛していた文化的思潮・流行との関係がありました。ヒッピー・カルチャー、カウンター・カルチャー、サイケデリック・カルチャーなど呼ばれた文化的思潮・流行です。
(ビートルズのジョン・レノンは、1967年のことを思い出して、当時はなにがなんでも「ヘイト・アシュベリー」に行かなければならないと思っていたと回顧しています。ヘイト・アシュベリーとはサイケデリック・カルチャーの爆心地でした。ちなみに、レノンはこの後、ライヒアン系のセラピー「プライマル・セラピー(原初療法)」のセッションを体験し、作風を一変させることになりました。体験的心理療法を深めた人はレノンのこの振る舞いがとてもよくわかると思います)

ところで、ヒッピー・カルチャー、カウンター・カルチャー、サイケデリック・カルチャーなどの思潮をつくり出した最大の動力源は、個々人の「(薬物による)サイケデリック体験」でした。
頭で考え出した思想や思潮ではなく、個々人が強烈な実体験(意識変容体験)を通じて、旧来の世界観とはまったく違う「別世界の体験」をしたのでした。知覚の扉が開かれる体験をしたのです。アップル社の故スティーブ・ジョブズは自らのLSD体験を、「人生でもっとも衝撃的な体験のひとつ」として自伝で回顧しています。それが後に彼をへと導くことにもなりました。

さて、そのようなサイケデリック体験をもったため、多くの人に「問い」が生まれたのでした。
「この体験はなんだろう?」
「この世界はなんだろう?」

その体験世界は、それまでの西洋の合理主義や近代主義の世界観では理解できない世界でした。そのため、「これらの意識状態」を定義して、きちんととらえ直す必要があったわけでした。
タート博士の仕事と「変性意識状態(ASC)」の概念の提示は、そのような時代の要望に応えるものだったのです。
そして、その仕事の結果、「変性意識状態(ASC)」という概念がひろく受け入れられることになったわけです。
そして、それは、サイケデリック体験だけでなく、当時、西洋社会では目新しかった「瞑想」や「ヨガ」「シャーマニズム」等、さまざまな東洋思想を理解する概念ツールともなったのでした。実際、ヨガなど、現在私たちが普段目にする東洋的実践が、普通に身の回りに見られるようになったのはこの時代以降のことです。

ではここで、「実際の変性意識状態(ASC)がどのようなものであるのか」、ひとつ具体的な(極端な)事例を見ておきましょう。イギリスの作家ハクスリーが、「サイケデリック」という造語を考えたハンフリー・オズモンド博士の元で、メスカリン(幻覚剤)を服用した時の体験談です。スティーブ・ジョブズのいう「衝撃的」という言葉の意味合いが伝わるかと思います。

「私が眼にしていたもの、それはアダムが自分の創造の朝に見たもの―裸の実在が一瞬一瞬目の前に開示していく奇蹟であった。イスティヒカイト。存在そのもの―エクハルトが好んで使ったのは、この言葉ではなかったか?イズネス、存在そのもの」ハックスレー『知覚の扉』今村光一訳、河出書房新社

「私は花々を見つめ続けた。そして花々の生命を持った光の中に、呼吸と同じ性質のものが存在しているのを看たように思った―だが、その呼吸は、満ち干を繰返して、もとのところにもどることのある呼吸ではなかった。その呼吸は、美からより高められた美へ、意味深さからより深い意味深さへと向かってだけ間断なく流れ続けていた。グレイス(神の恩寵)、トランスフィギュレーション(変貌、とくに事物が神々しく変貌すること)といったような言葉が、私の心に浮かんできた。むろん、これらの言葉は、私が眼にする外界の事物に顕わされて顕われていたのである」(前掲書)

「神の示現、至福の自覚―私は生まれて初めて、これらの言葉の意味するものを理解した。…仏陀の悟りが奥庭の生垣であることは、いうまでもないことなのであった。そして同時にまた、私が眼にしていた花々も、私―いや『私』という名のノドを締め付けるような束縛から解放されていたこの時の『私でない私』―が見つめようとするものは、どれもこれも仏陀の悟りなのであった」(前掲書)

この体験記は、当時よく読まれ(今も読まれていますが)、サイケデリック体験の指南書となりました。変性意識状態(ASC)というものの一端が(極端なものではありますが)うかがえるかと思います。

3.「 変性意識状態(ASC)」とA.マズロー

▼トランスパーソナル心理学と変性意識状態(ASC)
また、タート博士が本を出した1969年という年は「変性意識状態(ASC)」と関連で、別のとても象徴的な出来事がありました。それは、A.マズローが「トランスパーソナル心理学会」を立ち上げたのが、1969年だということです。
A.マズローといえば「欲求の五段階説」とか「自己実現 self-actualization 」などの理論で、ビジネスの世界でもひろく知られている心理学者です。
そのマズローは、晩年「自己実現」の次にある存在状態/ステージについて考えていました。
それが「自己超越 transcendence 」というものでした。

そして、「自己超越」に関連してマズローが注目していたのが「至高体験 peak-experience 」という心理状態でした。これは、とても充実した心理/存在状態なのですが、自己実現した人々に非常に頻繁に見られ、また普通の人々においても稀に見られる特別に「肯定的な状態」として、マズローの注意を引いたのでした。それは、限界を超えるような一種の超越的な心理状態、変性意識状態(ASC)といっていいようなものなのでした。そこに、マズローは人間の心の持つ可能性を直観したのでした。
その事実が彼をして、「自己実現」を超えた「自己超越」のテーマに向かわせたと考えてよいのです。

至高経験は自己合法性、自己正当性の瞬間として感じられ、それとともに固有の本質的価値を荷なうものである。つまり、至高経験はそれ自体目的であり、手段の経験よりもむしろ目的の経験と呼べるものである。それは、非常に価値の高い経験であり、啓発されることが大きいので、これを正当化しようとすることさえその品位と価値を傷つけると感じられるのである」(A.マスロー『完全なる人間』上田吉一訳、誠信書房)

「わたくしの研究してきた普通の至高経験では、すべて時間や空間について非常に著しい混乱が見られる。これらの瞬間には、人は主観的に時間や空間の外におかれているというのが正しいであろう。(中略)かれらはある点で、時間が停止していると同時に非常な早さで経過していく別の世界に住んでいるかのようである」(前掲書)

「至高経験は、この観点から見ると、絶対性が強く、それほど相対的ではない。(中略)それらは比較的達観し、人の利害を超越しているというだけではない。それらはまた、みずからは『彼岸』にあるかのように、人間臭を脱し、自己の人生を超えて永続する現実を見つめているかのように、認知し反応するのである」(前掲書)

「時間や空間の外」「彼岸」「自己の人生を超えて永続する現実」などという描写を見ても、これが通常の心理状態、意識状態を超えている感覚(変性意識状態)というのが伝わるかと思います。マズローが「自己実現」を超えた「自己超越」の心理学をつくる必要性を感じた理由もよくわかるかと思われます。

その結果、1969年に、通常のパーソナル(人格、個人性)を超えた(トランス)進化した人間像を研究するために、「トランスパーソナル心理学会」を立ち上げたのでした。
そして、とりわり象徴的なことは、マズローがこの学会を一緒に立ち上げたのが、精神科医のスタニスラフ・グロフ博士というLSD研究(サイケデリック・セラピー)の大家だったということです。LSDによるサイケデリック体験では、まさに「時間や空間の外」「彼岸」「自己の人生を超えて」などの体験がごく普通に見られるからです。そのようなことを理解できる共同研究者が必要だったというわけです。
晩年のマズローが構想した進化した(超越した)人間像と、変性意識状態(ASC)とが、どのように深い関連にあるのかがよくわかるエピソードかと思われます。

4.「潜在意識」「無意識」という胡散臭さ

さて、さきほどまではとても超越的な事例を見てきましたが、変性意識状態(ASC)は、もっと私たちの生活に身近な形でもさまざまに存在しています。ここからそれらの少し実践的な事柄に移りたいと思います。ところで、変性意識状態(ASC)は、私たちの「潜在意識」や「無意識」と呼ばれるものを、実際に探求・体験するに際して有効な働きを持ちます。

ところでどうでしょうか? 世間でよくいわれるように、人間は「潜在意識」がとても重要なのだと聞いても、どこか怪しく胡散臭い感じがするのではないでしょうか? 
「言われれば、なんとなくそういう気もするけど…」とは思うものの本当にそうなのか、感覚的にピンとこないのではないでしょうか? また、確証のとれない事柄について勝手に語られているように感じられたりしないでしょうか? というのも、「潜在意識」と呼ばれているものが実際、感覚的によくつかめない、中身がよくわからないというところがあるからです。
これは、とても正しい反応だといえます。
そして実際のところ、潜在意識(無意識)の大切さについて、「理論的な話」を聞いてもあまり意味が無いことでもあるからです。

つまり、「潜在意識」や「無意識」の重要性は、「自分の感覚として」実際にそれらを体験・体感したり、その中身を感覚的にわかることによってはじめて意味が出てくるものであるからです。

さて実は、変性意識状態(ASC)は、そのような「潜在意識(無意識)」と、この日常意識をつなぐ領域(媒介領域/状態)として、私たちにとってとても価値があるものであるといえるのです。
つまり、変性意識状態(ASC)は、私たちに広大な潜在意識との意識面でのつながりをもたらし、実感的・実践的な理解をもたらすものであるというわけなのです。
そして、その状態に習熟することにより、潜在意識と深く交わり、そこから能力を引き出したり、操作する方法を得ていくことにもなるというわけなのです。

これが、私たちにとって、変性意識状態(ASC)がとても重要な価値を持つ面といえるのです。
(おおざっぱに表現すると、変性意識状態とは、日常意識と潜在意識とが部分的に融合した状態ともいえます)

5.変性意識状態(ASC)と心理療法

まずは、身近で「実利」を得られるところにある、心理療法(心理学)における変性意識状態(ASC)の効果や有効性について見ていきたいと思います。

さて、「心理療法」とは、心の悩みや苦しみなどを「取り除き」「癒す」ことが目的です。
もう少し丁寧に表現すると、「不調和を起している心(心理)のプログラム」をプログラム修正(再プログラミング)することを目的としたものです。
そして、この再プログラミングをするに際して、程度の大小はありますが、日常意識ではないこの「潜在意識」「無意識」にアクセスすることが重要となるのです。

というのも、私たちのこの「私=自意識=日常意識」というもの自体が、既存の深層プログラムによって成り立ち、そこから映し出されている表象感覚(表象結果)であり、その日常意識(自意識)からでは、(当然ながら)自分自身を作り出している基盤プログラムを書き換えることはできないからです。
「影(結果)」からでは「本体(原因)」に影響できないというわけです。
ここに、私たち人類のこの「私=主体」にまつわる本質的に「逆説的な事態」があるのです。
実例を挙げると、例えば、感情的な問題について、頭(思考)でアレコレ考えていても(一時的に気を紛らわすことはできても)、それ自体は決して解決しない(無くならない)ことを思い出してみても、それは理解できるかと思います。

つまり重要なのは、この日常意識(私=自意識)ではない、別の経路から(日常意識を迂回した道を通って)、自分を作り出している基盤システムに介入して、プログラム修正することが必要となるわけなのです。
といっても、この「私(影、結果)」がなんとかしないといけないので、とても「逆説的な事態」だとお分かりいただけるかと思います。
そしてその際に、この変性意識状態(ASC)という状態がとても有効に利用できるというわけなのです。

この「心の構造」は、催眠療法などをイメージすると分かりやすいかと思われます。催眠療法の考え方というものは、クライアントの方の日常意識に働きかけるのではなく、その意識面を回避(迂回)して、潜在意識(無意識)に直接働きかけることで、クライアントの方の心のプログラムを修正しようとする方法論だからです。
しかし、それもそんなに簡単なことではないのです。催眠療法がそんなに効果を上げる方法論でもないことを見ても、その実情がよくわかるかと思います。

また、心理療法の見方でいうと、通常、心の問題で悩まれている方は、日常意識の自意識に過度にとらわれているものです。自分の苦痛や自意識が絶対的なものに感じられて、そこに囚われてしまっているわけです。そして、苦痛にみちた感情や自意識を、日常生活の中で反復することで固定化(硬化)した悪いループにはまっているです。そのため罠にかかったように、身動きができなくなってしまっているわけです。
しかし、実はその「私=自意識」は結果の表象感覚でしかなく、それを生み出している原因ではないのです。

ところが、変性意識状態(ASC)に入ると、日常意識(私=自意識)がゆるみ、自分の苦痛や自意識が相対化されて、アプローチ可能なものに感じられてきます。苦痛が減じて、自分の強い感情や自意識があつかいやすいものに変化するのです。そのため、より楽な気持ちで、自分の深い心にアプローチできるようになるのです。

セッションにおいては、これが一番効果を発揮する面といえるかもしれません。その結果、よりスムーズに心の深層に触れて、心理的な治癒と変容を進めていくことができるようになるのです。

さて、ところで、変性意識状態(ASC)ですが、実際のところ、私たちは、この変性意識状態そのものには、とても簡単に入れるものなのです。
しかしながら、変性意識状態をつくり、自分たちの望むような形で、心のプログラムを改修(変更)することはなかなか簡単には行なえないのが実情です。
というのも、それは人間生体の運営上、セキュリティの問題(危険)がありますので、セキュリティ・システムがきっちり設けられているからです。私たちは自分の心でさえ、簡単(勝手)にはプログラム修正ができないというわけなのです。それはそれでセキュリティ上、とても良いことなのです。
そのため、適切なプログラム修正を行なうには、セキュリティ・システムを抜けていく方法や心理システムに対する深い理解も必要となってくるのです。
セッションの中で、変性意識状態に移行するゲシュタルト療法(体験的心理療法)は、そのような方法や理解を深く的確なものにしてくれるのです
→【参考】心の悩みと解決法とは はじめに

6.変性意識状態(ASC)とはⅠ 入り方

さて、ところで、変性意識状態(ASC)といっても実にさまざまなタイプがあります。日常意識からの距離によって、軽いものから極端なものまで多様なスペクトルや帯域をもっています。
実際、私たちの意識は、日常生活の中でも、ふと緩んだ時に軽度な変性意識状態に入っています。ちょっとボーとしている時。何かに没頭している時。何かに集中している時。さまざまな機会に、私たちはスルリと変性意識の状態に移行してしまっているのです。
また、人間関係(関係性 relationship)の中では、人は、容易に無意識の力に引き(惹き)こまれて、軽度な変性意識状態に移行してしまいます。恋愛や性愛関係、家族関係、組織内における関係性など、集合的(集団的)な無意識が活性化しやすいところでは、人は憑依されるように容易に変性意識状態に巻き込まれていきます。過度に閉ざされた人間関係の中で犯罪(虐待等)が起こりやすいのはそのためです。

「意識のフレーム(枠)」自体は、カメラのレンズやフレームのように無色透明なものなので、なめらかに変性意識状態に移行するものです。そのため、自分が変性意識状態に入っていても、(没入していて)それと気づかない場合の方が多いものです。主観的には、ハッとして気づきを得るまで、私たちはほとんどその違い(差異)に気づけないのです。
しかし、そのような変性意識状態に移行する中で、無意識のうちに、私たちはより冴えた直観力と鋭敏性を働かせて、優れた創造力を発揮したりもしているのです。また悪い場合には、犯罪などをおかしてしまったりもしているのです。

そのため、重要なことは、単なる偶然的に変性意識状態に入ってしまうのではなく、意図性や気づき awareness をもって変性意識状態(ASC)をさまざまにあつかえるようになるということなのです。

ところで、変性意識にはさまざまな状態があります。しかし、変性意識状態とは、それ単体ではなんら特別なものではないという言い方もできます。というのも、変性意識状態というものは、単に変った意識状態ということだけであるからです。
重要なことは、変性意識は、私たちの日常意識との関係(対比/関連/組み合わせ)の中で、初めてその特異な位置づけや強い意味合いを持つという事実です
。たとえば、ドラッグ(薬物)をやって偶然的に深い変性意識状態に入っても、その体験自体(単体)が、すぐに恒常的な意識拡張や創造力拡大には結びつくわけではないということです。ここにおいても、日常意識との関係(つながり)の中で意図性や気づき awareness をもって変性意識状態(ASC)を操作することがポイントとなってくるのです。

さて、意図的に」変性意識状態(ASC)に入る方法としては、歴史的・伝統的には、各種宗教の儀式的なトランス状態や瞑想技法、向精神薬物の使用などが昔から知られていました。
また同様に、現代の体験的心理療法においても、セッションの過程の深いリラックス状態や、内的な感覚(感情)集中を通して、より自然な形で変性意識状態に入っていくことができます。その変性意識状態の中で、日常意識(自意識)ではコンタクト(接触)できなかった深層情報にアクセスして、そのプログラムを書き換えていくということも可能になってくるのです。
それというのも、変性意識状態(ASC)の中においては、日常意識(自意識)の時とは違った形で、潜在意識にある隠された情動や感覚情報が前景に溢れ出てきて、通常ない形でまじかに視ることも可能になってくるからです。そのような多層的な情報のただ中で、より微細な層に透過的に気づくこと awareness ができるようになるからです。このような微細で多重的な意識状態(ホリスティックな気づき状態)の中でこそ、(セキュリティ・システムを抜けて)心の精妙なプログラムにコンタクトすることや変容のコントロールも可能となってくるわけなのです。

いずれにせよ、心の複雑な構造(特性/逆説)をよく理解し、意図的に変性意識状態(ASC)に入るとともに、その中で心を書き換えるスキルを得ることは、心の治癒や人間の潜在能力を開発するために計り知れない有効性を持っているのです。
また逆にいうと、体験的心理療法のスキルに習熟することは、これらの能力、つまり変性意識状態(ASC)に入ることとその中で微細な気づきを保ち、潜在能力の解放を行なうことにもつながっていくのです。そして、この点こそが、近代的な心理療法と伝統的なシャーマニズムの原理的な類似性ともなっている点であり、当スペースの方法論となっている点でもあるのです。

7.変性意識状態(ASC)とはⅡ 意識のチューニング

また、変性意識状態(ASC)の中には、さきのジェイムズの文章にもあるような、私たちの日常意識から大きく逸脱した未知の不思議な意識状態の帯域もあります。
これら
のイメージは、喩えるとラジオのチューニング(同調)のようなものです。

通常、私たちのラジオ(日常意識)というものは、喩えると、NHK放送にチューニングが合っており、その番組放送を聞いていてそれだけが現実(世界)だと思っているようなものです。
この喩えでは、NHK放送が日常意識であり、その放送番組が日常現実です。
それが何かの拍子(もしくは方法論)で、ラジオのツマミが動かされて、別の放送局(変性意識状態)にチューニングが合うと、別の放送番組(変わった現実)が聞こえてきたりするというわけです。

人類学者カルロス・カスタネダの著作の中には「集合点」と呼ばれる、知覚情報を編成するポイント(結節点)が言及されています。集合点が動くと、私たちは、「日常的な私たち」自身であることを失い、その現実も溶解して、まったく別物に変化していくのです。カスタネダのいう集合点が、厳密に何を意味しているのかは分かりませんが、比喩的にも実践的にも、そのイメージは大変ヒントになるものです。

たとえば、宗教的な修行や体験的心理療法を強力に推し進めると、やはりまれに、そのように「集合点」 が動いたかのような強烈な変性意識状態、別種のリアリティ体験をすることがあります。
それは、私たちを、未知の体験領域-空間に投げ込むことになります(場合により、心身に混乱をきたすケースもあります)。アメリカにおいては、体験的心理療法や向精神性物質によるサイケデリック〔意識拡張〕研究も盛んなため、マズローと一緒にトランスパーソナル心理学会を立ち上げた精神科医のスタニスラフ・グロフ博士などは、そのようなさまざまな変性意識体験の事例、体験領域-空間をさまざまに研究報告しています。また、その状態をサポートするシステム(スピリチュアル・エマージェンシー)について記したり、支援活動を行なっていたりするのです。
(※実際のサイケデリック〔意識拡張〕体験とは何か
LSD研究の権威グロフ博士のLSD体験と時代背景インタビュー動画↓)
http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof

8.変性意識状態(ASC)の治癒効果と超越的状態

ところで、興味深いことのひとつは、深い変性意識状態自体が、心理的・身体的な深い治癒効果・統合効果を持っているという点です。
変性意識状態(ASC)が、人間の深層的なプロセスを活性化し、本来持っている深い潜在能力(治癒能力)を引き出し、人間の心身を不可逆的に解放・変容・刷新してしまうという点なのです。
深い変性意識状態が、身心のホリスティック(全体的)な機能を目覚めさせるためと考えられます。

それはおそらく、変性意識状態(ASC)というものが、私たちが普段同一化(固着)している日常意識(自意識)レベルの心理システムを解除し、私たちをより深く高い階層の潜在意識や心身統合システム、個人的自我を超えた領域に、私たちをつなげるためであると考えられるのです。
これは歴史的には、さきに触れた晩年のA・マズローなどが「
自己実現」を超えた領域として構想した「自己超越とトランスパーソナル(超個人的)な領域へのつながるテーマとなっているわけです。
これは、変性意識状態を入り口に、心身のより広大なシステム(全体性/ホールネス)に、私たちを導く興味深くかつ実践的なテーマでもあるのです。ホリスティック holistic なテーマがここにはあるわけです。
これらは広大な内容であると同時に、多様かつ多面的な要素を持ちますので、各要素については下記のそれぞれをご参考いただければと思います。
【図解】心の構造モデルと変容のポイント 見取り図
フロー体験とは何か フロー状態 ゾーン ZONEとは
サイケデリック(意識拡張)体験とは何か 知覚の扉の彼方
変性意識の治癒効果
マズロー「至高体験 peak-experience」の効能と自己実現
ブリージング・セラピー(呼吸法)の事例
「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識
実際の変性意識体験の事例

現代日本社会では、正しく理解されていませんが、この変性意識状態(ASC)を、きちんとあつえるスキルを磨くことは、私たちの能力や創造力、人生にとって計り知れない益をもたらすものなのです。

9.変性意識のもたらす変容と、人生で活かす方法

さて、拙著『砂絵Ⅰ』の中にも、実際の体験事例を多数書きましたが、筆者自身、心の諸領域を探索する中でさまざまな奇妙な変性意識状態(ASC)を体験してきました。
→拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

そして、それらの経験を繰り返してわかったことは、変性意識状態(ASC)が私たちにもたらす変容作用や治癒作用、意識拡張作用は、(場合によっては)たった一回の体験で、人生を一変させてしまう強力な能力を持っているという点でした。心身の基底的なプログラムが刷新し、書き換わってしまうわけです。

さきに触れた、S.グロフ博士は、強度な変性意識を体験した多くの人々の証言を集めた結果から、その世界の見え方の変容を「あたかも、白黒テレビからカラーテレビに変わるかのようだ」と表現しています。これは実際にそのようなものなのです。

また、数々のセッションを実施した経験から言えることですが、軽度のものでも、変性意識状態(ASC)は、私たちの奥底に確実に変容をもたらしてしまうものです。これら多くの観察を踏まえると、変性意識状態(ASC)というものは、気まぐれな不調和ということではなく、私たちの自然的本性(全体性/ホールネス)が備えている「自律的・治癒的・創造的」な素晴らしい潜在能力であるともいえるのです。

そして、これも経験上言えることですが(一番重要な点でもあるのですが)、変性意識状態(ASC)の活用ポイントは、変性意識状態(ASC)と普段の日常生活の間に、きちんとした「心理的な連携や統合、往還(行き帰り)の通路をつくっていく(習熟していく)」という点なのです。

そうでないと、変性意識状態(ASC)は単なる偶然的で奇妙な(面白い)エピソードということだけで、私たちに心理的な統合をもたらすことがないからです(逆に解離と分裂をもたらすこともあるからです)。私たちの人生を豊かにする創造的パワーにはなってはいかないのです。
そのため、拙著 『砂絵Ⅰ』の中では、日常生活と変性意識との行き帰り(往還)の方法を「行きて帰りし旅」という言葉で公式化しました。これが一番重要な点でもあるからです。
そのような、行き帰りと連携の取り組み(スキル)によってこそ、変性意識状態(ASC)の特異で強力な力を、日常生活と人生の中で価値ある創造的な能力に変えることができるのです。

このようなわけで、当スペースでは、変性意識状態(ASC)をあつかうスキルを、潜在能力を引き出し解放・活用するためのスキルとして、実践面・方法論面でも重視し、多くの方々に体験してもらったり、深めてもらったりしているというわけなのです。
変性意識状態(ASC)の秘められた力を、ご自分でうまくあつかえたり活かせるようになるだけで、想像もつかなかったような形でご自身の人生を解放し、刷新させることが可能になるからです。
そのことで、クライアントの方がご自身で、自己の潜在意識や創造力を無尽蔵に引き出す真の魔法、マスター・キーを手に入れることができると考えているからなのです。

 

10.参考文献

Charles T. Tart (ed.) ; Altered states of consciousness . John Wiley & Sons Inc
W・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』桝田啓三郎訳 (岩波書店)
A・ハックスレー『知覚の扉・天国と地獄』今村光一訳 (河出書房新社)
S・グロフ『自己発見の冒険Ⅰ』菅靖彦他訳 (春秋社)
S・グロフ『脳を超えて』菅靖彦他訳 (春秋社)
S・グロフ他『深層からの回帰』菅靖彦他訳 (青土社)
T・リアリー他『チベット死者の書 サイケデリック・バージョン』菅靖彦訳(八幡書房)
A.H.マスロー『完全なる人間』上田吉一訳 (誠信書房)
A.H.マスロー『人間性の最高価値』上田吉一訳 (誠信書房)
J・C・リリー『意識(サイクロン)の中心』菅靖彦訳(平河出版社)
C・G・ユング他『黄金の華の秘密』湯浅泰雄訳 (人文書院)
R・D・レイン『経験の政治学』笠原嘉他訳 (みすず書房)
M.チクセントミハイ『フロー体験入門』大森弘監訳(世界思想社)
S・コトラー『超人の秘密:エクストリームスポーツとフロー体験』熊谷玲美訳(早川書房)
井筒俊彦『意識と本質』(岩波書店)
吉福伸逸『無意識の探険』(TBSブリタニカ)
吉福伸逸『トランスパーソナル・セラピー入門』(平河出版社)
菅靖彦『変性意識の舞台』(青土社)
津村喬『気功宇宙―遊泳マップ』(アニマ2001)
K・ウィルバー『意識のスペクトル』吉福伸逸他訳 (春秋社)
ロジャー・N・ウォルシュ『シャーマニズムの精神人類学』安藤治他訳(春秋社)
A・ミンデル『シャーマンズ・ボディ』藤見幸雄他訳 (コスモス・ライブラリー)
フレッド・アラン・ウルフ『聖なる量子力学9つの旅』小沢元彦訳 (徳間書店)
S・ラバージ『明晰夢』大林正博訳(春秋社)
ゲイリー・ドーア編『死を超えて生きるもの』井村宏治他訳(春秋社) 
アブラハム.H.マスロー『人間性の最高価値』上田吉一訳 (誠信書房)
マーティン・A・リー他『アシッド・ドリームズ』越智道雄訳(第三書館)

9.関連記事

フロー体験とは何か フロー状態 ゾーン ZONEとは
スポーツ選手(アスリート)が、高いパフォーマンスを発揮するゾーン ZONE に入るといわれます。その状態が、心理学の定義でいう「フロー体験」です。フロー体験は変性意識体験の一種ですが、この記事ではフローを生む条件などについてまとめています。

サイケデリック(意識拡張)体験とは何か 知覚の扉の彼方
音楽ジャンルなどで知られる「サイケデリック」という言葉(オズモンド博士の造語)が、本来意味している変性意識状態はどのようなものか、ここでは事例をもとに、その内容を見ています。本来、サイケデリック体験とは、とても深遠な体験を指していたのです。

心理学的に見た「チベットの死者の書」
ティモシー・リアリー博士は、LSD体験と「チベットの死者の書」で書かれていることが近似していることに気づきました。そして、「チベットの死者の書」をリライトして、LSDセッションの導きの書とすることを思いついたのです。

実際の変性意識体験の事例
ここでは、筆者が実際に体験した変性意識を、拙著『砂絵Ⅰ』より引用しています。子宮回帰体験、人生回顧(ライフ・レビュー)体験、クンダリニー体験の事例が取り上げられています。

マズロー「至高体験 peak-experience」の効能と自己実現
A.マズロー アイデンティティの極致としての至高体験
「完全なる体験」の因子とA.マズロー
「自己実現」理論で有名な心理学者マズローは、晩年、「自己実現」のさきにある「自己超越」という状態について考察をめぐらせていました。そして、自己実現した人が頻繁に、また普通の人々でもしばしば経験する「至高体験 peak-experience」という状態についても研究を深めていました。そして、「至高体験」は誰にでも起こるし、その体験が私たちを一時的に自己実現達成者にすることについて述べています。ここでは、それらについてまとめています。

気づき awareness と自己想起 self-remembering
グルジェフの自己想起 self-remembering の効能
気づき awareness とは、マインドフルネスの状態ですが、一般にはその状態がどのような心理状態・意識状態か、少しイメージがつきにくい点があります。ロシアの秘教的思想家グルジェフが、意識成長(進化)の訓練法として提唱した「自己想起 self-remembering」(これ自体も普通には難解ですが)を参照すると、気づきやマインドフルネスの状態が少し明確に焦点化されると思います。

メスナー 登山体験 その意識拡張と変容 メスナーの言葉から
登山は、生と死が隣接する過酷な状況に遭遇することもあるため、特殊なタイプの変性意識状態に入りやすいものです。ここでは、著名な登山家ラインホルト・メスナーによる言葉を集めてみました。

変性意識の治癒効果
変性意識状態は、それに深く入ることで、強い癒しの効果を持つ場合もあります。ここではその原理について考察しています。

関連記事2
映画『マトリックス』のメタファー(暗喩) 残像としての世界
明晰夢の効力 2 映画『マトリックス』の世界へ
映画『マトリックス』は、変性意識状態が教えてくれる、私たちの現実世界をとてもうまく感覚的に表現した作品となっています。絵空事ではなく、『マトリックス』的世界を生きる方法について書いています。

映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識
映画『攻殻機動隊』2 疑似体験の迷路と信念体系
『マトリックス』の元ネタになった映画『攻殻機動隊』も、変性意識状態の心を考える上でヒントを多く与えてくれる素晴らしい作品となっています。ここでは、作中に語られる(心の)「上部構造にシフトする」ことやその他示唆に富む内容について検討を行なっています。

モビルスーツと拡張された未来的身体
有名なアニメ『機動戦士ガンダム』(1stガンダム)に登場した「ニュータイプ」のコンセプトも、変性意識状態と知覚拡張について、私たちにさまざまなヒントと方法論的な素材を与えてくれるものです。

▼変性意識状態(ASC)のさまざまな可能性について
→ 「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
『諸星大二郎の『生物都市』と鉱物的な変性意識状態(ASC)
X意識状態(XSC)と、意識の海の航海について
ロートレアモン伯爵と変性意識状態
宇宙への隠された通路 アレフとボルヘス



【ブックガイド】

変性意識に入りやすくする心理療法(ゲシュタルト療法)については、基礎から実践までをまとめたこちら(内容紹介)↓
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
また、変性意識状態(ASC)への入り方などその詳細な概要と実践技法は入門ガイド↓
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
をご覧下さい。

また、変性意識状態のよりトランスパーソナル(超個)的で広大な世界を知りたい方は、実際の体験事例も含めた↓
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

▼▼▼【メルマガ登録】▼▼▼

無料オンラインセミナー、体験セミナー、イベント等々、各種情報をお送りしています。ぜひ、ご登録下さい! 

コチラ

ブリージング・セラピー(呼吸法) BPM

o0600042110251752182
H.R.ギーガー
 


ブリージング・セラピー(呼吸法)Ⅰでは、スタニスラフ・グロフ博士の「ホロトロピック・ブレスワーク」の実際のセッション体験について記しました。
ここでは、この理論の前提となっている「分娩前後マトリックス」について、ここでは少しご紹介しましょう。
※グロフ博士の『脳を超えて』(吉福伸逸他訳 春秋社)という大著があります。最下部の一覧表は同書からの要約です。

◆「出生外傷(バース・トラウマ)」の発見
―「分娩前後マトリックス」

博士は、当初、LSDを使った心理療法(サイケデリック・セラピー)を行なっていましたが、クライアントとの数千回にわたるLSDセッションを行なう中で、人間の深層に「出生外傷(バース・トラウマ)」が存在することを発見しました(そう判断しました)。
(http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof)

それは、人間が「胎児として、子宮から膣道を通って出産される」という強烈な体験過程の記憶です。それがLSDセッションでは回帰(再体験)してくることになります。

グロフ博士は、これを基本的分娩前後マトリックスBPM (Basic Perinatal Matrix)と呼んで、体験のフェーズごとにBPMⅠ~ BPMⅣまで4つに分けて解説しています。

そして、それらが「原トラウマ」として、その後の人生に大きな影響を与えていることと考えたのです。
それらは精神障害で現れるタイプ・傾向から、日常生活での好み嗜好/強迫観念、性的な好み嗜好までその人を貫く大きな要素として存在しているという仮説です。

①BPMⅠ 母親との原初の融合

最初のフェーズです。これは胎児が、母親の子宮の中にたゆたっている状態です。子宮内が良好な状態であれば、これは安逸(至福、天国)の体験です。子宮内が胎児にとって不快な状態であれば、最悪の体験(地獄)です。胎児にとっては子宮内が宇宙そのものであるからです。

②BPMⅡ 母親との拮抗作用

やがて、出生の時期を迎えます。胎児は子宮口に吸い込まれていく体験に入ります。胎児にとっては危機的な状況です。窒息や吸引など様々な脅威がこの体験過程の表象となっています。

③BPMⅢ 母親との相助作用

産道・膣道を通って出産される場面です。胎児は膣道の万力のような圧倒的な力に、自分が圧し潰されそうになる脅威を感じます。膨大なエネルギーが発散・放出されます。同時にぞっとするような性的でもある火山的エクスタシーを体験することもあります。

④BPMⅣ 母親からの分離

実際に、出産されて母親の外に出る体験です。恐ろしい苦難の後の突然の解放体験となります。そこでは、まばゆさと歓喜に満ちた元型的な世界を体験したりもします。

さて、以上のような4つのフェーズが原型的な体験となって、私たちの深層意識の底に巣食い、その後の人生に与えていくというのがグロフ博士のBPM仮説となっています。

ところで、このような心の原風景は、筆者の変性意識状態を使ったゲシュタルト療法においても、しばしば現れてくるものであります。
そのため、ブリージング・セラピーに限らず、クライアントの深層意識をあつかうセラピスト、ファシリテーターは、この仮説(理論)が描写する生々しいイメージや症状、欲求(感情)形態、心理構造をよく理解しておいて損はないと思われます。

 

※体験的心理療法や変性意識状態(ASC)についての総合的な方法論は拙著↓
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、よりディープな
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』をご覧下さい。

↓動画「ブリージング・セラピー(呼吸法)」

※多様な変性意識状態についてはコチラ↓動画「ゲシュタルト療法 変性意識 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』」


ブリージング・セラピー(呼吸法)事例


ここでは、「体験的心理療法」の典型として、ブリージング・セラピーである「ホロトロピック・ブレスワーク」とその事例を紹介したいと思います。その治癒的な効果と、変性意識状態(ASC)の現れ方のあり様がよく分かると思われます。

ブリージング(呼吸法)を使ったセラピーは各種あります。
呼吸は、私たちの意識と無意識をつなぐとても重要な媒体(要素)であり、そのため古今東西の瞑想技法でも重視されてきたものです。

たとえば、私たちは、日頃よく「呼吸」を止めることで「感情」を抑えようとします。抑制しようとします。
思わず「息を止める」「息をつめていた」などという行為です。
ある種の人々にとっては、これが子供の頃からの習い癖となっていて、そのために肉体自体(肺や横隔膜)が硬くなってしまっていて、深い呼吸ができないという人がいます。
しかし、これまでの人生の中では、呼吸を止めることで「その時、感じたくなかった生々しい感情(苦痛)」から自分を守ることができたのです。
「呼吸をコントロールする=感情をコントロールする」が方程式になってしまっているのです。

しかし一方で、だんだんと、浅い呼吸しかできないために、生き生きとした生命力が枯渇してしまっていること気づき、悩まされることにもなるのです。

そのため、からだをほぐし、呼吸をなめらかに滞りなく流すこと自体が、自分の感情をなめらかに流していくことに効果的なのです。
なめらかな深い呼吸には、なめらかな感情の流れが連動します。
各種のボディワーク・セラピーにおいては、身体の硬くなった(硬化した)ブロックを直接的にほぐしていくことで、このプロセスを促進していきます。

自分の感情を抑えたり、コントロールすることを習い癖にしている人は、呼吸を解放したり、感情を深く体験することにはじめは恐怖を感じます。
また、呼吸の解放によって、感情のコントロールを失うんじゃないかと恐れを抱きます。

しかし、心配は不要です。コントロールは「自然」のシステムとして働いています。
むしろ逆に、人為的・作為的な無理なコントロールこそが、抑圧によって感情の反発を招き、感情の暴走を招くのです。
(緊張しないようにすると、かえって緊張してしまうのと同じです。緊張を受け入れると緊張はなくなります
)

マインドフルネス瞑想の要領で、心静かに呼吸に注意を向け、自然に呼吸を流していくことで、感情の流れと呼吸の流れが同期している(つながっている)感覚を静かに実感できて、心身の新しいエネルギーの流れを体験していくことができるでしょう。

ブリージング・セラピー(ホロトロピック・ブレスワーク)は、このような呼吸の特質を使って、心の深層の次元にアクセスしていく力強い方法論なのです。

◆ホロトロピック・ブレスワーク

「ホロトロピック・ブレスワーク」とは、スタニスラフ・グロフ博士が開発したブリージング・セラピーです。グロフ・ブリージング、ホロトロピック・ブリージングとも呼ばれたりします。

グロフ博士は当初、合法の研究薬だったLSDを使った心理療法(サイケデリック・セラピー)を行なっていましたが、LSDに法的規制が加わった後、ブリージング(呼吸)・セラピーでも同様の内的プロセスを促進できることを発見し、その方法論を実践化しました。詳しくは、博士の『自己発見の冒険』(吉福伸逸他訳 春秋社)などに詳しい実践法の記述がありますで、そちらをご覧いただければと思います。ここでは、ポイントだけを記していきます。

①セッションの方法

1セッションで、1時間から数時間かけて行ないます。

セッションは二人一組になり、中心のクライアント(ブリーザー)とサポートする「シッター」と役割を決めて行ないます。

クライアント(ブリーザー)が行なうことは、セッションの間の数時間、大音響で音楽が流れる中、ただ「過呼吸」を行ない、生起して来る内的プロセスに気づきをもって身を委ねるだけです。プロセスは自然に生起していきます。その中で、起承転結が自然に起こるのです。

②内的プロセス セッションの経過

グロフ博士は言います。

「たいていの場合、ホロトロピックな体験は、オルガスム曲線を描き、感情のもの上がりとともに、身体的兆候が現れ、それが絶頂期を迎え、突如の解決に導くといった経路をたどる」(前掲書)

この内的・現象的・症状的な経過はとても自然な流れで起こり、私たちの内部の〈自然〉の圧倒的な自律性(知恵)を感じさせる類いのものです。

セッションの間は、主観的には、この体験がどこに向かうのか、何が起こるのか、まったく予測がつかない状態ですが、症状や体験過程がある程度進行してくると、そのプロセスに無理がなく、私たちの経験的な体感覚とマッチしていることもあり、とりあえずはその過程の行く末に任せてみようという気分になってきます。それは、その状態が既に変性意識状態(ASC)であり、通常では気づけない、微細な生体プロセスに気づけていることにも由来します。

◆出生外傷(バース・トラウマ)

▼「分娩前後マトリックス Basic Perinatal Matrix 」

「出生外傷(バース・トラウマ)」は、フロイトや弟子のオットー・ランクらが人間の深層にあるトラウマとして昔から指摘していたものです。しかし、その指摘はどこかアイディア的で、観念的なニュアンスがありました。
しかし、グロフ博士は、クライアントとの数千回にわたるLSDセッションを行なう中で、人間の深層に文字通りの物理的・体験的記憶として「出生外傷(バース・トラウマ)」が実際に存在することを発見していったのです(そう判断していったのです)。

クライアント自身の「胎児として、子宮から膣道を通って出産される」という物理的な体験の記憶です。
それはある種、「天国的」であると同時に「地獄的な」体験の記憶です。
これが人間の深層に横たわっており、さまざまな「天使的」または「悪魔的」な欲望の基盤となっていると考えたのです。

グロフ博士は、これを基本的分娩前後マトリックスBPM (Basic Perinatal Matrix)と名づけて、BPMⅠ~ BPMⅣまで4つのフェーズに分けて解説しています。
実際の「産道体験」である同時に、その(それぞれのフェーズに)特徴的な存在状態の解説となっており、そして、どのフェーズで、トラウマな固着をもった場合に、人生でどのような傾向の問題(妄想)を引き起こすかを体系化したのです。

そして、重要なことは、この深層記憶が「ホロトロピック・ブレスワーク」ではしばしば戻ってくるということなのでした。
そして、そのトラウマ的な記憶を解消していくということなのでした。

◆セッション体験例

ここでは、実際に筆者のセッション体験を引用しておきましょう。
ところで、ブリージング自体は、過去に何回も行なっていますが、ここでは、はじめて顕著な体験をした時の事例を拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』から引用しておきます。


さて、以下を体験する前の時点で、既に何回かブリージング自体は行なっていましたが、これといって特別な体験は何も起こっていなかったので、
この時も、さしたる期待もなく、セッションを始めたのでした。

「……………………………
………………………
…………………

いつものように、
音楽に気を紛らわし、
過換気呼吸に、
集中していく…

過換気自体は、
不快なだけ、
苦しいだけ、
といってもいい…

探索するよう、
手さぐりするよう、
感覚と手がかりを求め…
呼吸を続けていく…

…………
………………
熱気が高まってきて…
顔や皮膚に、
ちりちりと、
蟻が這うよう、
痒さが走る…

茫漠とした不安に、
さきの見えない、
不快感が、
つのっていく…

呼吸に集中し…
気づきを凝らし…
内側から、
深層のプロセスが、
生起して来るのを、
見つめている…

光の斑点が、
眼の裏に、
交錯し、
輪舞する…

どのくらい、
経ったのか…
汗ばむ熱気の中、
苦しさは薄まり…
痺れとともに、
遠いところから、
満ちて来る、
生理の、
深いざわめきに、
気づく…

呼吸を続け、
その波を、
増幅し、
持続させることに、
集中する…

いつものよう、
手足のさきが、
痺れはじめ…
熱気の中、
斑らに現れる、
奇妙な汗ばみ…
冷たさの感覚… 

とりとめのない、
記憶や映像が、
夢の破片ように、
去来する…

どこへ向かっているのか、
予想もつかない…
しかし、
何かが、
満ちて来る気配…

内側の遥かな底に、
荒れ騒ぐよう、
何かが高まり、
生起する感覚…

呼吸を続け…
意識が、
途切れがちになる…
呼吸を保ち…
意識をただし…
気づきを凝らし…

………………………
………………
…………

どのくらい、
時間が経ったのか…
明滅する意識の向こうに、
ふと気づくと、
そこに、

「胎児である自分」

がいたのである…

それは、
記憶の想起ではなく、 
今現在、
今ここで、
「胎児である自分」
なのであった… 

感じとられる、
肉体の形姿が、
からだの輪郭が、
いつもの自分とは、
完全に違っている…

巨大な頭部に、
石化したよう、
屈曲した姿勢…
激しく硬直する、
腕や指たち…

手足のさきが、
堅く曲がり、
樹木のよう、
奇妙な形に、
ねじくれている…

からだ全体が、
胎児の形姿、
姿勢である…

そして、
気づくのは、
今ここに、
自分と重なって、
「その存在がいる」
という、
圧倒的な、
臨在の感覚である…
その存在の、
息吹である…

それは、
自分自身である、
と同時に、
かつて、
そうあったであろう、
「胎児である自分」
との二重感覚、
だったのである…

「いつもの自分」
の意識と、
「胎児である自分」
の感覚(意識)とが、
二重化され、
同時に、
今ここに、
在ったのである…

分身のよう、
多重化された、
肉体の、
感覚の、
意識の、
圧倒的に、
奇妙な現前が、
在ったのである…

そして、
ふと気づくと、
手足は、
異様なまでの、
硬直の激しさである…

その筋肉の凝縮は、
普段の人生の中では、
決して経験しない類いの、
岩のような硬直と、
巨大な圧力である…

自分の内部から、
このように、
途方もないエネルギーが、
発現している事態に、
驚いたのである…

肉体の深い層から、
生物学的で、
火山的なエネルギーが、
顕れていたのである…

………………
…………

何の感覚か…
まとわり、
ぬめるよう密閉感… 
粘膜のよう、
煩わしい、
冷たい汗ばみ…
奇妙な匂い…

内奥に、
深く凝集し、
細胞的に遅延する、
時間の感覚…
生理的な、
生物的な、
渇き…

胚のよう、
種子のよう、
濃密に凝縮する、
発熱の、
震え…

暗闇に、
ぼうと浮かぶ、
輝くような、
始源の感覚…
宇宙的な、
未明の、
けはい…

肉と骨の奥処に、
岩のよう、
苛烈な硬直の、
軋み…

烈火のよう、
力のエネルギーが、
尽きることない、
火力が、
終わることなく、
滾々と、
放出されていたのである…

………………………………
………………………」

さて、このセッションは、「胎児のとしての自分を見出し、体験する」ということを体験の絶頂として、身体の猛烈な硬直もそれ以上には進まず終息に向かっていきました。

主観的には、この胎児との遭遇は、大きな感情的なインパクトを持ちました。生命の自律性に対する畏怖の感覚や、その原初の輝きを、目撃し、同一化する体験となったのです。


◆体験の後

さて、このセッションの目覚しい効果は、その翌日朝にすぐ現れました。
肉体の深層に埋め込まれていた、硬化した緊張感が忽然と無くなり、膨大な量のエネルギーが解放されていたのでした。
からだが、信じられないくらい、軽くなっていたのでした。
そして、羽毛のように軽く、フワッと身を起こしたのでした。
自分のからだの軽さに、驚いたのでした。

そして、あらためて(逆算的に)過去を振り返ってみて、昨日までそのような膨大なエネルギーの重圧感を抱えて生きていたことに気づいたのでした。

普段、そのような深層の抑圧(重圧)には気づきもしていませんでしたが、膨大な緊張感が無くなってみてはじめて、心身の深層にそのような苦しく圧迫的なプログラムが埋め込まれていたのにあらためて気づいたのでした。
そして、自分がすでに「解放された存在」になってしまったことに、その朝気づいたわけでした。

続き→ ブリージング・セラピー その2 BPM (Basic Perinatal Matrix)

※体験的心理療法や、変性意識状態(ASC)についての総合的な方法論は拙著↓
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、よりディープな
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

↓動画「ブリージング・セラピー(呼吸法)」

↓動画解説 「変性意識状態(ASC)とは何か その可能性と効果の実際」

※多様な変性意識状態についてはコチラ↓動画「ゲシュタルト療法 変性意識 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』」


プロフィール

freegestaltworks

タグクラウド
ギャラリー
  • 2024年3月16日(土) 無料オンラインセミナーのご案内
  • サイケデリック・シャーマニズムとメディスン(薬草)―概論
  • R.I.P Burt Bacharach
  • 動画解説「苦痛な気分」とその解決法
  • 「苦痛な気分」―その構造と解決法
  • 【新版】動画解説「心の構造モデルと心理変容のポイント」
  • 【新版】動画解説「変性意識状態(ASC)とは ―その可能性と効果の実際」
  • 【新版】動画解説「エンプティ・チェアの技法」
  • 轟二郎さん 大腸がんで死去 65歳
  • さまざまな言葉・語録・参考ヒント
  • 変性意識と自己超越の技法―「こちら側の意識」と「向こう側の意識」【方法論的寓話】
  • 人間万事塞翁が馬  アラン・ワッツ
  • 強い不安への対処方法 不安は抑圧された興奮
  • 動画解説「抑うつ感・憂鬱感・罪悪感・自責感・自己懲罰感・恐怖感・無力感」の構造と解決方法
  • 「自信がない・自己肯定感が低い・生きづらさ・心の葛藤」の構造と、創造性
  • 動画解説「自信がない・自己肯定感が低い・生きづらさ・心の葛藤」の構造と、創造性
  • 動画解説「総合サイト案内 フリー・ゲシュタルト・ワークス」
  • 動画解説【図解】心の構造モデルと変容のポイント
  • 動画解説 新「進化とスキルのロードマップ」 ゲシュタルト療法 青空の通り道 トランスパーソナル心理学 変性意識
  • 知りたい人のための自己啓発系学習ガイド コーチング、NLP、スピリチュアル系…
  • 動画解説『ゲシュタルト療法ガイドブック:自由と創造のための変容技法』
  • 新刊案内『ゲシュタルト療法ガイドブック:自由と創造のための変容技法』
  • 新刊案内『ゲシュタルト療法ガイドブック:自由と創造のための変容技法』
  • サイケデリック psychedelic (意識拡張)体験とは何か
  • サイケデリック psychedelic (意識拡張)体験とは何か
  • 動画解説「トランスパーソナル心理学・変性意識(ASC)・ゲシュタルト療法」
  • 「夢見の像の輝き」と心理的投影
  • 動画解説〔機動戦士ガンダム〕モビルスーツと拡張された未来的身体
  • 夢見と変性意識状態(ASC) つぶやき語録2
  • 動画解説「フロー体験 flow experience」
  • 動画解説「英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー」 
  • 動画解説「拡張された知覚力と意識状態」
  • 動画解説「気づきのメタ要素と創造的な自己の運用」
  • 「体験を編集する」ことと変性意識状態(ASC)
  • 動画解説「『体験を編集する』ことと、変性意識状態(ASC)」
  • 連載8 「物語の力」と変性意識状態(ASC) 頭抜けたアウトプットを出す直接的方法
  • 動画解説「物語の力」と変性意識状態(ASC) 
  • 動画解説「野生の気づき(アウェアネス awareness)と意識拡張」
  • 動画解説「変性意識状態(ASC)と身体感覚の拡張」
  • 動画解説 映画『マトリックス』『攻殻機動隊』 現代的(心理学的)シャーマニズム
  • 動画解説「魔法入門 変性意識活用法その2 現代的(心理学的)シャーマニズム」
  • 動画解説『伝統的なシャーマニズムの世界観について』
  • 動画解説「魔法入門 変性意識活用法 意識拡張と創造性」
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説『サイケデリック(意識拡張)体験とメタ・プログラミング』
  • 動画解説 得られる効果と成果「心理療法と能力開発」 ゲシュタルト療法 変性意識
  • 動画解説 進化とスキルのロードマップ ゲシュタルト療法 変性意識
  • 動画解説 NLP「学習進化の5段階モデル」
  • 動画解説「映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識」
  • 動画解説「映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識」
  • 動画解説「総合サイト案内 フリー・ゲシュタルト・ワークス」
  • 動画解説 【図解】心の構造モデルと変容のポイント
  • 動画解説 ゲシュタルト療法 セッションの効果 意欲と創造力の増大
  • 動画解説 ゲシュタルト療法 概論/目次
  • 動画解説「ゲシュタルト療法 セッション(ワーク)の実際 内容/展開/アウトプット」
  • 新刊案内『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』