フリー・ゲシュタルトな気づき

フリー・ゲシュタルト・ワークス free gestalt works のブログ。具現化のための、気づき・変性意識・フロー、その他。

フリー・ゲシュタルト・ワークスは、
「心理学」―ゲシュタルト療法―
をベースに、
・目標の具現化・達成
・自信、意欲、自己肯定感の回復
・心の悩みの解決・癒し
・卓越したパフォーマンス・集中力の発揮
・潜在能力と創造性の開発
・意識と知覚力の拡張
・独創的なアウトプットの獲得などの、
具体的な方法論を、
提供しているセッション・スペースです。
セラピー・スペース、カウンセリング・スペース、
また、能力・創造性開発の、
マインド・コンサルティング・スペースです。
ゲシュタルト療法と、
変性意識状態(ASC)を、
方法論として、
自由で、創造的な心の獲得をサポートしています。
HP↓
http://www.freegestaltworks.net/
動画チャンネル↓
http://www.youtube.com/c/freegestaltworks
メルマガ登録
【FG通信】具現化のための、気づき・変性意識・ゲシュタルト↓
姉妹サイト↓
https://xstatestech.jimdo.com/
https://emptychairworks.jimdo.com/
本↓
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』(電子版/書籍版)
https://www.freegestaltworks.net/%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%B4%B9%E4%BB%8B-%E7%A0%82%E7%B5%B5%E2%85%A0-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%9A%84%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B7%E3%82%A3%E3%81%AE%E6%8A%80%E6%B3%95/

twitter↓
https://twitter.com/freegestaltwork

サブモダリティ

知覚と感情が編成する、この世界 サブモダリティとエンプティ・チェア

スライド5



◆サブモダリティと無意識の深層感情

さて、以前、
効果的に作用するNLPの技法について、
考えてました。
効果的に作用するNLP(神経言語プログラミング)のフレームとは

今回はその関係で、
NLPのユニークな概念である、
サブモダリティ(下位・従属様相)について、
取り上げてみたいと思います。
サブモダリティについて、
以前も、少し触れました。
サブモダリティの拡張 NLP(神経言語プログラミング)とビートルズ その2

さて、NLPで行なう、
サブモダリティを使ったワークでは、
大体、クライアントの方の、
ポジティブな状態の時のサブモダリティと、
ネガティブな状態の時のサブモダリティを、
確認(マーキング)して、
それらに対して、
操作的な変化調整を加えることで、
内的状態を変容させることを狙います。
これが、NLPの戦略です。

そのような取り組みで、
内的な状態が、
望むように、
変化するテーマはあります。
そのようなケースでは、
上記のような取り組みで、
充分なのです。

しかしながら、
心の層の深い部分で、
クライアントの方の行動や感情を、
妨害しているテーマにおいては、
サブモダリティをいじるだけで、
恒久的な問題解決や、
プログラミングの書き換えに至るケースは、
稀れとなります。

それは、なぜかというと、
知覚要素であるサブモダリティは、
感情的要素とつながっているわけですが、
その操作の際に、
その感情的要素が、深く連動・変化して、
はじめて、感情的要素も変容するからです。
そこの感情的要素から、解離すると、
効果は出て来ないのです。

しかしながら、
実際のところ、
多くのサブモダリティのワークでは、
サブモダリティは変わったものの、
「感情的要素が、着いて来ない」
という事態が生じているのです。

そのため、
クライアントの方にとっては、
「操作的」で、
「表面的な」「浅い」ワークという印象を、
残すのです。

これは、事実に合った、
正しい印象です。

しかしながら、
「感情的要素が、着いて来ない」理由は、
心自体の保守機能のためであるとも、
いえるのです。
つまり、セキュリティ機能のゆえです。

表面的な知覚の変化で、
コロコロと、心の深層が変わっていては、
危なくて、生きていけません。
そのため、これは、
心の健康さの証ともいえるのです。

つまり、
このアプローチの間違いは、
心の「階層構造」についての、
無知によるものなのです。

上手くいかない場合は、
サブモダリティで扱える知覚領域に、
その問題が、存在していないのです。


◆エンプティ・チェアの技法

サブモダリティのアプローチが、
上手く届かない無意識の情動領域に、
より届くのが、
エンプティ・チェアの技法です。
これは、
心理療法の技法であるからというよりも、
原理的には、よりシャーマニズム的な、
技法的であるからだともいえます。
この興味深いテーマについては、
また、別の機会に譲りたいと思います。

さて
エンプティ・チェアの技法においては、
クライアントの方の、
無意識的な投影を利用して、
ワークを展開させていきます。

そこにおいては、
クライアントの方の、
無意識の自律的なプロセスに従い、
外部の椅子などに、
「像」が形成され、対話が展開していきます。
エンプティ・チェアの技法

その際に、
クライアントの方が、
そこに見たり、聴いたり、感じている世界は、
サブモダリティの世界です。

しかし、重要な点は、
エンプティ・チェアの技法においては、
サブモダリティを変えることで、
内的状態を変えるのではなく、
内的状態が変化することによって、
サブモダリティが、
変化していくという点です。

この関係性や構造(作用の方向性)を
よく理解しておくことが、
必要です。

テーマの特性(構造、強弱)によって、
サブモダリティと内的状態の、
関係性や作用の方向性が、
違って来るのです。


◆無意識の領域との関わり 自律性と必然性

ところで、
NLPの内部においても、
さまざまな流派がありますが、
歴史的には、だんだんと、
知覚的な操作性より、
無意識の自律性を重視する方向性に向かった、
というのが実情ではないかと思われます。

別に、記しましたが、
NLPが創始された当初は、
新時代の熱気もあり、
グリンダー博士も、バンドラー博士も、
また、その他の協力者たちも、
まだまだ、皆、若者でありました。
私たちを縛っている無意識的な拘束を、
新しい方法論で、解放することに、
当時の、歴史的な、革命的な意義があったのです。
日本のNLP(神経言語プログラミング)は、なぜ退屈なのか

しかし、本人たちも、
歳を取り、経験を積むうちに、
事態は、そんなに単純ではないと、
気づくようになったわけです。
背後には、本人たち自身の、
内的なプロセスの変容もあったと類推されます。

表層で、操作的に、
変化を起こそうとするのではなく、
もっと、クライアントの方の無意識的な創造性に、
上手くコンタクト(接触)し、
それを活かすような方法論に向かったわけです。

また、一方、
当然、当初、彼らが意図したように、
無意識の内の、
悪しき必然性(プログラム)のパターンを、
中断するという視点は、
現在でも、有効な考え方です。

心のシステムは、
オートポイエーシス的な再生産機能を持っており、
たとえ、悪しきプログラムでも、
自己を再生産し続けようとするからです。

その無意識的な自律性や必然性が、
どのような内実を持ったものであるのかに、
鋭く気づいていくことが、
より重要になってくるわけです。


◆エンプティ・チェアを使いこなせない人の特徴

さて、以上のような、
構造的な把握から、
セッション現場で、
エンプティ・チェアの技法を上手く使えない人の、
特徴も分かってきます。

そのような人は、
サブモダリティを操作するように、
クライアントの方の内的状態を操作するために、
エンプティ・チェアの技法を、
使っているわけです。

そのようなアプローチでは、
エンプティ・チェアでも、
感情的要素との解離が起こり、
深い作用を実現することが、
できないのです。

クライアントの方に、
ただ、表面的に、
椅子を移ってもらっているだけです。

クライアントの方も、
なんか、よく分からない、
という印象を持つ結果となります。
仏作って魂入れずという事態なのです。

ところで、NLPには、
「ポジション・チェンジ」という、
クライアントの方に関係する人々の、
人称を移っていく手法があります。
これなども、
エンプティ・チェアの技法自体の潜在力が持つ、
シャーマニズム的な深さからすると、
少し浅薄な概念ともいえます。

ポジション・チェンジの手法においても、
「はじめからNLPのフレームありき」ではなく、
クライアントの方の中から現れる、
膨大な情報、内的プロセスへの感度を上げ、
気づきを研ぎ澄ますことで、
より的確なアプローチが、
即興的に導かれて来ることにもなるのです。


◆知覚と感情が編成する、創造的な地平

さて、以上、
サブモダリティとエンプティ・チェアの技法を素材に、
知覚と感情が編成する世界について、
さまざまに見て来ました。

当然、
人間の心(心身)は複雑であり、
単純な方法論で、
ひとつの回答や解決が得られる、
というものではありません。

さまざまな内的状態に対して、
各種のアプローチを、丁寧に試していき、
その効果を測定しながら、
セッションを進めるしかないのです。
サブモダリティにおいても、
エンプティ・チェアにおいても、
それは同様です。

そして、その際は、
はじめから物事を決めつけるのではなく、
「好奇心」を持って、
プロセスに現れ来る体験の諸相に、
戯れつつ、寄り添い、
柔軟に、事態(出来事)に、
気づいていくことが肝要です。

セッションにおいては、
開かれた姿勢から、
開かれた体験自身が、
湧出して来るのです。

そして、実際のところ、
私たちの心身の奥底からは、
驚くような創造性で、
意図しなかった形で、
未知のプロセスが、
現れて来ることもあるのです。

そこのところが、
クライアントの方にとっても、
ファシリテーターにとっても、
セッション(ワーク)が、
新しい体験領域をひらく、
新鮮な事態になっていく秘密(秘訣)なのです。


スライド5

【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
メニュー/料金
著作紹介
メルマガ登録
お問い合わせ

効果的に作用するNLP(神経言語プログラミング)のフレームとは

さて、別に、
NLP自体が位置している、
大枠の、文化的なコンテクストについて、
書きました。

それは、
NLPの可能性を引き出し、
効果を的確にするためにも、
そのような基盤となるフレームが必要である、
という意味でです。
日本のNLP(神経言語プログラミング)は、なぜ退屈なのか

今回は、
より実技的な面に焦点を絞って、
セッションの中における、
NLPテクニックの使用について、
書いてみたいと思います。

前回、NLPとは、
「単なる心理学ツールの寄せ集めである」
としました。

そして、
NLPの各手法を
効果を出すように使うには、
その扱うフレームが、
とても重要となるとしました

そのことでの結論を、
さきに言うと、
まず、第一に、
それは、
セッション(ワーク)空間の
「現場性に根ざす」
ということなのです。

そこで起こっている出来事の、
膨大な情報空間に、
心身でまるごと、
感覚的に関わる、
ということなのです。

しかし、実は、
これは、表面的には、
NLPが売り物にしている要素と、
真逆の事柄となります。

NLPは、
誰もが、簡単な手続きで、
インスタントな効果を、
発揮できるというのが、
謳い文句だからです。
現場の感覚は、
あまり重視されないわけです。

しかしながら、
その現場感覚(現場情報)を欠くことが、
NLPが、
「効果が出ない」と言われる、
一番の要因を、
創り出している点でもあるのです。

現場で流通する、
膨大な情報の中にこそ、
NLPテクニックを、
活かすヒントも、
含まれているからです。

そのため、
ここでは、
リアルな効果の保証として、
現場性に根ざすことの必要性を、
あらためて、
確認しておきたいと思います。

その流動する情報の流れに合わせて、
NLPのフレームやテクニックを、
対象化して使うということなのです。

その枠組みの中ではじめて、
NLPテクニックも、
有効なものになっていくのです。


◆セッション現場という膨大な情報空間について

さて、
NLP講座の語り口では、
通常、あたかも、
NLPの整理によって、
パールズ、エリクソン、サティア等の天才が、
解き明かされたかのように、
解説されます。

しかしながら、
実際のところは、
その或る特定の部分を
抽出したというのが、
本来の正しい理解です。
暗黙知の一部を抽出し、
明示的な方法論(ツール)にした、
ということです。
そして、素人にも、
使いやすくしたということです。

抽出された、
道具類が、
そこにあるのです。
氷山の一角のようなものです。

冷静になって考えてみれば、
すぐに分かるように、
天才といわれる、
ミルトン・エリクソンの無数の弟子たちが
エリクソンほどには
治癒の成果を出してないということは、
わかると思います。
そのことで、
誰も責められていません。
それは当然だと、
人々に考えられているからです。

そして、
エリクソン自身が行なっていたことといえば、
現場での膨大な情報を、
クライアントとの間に発生、交流させ、
クライアントのプログラミングに、
影響を与えていくという、
全身的で、身体的な作法でした。

そして、
弟子や研究者が行なったことは、
エリクソンが、全身で行なっていることを、
任意の要素にわけて、ラベリングし、
ピックアックし、
その機構と働きを、記述するということです。

しかし、そこには、
当然、明示的に取りだせない情報が、
(それもクライアントに働く重要な要素が)
山ほどあるわけですが、
それは皆、フィルタリングされ、
落とされてしまうわけです。

喩えると、
音楽の採譜のようなことです。
楽譜にできない音楽の質性も、
世にはたくさんあります。

そして、
楽譜を見たところで、
その元の音楽が、
完璧に再現されるわけではないことは、
いうまでもありません。

NLPのテクニックも、
同じことです。
すべての要素が、
そこに在るわけではないのです。

しかし、また一方、
楽譜から、何かしらの音楽は、
再現したり、
創り出すことはできるのです。

それを、
生きた音楽にするのは、
今度は、
演奏家自身の課題です。

演奏家自身の持つ、
過去の現場(膨大な情報空間)で得た、
自身の経験値や、暗黙知、
そしてまた、イマジネーションが、
音楽を創りだすのです。

このことからも、
分かるように、
NLPを使う人は、
まずは、自分自身が
充分な現場的感覚を持ち、
その場での、
膨大な情報の流れを、
つかみ取れないと意味がないのです。

それは、たとえ、
クライアントとしての体験でも、
良いのです。

ところで、
実際の多くのNLPスクールでの、
演習の風景とは、
あたかも楽器の演奏に慣れていない人が、
楽譜を見ながら、
いきなり、一音一音、
つま弾くような事態です。
音楽(曲)になっていないのです。

これでは、
感覚的にも、意味がよくわからないし、
そのNLPテクニックの本意(本質的な意味)さえ、
つかめないのです。


◆暗黙知と明示知の往還

そのため、
NLPテクニックを有効に
活かす道(方法)は、
素人でも簡単に使えるテクニックという、
宣伝文句とは、
実は逆の道です。

つまり、
ある程度の経験値、
暗黙知をつかんでいる人が、
その現場の膨大な情報空間の中で、
この場面なら、
「あのテクニックをアレンジして使うと、
面白いんじゃないか、効果的じゃないか」と、
過去の測定結果から、
使うやり方です。

そして、場に合わせて、
自分なりに編曲を変えて、
使ってみるのです。

その時にこそ、
NLPテクニックも、
活きて来るのです。

そのため、
NLPの資格を、
勢い込んで取ったものの、
使い方がよくわからず、
まったく使ってないという人は、
まずは、
ゲシュタルト療法でも、
コーチングでもよいので、
まずは、
自分の内的感覚や感情を働かす、
体験セッションを、
数多く経験してみることが、
必要なのです。

その内的感覚の、変容のプロセス、
もしくは、その小さなサイクル、
つまり、当スペースでいう、
「行きて帰りし旅」の感覚を、
少しでもつかんでいれば、
それだけでも随分と違います。
→拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』参照

そして、
心身の流動性が高まり、
内的感覚を測定したり、
トラッキングする感覚が、
育って来ると、
現場での、多様な情報の流れも、
見えて来て、
NLPテクニックを使う、
アイディアやイメージも、
少しずつ、
湧いて来るようになって来るのです。

単に、音を並べるだけではなく、
実際の、
生きた音楽が、
流れはじめるのです。



スライド2


サブモダリティの拡張 NLP(神経言語プログラミング)とビートルズ その2

◆サブモダリティの改変

さて、NLP(神経言語プログラミング)において、
サブモダリティの改変という技法が、
そのセッション(ワーク)で、
使われることがあります。

サブモダリティ(下位様相)とは、
モダリティ―視覚、聴覚、触覚などの、
各表出(表象)体系を構成する、
下位の構成要素ともいえます。
例えば、視覚においては、
その映像を構成する、
明度、鮮明度、カラーor白黒、サイズ、コントラスト、距離、位置、
などが、サブモダリティです。
喩えですが、テレビのツマミによって、
変化するかのような各属性、
調節が可能な要素たちです。

実際のNLPのセッション(ワーク)における使い方でいえば
クライアントの方の、
或るネガティブな体験には、
その体験内容と結びついた(フレーム化された)、
サブモダリティがあると考えます。

そのため、
フレーム化によって、
望ましくない体験と結びついた、
サブモダリティを改変することで、
望ましい状態に創り変えるのが、
サブモダリティに焦点化した技法となります。
(フレーム自体を改変するのは、
リフレーミングという技法になります)

そのように、
サブモダリティは、
私たちの経験内容を記憶し構成する、
基本的な素材となっていると、
考えられるのです。


◆ビートルズ『イン・マイ・ライフ』とサブモダリティ

さて、以前、
才能における相補性ということで、
NLPとビートルズを例に出したので、
今回も、ビートルズにまつわる個人的な事例を、
エピソードとして使ってみたいと思います。

ビートルズのアルバム、
『ラバー・ソウル Rubber Soul』の中に、
『イン・マイ・ライフ In My Life』という、
名曲があります。

ジョン・レノンが、
ヴォーカルがとっている曲で、
本人のコメントもあり、
ジョン・レノンの曲とされているものです。

筆者も、昔から、
好きな曲ではあるのですが、
どこか感覚的に、
違和感を覚えてもいたのです。

というのも、
筆者にとって、
ジョン・レノンの曲は、
曲の由来(根っこ)が、
「すみずみまで(水晶が澄みきったように)分かる」
という感覚があるからです。
しかし、
『イン・マイ・ライフ』だけは、
素晴らしい曲で、好きな曲ではあるものの、
「どこか、分からない感じ」
というのがあったからでした。

しかし、後年、
ポール・マッカートニーが、
『イン・マイ・ライフ』は、
自分が書いた曲だと、発言していることを知って、
長年の謎が氷解したのでした。
ポールは、曲の構造からしても、
自分の曲だと証明できる、
ジョンが忘れただけだ、と言っているようですが、
さもありなんという感じなのです。

さて、それでは、
筆者の中で、
何がジョンの曲で、何がポールの曲だと、
感じ分けていたのでしょうか。

それこそが、曲を聞いた時に、
筆者の中で、自然に組成される、
サブモダリティの質性(特徴)だったのです。

筆者個人にとって、    
ジョンとポールの曲は、
サブモダリティとしては、
決定的に違うものでした。
ジョンの曲の、密度や屈曲と、
ポールの曲の、のびやかさと明るさとは、
明確に違うサブモダリティなのでした。
無意識で感じ取られる、
微細な様相においてもそうなのでした。
そして、個人的には、ジョンの曲は、
感覚の近さからか「根から分かる」感じがしたのでした。
一方、ポールの曲には、
どこか、曲の由来(根っこ)が、
「分からない」感じがあったのでした。
そして、それがどこか神秘的な質性でもあったのでした。

『イン・マイ・ライフ』は、
ジョンの曲だと信じ込んでいたため、
実際に組成されるサブモダリティとの間に、
齟齬や違和感が生じていたのでした。

ところで、
音楽を聴くときには、
曲の中に、心身を投影して、
その内的体験として曲を感じ取るわけですが、
その風景として、
サブモダリティが組成されるわけです。

そして、
その曲によって組成されるサブモダリティと、
自分の元々の、内的な経験(趣味)を響き合わせて、
合う合わないとか、好き嫌いとかを、
判断している訳です。
また、「分かる」などという幻想を、
創り出しているわけなのです。

しかし、サブモダリティの、
この内的一貫性を把握しておくことは、
対象物を理解する上での、
トラッキング(追跡)・システムとしても、
重要な働きをしてくれるものなのです。
『イン・マイ・ライフ』の事例は、
そのような意味でも、
興味深い事例となったのでした。

ところで、
多くの人にとっても、
好きな趣味の中での、
各種の感覚情報の差異は、
大体、サブモダリティの一貫性として、
把握されているものなのです。


◆投影された身体と、サブモダリティの拡張

さて、
拙著『砂絵Ⅰ:現代的エクスタシィの技法』の中では、
自らの身体の投影を通して、
私たちが世界をとらえ、
構成していく様子を記しました。    

メルロ=ポンティのいう、
「画家は、
その身体を世界に貸すことによって、
世界を絵に変える」
『眼と精神』木田元他訳(みすず書房)
という言葉などを素材に、
そのことについて見ました。

そのような身体の投影の結果として、
私たちは、自己の世界の表象を、
作っているのです。

ところで、
このような身体投影の結果として、
内的表象を作る際にも、
強度の差異は各種あるものの、
サブモダリティも、
同時に、生成・組成されているのです。

生活の中で、さまざまな事柄を、
身体の投影を通し、
物事を経験・学習する中で、
体験内容のコンテクスト化やフレーム化も生まれれば、
基礎素材としての、
サブモダリティの生成と編成も、
行なわれているわけです。

そのため、生活史の中で、
何らかの問題的なフレームが発生した場合に、
問題あるサブモダリティも生まれてしまうのです。
それが、前段で見た、
NLPのセッション(ワーク)による
サブモダリティ改変のアプローチにも、
つながるわけです。

ところで、実際のところ、
サブモダリティの質性自体は
価値中立的であり、
それ自体は、良いものでも悪いものでも、
ありません。
強烈なサブモダリティが、
問題であるということではないのです。

問題なのは、
サブモダリティと、
否定的(悪しき)体験との、
フレーム化・コンテクスト化なのです。
この関係づけを改変するのが、
リフレーミングといわれる技法です。

また逆に、芸術などでは、
強烈なサブモダリティの方が
効果としては、
有効だったりもするのです。

さて、ところで、
私たちの普段の生活における
創造的な側面に目を向けてみると、
例えば、
何か貴重で冒険的な体験をした場合などには、
私たちの身体感覚に深い刻印が刻まれ、
身体感覚が拡張したかのような実感を、
得ることになります。
また同時に、
その経験内容(領域)を表象するサブモダリティも
改変(拡張)された感じがします。
これは、サブモダリティの「創造的な側面」です。

そのため、
新しい未知の体験を得て、
身体感覚が拡張したときには、
そのサブモダリティをしっかりと
感覚と脳に定着させていくと、
その経験が、学習として深まり、
自分の中でより、再コンテクスト化、
再フレーム化がはかどります。
高次階層の学習も進みます。

一方、
積極的で能動的な身体の投影を通して、
サブモダリティが、
わずかに拡張されるような
経験を持つこともあります。

芸術における体験などが、
それです。

その際、私たちの内側では、
実際に、
身体やサブモダリティが拡張され、
改変される体験とも、
なっているのです。

実際、
芸術におけるエネルギッシュで、
積極的な取り組みの中では、
(創作ばかりでなくとも)
自分自身の既存の身体感覚や、
固定化したサブモダリティを、
流動化させ、解放させていく効果があります。

慣れていないジャンルの芸術に、
積極的、意欲的に身体を投影して、
内的に把握しようとする努力は、
私たちの持っていた、
既存のサブモダリティや内的な表象を、
柔軟にして、
解放・拡張していく訓練にもなるのです。
それは、
多くの身体訓練と、
同様の働き方をするのです。

そのように、
私たちの身体感覚とサブモダリティは、
深く同期しているというわけなのです。

それがために、
スポーツ・トレーニングにおいても、
コーチングにおいても、
ヴィジュアライゼーションや、
イメージ・トレーニングが、
実際的・実利的な効果を、
発揮するというわけなのです。
ここには、
興味深い心身の領域が、
大きくひろがっているのです。





【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
メニュー/料金
著作紹介
メルマガ登録
お問い合わせ
プロフィール

freegestaltworks

タグクラウド
ギャラリー
  • 「気づかないこと」の選択 マインドフルネスの光明その3
  • サイケデリック体験と、チベットの死者の書
  • マインドフルネスの光明その2 無為のゲシュタルト
  • しないことのゲシュタルトへ マインドフルネスの光明
  • 明晰夢の効力 2 映画『マトリックス』の世界へ
  • 気づき・自己想起・至高体験 目標とプロセス
  • 自己想起 self-remembering の効能
  • 登山体験 その意識拡張と変容
  • キース・ジャレットの、覚醒と熱望
  • キース・ジャレットの、覚醒と熱望
  • 気づきawarenessと自己想起self-remembering
  • 気づきawarenessと自己想起self-remembering
  • アイデンティティの極致としての至高体験
  • 「至高体験」の効能と、自己実現
  • 「完全なる体験」の因子と、マズロー
  • 過去に生きるのはやめにして、今、正しいことをしよう
  • 「聖霊」の階層その3 意識の振動レベル
  • 「聖霊」の階層その2 本質(エッセンス)の含有量
  • カスタネダと「世界を止める」
  • 映画『攻殻機動隊』2 疑似体験の迷路と信念体系
  • ホドロフスキー氏とサイコ・シャーマニズム
  • NLPニューロ・ロジカル・レベル(神経論理レベル)の効果的な利用法
  • クライストと天使的な速度
  • 聖なるパイプの喩え(メタファー) エネルギーの流通と集中
  • ロートレアモンと変性意識状態
  • なぜ、セックス・ピストルズは、頭抜けて覚醒的なのか
  • 知覚と感情が編成する、この世界 サブモダリティとエンプティ・チェア
  • リルケの怖るべき天使 〈美〉と変性意識状態
  • 投影された夢の創造的活用 サイケデリック・ビートルズ・エクササイズ
  • 創造と夢見の技法 NLP・ゲシュタルト・夢見 その2
  • 創造と夢見の技法 NLP・ゲシュタルト・夢見 その2
  • NLP(神経言語プログラミング)・ゲシュタルト・夢見
  • NLP(神経言語プログラミング)・ゲシュタルト・夢見
  • 効果的に作用するNLP(神経言語プログラミング)のフレームとは
  • 日本のNLP(神経言語プログラミング)は、なぜ退屈なのか
  • 日本のNLP(神経言語プログラミング)は、なぜ退屈なのか
  • 大竹伸朗回顧展『全景』の記憶 無機的な痙攣する熱量
  • 大竹伸朗回顧展『全景』の記憶 無機的な痙攣する熱量
  • 宇宙への隠された通路 アレフとボルヘス
  • 「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー
  • 『生物都市』と鉱物的な変性意識状態(ASC)
  • サブモダリティの拡張 NLP(神経言語プログラミング)とビートルズ その2
  • 階層を超える創造の飛躍 パブロフの犬か、ベイトソンのイルカか
  • 映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識
  • 映画『攻殻機動隊』ゴーストGhostの変性意識
  • 底打ち体験と白い夜明け デイヴ・ビクスビー
  • 底打ち体験と白い夜明け デイヴ・ビクスビー
  • モビルスーツと拡張された未来的身体
  • 人生のロロ・トマシ
  • 書籍新刊『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法』のご案内
  • 変性意識と天国的な身体
  • 欲求(感情)とつながる言葉の使い方Ⅰ 「そして」
  • 葛藤解決の方法(ポイント)Ⅲ ネガティブな感情の扱い方
  • 葛藤解決の方法(ポイント)Ⅱ
  • X意識状態(XSC)と、意識の海の航海について
  • X意識状態(XSC)と、意識の海の航海について
  • 心理学的に見た「チベットの死者の書」
  • 心理学的に見た「チベットの死者の書」
  • 心理学的に見た「チベットの死者の書」
  • 火と大地の意識 ノヴァーリス・コンプレックス