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2015年03月

啐啄同時と、創造の機


さて、ここでは、

「啐啄同時(啐啄同機)」について、

書いてみたいと思います。

 

啐啄同時は、禅語であり、

有名な『碧巌録』の中にある話です。

 

啐啄とは、

つつくことを意味しており、

啐啄同時とは、

雛鳥が卵から孵る場面の描写と、

なっています。

 

啐とは、

雛鳥が、内側から卵の殻をつつく合図、

啄とは、

親鳥が、(雛鳥が、卵の外に出てくるのを助けるために)

外から卵の殻をつついて割ることをです。

そして、

この啐啄は、

同時でなければならないということを、

意味しています。

 

啐がないのに、

親が、卵の殻を割ったら、

育っていない、中の雛は死んでしまいます。

また逆に、

啐があったのに、

親が、卵の殻を割らなかったとしたら、

外に出られない、中の雛は死んでしまいます。

 

そのため、

啐啄は、同時でなければならないというのです。

啄は、

早すぎても、遅すぎても、

いけないのです。

 

『碧巌録』の中では、鏡清禅師の弟子が、

禅師に、悟りを手助けしてほしいと訴える、

そんなエピソードとして語られます。

 

そしてまた、この喩え話は、

教育における、タイミングの妙としても、

よく引かれます。

 

心理療法の世界においては、

クライアントの機が熟した時に、

「ちょうどその時に」

ファシリテーターが介入しないと、

効果的な介入にはならないことの、

喩えに使われます。

遅くても、早くても、それはダメなのです。

クライアントを活かせないのです。

 

さて、以上見たような事柄は、

実は、自分(個人)の中における、

創造性を考える場合においても、

示唆を投げかけてくれるのです。

 

以前、「大地性と待つこと」として、

私たちの、自分自身の、

成長してくれない心に対して、

待つことの重要性について触れました。

 

私たちの心が「啐」として、

内側からノックして来るまで、

忍耐して、待たなければならないこともあるのです。

気が急いて、卵の殻を割ってしまったために、

中の、まだ十分の育っていない心の力が、

死んでしまうこともあるのです。

外に出るのに、

十分な保育・養成期間というものが、

あるのです。

 

また一方、逆のケースもあります。

 

「啐」として、

内側から、心の創造力がノックしているのに、

外に出してあげなくて、

中の心が、死んでしまう、

ということもあるのです。

 

以前、「アウトプットの必要性」についても書きましたが、

現代の社会は、インプットすることが通例で、

個人的体験の価値や、個の創造性の発現が、

ないがしろにされている社会です。

そのことのせいで、

個人が、無力化し、衰弱している社会です。

現代においては、この側面での問題が、

多いのでは、ないでしょうか。

 

しかし、啐が起こり、

内部の機が熟しているのに、

創造的なアウトプットをしていかないと、

殻の中の心は、死んでしまうものです。

 

このような場合、

自分で、自分に、場や機会を与えて、

高まる内部の心や創造性を、

殻の外に、解き放っていくことが、

必要です。

 

これは、現代における、

個人の無力化や閉塞感の中で、

当スペースが、

特に重視している側面でもあります。

 

啐啄同時の喩えは、

そのような心の創造性の機微を、

教えてくれてもいるのです。

 


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

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修験道の神 山の信仰と日本の文化

山折
「仏教、特に密教のものの考え方というのは、色々な立場があるわけですけれども、一つには、仏でも菩薩でも守護神でも、これらをすぐさま具象的イメージとしてとらえる。つまり権化の思想―incarnation―というものがある。これに対して日本の神道の考え方には目に見えない神霊が遊幸し憑着するという感覚がどうも基礎になっているように思うのです。こういう遊幸し、憑着し、そして祟るといった機能を抽象して言えば憑霊―possesion―というふうに言うこともできるのではないでしょうか?」

五来
「基本的には憑霊だと思います。だから天照大神の姿は誰も見たことがない。天照大神の御杖代として遊幸するのは倭姫命ですし、天照大神が稲を食べているのは、倭姫命が食べているのです。修験道の神や仏は山伏に憑依するが、その笈の中に籠められて、いわば山伏と一体となって歩くわけです。「善光寺縁起」は、本田善光が難波から信濃へ下るとき昼は善光が如来を背負い、夜は如来が善光を背負ったなどといいます。一体化しているのです。法然の弟子の念仏房については「阿弥陀如来の使者なり」ということが言われている。そういうのは遊行者に阿弥陀如来が依り憑いているわけです。だから庶民信仰ではその人がそのまま仏なんで、これが日本人の即身成仏の考え方です。密教の三密瑜伽の即身成仏とは違うのです。この辺のところ、教条的な密教にとらわれていたら、日本の密教、とくに山岳信仰を基底にすえた日本密教はわかりません。日本人は神さまがその人に宿っているから「即身成神」、それを仏さまに転換して即身成仏なのです。少し論理が違いますわね。密教学者は五来は密教を誤解しているというかもしれないが、日本密教も日本仏教も、インドの密教、インドの仏教の誤解の上に成立したのです。三密瑜伽したら大日如来と凡夫が一つになるということは理論ですけどね。日本人は苦行の結果、精進の結果でないと三密瑜伽しないのです。それが黙って座って、印を結び、真言をとなえ三摩地に住したら、ぱっと光りを放って「八宗論大日」の絵みたいに、弘法大師が大日如来に変わったというのは子供だましのお伽話であって、面白いとは思うが、話す方も聞く方も本当と思っていない。人間にできない苦行、山籠もりをした行者に対してのみ、その人の言うことは神の言葉だ、不動明王の言葉だというような受け取り方をしているわけです。修験道は非常に原始宗教的で、マジコ・リリジャスであると同時に、シャーマニスティックですね。(…)」

山折
「そうすると、いわゆる本地垂迹曼荼羅などに出てくる法体、俗体をした神々というのは、あれはやはりそういう考え方がそのままあらわれたものということになりましょうか。人間の姿そのままで……。」

五来
「修験道の神というのは、女神である、男神である、あるいは法体であるということだけがわかっているのですね。本当は神名はわからないのです。だから十二単で表現したり衣冠束帯で表現したりする。別にその神さまには個性も何もないわけです。熊野の神さんも日吉の神さんもみな同じ顔をしているわけです。同じ服装をしています。熊野本宮の神は「熊野に座す神」という名なのです。」

五来重/山折哲雄『山の信仰と日本の文化』



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急告! 吉報! S・キリツ博士来日


さて、
今回は、お知らせです。

今年2015年の6月に、
スチュワート・キリツ博士が、
来日することとなりました。

http://www.gestaltnet.jp/ws/kiritzws.html

この機会に、
ぜひ、良質のゲシュタルト療法を、
体験して下さい。


***********************************************

筆者の推薦の言葉です。  
 
キリツ博士は、大きくて、
そして、静かな人です。
やさしい静謐の人です。
このような繊細な透明感をもった人も、
あまりいないでしょう。
その静かなたたずまいのうちに、
ワークは、淡々とすすみ、
そして、私たちの心の一番深いところに触れます。
 
以前、一緒に、ワークショップに参加したある人は、
はじめて博士を見た瞬間に、
「アッと思った」と、言いました。
それは、博士が、雰囲気として発している〈何か〉が、
すでに普通のセラピストとは違っていたということです。
こういう人のワークショップでは、
「何かが起こってしまう」ことが予感されたからでした。
 
私は、10年以上前に、何度も博士のワークを受け、
また、ゲシュタルトについての教えを受けました。
それは、私にとってのゲシュタルト体験のピークとなりました。
残念ながら、それを超える体験を、
それ以後、ゲシュタルトで、もてていないのです。  
 
パールズの一番弟子のシムキンの元で学び、
初期のゲシュタルトをよく知る、
キリツ博士のワークに触れられるのは、
ゲシュタルトをやっている者にとって、
人生の大きな僥倖です。
この機会をぜひ、逃さないようにして下さい。


→ゲシュタルト療法

体験的心理療法

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弟子に準備ができた時、 師が現れる

「弟子に準備ができた時、

師が現れる」

という言葉があります。

 

この不思議な共時性は、

実際に、働いている実感があります。

 

ただ、対人関係を、

心理学的な投影関係の中で考えると、

このことは、

案外、普通の事柄とも言えます。

 

人は、

自己の心理的な成長とともに、

自分の中に芽生えて来た、

創造的な因子を

(鏡に映すように)

外部の他者に投影するようになり、

他人の優れた美質を、

見出しやすくなるとも、

言えるからです。

つまり、

内実の成長とともに、

他者の中に、

「師」(未来の可能性の自分)、

を見出しやすくなる、

というわけです。

 
 

………………………

 

さて、私たちの中には、

「複数の自我」がありますので、

それぞれの自我に、

対照するような形で、

外部の他者に、

萌芽しつつある、

その自我要素を見出していきます。

 

私たち自身が、

自己の中に、未だ端的に感じ取れない

心(自我)の要素を、

他者の上に、見出していくのです。

 

そして、

それらの他者との交流を通して、

その要素(自我)が、

だんだんとくっきりと育っていき、

自己の重要な属性に、

なっていくのです。

 

そして、

成長の果てに、

かつては、自分が目標とした人の、

或る美質が、

自分の中にも育って来たことを見出して、

深い感慨を得ることになります。

 

ヘルマン・ヘッセの小説、

『デミアン』は、

タイトルどおり、

魔霊(demon)のような、

不思議な友人()をめぐる、

ある青春の物語です。

 

批評家のブランショも指摘するように、

この物語自体が、

話り手の白昼夢であるような、

不思議な肌触りを持った小説です。

 

描かれる出来事も、

通常の日常的現実を超えるような、

どこか夢幻的な光輝を帯びています。

 

さて、その物語は、

戦地で砲弾を浴びた、

(死に近くいる)

主人公が、自分の心の中に、

かつての卓越した友人()のような、

自己の存在の姿を、

見出すところで終わっています。

これは、

上記で見たような事柄を考えると、

納得的な結末だといえるでしょう。

 

そして、

そのようなことは、

実際にあることなのです。

大地性と待つこと

かつて、

鈴木大拙は、

「生命はみな天をさして居る。

が、根はどうしても大地に下ろさねばならぬ。

大地にかかわりのない生命は、

本当の意味で生きて居ない」と、

記しました。

「霊性の奥の院は、

実に大地の坐に在る」と。

 

『日本的霊性』の一章、

「大地性」でのことです。

 

そして、

「人間は大地において、自然と人間との交錯を経験する。

人間はその力を大地に加えて、農作物の収穫につとめる。

大地は人間の力に応じてこれを助ける。

人間の力に誠がなければ大地は協力せぬ。

誠が深ければ深いだけ大地はこれを助ける。

人間は大地の助けの如何によりて自分の誠を計ることができる。

大地はいつわらぬ。欺かぬ。ごまかされぬ」

とします。

 

また、

「大地はまた急がぬ、

春の次でなければ夏の来ぬことを知って居る。

蒔いた種は時節が来ないと芽を出さぬ、

葉を出さぬ、枝を張らぬ、花を咲かぬ、従って実を結ばぬ。

秩序を乱すことは大地のせぬところである。

それで人間はそこから物に序あることを学ぶ。

辛抱すべきことを教えられる。

大地は人間に取りて大教育者である。大訓練師である。

人間はこれによりて自らの感性をどれほど遂げたことであろうぞ」

と。

 

そして、

「大地と自分は一つのものである。

大地の底は、自分の存在の底である。

大地は自分である」 

としました。

 

 

さて、私たちは、

自己の心の成長を熱望しながらも、

自己のどうしようもならない、

「自然」というものに、

ぶつかります。

 

頭で考えるほどに、

すっきりと簡単には、

自分自身の心の底、

存在の底は、

成長してくれないのです。

それらは、

大地のように、

そこにどっしりと、

存在しています。

 

心や存在の成長は、

自然の成長であり、

物事が育成する時間が、

樹木が育っていくように、

四季のめぐりのように、

かかるからです。

それは、

動かせない自然の原理なのです。

それと、

折り合いをつけるしかないのです。

 

ところで、

ゲシュタルト療法においては、

異質な複数の自我の葛藤を、

解きほぐし

人格的な統合を、

高めることが、

通常の方法論よりは、

はるかに速やかに、

行なうことができます。

 

しかし、

それでも、

「無意識の自然の力」による、

育成の時間は、

絶対に必要なものなのです。

 

しかし、そのことが、

心の力を、

不思議なくらいに、

育てて、

高めてくれるのです。

大拙が、

耕作について語るように、

探求に、

誠を尽くした分だけ、

強靭でリアルな深みが、

かえってくるのです。

 

かつて、

ニーチェは、

ツァラトゥストラに、

「私は、本当に待つことを学んだ」

と、語らせました。

 

私たちは、

なかなか成長しない自分の心に、

地団太を踏みながら、

「待つしかない」のです。

 

しかし、

そのことは、

甲斐のあることなのです。

 

そのことを通して、

意識に近い面では、

待つことという、

一種の、

「忍耐の力」が、戦士的な力が、

育ちます。

同時に、

心の底において、

「何かを育てる」

という保育者的な、

女性的な感覚を、

育てることにもなるのです。

 

自分の心を、

農作物のように、

守り育てる能力を、

獲得していくことになるのです。

 

心と肉体の、

底の部分においては、

複数の響きあう異質の力が、

溶けあう中で、

極彩色の果実が、

育ってくるのです。

 

誠を尽くした分だけ、

掘り進んだ分だけ、

自己を超えていくかのような、

豊かで深い収穫が、

得られるのです。

 

ここには、

不思議なバランスが、

働いています。

 

私たちは、

そのことで、
大地の力を、 

信頼していいのです。



※野生や大地性、気づき、変性意識状態(ASC)についての、

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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法【基礎編】

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ゲシュタルト療法【応用編】

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【PART3 Advanced】

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ザ・ポップ・グループの教え 怒り・テロ・絶望


さて、ここでは、
先日(2015.3.1)、来日した、
イギリス、ブリストル出身のバンド、
ザ・ポップ・グループTHE POP GROUPについて、
書いてみたいと思います。

彼らは、
1970年代末のロック音楽シーン、
パンク、ニューウェーブの流行の中にあって、
音楽面での創造性と
アクティブな姿勢とが、
群を抜いていたバンドでした。

初期に関わりをもった、
ストラングラーズのメンバーが、
当時のポップ・グループは、
物凄いハードロックをやっていたと、
語っていたので、
おそらくそんなところから、
出発したのでしょう。

そこから、バンドの成長とともに、
ダブ、ファンク、フリージャズを、
急速に同化しつつ変態し、
飛躍的に先鋭化していったものと、
思われます。

そのような探求の果てにつくられた、
セカンド・アルバム、
For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?
は、一種の極限的な音楽であり、
ロックという形式を、

乗り越えてしまっていると同時に、
さまざまなフリー・ミュージックの中にあってさえ
強度、濃密さ、創造性において、
類い稀な作品となったのです。

そのような創造的な共同体が、
人間のグループとして、
長期的に維持継続できるわけもなく、
歴史的には、
瞬く間に、消えたのでした。

さて、そんな彼らも、歳月とともに、
長年のわだかまりも解けたのか、
グループを、再結成することになったのです。

しかし、実際のところ、
再結成などしても、
老醜をさらすのが、世の通例なので、
傑作を創った、伝説のバンドのままで、
いてほしかったというのが、
本音のところでもありました。

しかし、
単独来日するとなれば、
これもまた、一応、歴史の目撃者として、
見ておかなければしょうがないということで、
まったく気乗りのしないままに、
ライブ会場に、おもむいたのでした。

しかし、
実際に見た、ポップ・グループは、
予想を大きく裏切り、
まったく錆びついていなかったのでした。

むしろ、歳に反して、
その精神の生きた尖鋭さが、
明瞭に感じとれる類いの、
ものだったのでした。

もちろん、音楽に、
往時の肉体的テンションを、
求めるべくもありません。
しかし、
その切れ味の鮮度は、
こちらの感覚を、
充分に刺激させるものだったのです。
なによりも、歳をとっても鈍っていない、
その尖鋭さに、感心したのでした。

音楽的には、かつてからあった
時間感覚の良さが、
細部に健在であり、
力強さを感じさせました。

しかし、
歳とった彼らを、
なおも鈍らせないものとは、
なによりも、その音楽的身体と一体化した、
精神的な姿勢だったのでしょう。
そのことが、
明瞭に伝わってきたのでした。

ヴォーカルのマーク・スチュワートは、
かつて、インタビューで、
もっとも伝えたいことは
「怒りだ」と答えていました。

たしかに、
昔のセカンド・アルバムには、
怒りの、烈火のような、
火のような感覚が、
充ちていました。

それは、一種、
神話的(不動明王的)といってもいいような
精神的な火の感覚でした。
(仏教には、憤怒尊という、
仏の一群がいます)

マーク・スチュワートは、
バンドの精神的な側面を、
体現する人物ですが、
その怒りの表現は、彼らを錆びつかせない
エッジを研ぎつづける触媒でも、
あったわけです。


◆気づきをもった、怒りの効能

さて、ゲシュタルト療法が、
心理療法の中では、
怒りの表現を、
大切にするのは、
特徴的な点です。

ゲシュタルト療法では、
気づきとコンタクトした、怒りの表現を、
とても大事なことと考えているのです。

セッション(ワーク)の中でも、
自分の中にある怒りに気づき、
ごまかさないで、それにコンタクトし、
表現できる能力を、重視します。

きちんとコンタクトされ、
統御された表現を得ている、
怒りのエネルギーは、
パワーと健康さの証です。

抑圧され、排除された怒り、
表現されない怒りにこそ、
ゆがみが、病が、
蔓延するのです。

表現することを奪われた怒り、
抑圧(弾圧)された怒りは、
解離を起こし、暴力となります。

たとえば、テロとは、
怒りの表現ではありません。
怒りの存在(尊厳)や、
表現を奪われた果てに現れた、
絶望の表現です。

健康な怒りの表現においては、
それを行なう「主体」があります。
テロの絶望においては、
主体が、すでに毀損(破壊)されています。
だから、自爆的なテロもなくならないのです。
そのような、コントロールを失った絶望は、
世界にきりなくあるからです。

さて、世に蔓延する、
低劣なものに対する、
正しい怒りの感覚や、
怒りの表現は、

正義の賦活剤、
精神的覚醒の賦活剤、
人間の創造的運動の触媒になります。

精神を、錆びつかせないままにする、
尖鋭さとなります。

その歴史的偉業と較べれば、
ずいぶんと小さなライブハウスで、
ザ・ポップ・グループは、
そのことを、教えてくれたのです。



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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
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