潜在意識と変性意識を利用した自己変容で
 〈流れる虹のマインドフルネス〉へ
           
〈変性意識〉と〈深化/進化型のゲシュタルト療法〉で、
    あなたのビジネス、アート、コーチング、カウンセリング、NLPに
        真の超越的次元をもたらします

フリー・ゲシュタルト・ワークスは、
「実践的心理学」―ゲシュタルト療法―
をベースに、
・ほしい未来や状態の実現、目標/目的の達成
・卓越したパフォーマンスの発揮(発現)
・並外れたアウトプットの具現化
・自信や意欲の向上、自己肯定感のアップ
・まわりの人々(他者)への影響力の増大
・人間関係の悩みや葛藤解決、過去の囚われからの解放
・才能と独創性(天才性)の発掘/発揮
・アウェアネス(awareness 気づき)とマインドフルネスの向上
・意識と知覚の拡大、覚醒 awakeness 状態の実現
・既存の自己(世界)からの超越と変容
・自己変容と至高体験 peak-experience の達成
など、
心の能力を育て、増大するための、
セッションや方法論を、
ご提供しているスクールです。
コーチング・スペース、
セラピー&カウンセリング・スペース、
また、能力・創造性開発の、
マインド・コンサルティング・スペース、
です。
変性意識状態(ASC)と、ゲシュタルト療法)を、
方法論として、
優れたアウトプットを生み出すための、
自由で、創造的なスキルの獲得をサポートしています。
〈流れる虹のマインドフルネス〉へのご招待です。
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『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』(電子版/書籍版)
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『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』(電子版/書籍版)
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2014年08月

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変性意識活用と、進化型のゲシュタルト療法を身につけることで、潜在意識や潜在能力とつながった、自由でとらわれのない心身の状態が得られます。

自信と喜び、創造性、ひろがる意識に溢れた心の状態が得られます。その結果、人生で待ち望んだ達成、自己実現や自己肯定感が得られることになります。

くわえて、トランスパーソナル(超個的・超越的)な意識状態、拡張した意識状態も、セッションの中で得られてくることになります。

  • 当スペースで学ばれていく中で、心の制限がとりのぞかれ、心とからだのより解放された状態、自信と能力(才能)のより充実した心身状態が得られていきます。
  • 深い実感に根ざした能力開発と癒しのスキルが得られます。ビジネスやアート活動、セラピーやコーチング、ヒーリング等での特別なスキルがご自分のものになります。
  • 「社会や市場に影響されない、人生でずっと役立つ本質的なスキルを獲得したい」「自己肯定感を高め、ゆるぎない自信を持ちたい」「人生を目覚ましく飛躍させたい」「窮屈な限界を突破したい」と本気で願っている方にとっては、他にない最適なメソッドとなっています。


【内容の目次】

  1. 確実に自己変容とスキル習得を進めていきます
  2. 獲得される一生役立つスキル
  3. セッション/学習コース
    ①オンライン・セラピー/カウンセリング
    ②ベーシック・セッション(コース)
    ③心の葛藤解決、自己肯定感向上コース
    ④内的突破のセラピー・コース
    ⑤ゲシュタルト療法入門コース
    ⑥オンライン・セミナー
  4. 人生を進化させる変容のロードマップ
    第1段階【慣れる】 気づき(マインドフルネス)の感覚と表現に慣れていく
    第2段階【流れる/深める】 心の障害・ブロックをとりのぞく。深い解放感をつくり出す。
    第3段階【まとめる/振り返る】 気づき(マインドフルネス)を深め、まとめる
    第4段階【進化する】 流れる(深める)とまとめる(振り返り)を繰り返す
    第5段階【ゴール〈青空の通り道〉】 統合を深め、トランスパーソナル(超個的)な領域とのをつながる。

▼心とからだ、能力の全体に効果が及びます


▼心とからだの、パワフルな統合がはかられます



▼進化型ゲシュタルト療法で、心の基礎的なパワーがガッツリと育ちます。自己肯定感が高まります。


▼ビジネスや日常生活で、まわりの人々に影響を与えたり、サポートしたりと優れたアウトプットを提供できるようになります。

他者に影響を与える存在 Being の力が手に入ります

↓動画解説『セッションの効果 意欲と創造力の増大 変性意識』

↓動画解説『得られる効果と成果「心理療法と能力開発」』

↓動画解説『心の構造モデルと心理変容のポイント』


【1】確実に自己変容とスキル習得を進めていきます

当スペースでは、
①ご自身の能力向上(心理的な統合、癒しと自信回復、能力開発、意識の拡張)と、
②お仕事にも使える実際的なスキル
と2つのものが獲得いただけます。

初心者の方にもわかるように、丁寧に進めていきますので、今までセッション体験したことがないという初心者の方でも全然問題ありませんのでご安心いただければと思います。一歩一歩確実に体験を深めていき、心の基盤を固めて、さまざまなスキルを習得することができます。

まずは現在や過去の問題を解消し、心身のとらわれをなくして、心の解放、心の素晴らしい状態を引き出していきます。そこから着実に素晴らしい自己実現への道がひらけてくることになります。

実感をもって、心理的変容(葛藤の解決)を深めていく中で、深いスキルが自然と習得されていきます。それは付け焼き刃ではない、人生でずっと使っていけるご自身の底力・スキル・能力となっていくのです。

また、当スペースの特徴は、理論・原理面と手法・技法面でのきっちりとした2面(2方向)の理解です。その技法・手法が「なぜ、効くのか」「なぜ、効果を生むのか」と、その原理・構造面をちゃんと理解できますので、未来永劫にわたってその技術をご自分でのものにすることができるのです。

【2】一生役立つ、変容と能力開発のスキルが獲得いただけます

当スペースでは、セッションを通して、ゲシュタルト療法を中心とした具体的方法論を獲得いただけます。そのことで、①ご自身の能力向上と、②お仕事に使えるスキルと2つのものが獲得いただけます。以下では解説の都合上、便宜的にBasic、Standardを区分していますが、実際のセッションの中では融合した形で習得されていくことになります。

【Basic】
▼ゲシュタルト療法の基本と応用
・理論と原理 ビジョン
・気づき awarenessとマインドフルネスの技法
・各種の促進(ファシリテーション)技法、
・トラッキング(追跡)技法
・エンプティ・チェア(空の椅子)の技法
・心身一元論的なアプローチ技法
・葛藤解決の技法
・ゲシュタルトの応用活用法

【Standard】
▼変性意識状態(ASC)の入り方・誘導法・活用法・あつかい方
▼アウトプットを増幅するための変性意識活用法
▼意識のチューニング法(同調法・同期法)
▼トランスパーソナル的(超個的)メソッド
▼各種の瞑想技法(マインドフルネス/心理学的シャーマニズム/夢見の技法)
▼進化型NLP(神経言語プログラミング)

【Basic】 は、ゲシュタルト療法に関わる部分です。進化型のゲシュタルト療法を身につけることで、私たちはとらわれのない自由でパワフルな存在に変容していきます。まずは、ご自身の心理的テーマを素材にセッションを進めていきます。その中で、ご自身の変化・解放・変容を通して、ゲシュタルト療法がどのように作用し、人に変容をつくり出すのか、その仕組みを理解いただけます。ある程度、ご自身の感覚がつかめていくと、合わせて技術・技法も自然に学んでいけることになります。ゲシュタルト療法特有の原理やエクササイズ、具体的な促進技法や介入技法、変性意識状態(ASC)などです。そのポイントを学んでいただけます。

【Standard】またときどきに出てきたテーマに関連して、ゲシュタルト療法以外の関連・周辺の各種体験的心理療法や瞑想技法、変性意識状態(ASC)の扱い方、NLPや心理学的シャーマニズム、各種の心理学仮説等も学んでいくことになります。それらは体験される変容領域としては、「地続きで」つながっているものだからです。そのように幅広い知見や技法を手に入れることで、より普遍的で、引き出しの多い実践者(プラクティショナー)になることができるのです。特に、変性意識状態の扱い方や意識のチューニング法については、当スペースのように本質的な次元(レベル)で学べるところは他にありません。このスキルを得ることは、人生とそのアウトプットを変えるマスター・キーを得ることとなります。セッション体験を通して学ぶので、単なる理論や付け焼き刃ではない、血肉と化した本物の技を体得できることとなるのです。



【3】セッション/学習コース

①オンライン・セッション(セラピー/カウンセリング/学習)
時間は、1セッション80分。
料金は、10,000円
※現在、キャンペーンとして、初回セッションを、お試しセッションとして、半額の5,000円にて行なっておりますので、ゲシュタルト療法を受けたいという方は、まずはこの機会にぜひお試し下さい。初回のみでももちろん結構です。

オンラインで行ないますので、遠方の方でもご利用いただけます。あつかえるテーマ/内容は、下記の②以降のものと同様となります(②以下のものが対応可能)。ゲシュタルト療法他のさまざまなアプローチを体感していただけます。オンライン(リモート)版でも、リアル版と同等の効果が出ますので(もしくはリアル版以上の効果が出ますので)、ぜひお試しいただければと思います。
また、セッションでは、ロールプレイ的なテクニックを使いますので、わずかですが、位置(場所)の移動ができるお部屋のスペースが必要となります(広ければ広いほど良いですが、2mもあれば大丈夫です)。エンプティ・チェア技法等、特有の技法上の必要となります。また、小道具として、椅子や座布団、クッションなどを複数個ご用意いただければと思います。
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zoomを使って行ないます。
https://zoom.us/
※カメラ付きパソコン・スマホ等が必要となります。また、ゲシュタルト的なロールプレイのできる、部屋のスペースが少し必要となります。スマホご使用の場合は、セッション全景が見える位置に固定していただけるように、なにか台などをご用意いただければと思います。からだ全体を使いますので、スマホを手に持っていることはできません。

②ベーシック・セッション(コース)
時間は、1セッション80分 (個人セッション)
料金は、12,000円
場所は、東京都内となります。
※現在、キャンペーンとして、初回セッションを、お試しセッションとして、半額の6,000円にて行なっておりますので、ゲシュタルト療法を受けたいという方は、まずはこの機会にぜひお試し下さい。初回のみでももちろん結構です。

セッションの全体の流れは、大枠では、
①テーマの設定と現状確認
②心身の感覚的探索
③重要な要素(潜在能力)の発見と展開
④解決・方向性の発見(心理的統合)
の流れで進みます。
セッションの内容は、基本的にはどのようなテーマでも扱えます(テーマがたとえ明確でなくとも、その時の感覚の中から明確になってくるのでご安心下さい)。
出てくるテーマの傾向を分けると、
★得たいものを手に入れる方向/突破する方向(潜在能力・解決力・達成力を引き出す)
▼心のブロック(妨害・障壁)を取り除く方向(葛藤や制限、悩みの解消)
と2つの傾向を持ちますが、これらは、私たちの心の中では表裏一体で絡み合って存在しています。通常、心のブロックが外れることで、深い能動性や未知の創造力が自然に現れてくることになります。

そして、この両方をバランスよく取り扱うことで、潜在能力が引き出され、より統合された心の状態が現れてくることになります。セッションでは、時々のテーマに合わせて、必要な内的要素(潜在能力)を見つけ出しつつ、内なる妨害を取り除き、創造力を解放していくことになります。そのプロセスの流れをぜひ体験してみていただければと思います。ご自分の限りない潜在意識の力に驚嘆(感動)することとなると思います。

それらの結果として、より心の深い部分より肯定的な力が引き出され、確固たる自分の感覚と自信が生まれてきます。すべては積み上げ方式で、一歩一歩丁寧確実に進んでいくこととなりますのでご安心ください。

月1~2回のセッション、半年~一年程度で、明確な変化や手ごたえが得られます。まずは、セッションで実際に起こる、変化のプロセスや実感を体感してみていただければと思います。人生ではじめて遭遇する、新しい体験領域、新しいエネルギー、ご自分の広大な能性を感じていただけると思います。
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③心の葛藤解決、自己肯定感向上コース
時間は、1セッション80分 (個人セッション)
料金は、12,000円
場所は、東京都内となります。
※現在、キャンペーンとして、初回セッションをお試しセッションとして、半額の6,000円にて行なっておりますので、まずはこの機会にぜひお試し下さい。初回のみでももちろん大丈夫です。

「自信や意欲がない」「自己肯定感が低い」「人間関係で悩んでいる、人間関係が煩わしい」「劣等感がある」という場合、原因は、心の中の葛藤(もつれ、からまり)や分裂にあります。
このコースでは、心の中の葛藤を取り上げ、解消していきます。さまざまな生きづらさが解消されていきます。そして、意欲や自信が増大し、自己肯定感が高まります。苦しみに煩わされることない、自由でのびのびとした、自分らしい本来的な生き方ができるようになります。心の基礎的な力がしっかりと育ち、自信に満ちた新しい人生が開かれていくこととなります。人生で制限を感じられている方、過去と違う新しい人生が得たい方はぜひお試しください。
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④内的突破のセラピー・コース(創造性開発コース)
時間は、1セッション80分 (個人セッション)
料金は、12,000円
場所は、東京都内となります。
※現在、キャンペーンとして、初回セッションをお試しセッションとして半額の6,000円にて行なっておりますので、まずはこの機会にぜひお試し下さい。初回のみでももちろん大丈夫です。

こちらは、創造的・創作的な活動を支援するコースとなっています。拙著 『砂絵Ⅰ』の中では、「夢見の技法」と題して、私たちの心身の内奥から夢のイメージを奔流させる方法論について解説しました。夢は心の創造力の本体です。当コースでは、内的な夢見のプロセス、創造的生成の感覚を、セッションを通じてつかんでいっていただきます。心理療法のテクニックをベースに使い、心の表面的な制限やとらわれを超えて、心的イメージを引き出す方法、変性意識状態(ASC)に入る感覚を(シャーマニズム的感覚を)獲得していっていただきます。その作業を通して、自己の創造性(果てはトランスパーソナルな領域)が深い次元で開花していくこととなります。
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ゲシュタルト療法入門コース
※現在、準備中。

⑥オンライン・セミナー
※現在、準備中。
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コチラ


お客さまの声より

ミラクルな体験でした。予測だにしなかったこと。
まさに welcome to the new world でした!

ワークを体験したことで、なにかこの世界に対しての核心のようなものを得ることができたと思いました。愛の雲に明晰さという光のスペクトルが限りなく広がっていく、まるで最後には荒野からその上空の雲海に舞い上がったような体験でした。これは自分にとって世界への確信的な自覚でもありました。まさに新世界。この意識経験は、世界に対しての絶対に信頼できる体験というか、これまでのそして今後の自分の人生のクサビというか、転換点になるような体験でした。

O・Hさん 男性40代


◆人生を深化進化させる変容のロードマップ


さて、当スペースでは、おおよそ一年くらいをひとつの目安として、心の変化やスキルの感覚をつかんでいただくことをイメージしています。当然、一回のセッションだけでも大きな効果がありますが、より「大きな変容」についてここでは解説します。また個人差もありますので、実際には、クライアントの方のプロセスに合わせて、確実にサポートしていきます。着実に変容が進むのでご安心ください。
そこで得られるものは、付け焼き刃ではない、ゆるぎない健康と自信、創造力の感覚です。

そしてまた最終的には(トランスパーソナル心理学などで知られる)、心の大きな解放、心の底に「青空のような領域」をつくり出していくことにもなります。それは、私たちの誰もが持っている心の基底的な領域です(仏教その他の伝統は古来からそのことを指摘してきました)。

まずは、ゲシュタルト療法での癒しと解放の取り組みからはじめて、「心の基礎力」(OS)を育てることで、自信と底力にみちた確固たる自分自身ができてきます。そして、潜在意識の深くとつながると、自然に自信が生まれ、私たちはよりパワフルな存在になるのです。そうなると、心の力である知性や想像力、創造力などもより深みと説得力をもったものに変わっていくのです。

さて、仮に一年間で見た場合、おおよそ第1段階から第3段階までの、3つのフェーズ(段階)が多くのパターンとなっています。第5段階は、第2、3段階のフェーズを、何度も繰り返した後に得られる次の次元の領域となります。現れ方のタイプはさまざまですが、継続した取り組みの後に必ず得られる突き抜けた段階です。
以下がポイントです。

【第1段階】慣れる
気づき(マインドフルネス)の感覚と表現に慣れていく。
感覚の働かせ方に慣れる。
内的プロセスをつかむ感覚に慣れる。
変性意識状態(ASC)に慣れる。

【第2段階】流れる /深める
心の解放を創り出す。心のブロックをとる。
心身のエネルギーの流れを創り出す。
変性意識の感覚にさらに慣れていく。
気づき(マインドフルネス)を深める。
内的統合を進める。
自己の創造力を引き出す。
心の構造的な見立てや、技術・手法について学んでいく。

【第3段階】まとめる/振り返る
自己の経験や変容をふりかえり、対象化する。
気づき(マインドフルネス)を深めて、心身エネルギーの流れ、知覚・意識のひろがりを統合していく。

自分の変化を振り返り、全体的な構造的な見立てをつかんでいく。
物語化・神話化していく。

技術・手法を深めていく。

【第4段階】進化する
流れる(深める)とまとめる(振り返り)を繰り返す

【第5段階】ゴール 〈青空の通り道〉
個人性を超えたトランスパーソナル(超個的)な領域とつながり、確固としたものにする。


詳細説明

【第1段階】
慣れる気づき(マインドフルネス)の感覚と表現に慣れる。感覚の働かせ方に慣れる。内的プロセスをつかむ感覚に慣れる(約1~2ケ月)

セッションを通して、ゲシュタルト療法の感覚的探査の方法に慣れていただきます。セッション(ワーク)では、自己の内的感覚に気づきを深める独特の「気づき(注意力)の働かせ」があります。いわゆるマインドフルネスの状態です。これは、普段の社会生活では、決して経験しない種類の感覚や感情への気づき awarenessの方法となります。

そのため、この独特の気づき awarenessの働かせ方やマインドフルネスの感覚、内的プロセスをとらえる感覚、自己表現法になじむ期間(時間)を少し取ります。とはいっても、初回から明確な変化は起こるので、その点はご安心ください。多少、個人差がある部分です。

セッションは回数を重ねるほど、そのやり方に慣れることで体験も深まり、その効果は大きくなっていきます。また、もともと体験的心理療法のセッションなどに、慣れている方は(その流派にもよりますが)、このステップは必要ありません。

【第2段階】流れる/深める (流動性を高める)心の解放を創り出す。心のブロックをとる。心身のエネルギーの流れを創り出す。変性意識の感覚にさらに慣れていく。気づき(マインドフルネス)を深める。内的統合を進める。自己の創造力を引き出す。構造的な見立てや、技術・手法について学んでいく。(約3~10ケ月)

セッションに慣れてくると、ご自分の内的プロセス、潜在意識(感情や欲求)に気づく深さが加速度的に増していきます。そして、心のブロックが外れてきて、感情や心身の解放感が高まります。楽しさやエネルギーが増大します。

自分が弛緩して、感覚や感情が流れやすくなった、また、細かなことに気づくようになります。一回一回、セッションを進めるたびに、何かが明確に変化し、解放され、楽になり、自分が変わっていく実感が得られます。ご自分の新しい創造性に触れていくことになります。
(古典的なゲシュタルト療法では明確に対象化されていませんが)変性意識状態(ASC)入る感覚も、さらにつかめてくることになります。
そのなかで、心の原理や方法論的な理解も合わせて深まっていきます。
また、場合によっては
、心身の流動化が深まっていく中で、第五段階にある「トランスパーソナルな体験」などが体験されることもあります。それは、私たちの心の基底領域なので、完全な解放(達成)がなくとも、顕現可能なものだからです。

【第3段階】まとめる/振り返る  気づき(マインドフルネス)を深めて、心身エネルギーの流れ、知覚・意識のひろがりを統合していく。全体的な構造的な見立てをつかんでいく。物語化・神話化していく。技術・手法を深めていく。(約11~12ケ月)

心身の解放を進めると同時に、内的な統合感や変化の確認に振り返りを行なっていきます。自分の変容を対象化して振り返ります。得たいゴール(目標)への接近具合を測定します。内的な進化やスキル・方法論として、何が得られたか、もっと何を学びたいかを確認していきます。

さて、ところで、内的な能力変化や、方法論のスキル獲得は、際限なく進化が可能なものです。心の可能性(創造力)には果てがないからです(そして実際、突然、臨界点を迎えて、飛躍的進化が起こったりします)。そのため、ときどきに、中継点(道標)として、これまでの取り組みの進化(旅)を振り返り、獲得した変化やスキルを確認し、統合的に定着させることが有効なプロセスとなります。
その際に、自己の変化・変容を、物語化・神話化することは役に立ちます。より普遍的なイメージで、潜在意識(能力)に触れる形で、自己を統合することが可能になるからです。このあたりは、ナラティブ・アプローチやユング派の手法と同様です。

【第4段階】進化する流れる(深める)とまとめる(振り返り)を繰り返す

「スキルや体験を深めること」と「振り返りと確認(対象化)」を、一組としてサイクルのように回すことで心理的変容と統合、そしてスキル獲得がより進化していきます。

【第5段階】ゴール〈青空の通り道〉トランスパーソナルな領域とつながり、確固としたものにする。(継続の後)

そして、最終的に、この取り組みと統合の進化は、私たちの意識と存在を、自由で個人性を超えたトランスパーソナル(超個的・超人格的)な領域につなげていくことになります。
多くの場合、それらは、心身の流動化と情報が、或る臨界点を迎えて、飛躍するような形でやってきます。階段を一歩一歩上がっている間に、潜在意識の力が充満してきて、飛躍が起こるのです。

トランスパーソナル心理学なども指摘することですが、「自伝的領域」(過去の人生の出来事)についてのこだわりが消滅すると、心のより深い普遍的な層(非個人的領域、元型的領域)が開いてくることになるのです。それは、自然な展開であり、その事態は、私たちをさらに大きく解放していくことになります。

普段の自分の中に、「青空のように開かれた、(心の)広大な領域」を確固たるものとして感じていけるようになるのです。

また、このゴールに向かうプロセスで、私たちは、さまざまな変性意識状態(ASC)へ、意識をチューニングさせる感覚を体感していくことになります。意識のチューニングを変える方法や、意識の拡大状態をつくる方法を体得していくことになるのです。


当スペースで、セッションを続けていくと、心身のしなやかな解放が進み、以下のような数々の事柄(心身状態の変化)が起こってきます。

・生きることが楽になり、楽しみが増える。
・苦痛や苦しみの感情が減る。
・セルフ・イメージが上がる。
・自信と自己肯定感が高まる。
・自分の中の、感情的な雑音(ノイズ)が無くなる。
・まわり(他者)の、わずらわしい事柄が気にならなくなる。
・自分の能力に、信頼感が生まれる。
・新しい才能が発掘される。
・心に余裕ができる。
・不要なこだわりがなくなる。
・内側の感情が、なめらかに流れるようになる。
・過去の不快な出来事を、肯定できるようになる。
・肉体がしなやかになり、からだが軽くなる。
・肉体がエネルギーを増す。
・肚が据わる。
・存在に〈中心の感覚〉が生まれる。
・自分がまとまりを持ち、力を方向づけられるようになる。
・「今ここに」生きている感じがする。
・集中力や焦点化する力が増す。
・自分の才能の再構成・再編集がなされる。
・より自己一致congruenceする。
・自分の気持ちを、素直に表現できるようになる。
・他者の心に、じかにコンタクトできるようになる。
・より共感的になる。
・知覚力が拡大し、五感が豊かになる。
・意識が拡大・拡張する。
・未知の、微細な情報を、得るようになる。
・快(快楽)を、より強く感じるようになる。
・フロー体験が、生まれやすくなる。
・行動を起こす際の、ハードルが低くなる。
・瞬時に行動できるようになる。
・積極性が出る。
・やり抜く力がつく。
・目標(目的)を達成しやすくなる。
・ストレス耐性ができる。
・行動そのものが、スピード感を増す。
・冒険的なことができるようになる。突破力がつく。
・遊び心やユーモアが増す。
・感受性が増し、自然や世界が美しく感じられる。
・想像やイメージが豊かになり、発想力が増す。
・愛の力が増し、開花する。
・変性意識状態(ASC)に容易に入れるようになる。
・自分の夢のメッセージが、理解できるようになる。
・神秘的な出来事や体験に、会いやすくなる。
・飛躍的なアイディアが出て来る。
・的確な表現力が増す。
・斬新で、独創的なアウトプットが出るようになる。
・「自分という存在」の味わいが、より深くなる。
・生きること自体が、価値を持ち、楽しくなる。
・深い感情を生きられるようになる。
・直観力が鋭くなる。
・心が、純粋さを増す。
・濃密に生きている実感を得られる


動画解説「進化と変化のロードマップ」


さて、以上のようなプロセスとサイクルで、セッションと学習過程は、進んでいきます。このプロセスの中で、前記した諸要素が、少しずつ体験的・確実に学ばれていきます。繰り返しですが、下記のものです。

【Basic】
▼ゲシュタルト療法の基本と応用
・理論と原理 ビジョン
・気づき awarenessとマインドフルネスの技法
・各種の促進(ファシリテーション)技法、
・トラッキング(追跡)技法
・エンプティ・チェア(空の椅子)の技法
・心身一元論的なアプローチ技法
・葛藤解決の技法
・ゲシュタルトの応用活用法

【Standard】
▼変性意識状態(ASC)の入り方・誘導法・活用法・あつかい方
▼アウトプットを増幅するための変性意識活用法
▼意識のチューニング法(同調法・同期法)
▼トランスパーソナル的(超個的)メソッド
▼各種の瞑想技法(マインドフルネス/気功的シャーマニズム/夢見の技法)
▼進化形NLP(神経言語プログラミング)

当スペースのセッションに慣れ、初歩から一歩一歩積み上げていく中で、確実に心理的な解放と統合が起こり、自己実現へ向かうスキルとしての「気づきと変性意識の技法」が得られていくことになるのです。

新しい人生の次元が、開かれていくことになるのです。ぜひ、実際にセッションを体験してみて、その効果をご確認ください。
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【ブックガイド】

ゲシュタルト療法については、基礎から実践までをまとめたこちら↓
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
気づきや、変性意識状態(ASC)を含むより総合的な方法論については拙著
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、よりディープな
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。


変性意識状態(ASC)の「ホリスティックな治癒効果」

さて、変性意識状態(ASC)について非常に興味深い点は、変性意識状態それ自体が、とても深いホリスティック(全体的)な治癒効果(癒しの力)を持っているという点です。
変性意識状態(ASC)においては、普段の生活の中では、顕在化していなかった潜在意識の深い感情・微細な生体情報・エネルギーが活性化してきて、日常意識でも気づきやすくなります。
日常意識
と深い潜在意識との間にさまざまな情報的・エネルギー的な交流が可能となるのです。
そのあたりの要素が、人間の治癒能力を増大させるのでしょう。

①変性意識状態(ASC)の心身一元論的プロセス

また、変性意識状態(ASC)の多くは、基本的に心身一元論的なプロセスの性質を持ち、身体や生体の深い生命プロセス、自律的プロセスを活性化する傾向を持ちます。
ゲシュタルト療法の用語でいうと「内部領域」という体内(生体)領域が活性化するのです。
その点が、この治癒(癒し)効果を強くする要因にもなっていると考えられるのです。

というのも、「日常意識」とは基本的には、理性的な「自我」機能に拠るものです。
理性的な「自我」機能とは、ゲシュタルト療法の用語でいえば、「中間領域」の世界です。
精神分析的な心理構造でいえば、現実原則による二次過程を担当し、生体の組織でいえば、「表層的な部分」になっています。
それがために、理性的な「自我」機能は、外部の人間世界と辻褄を合わすことに長けているのですが、生体の内部の深層プロセスとは若干「解離的」な側面も持っているわけです。

変性意識状態(ASC)においては、この理性的な「自我」機能が弛んで、拘束が解除されて、意識が生体の内部の深層プロセスにコンタクト(接触)しやすくなるのです。
この点が、変性意識状態(ASC)が心身一元論的に生体の深いプロセスを活性化するポイントとなっていると考えられるのです。

そして、身体の深層プロセスが活性化されることで、普段においては、硬化し滞っていた生命エネルギー・生体情報・感情が活性化してきて、生体のホリスティック(全体的)な活動が働きはじめるのです。
それは、心と肉体の潜在能力が深いレベルから解放された状態といえます。
その状態の中で、心身をきちんと整備しようとする「生体の自律的なプロセス、ホリスティックな自然治癒のプロセス」が、私たちを再調整・再統合していくこととなるのです。
それゆえ、変性意識状態(ASC)は、普段にない形で強い治癒作用を持つものとなるのです。自然本来の持つ自己回復機能が発現するといえるのです。

例えば、「ブリージング・セラピー」などは、テクニック面においては「呼吸」を利用するだけのシンプルな技法ですが、心身の深いプロセスを活性化して、そこで自然に生ずる強い変性意識状態(ASC)の作用によって、深い記憶の浮上、深い感情とエネルギーの放出、筋肉硬化の解除などによって、通常のセラピーでは起こらないようなホリスティックな変容をクライアントの方に起こすものとなっているのです。
ブリージング・セラピー その1 
呼吸法と事例 

②変性意識状態(ASC)のシステム論的プロセス

また違うシステム論的に考えていくと、私たちは、変性意識状態(ASC)を通して、私たちがもつ未知のホリスティック(全体的)なシステムや高次階層システムにつながっていくという可能性も考えられるのです。

別のところでは、映画『攻殻機動隊』や変性意識研究の大家リリー博士の経験を参考に、私たちの心の階層構造について考えてみました。
つまり、聖書にある「聖霊にみたされる」体験を、システム的に意識(存在)が未知なる「上部階層」とつながり、整列させられる体験として考えてみたのです。
映画『攻殻機動隊』のラストでは、主人公の意識が、広大な上部階層の世界に溶け込むことでより、下位的な現実世界から消えてしまいます。
そのような上部階層のシステムとつながる体験であるがゆえに、下位存在がシステム的に整備(プログラム)されることにより、「ホリスティックな調整作用(治癒・癒し)」が働くとのではないかと考えてみたわけです。
つまり、「聖霊に満たされる」体験とは、上位のホリスティック(全体的)なシステムにつながり・整列することで、「私たちという下位のシステム」が整えられ、癒されることを表現しているのではないかと。
そのようにに考えると、「ホリスティックな癒し」とは何かについて、よりシステム的・機能的に考えることもできるようになるのではないかということです。
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識
「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から

以上見たような理由からも、変性意識状態(ASC)に入るスキルを身につけることは、心理的な治癒においても、身体的な治癒においても、ともに大きな可能性をはらんだ効果を持っているといえるのです。

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※気づきや統合、変性意識状態(ASC)へのより総合的な方法論は拙著↓
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『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
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関連記事
X意識状態(XSC)と意識の海の航海について
「聖霊」の階層あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識

葛藤状態 生きづらさの仕組み


スライド2

さて、

当スペースでは、

前章に見た、

自己妨害の背後に、

「複数の自我(私)」の存在を、

見ています。

 

私たちの人格の中にある、

「複数の自我(私)」の存在によって、

4つの欲求混乱のパターンも、

より活性化されてしまうのです。

 

さて、

複数の自我があったとしても、

通常、私たちは、

どれか、ひとつの自我に、

同一化していて、

自分が、

複数の自我(私)であるとは、

気づきません。

 

そのため、

主観的には、

ただ塊としての苦痛や不自由、

悶々とした葛藤しか、

感じとれません。

 

ゲシュタルト療法では、

セッションによって、

この自我たちを、

目に見える形で取り出して、

自我の間の対話や調整を図ることで、

この自己妨害を、

解消していきます。

 

また、さきの

4つのパターンが、

どのように働いているのか、

まざまざと体験できることになります。

 

さて、よく葛藤とは、

「アクセル」と「ブレーキ」を、

同時に踏むようだと言いますが、

厳密な言い方をすると(深層の部分では)、

少し違います。

 

一見、

ブレーキをかけていような、

自我の言い分を

深く聞いていくと、

必ずその自我の、

「肯定的な意図」が分かります。

 

つまり、

実は両方とも、

アクセルなのです。

アクセル同士が、

互いを牽制しあい、

別のベクトルを向いているため、

葛藤が生じるのです。

 

 

◆「やる気が出ない」は、正しい

 

「やる気が出ない」

ということがありますが、

(変な言い方ですが)

それは、正しいのです。

 

それは理由があって、

「やる気が出ない」という、

気分表現になっているので、

その理由(真の意図)を知ることこそが、

重要なのです。

 

そこには、必ず、

自我間の葛藤があり、

それぞれの自我は、

深い「肯定的意図」をもって、

そのように作用しているのです。

 

その「自我たち」を知っていくことは、

自己自身をより深く知っていくこと、

自己の創造性を生きることに、

つながっていくのです。

 

世の中には、

「モチベーションUP」の書籍が、

氾濫しています。

多くの人が、そう願っているからでしょう。

 

しかし、いくら本を読んでも、

モチベーションを上げることは出来ないでしょう。

まず、やる気を上げたいのは、

今の自分が同一化している、

「やる気を上げたい自我」でしかなく、

その他の自我には、

そのことに反対する積極的な理由が、

あるからです。

 

安直なモチベーションUPではなく、

自分の心を、丁寧に見つめて、

ひも解いていくこと、

そこから、真の、

モチベーションUPが始まるのです。


 

 ◆ワーク(セッション)において

 

実際のセッションでは、

(「ワークとは」「セッションの実際」参照)

対立したり、

葛藤したりしている、

おのおのの自我を、

エンプティ・チェア(空の椅子)の技法などを使い、

丁寧に、取り出してきて、

各自我の意図(欲求)を聞き、

自我間の対話を行っていきます。

 

これが、

なぜ、エンプティ・チェアの技法で、

可能になるかと言いますと、

通常、私たちは、

「どれかひとつの自我にしか、

同一化できない」のですが、

エンプティ・チェアの技法においては、

その他の自我にも、

同一化することが、

技法(原理)的に可能になるからです。

これは、

催眠療法でいう、

アンカリングの原理によるものです。

(下図参照)

エンプティ・チェアの技法を使うと、

個々に対立していた自我の間に、

情報交流、

エネルギー的交流が起こり、

自我間の、対立する要素が減り、

別の特性(グループの仲間)として、

互いを尊重し、

協力したりできるようになります。

互いを妨げることなく、

より相乗的にパワーを、

発揮できるようになります。

 

セッション(ワーク)では、

そのことを実現するために、

時間をとって、じっくりと、

個々の自我の言い分(欲求・意図)を、

聞いていきます。



スライド7




※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
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伝統的なシャーマニズムについて

シャーマニズム」と聞くと、どのような印象を持たれるでしょうか?
「未開部族の風習」「未開社会の迷信みたいなもの」「辺境のオカルト、魔法みたいなもの」といった印象でしょうか?
それが大体の、ごく一般的な印象だと思います。

ところが、心理療法や変性意識状態(ASC)を数多く経験して、自分の心身の変容体験を数多く繰り返していくと、その「変容の構造」が、伝統社会のシャーマニズムで言っていることと「構造的に似ている」ことに多くの人が気づいていったのです。
その結果、「シャーマニズム」というものを単なるローカルな習俗ではなく、人類のもつ「普遍的な構造」として見直そうという機運が世界的に生まれました。そのようなネオ・シャーマニズム的な視点が、現在では多数あるのです。

心理療法は、心の構造を実践的にあつかう方法論なので、特に親和性が高い領域ともいえます。ここでは、そのような「シャーマニズム」と「心理療法」に共通する構造などを見ていき、シャーマニズムの伝統的な知見を現代に活かす点について考えてみたいと思います。

ところで、シャーマニズムの研究については、著名な宗教学者ミルチャ・エリアーデの浩瀚な『シャーマニズム』(筑摩書房)が知られています。副題には「古代的エクスタシー(脱魂)の技法」とあります。拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』の副題もここからとられています。

 

①シャーマニズムの世界観

宗教の原形ともいうべき世界中のシャーマニズムには、似通った世界観があります。
シャーマニズムの世界観として、よく指摘されるのが3つの世界の区分です。
天上世界地下世界、この地上世界です。
「天地人」の世界です。

シャーマンとは「脱魂」、つまり魂を飛ばして、この地上世界から天上世界、地下世界を行き来する存在です。この往還を、旅 journeyといいます。

そして、その際にシャーマンを導き、天上世界や地下世界に導いてくれたり、案内してくれたりする存在が「パワー・アニマル」と呼ばれる存在です。

仲間であり、守護者であり、その世界の住人に遭わせてくれたりもします。アニマルと言われますが、必ずしも動物だけではなく、様々な存在、形姿をしている実体 entityです。

また、この3つの世界を貫くものとして、世界樹・宇宙樹が、あるとされたりします。

天上世界には、雲や虹や煙に乗って行ったり、『ジャックと豆の木』のような、樹木で行ったりします。
地下世界には、洞窟や穴倉から行ったりします。『おむすびコロリン』や『不思議の国のアリス』の世界です。

民間伝承や神話、物語には、このようにシャーマニズムの祖形がいたるところに見られます(アリスの初稿が、『地下の国のアリス』Alice’s Adventures under Groundであったというのは大変示唆的です。そして、この場合、あのウサギが、パワー・アニマルというわけです)。

通常は、同じ方法や通り道を使い、それぞれの世界に行ったり来たりします。

天上世界、地下世界に、良い悪いの価値付けはありません。ただ、私たちが得られるものの傾向性はあります。
天上世界には〈叡智〉に関わるものが多く、地下世界には〈力〉や〈癒し〉に関わるものが多いとされています。

そして、シャーマンが行なうことといえば、向こう側の世界(天上、地下、異界)に行って、その時に必要な答えやパワーをこちら側の世界に持ち帰ることです。
そして、人々のために役立てることです。
この行きて帰りし旅が、シャーマニズムの基本構造です。


②シャーマンになるプロセス

シャーマンになるには、そのプロセスに共通した要素が見られます。いわゆる「巫病」と呼ばれるプロセスです。
このようなプロセスを通して、人はシャーマンになります。

(1)「召命calling」
シャーマンになる人間は、なりたくてなるのではなく、嫌々ながらシャーマンにされるのが通例です。通常は病気になったり幻聴・幻覚を得たりと、予期せぬ事柄(呼びかけ)からシャーマンになるプロセスが始まります。
これが呼びかけられる体験であり、召命です。

(2)「異界へ旅」
その後、なんらかの実体(精霊)にさらわれるような形で、魂が異界に連れて行かれます。

(3)「解体・切断」
その世界で試練を受けて、自己の古い身体が解体されるよう体験を持ちます。(肉を全部剥ぎとられて、骨だけの存在になる等)

(4)「新しい身体の獲得」
その試練の後に、自己の身体が「再生される」というような経験を持ちます。

(5)「帰還」
この地上に帰還します。それ以後、実体(精霊)とコミュニケーションする能力を獲得し、村落共同体で役立つ人間となります。

 

③心理療法との関係

さて、当スペースでは、このようなシャーマニズムの様々なプロセス・モデルを、人間の潜在意識への探索と解放、心理学な再生(刷新)、意識の拡張(変性意識)のモデルと考えています。

一番目につきやすいところでいえば、シャーマンの行なう異界(天上世界、地下世界)への旅です。
これは、そのまま心理療法における潜在意識への旅と考えることができます。
心理療法において人は、変性意識状態(ASC)に入ることにより、自分の潜在意識の世界(異界)へと入っていき、必要なものを日常意識へと持ち帰って来るのです。

また、シャーマンにおける心身の変容プロセスは、体験的心理療法ゲシュタルト療法における心理的刷新のプロセスと大変通じる点が多いものです。
それは別に見た「英雄の旅」のモデルなども同様です。
例えば、英雄の旅をモデル化したジョゼフ・キャンベル自身が、このシャーマニズムの構造との類似性(同等性)に気づいていました。
そのため、

「神話の英雄、シャーマン、神秘主義者、精神分裂病患者の内面世界への旅は、原則的には同じもので…」
キャンベル『生きるよすがしての神話』(飛田茂雄他訳 角川書店)

と語っているわけです。

このプロセスについては、「行きて帰りし旅」として、拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』でも多くのページを割いて説明しています。

また、心理的な問題症状(苦痛など)について考えてみると、ここでも興味深い共通構造があります。
たとえば、クライアントの方にとっては、苦しい症状というものは、
なかなか消えない、憑依している「悪霊/魔物」のように感じられていることが多いものです。
しかし、セッションを深めていくと、その悪霊/魔物のような存在が、だんだんと自分を益している「パワー・アニマル」のような存在であったということに気づいていくことになるのです。
なぜなら、悪い症状というものは、実は、潜在意識がクライアント本人のために創り出しているものだからなのです。
潜在意識は、クライアントの方を変容させようとして、それらの症状を生み出しているのです。
そのようなことがわかると、悪い症状として憑りついていた存在が、忽然と消滅し(憑依が解け)、別種の精霊的な存在(高次の智恵)に姿を変えるという現れ方をすることも多い(ほとんどな)のです。
悪い霊は、良い霊に変身したのです(元の姿を現したのです)。
そのような意味でも、このシャーマニズムのイメージ(モデル)は、実感的なものとしてもとても役に立つモデルになっているのです。

そのため、当スペースでは、これらをシャーマニズム的な構造を重要なものと考え、「心理学的シャーマニズム」として、現代的エクスタシー(脱魂)の技法として位置づけているのです。

※シャーマニズムにおけるエネルギーの扱い方については
聖なるパイプの喩え(メタファー) エネルギーの流動と組織化


関連記事

諸星大二郎『生物都市』と鉱物的な変性意識状態(ASC)
ロートレアモン伯爵と変性意識状態
→ 「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から

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動画解説 シャーマニズムの世界観

↓動画解説 「変性意識状態(ASC)とは何か その可能性と効果の実際」


 

野生の気づきとは

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さて、私たちが、

野生の動物たちのいる世界に、

入って行っても、

基本的には、(人馴れしていない)

本来の野生動物たちに出会うことは、

できません。

 

自然の動物の世界とは、

忍びあいの世界です。

お互い同士が、息を潜ませている世界です。

そのような、人間たちのいない、

基本的な野生の世界を、「ベースライン」の世界と呼びます。

 

私たち人間が、ズカズカと、

自然に踏み込んでいく時(その大分前に)、

動物たちは、気配を感じて、

いっせいに身を潜めてしまいます。

このような状態を、「ベースラインが乱れる」と言います。

そして、人間が起こした乱れが、

森に広がっていく姿を、

「波紋が広がる」と言います。


そのため、

通常、私たち人間は、本来のあり様では、

自然の姿を、ほとんど目にすることがないのです。

 

そのような、

ベースラインの世界に通暁し、

その世界の諸相について教えてくれるのが、

狩猟民の人々です。

 

彼らは、生きていく必要上から、

そのような自然の世界の奥に、

潜り込む必要があったからです。

 

そして、彼らが教えてくれることは、

私たち現代人が見失っている、

生の奥義に触れる、

繊細な生の技法なのです。

 

 

◆野生の視野 Wide Angle Vision

 

さて、両手を広げて、耳の延長上に

掌を持っていきます。

指をひらひらと動かしてみます。

視界の端で、それをとらえます。

 

視線を合わせるのではなく、

焦点を合わせない視線で、

白目の端で、それら両方を見ます。

それが、自然界の視線です。

 

自然界は、忍びあいの世界です。

いつ、敵が襲ってくるか、分かりません。

そのため、広い角度で、視界にあるものをとらえる、

というのが自然の企画です。

特に、草食動物は、目が頭の両横についていて、

視界が広くなっています。

大型の肉食動物は、目が比較的、

前についています。

より攻撃に特化したためでしょう。

しかし、視線自身は、基本、

Wide Angle Visionです。

焦点化することは、危険が伴うからです。

 

一方、焦点化する視線を、

Tunnel Visionといいます。

視野狭窄の状態です。

Tunnel Visionの視線は、

エネルギーが高い不自然な状態であり、

ベースラインの世界では、

違和感として、人間の存在の特徴として、

動物たちに、すぐに感じとられるといわれています。

 

鳥類などは、肌感覚で、

人間のTunnel Visionを、

感じとるといわれます。

自然に入る時は、

Wide Angle Visionでないと

いけないのです。

 

そのため、

私たちが、自然本来の姿を垣間見たいと思うなら、

歩き方や、忍び方は、もちろんのこと、

視線のあり様、意識のあり様から、変えていかないと、

野生本来の姿を目にすることは、できないのです。



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野生と自然

 

◆自然と私たち

 

さて、

ゲシュタルト療法や、
体験的心理療法などの、
心理的な探究を長年つづけて、

心身がほぐれていくと、

意識の可動域が拡大し、
個人に限定されない、
さまざまな領域にまで、
自己の範囲が、

広がっていくこととなります。

 

そのことは、やがて、

「自然」というものに対する、

私たちの関係を変えていくことにもなるのです。

 

このことは、

人間関係(関係性)だけを突き詰めていくことによって、

しばしば行き詰ってしまう、

従来的な心理療法に対する、

別種の観点としても、意味を持って来るのです。

精神科医の加藤清は言っています。

 

「もしクライエントとセラピストとの関係、

人間の関係だけであれば、

場の基底がもうひとつ弱い。

そこに、ディープ・エコロジカルな基盤があってこそ、

出会いが成立する。

人間と人間との出会いは同時に、

自然とクライエントとセラピストの出会いでもある。

魂の出会いといってもいい」

(加藤清、上野圭一『この世とあの世の風通し』春秋社)

 
 

ところで、
心身一元論的なボディワーク・セラピー
ブリージング・セラピーなどの、

体験的心理療法の中では、

肉体という領域への、

感受性を深めていくため、
私たちが自然の生物として持っている
深層的な能力についても、
各種の気づきがひろがっていきます。

 

また、グループワークを主体とする、

体験的心理療法では、
仲間との協働で、セッションを進めるため、

私たち自身の「群れ(集団)」としての側面について、
新たな気づきの洞察が深まっていきます。

 

実際、グループ・セラピーの現場では、
しばしば、ありえないような形で、
人々の心の共振・共鳴が生じます。

それは、物理的な共振・共鳴とまったく同様です。

 

そこにおいて、私たちは、

意識や感情エネルギーの物質的的な基盤について、
深い感覚的な理解を得ていきます。


◆人間種を超えて

 

さて、このような「つながり」の感覚は、

その感受性を延長していくと、

人間共同体(家族、仲間、社会)を超えて、
自然や大地、動植物、鉱物にまで、

およんでいくこととなります。

知覚力や心が、研ぎ澄まされ、

身体として浸透していくかのようです。
これらは知的なものとしてではなく、
直接のつながりの感覚として、

得られていくのです。

 

 

◆シャーマニズム的な姿勢

 

ところで、自然とじかに交わり、
大地との交感を深めていくといえば、
伝統には、それはシャーマニズムの領域と、

重なっていくことともなります。

そのため、当スペースでは、

心理療法に基盤を置きつつも、

そのような観点から、

これらの取り組み全般を、

シャーマニズム的な姿勢であると、

見なしているのです。



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フロー体験について
サバイバル的な限界の超出 アウトプットの必要と創造性



 

 

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ゲシュタルト療法【基礎編】
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変性意識状態(ASC)とは

【内容の目次】

1.はじめに 変性意識の活用

人間が持つ広大な潜在能力の開発や、心理療法における心理プログラムの改善・治癒作用など、心の構造や能力を理解し活用するのに際して「変性意識状態(ASC)」というとても有効(便利)な概念があります。

変性意識状態 Altered states of consciousnessとは、1969年にカリフォルニア大学の心理学者チャールズ・タート博士の編著により有名になった意識状態の定義ですが、この通常の合理的・論理的・理性的な「日常意識以外」のさまざまな意識状態を指した総称です。

日常意識以外のさまざまな意識状態――瞑想状態、催眠状態、宗教儀式などのトランス(入神)状態、夢、向精神性薬物(ドラッグ)によるサイケデリック(意識拡張)状態、神秘体験など――を指した言葉です。広くは、体外離脱体験(OBE)や俗に「ゾーン ZONE」としても知られるフロー体験 flow experience なども、これに含まれると考えてもよいでしょう。基本的には、それ自体では良いものでも悪いものでもない価値中立的な変異した意識状態です。

しかし、この変性意識状態(ASC)のあつかい方に慣れ、通常の日常意識と変性意識との間に、感覚的・情報的・意図的なつながりを持てるようになると、私たちの能力や世界というものは、ずっとひろがりを持った広大なものに変っていきます。
人生や世界がずっと深さと幅を持った、まばゆく豊かなものに変容していくのです。この人生に、ある意味、「本当の魔法」が存在することに気づくようにもなるのです。その能力を習得し、活用可能なものにすることで人生は一変していくことになるのです。
ここでは、そのような実践的な事柄について解説していきたいと思います。

ところで、かつてアメリカの重要な哲学者ウィリアム・ジェイムズは、その著作『宗教的体験の諸相』のよく引かれる文章の中で、以下のように記しました。

「…それは、私たちが合理的意識と呼んでいる意識、つまり私たちの正常な、目ざめている時の意識というものは、意識の一特殊型にすぎないのであって、この意識のまわりをぐるっととりまき、きわめて薄い膜でそれと隔てられて、それとまったく違った潜在的ないろいろな形態の意識がある、という結論である。私たちはこのような形態の意識が存在することに気づかずに生涯を送ることもあろう。しかし必要な刺激を与えると、一瞬にしてそういう形態の意識がまったく完全な姿で現れてくる。それは恐らくはどこかに、その適用と適応の場をもつ明確な型の心的状態なのである。この普通とは別の形の意識を、まったく無視するような宇宙全体の説明は、終局的なものではありえない。問題は、そのような意識形態をどうして観察するかである。―というのは、それは正常意識とは全然つながりがないからである。(中略)いずれにしても、そのような意識形態は私たちの実在観が性急に結論を出すことを禁ずるのである」(桝田啓三郎訳『宗教的体験の諸相』岩波書店)


さまざまな心の研究とともに、彼自身の変性意識体験より導かれた結論ですが、私たちの知る世界と変性意識状態について考える際にひとつの参考となる観点です。

以下では、この変性意識状態(ASC)がどのような特徴や構造を持つものなのか、また、どのような面で私たちの生活の役に立つのかについて見ていきたいみたいと思います。

2.「変性意識」が認知された時代背景

まずはじめに、そもそも、なぜタート博士が「変性意識状態(ASC)」を取り上げたのか、またそれが世間で注目され受け入れられたのかという、当時の時代背景と歴史的な文脈を見ておきたいと思います。
日本では、このあたりの文脈的・構造的理解が薄いので、変性意識状態(ASC)が、単なる偶発的で風変わりな娯楽的体験か、もしくは浅薄な自己啓発的・能力開発的エピソードで終わってしまうことにもなってしまっているのです。
この変性意識状態(ASC)の探求は、人類の意識変容に関わる重要な側面を持っているともいえるのです。

1969年、心理学者C.タート博士による編著が生まれた背景には、当時のアメリカ、特に西海岸で隆盛していた文化的思潮・流行との関係がありました。ヒッピー・カルチャー、カウンター・カルチャー、サイケデリック・カルチャーなど呼ばれた文化的思潮・流行です。
(ビートルズのジョン・レノンは、1967年のことを思い出して、当時はなにがなんでも「ヘイト・アシュベリー」に行かなければならないと思っていたと回顧しています。ヘイト・アシュベリーとはサイケデリック・カルチャーの爆心地でした。ちなみに、レノンはこの後、ライヒアン系のセラピー「プライマル・セラピー(原初療法)」のセッションを体験し、作風を一変させることになりました。体験的心理療法を深めた人はレノンのこの振る舞いがとてもよくわかると思います)

ところで、ヒッピー・カルチャー、カウンター・カルチャー、サイケデリック・カルチャーなどの思潮をつくり出した最大の動力源は、個々人の「(薬物による)サイケデリック体験」でした。
頭で考え出した思想や思潮ではなく、個々人が強烈な実体験(意識変容体験)を通じて、旧来の世界観とはまったく違う「別世界の体験」をしたのでした。知覚の扉が開かれる体験をしたのです。アップル社の故スティーブ・ジョブズは自らのLSD体験を、「人生でもっとも衝撃的な体験のひとつ」として自伝で回顧しています。それが後に彼をへと導くことにもなりました。

さて、そのようなサイケデリック体験をもったため、多くの人に「問い」が生まれたのでした。
「この体験はなんだろう?」
「この世界はなんだろう?」

その体験世界は、それまでの西洋の合理主義や近代主義の世界観では理解できない世界でした。そのため、「これらの意識状態」を定義して、きちんととらえ直す必要があったわけでした。
タート博士の仕事と「変性意識状態(ASC)」の概念の提示は、そのような時代の要望に応えるものだったのです。
そして、その仕事の結果、「変性意識状態(ASC)」という概念がひろく受け入れられることになったわけです。
そして、それは、サイケデリック体験だけでなく、当時、西洋社会では目新しかった「瞑想」や「ヨガ」「シャーマニズム」等、さまざまな東洋思想を理解する概念ツールともなったのでした。実際、ヨガなど、現在私たちが普段目にする東洋的実践が、普通に身の回りに見られるようになったのはこの時代以降のことです。

ではここで、「実際の変性意識状態(ASC)がどのようなものであるのか」、ひとつ具体的な(極端な)事例を見ておきましょう。イギリスの作家ハクスリーが、「サイケデリック」という造語を考えたハンフリー・オズモンド博士の元で、メスカリン(幻覚剤)を服用した時の体験談です。スティーブ・ジョブズのいう「衝撃的」という言葉の意味合いが伝わるかと思います。

「私が眼にしていたもの、それはアダムが自分の創造の朝に見たもの―裸の実在が一瞬一瞬目の前に開示していく奇蹟であった。イスティヒカイト。存在そのもの―エクハルトが好んで使ったのは、この言葉ではなかったか?イズネス、存在そのもの」ハックスレー『知覚の扉』今村光一訳、河出書房新社

「私は花々を見つめ続けた。そして花々の生命を持った光の中に、呼吸と同じ性質のものが存在しているのを看たように思った―だが、その呼吸は、満ち干を繰返して、もとのところにもどることのある呼吸ではなかった。その呼吸は、美からより高められた美へ、意味深さからより深い意味深さへと向かってだけ間断なく流れ続けていた。グレイス(神の恩寵)、トランスフィギュレーション(変貌、とくに事物が神々しく変貌すること)といったような言葉が、私の心に浮かんできた。むろん、これらの言葉は、私が眼にする外界の事物に顕わされて顕われていたのである」(前掲書)

「神の示現、至福の自覚―私は生まれて初めて、これらの言葉の意味するものを理解した。…仏陀の悟りが奥庭の生垣であることは、いうまでもないことなのであった。そして同時にまた、私が眼にしていた花々も、私―いや『私』という名のノドを締め付けるような束縛から解放されていたこの時の『私でない私』―が見つめようとするものは、どれもこれも仏陀の悟りなのであった」(前掲書)

この体験記は、当時よく読まれ(今も読まれていますが)、サイケデリック体験の指南書となりました。変性意識状態(ASC)というものの一端が(極端なものではありますが)うかがえるかと思います。

3.「 変性意識状態(ASC)」とA.マズロー

▼トランスパーソナル心理学と変性意識状態(ASC)
また、タート博士が本を出した1969年という年は「変性意識状態(ASC)」と関連で、別のとても象徴的な出来事がありました。それは、A.マズローが「トランスパーソナル心理学会」を立ち上げたのが、1969年だということです。
A.マズローといえば「欲求の五段階説」とか「自己実現 self-actualization 」などの理論で、ビジネスの世界でもひろく知られている心理学者です。
そのマズローは、晩年「自己実現」の次にある存在状態/ステージについて考えていました。
それが「自己超越 transcendence 」というものでした。

そして、「自己超越」に関連してマズローが注目していたのが「至高体験 peak-experience 」という心理状態でした。これは、とても充実した心理/存在状態なのですが、自己実現した人々に非常に頻繁に見られ、また普通の人々においても稀に見られる特別に「肯定的な状態」として、マズローの注意を引いたのでした。それは、限界を超えるような一種の超越的な心理状態、変性意識状態(ASC)といっていいようなものなのでした。そこに、マズローは人間の心の持つ可能性を直観したのでした。
その事実が彼をして、「自己実現」を超えた「自己超越」のテーマに向かわせたと考えてよいのです。

至高経験は自己合法性、自己正当性の瞬間として感じられ、それとともに固有の本質的価値を荷なうものである。つまり、至高経験はそれ自体目的であり、手段の経験よりもむしろ目的の経験と呼べるものである。それは、非常に価値の高い経験であり、啓発されることが大きいので、これを正当化しようとすることさえその品位と価値を傷つけると感じられるのである」(A.マスロー『完全なる人間』上田吉一訳、誠信書房)

「わたくしの研究してきた普通の至高経験では、すべて時間や空間について非常に著しい混乱が見られる。これらの瞬間には、人は主観的に時間や空間の外におかれているというのが正しいであろう。(中略)かれらはある点で、時間が停止していると同時に非常な早さで経過していく別の世界に住んでいるかのようである」(前掲書)

「至高経験は、この観点から見ると、絶対性が強く、それほど相対的ではない。(中略)それらは比較的達観し、人の利害を超越しているというだけではない。それらはまた、みずからは『彼岸』にあるかのように、人間臭を脱し、自己の人生を超えて永続する現実を見つめているかのように、認知し反応するのである」(前掲書)

「時間や空間の外」「彼岸」「自己の人生を超えて永続する現実」などという描写を見ても、これが通常の心理状態、意識状態を超えている感覚(変性意識状態)というのが伝わるかと思います。マズローが「自己実現」を超えた「自己超越」の心理学をつくる必要性を感じた理由もよくわかるかと思われます。

その結果、1969年に、通常のパーソナル(人格、個人性)を超えた(トランス)進化した人間像を研究するために、「トランスパーソナル心理学会」を立ち上げたのでした。
そして、とりわり象徴的なことは、マズローがこの学会を一緒に立ち上げたのが、精神科医のスタニスラフ・グロフ博士というLSD研究(サイケデリック・セラピー)の大家だったということです。LSDによるサイケデリック体験では、まさに「時間や空間の外」「彼岸」「自己の人生を超えて」などの体験がごく普通に見られるからです。そのようなことを理解できる共同研究者が必要だったというわけです。
晩年のマズローが構想した進化した(超越した)人間像と、変性意識状態(ASC)とが、どのように深い関連にあるのかがよくわかるエピソードかと思われます。

4.「潜在意識」「無意識」という胡散臭さ

さて、さきほどまではとても超越的な事例を見てきましたが、変性意識状態(ASC)は、もっと私たちの生活に身近な形でもさまざまに存在しています。ここからそれらの少し実践的な事柄に移りたいと思います。ところで、変性意識状態(ASC)は、私たちの「潜在意識」や「無意識」と呼ばれるものを、実際に探求・体験するに際して有効な働きを持ちます。

ところでどうでしょうか? 世間でよくいわれるように、人間は「潜在意識」がとても重要なのだと聞いても、どこか怪しく胡散臭い感じがするのではないでしょうか? 
「言われれば、なんとなくそういう気もするけど…」とは思うものの本当にそうなのか、感覚的にピンとこないのではないでしょうか? また、確証のとれない事柄について勝手に語られているように感じられたりしないでしょうか? というのも、「潜在意識」と呼ばれているものが実際、感覚的によくつかめない、中身がよくわからないというところがあるからです。
これは、とても正しい反応だといえます。
そして実際のところ、潜在意識(無意識)の大切さについて、「理論的な話」を聞いてもあまり意味が無いことでもあるからです。

つまり、「潜在意識」や「無意識」の重要性は、「自分の感覚として」実際にそれらを体験・体感したり、その中身を感覚的にわかることによってはじめて意味が出てくるものであるからです。

さて実は、変性意識状態(ASC)は、そのような「潜在意識(無意識)」と、この日常意識をつなぐ領域(媒介領域/状態)として、私たちにとってとても価値があるものであるといえるのです。
つまり、変性意識状態(ASC)は、私たちに広大な潜在意識との意識面でのつながりをもたらし、実感的・実践的な理解をもたらすものであるというわけなのです。
そして、その状態に習熟することにより、潜在意識と深く交わり、そこから能力を引き出したり、操作する方法を得ていくことにもなるというわけなのです。

これが、私たちにとって、変性意識状態(ASC)がとても重要な価値を持つ面といえるのです。
(おおざっぱに表現すると、変性意識状態とは、日常意識と潜在意識とが部分的に融合した状態ともいえます)

5.変性意識状態(ASC)と心理療法

まずは、身近で「実利」を得られるところにある、心理療法(心理学)における変性意識状態(ASC)の効果や有効性について見ていきたいと思います。

さて、「心理療法」とは、心の悩みや苦しみなどを「取り除き」「癒す」ことが目的です。
もう少し丁寧に表現すると、「不調和を起している心(心理)のプログラム」をプログラム修正(再プログラミング)することを目的としたものです。
そして、この再プログラミングをするに際して、程度の大小はありますが、日常意識ではないこの「潜在意識」「無意識」にアクセスすることが重要となるのです。

というのも、私たちのこの「私=自意識=日常意識」というもの自体が、既存の深層プログラムによって成り立ち、そこから映し出されている表象感覚(表象結果)であり、その日常意識(自意識)からでは、(当然ながら)自分自身を作り出している基盤プログラムを書き換えることはできないからです。
「影(結果)」からでは「本体(原因)」に影響できないというわけです。
ここに、私たち人類のこの「私=主体」にまつわる本質的に「逆説的な事態」があるのです。
実例を挙げると、例えば、感情的な問題について、頭(思考)でアレコレ考えていても(一時的に気を紛らわすことはできても)、それ自体は決して解決しない(無くならない)ことを思い出してみても、それは理解できるかと思います。

つまり重要なのは、この日常意識(私=自意識)ではない、別の経路から(日常意識を迂回した道を通って)、自分を作り出している基盤システムに介入して、プログラム修正することが必要となるわけなのです。
といっても、この「私(影、結果)」がなんとかしないといけないので、とても「逆説的な事態」だとお分かりいただけるかと思います。
そしてその際に、この変性意識状態(ASC)という状態がとても有効に利用できるというわけなのです。

この「心の構造」は、催眠療法などをイメージすると分かりやすいかと思われます。催眠療法の考え方というものは、クライアントの方の日常意識に働きかけるのではなく、その意識面を回避(迂回)して、潜在意識(無意識)に直接働きかけることで、クライアントの方の心のプログラムを修正しようとする方法論だからです。
しかし、それもそんなに簡単なことではないのです。催眠療法がそんなに効果を上げる方法論でもないことを見ても、その実情がよくわかるかと思います。

また、心理療法の見方でいうと、通常、心の問題で悩まれている方は、日常意識の自意識に過度にとらわれているものです。自分の苦痛や自意識が絶対的なものに感じられて、そこに囚われてしまっているわけです。そして、苦痛にみちた感情や自意識を、日常生活の中で反復することで固定化(硬化)した悪いループにはまっているです。そのため罠にかかったように、身動きができなくなってしまっているわけです。
しかし、実はその「私=自意識」は結果の表象感覚でしかなく、それを生み出している原因ではないのです。

ところが、変性意識状態(ASC)に入ると、日常意識(私=自意識)がゆるみ、自分の苦痛や自意識が相対化されて、アプローチ可能なものに感じられてきます。苦痛が減じて、自分の強い感情や自意識があつかいやすいものに変化するのです。そのため、より楽な気持ちで、自分の深い心にアプローチできるようになるのです。

セッションにおいては、これが一番効果を発揮する面といえるかもしれません。その結果、よりスムーズに心の深層に触れて、心理的な治癒と変容を進めていくことができるようになるのです。

さて、ところで、変性意識状態(ASC)ですが、実際のところ、私たちは、この変性意識状態そのものには、とても簡単に入れるものなのです。
しかしながら、変性意識状態をつくり、自分たちの望むような形で、心のプログラムを改修(変更)することはなかなか簡単には行なえないのが実情です。
というのも、それは人間生体の運営上、セキュリティの問題(危険)がありますので、セキュリティ・システムがきっちり設けられているからです。私たちは自分の心でさえ、簡単(勝手)にはプログラム修正ができないというわけなのです。それはそれでセキュリティ上、とても良いことなのです。
そのため、適切なプログラム修正を行なうには、セキュリティ・システムを抜けていく方法や心理システムに対する深い理解も必要となってくるのです。
セッションの中で、変性意識状態に移行するゲシュタルト療法(体験的心理療法)は、そのような方法や理解を深く的確なものにしてくれるのです
→【参考】心の悩みと解決法とは はじめに

6.変性意識状態(ASC)とはⅠ 入り方

さて、ところで、変性意識状態(ASC)といっても実にさまざまなタイプがあります。日常意識からの距離によって、軽いものから極端なものまで多様なスペクトルや帯域をもっています。
実際、私たちの意識は、日常生活の中でも、ふと緩んだ時に軽度な変性意識状態に入っています。ちょっとボーとしている時。何かに没頭している時。何かに集中している時。さまざまな機会に、私たちはスルリと変性意識の状態に移行してしまっているのです。
また、人間関係(関係性 relationship)の中では、人は、容易に無意識の力に引き(惹き)こまれて、軽度な変性意識状態に移行してしまいます。恋愛や性愛関係、家族関係、組織内における関係性など、集合的(集団的)な無意識が活性化しやすいところでは、人は憑依されるように容易に変性意識状態に巻き込まれていきます。過度に閉ざされた人間関係の中で犯罪(虐待等)が起こりやすいのはそのためです。

「意識のフレーム(枠)」自体は、カメラのレンズやフレームのように無色透明なものなので、なめらかに変性意識状態に移行するものです。そのため、自分が変性意識状態に入っていても、(没入していて)それと気づかない場合の方が多いものです。主観的には、ハッとして気づきを得るまで、私たちはほとんどその違い(差異)に気づけないのです。
しかし、そのような変性意識状態に移行する中で、無意識のうちに、私たちはより冴えた直観力と鋭敏性を働かせて、優れた創造力を発揮したりもしているのです。また悪い場合には、犯罪などをおかしてしまったりもしているのです。

そのため、重要なことは、単なる偶然的に変性意識状態に入ってしまうのではなく、意図性や気づき awareness をもって変性意識状態(ASC)をさまざまにあつかえるようになるということなのです。

ところで、変性意識にはさまざまな状態があります。しかし、変性意識状態とは、それ単体ではなんら特別なものではないという言い方もできます。というのも、変性意識状態というものは、単に変った意識状態ということだけであるからです。
重要なことは、変性意識は、私たちの日常意識との関係(対比/関連/組み合わせ)の中で、初めてその特異な位置づけや強い意味合いを持つという事実です
。たとえば、ドラッグ(薬物)をやって偶然的に深い変性意識状態に入っても、その体験自体(単体)が、すぐに恒常的な意識拡張や創造力拡大には結びつくわけではないということです。ここにおいても、日常意識との関係(つながり)の中で意図性や気づき awareness をもって変性意識状態(ASC)を操作することがポイントとなってくるのです。

さて、意図的に」変性意識状態(ASC)に入る方法としては、歴史的・伝統的には、各種宗教の儀式的なトランス状態や瞑想技法、向精神薬物の使用などが昔から知られていました。
また同様に、現代の体験的心理療法においても、セッションの過程の深いリラックス状態や、内的な感覚(感情)集中を通して、より自然な形で変性意識状態に入っていくことができます。その変性意識状態の中で、日常意識(自意識)ではコンタクト(接触)できなかった深層情報にアクセスして、そのプログラムを書き換えていくということも可能になってくるのです。
それというのも、変性意識状態(ASC)の中においては、日常意識(自意識)の時とは違った形で、潜在意識にある隠された情動や感覚情報が前景に溢れ出てきて、通常ない形でまじかに視ることも可能になってくるからです。そのような多層的な情報のただ中で、より微細な層に透過的に気づくこと awareness ができるようになるからです。このような微細で多重的な意識状態(ホリスティックな気づき状態)の中でこそ、(セキュリティ・システムを抜けて)心の精妙なプログラムにコンタクトすることや変容のコントロールも可能となってくるわけなのです。

いずれにせよ、心の複雑な構造(特性/逆説)をよく理解し、意図的に変性意識状態(ASC)に入るとともに、その中で心を書き換えるスキルを得ることは、心の治癒や人間の潜在能力を開発するために計り知れない有効性を持っているのです。
また逆にいうと、体験的心理療法のスキルに習熟することは、これらの能力、つまり変性意識状態(ASC)に入ることとその中で微細な気づきを保ち、潜在能力の解放を行なうことにもつながっていくのです。そして、この点こそが、近代的な心理療法と伝統的なシャーマニズムの原理的な類似性ともなっている点であり、当スペースの方法論となっている点でもあるのです。

7.変性意識状態(ASC)とはⅡ 意識のチューニング

また、変性意識状態(ASC)の中には、さきのジェイムズの文章にもあるような、私たちの日常意識から大きく逸脱した未知の不思議な意識状態の帯域もあります。
これら
のイメージは、喩えるとラジオのチューニング(同調)のようなものです。

通常、私たちのラジオ(日常意識)というものは、喩えると、NHK放送にチューニングが合っており、その番組放送を聞いていてそれだけが現実(世界)だと思っているようなものです。
この喩えでは、NHK放送が日常意識であり、その放送番組が日常現実です。
それが何かの拍子(もしくは方法論)で、ラジオのツマミが動かされて、別の放送局(変性意識状態)にチューニングが合うと、別の放送番組(変わった現実)が聞こえてきたりするというわけです。

人類学者カルロス・カスタネダの著作の中には「集合点」と呼ばれる、知覚情報を編成するポイント(結節点)が言及されています。集合点が動くと、私たちは、「日常的な私たち」自身であることを失い、その現実も溶解して、まったく別物に変化していくのです。カスタネダのいう集合点が、厳密に何を意味しているのかは分かりませんが、比喩的にも実践的にも、そのイメージは大変ヒントになるものです。

たとえば、宗教的な修行や体験的心理療法を強力に推し進めると、やはりまれに、そのように「集合点」 が動いたかのような強烈な変性意識状態、別種のリアリティ体験をすることがあります。
それは、私たちを、未知の体験領域-空間に投げ込むことになります(場合により、心身に混乱をきたすケースもあります)。アメリカにおいては、体験的心理療法や向精神性物質によるサイケデリック〔意識拡張〕研究も盛んなため、マズローと一緒にトランスパーソナル心理学会を立ち上げた精神科医のスタニスラフ・グロフ博士などは、そのようなさまざまな変性意識体験の事例、体験領域-空間をさまざまに研究報告しています。また、その状態をサポートするシステム(スピリチュアル・エマージェンシー)について記したり、支援活動を行なっていたりするのです。
(※実際のサイケデリック〔意識拡張〕体験とは何か
LSD研究の権威グロフ博士のLSD体験と時代背景インタビュー動画↓)
http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof

8.変性意識状態(ASC)の治癒効果と超越的状態

ところで、興味深いことのひとつは、深い変性意識状態自体が、心理的・身体的な深い治癒効果・統合効果を持っているという点です。
変性意識状態(ASC)が、人間の深層的なプロセスを活性化し、本来持っている深い潜在能力(治癒能力)を引き出し、人間の心身を不可逆的に解放・変容・刷新してしまうという点なのです。
深い変性意識状態が、身心のホリスティック(全体的)な機能を目覚めさせるためと考えられます。

それはおそらく、変性意識状態(ASC)というものが、私たちが普段同一化(固着)している日常意識(自意識)レベルの心理システムを解除し、私たちをより深く高い階層の潜在意識や心身統合システム、個人的自我を超えた領域に、私たちをつなげるためであると考えられるのです。
これは歴史的には、さきに触れた晩年のA・マズローなどが「
自己実現」を超えた領域として構想した「自己超越とトランスパーソナル(超個人的)な領域へのつながるテーマとなっているわけです。
これは、変性意識状態を入り口に、心身のより広大なシステム(全体性/ホールネス)に、私たちを導く興味深くかつ実践的なテーマでもあるのです。ホリスティック holistic なテーマがここにはあるわけです。
これらは広大な内容であると同時に、多様かつ多面的な要素を持ちますので、各要素については下記のそれぞれをご参考いただければと思います。
【図解】心の構造モデルと変容のポイント 見取り図
フロー体験とは何か フロー状態 ゾーン ZONEとは
サイケデリック(意識拡張)体験とは何か 知覚の扉の彼方
変性意識の治癒効果
マズロー「至高体験 peak-experience」の効能と自己実現
ブリージング・セラピー(呼吸法)の事例
「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
映画『攻殻機動隊』ゴースト Ghost の変性意識
実際の変性意識体験の事例

現代日本社会では、正しく理解されていませんが、この変性意識状態(ASC)を、きちんとあつえるスキルを磨くことは、私たちの能力や創造力、人生にとって計り知れない益をもたらすものなのです。

9.変性意識のもたらす変容と、人生で活かす方法

さて、拙著『砂絵Ⅰ』の中にも、実際の体験事例を多数書きましたが、筆者自身、心の諸領域を探索する中でさまざまな奇妙な変性意識状態(ASC)を体験してきました。
→拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

そして、それらの経験を繰り返してわかったことは、変性意識状態(ASC)が私たちにもたらす変容作用や治癒作用、意識拡張作用は、(場合によっては)たった一回の体験で、人生を一変させてしまう強力な能力を持っているという点でした。心身の基底的なプログラムが刷新し、書き換わってしまうわけです。

さきに触れた、S.グロフ博士は、強度な変性意識を体験した多くの人々の証言を集めた結果から、その世界の見え方の変容を「あたかも、白黒テレビからカラーテレビに変わるかのようだ」と表現しています。これは実際にそのようなものなのです。

また、数々のセッションを実施した経験から言えることですが、軽度のものでも、変性意識状態(ASC)は、私たちの奥底に確実に変容をもたらしてしまうものです。これら多くの観察を踏まえると、変性意識状態(ASC)というものは、気まぐれな不調和ということではなく、私たちの自然的本性(全体性/ホールネス)が備えている「自律的・治癒的・創造的」な素晴らしい潜在能力であるともいえるのです。

そして、これも経験上言えることですが(一番重要な点でもあるのですが)、変性意識状態(ASC)の活用ポイントは、変性意識状態(ASC)と普段の日常生活の間に、きちんとした「心理的な連携や統合、往還(行き帰り)の通路をつくっていく(習熟していく)」という点なのです。

そうでないと、変性意識状態(ASC)は単なる偶然的で奇妙な(面白い)エピソードということだけで、私たちに心理的な統合をもたらすことがないからです(逆に解離と分裂をもたらすこともあるからです)。私たちの人生を豊かにする創造的パワーにはなってはいかないのです。
そのため、拙著 『砂絵Ⅰ』の中では、日常生活と変性意識との行き帰り(往還)の方法を「行きて帰りし旅」という言葉で公式化しました。これが一番重要な点でもあるからです。
そのような、行き帰りと連携の取り組み(スキル)によってこそ、変性意識状態(ASC)の特異で強力な力を、日常生活と人生の中で価値ある創造的な能力に変えることができるのです。

このようなわけで、当スペースでは、変性意識状態(ASC)をあつかうスキルを、潜在能力を引き出し解放・活用するためのスキルとして、実践面・方法論面でも重視し、多くの方々に体験してもらったり、深めてもらったりしているというわけなのです。
変性意識状態(ASC)の秘められた力を、ご自分でうまくあつかえたり活かせるようになるだけで、想像もつかなかったような形でご自身の人生を解放し、刷新させることが可能になるからです。
そのことで、クライアントの方がご自身で、自己の潜在意識や創造力を無尽蔵に引き出す真の魔法、マスター・キーを手に入れることができると考えているからなのです。

 

10.参考文献

Charles T. Tart (ed.) ; Altered states of consciousness . John Wiley & Sons Inc
W・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』桝田啓三郎訳 (岩波書店)
A・ハックスレー『知覚の扉・天国と地獄』今村光一訳 (河出書房新社)
S・グロフ『自己発見の冒険Ⅰ』菅靖彦他訳 (春秋社)
S・グロフ『脳を超えて』菅靖彦他訳 (春秋社)
S・グロフ他『深層からの回帰』菅靖彦他訳 (青土社)
T・リアリー他『チベット死者の書 サイケデリック・バージョン』菅靖彦訳(八幡書房)
A.H.マスロー『完全なる人間』上田吉一訳 (誠信書房)
A.H.マスロー『人間性の最高価値』上田吉一訳 (誠信書房)
J・C・リリー『意識(サイクロン)の中心』菅靖彦訳(平河出版社)
C・G・ユング他『黄金の華の秘密』湯浅泰雄訳 (人文書院)
R・D・レイン『経験の政治学』笠原嘉他訳 (みすず書房)
M.チクセントミハイ『フロー体験入門』大森弘監訳(世界思想社)
S・コトラー『超人の秘密:エクストリームスポーツとフロー体験』熊谷玲美訳(早川書房)
井筒俊彦『意識と本質』(岩波書店)
吉福伸逸『無意識の探険』(TBSブリタニカ)
吉福伸逸『トランスパーソナル・セラピー入門』(平河出版社)
菅靖彦『変性意識の舞台』(青土社)
津村喬『気功宇宙―遊泳マップ』(アニマ2001)
K・ウィルバー『意識のスペクトル』吉福伸逸他訳 (春秋社)
ロジャー・N・ウォルシュ『シャーマニズムの精神人類学』安藤治他訳(春秋社)
A・ミンデル『シャーマンズ・ボディ』藤見幸雄他訳 (コスモス・ライブラリー)
フレッド・アラン・ウルフ『聖なる量子力学9つの旅』小沢元彦訳 (徳間書店)
S・ラバージ『明晰夢』大林正博訳(春秋社)
ゲイリー・ドーア編『死を超えて生きるもの』井村宏治他訳(春秋社) 
アブラハム.H.マスロー『人間性の最高価値』上田吉一訳 (誠信書房)
マーティン・A・リー他『アシッド・ドリームズ』越智道雄訳(第三書館)

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→ 「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から
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X意識状態(XSC)と、意識の海の航海について
ロートレアモン伯爵と変性意識状態
宇宙への隠された通路 アレフとボルヘス



【ブックガイド】

変性意識に入りやすくする心理療法(ゲシュタルト療法)については、基礎から実践までをまとめたこちら(内容紹介)↓
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
また、変性意識状態(ASC)への入り方などその詳細な概要と実践技法は入門ガイド↓
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
をご覧下さい。

また、変性意識状態のよりトランスパーソナル(超個)的で広大な世界を知りたい方は、実際の体験事例も含めた↓
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。

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コチラ

ブリージング・セラピー(呼吸法) BPM

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H.R.ギーガー
 


ブリージング・セラピー(呼吸法)Ⅰでは、スタニスラフ・グロフ博士の「ホロトロピック・ブレスワーク」の実際のセッション体験について記しました。
ここでは、この理論の前提となっている「分娩前後マトリックス」について、ここでは少しご紹介しましょう。
※グロフ博士の『脳を超えて』(吉福伸逸他訳 春秋社)という大著があります。最下部の一覧表は同書からの要約です。

◆「出生外傷(バース・トラウマ)」の発見
―「分娩前後マトリックス」

博士は、当初、LSDを使った心理療法(サイケデリック・セラピー)を行なっていましたが、クライアントとの数千回にわたるLSDセッションを行なう中で、人間の深層に「出生外傷(バース・トラウマ)」が存在することを発見しました(そう判断しました)。
(http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof)

それは、人間が「胎児として、子宮から膣道を通って出産される」という強烈な体験過程の記憶です。それがLSDセッションでは回帰(再体験)してくることになります。

グロフ博士は、これを基本的分娩前後マトリックスBPM (Basic Perinatal Matrix)と呼んで、体験のフェーズごとにBPMⅠ~ BPMⅣまで4つに分けて解説しています。

そして、それらが「原トラウマ」として、その後の人生に大きな影響を与えていることと考えたのです。
それらは精神障害で現れるタイプ・傾向から、日常生活での好み嗜好/強迫観念、性的な好み嗜好までその人を貫く大きな要素として存在しているという仮説です。

①BPMⅠ 母親との原初の融合

最初のフェーズです。これは胎児が、母親の子宮の中にたゆたっている状態です。子宮内が良好な状態であれば、これは安逸(至福、天国)の体験です。子宮内が胎児にとって不快な状態であれば、最悪の体験(地獄)です。胎児にとっては子宮内が宇宙そのものであるからです。

②BPMⅡ 母親との拮抗作用

やがて、出生の時期を迎えます。胎児は子宮口に吸い込まれていく体験に入ります。胎児にとっては危機的な状況です。窒息や吸引など様々な脅威がこの体験過程の表象となっています。

③BPMⅢ 母親との相助作用

産道・膣道を通って出産される場面です。胎児は膣道の万力のような圧倒的な力に、自分が圧し潰されそうになる脅威を感じます。膨大なエネルギーが発散・放出されます。同時にぞっとするような性的でもある火山的エクスタシーを体験することもあります。

④BPMⅣ 母親からの分離

実際に、出産されて母親の外に出る体験です。恐ろしい苦難の後の突然の解放体験となります。そこでは、まばゆさと歓喜に満ちた元型的な世界を体験したりもします。

さて、以上のような4つのフェーズが原型的な体験となって、私たちの深層意識の底に巣食い、その後の人生に与えていくというのがグロフ博士のBPM仮説となっています。

ところで、このような心の原風景は、筆者の変性意識状態を使ったゲシュタルト療法においても、しばしば現れてくるものであります。
そのため、ブリージング・セラピーに限らず、クライアントの深層意識をあつかうセラピスト、ファシリテーターは、この仮説(理論)が描写する生々しいイメージや症状、欲求(感情)形態、心理構造をよく理解しておいて損はないと思われます。

 

※体験的心理療法や変性意識状態(ASC)についての総合的な方法論は拙著↓
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
および、よりディープな
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』をご覧下さい。

↓動画「ブリージング・セラピー(呼吸法)」

※多様な変性意識状態についてはコチラ↓動画「ゲシュタルト療法 変性意識 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』」


ブリージング・セラピー(呼吸法)事例


ここでは、「体験的心理療法」の典型として、ブリージング・セラピーである「ホロトロピック・ブレスワーク」とその事例を紹介したいと思います。その治癒的な効果と、変性意識状態(ASC)の現れ方のあり様がよく分かると思われます。

ブリージング(呼吸法)を使ったセラピーは各種あります。
呼吸は、私たちの意識と無意識をつなぐとても重要な媒体(要素)であり、そのため古今東西の瞑想技法でも重視されてきたものです。

たとえば、私たちは、日頃よく「呼吸」を止めることで「感情」を抑えようとします。抑制しようとします。
思わず「息を止める」「息をつめていた」などという行為です。
ある種の人々にとっては、これが子供の頃からの習い癖となっていて、そのために肉体自体(肺や横隔膜)が硬くなってしまっていて、深い呼吸ができないという人がいます。
しかし、これまでの人生の中では、呼吸を止めることで「その時、感じたくなかった生々しい感情(苦痛)」から自分を守ることができたのです。
「呼吸をコントロールする=感情をコントロールする」が方程式になってしまっているのです。

しかし一方で、だんだんと、浅い呼吸しかできないために、生き生きとした生命力が枯渇してしまっていること気づき、悩まされることにもなるのです。

そのため、からだをほぐし、呼吸をなめらかに滞りなく流すこと自体が、自分の感情をなめらかに流していくことに効果的なのです。
なめらかな深い呼吸には、なめらかな感情の流れが連動します。
各種のボディワーク・セラピーにおいては、身体の硬くなった(硬化した)ブロックを直接的にほぐしていくことで、このプロセスを促進していきます。

自分の感情を抑えたり、コントロールすることを習い癖にしている人は、呼吸を解放したり、感情を深く体験することにはじめは恐怖を感じます。
また、呼吸の解放によって、感情のコントロールを失うんじゃないかと恐れを抱きます。

しかし、心配は不要です。コントロールは「自然」のシステムとして働いています。
むしろ逆に、人為的・作為的な無理なコントロールこそが、抑圧によって感情の反発を招き、感情の暴走を招くのです。
(緊張しないようにすると、かえって緊張してしまうのと同じです。緊張を受け入れると緊張はなくなります
)

マインドフルネス瞑想の要領で、心静かに呼吸に注意を向け、自然に呼吸を流していくことで、感情の流れと呼吸の流れが同期している(つながっている)感覚を静かに実感できて、心身の新しいエネルギーの流れを体験していくことができるでしょう。

ブリージング・セラピー(ホロトロピック・ブレスワーク)は、このような呼吸の特質を使って、心の深層の次元にアクセスしていく力強い方法論なのです。

◆ホロトロピック・ブレスワーク

「ホロトロピック・ブレスワーク」とは、スタニスラフ・グロフ博士が開発したブリージング・セラピーです。グロフ・ブリージング、ホロトロピック・ブリージングとも呼ばれたりします。

グロフ博士は当初、合法の研究薬だったLSDを使った心理療法(サイケデリック・セラピー)を行なっていましたが、LSDに法的規制が加わった後、ブリージング(呼吸)・セラピーでも同様の内的プロセスを促進できることを発見し、その方法論を実践化しました。詳しくは、博士の『自己発見の冒険』(吉福伸逸他訳 春秋社)などに詳しい実践法の記述がありますで、そちらをご覧いただければと思います。ここでは、ポイントだけを記していきます。

①セッションの方法

1セッションで、1時間から数時間かけて行ないます。

セッションは二人一組になり、中心のクライアント(ブリーザー)とサポートする「シッター」と役割を決めて行ないます。

クライアント(ブリーザー)が行なうことは、セッションの間の数時間、大音響で音楽が流れる中、ただ「過呼吸」を行ない、生起して来る内的プロセスに気づきをもって身を委ねるだけです。プロセスは自然に生起していきます。その中で、起承転結が自然に起こるのです。

②内的プロセス セッションの経過

グロフ博士は言います。

「たいていの場合、ホロトロピックな体験は、オルガスム曲線を描き、感情のもの上がりとともに、身体的兆候が現れ、それが絶頂期を迎え、突如の解決に導くといった経路をたどる」(前掲書)

この内的・現象的・症状的な経過はとても自然な流れで起こり、私たちの内部の〈自然〉の圧倒的な自律性(知恵)を感じさせる類いのものです。

セッションの間は、主観的には、この体験がどこに向かうのか、何が起こるのか、まったく予測がつかない状態ですが、症状や体験過程がある程度進行してくると、そのプロセスに無理がなく、私たちの経験的な体感覚とマッチしていることもあり、とりあえずはその過程の行く末に任せてみようという気分になってきます。それは、その状態が既に変性意識状態(ASC)であり、通常では気づけない、微細な生体プロセスに気づけていることにも由来します。

◆出生外傷(バース・トラウマ)

▼「分娩前後マトリックス Basic Perinatal Matrix 」

「出生外傷(バース・トラウマ)」は、フロイトや弟子のオットー・ランクらが人間の深層にあるトラウマとして昔から指摘していたものです。しかし、その指摘はどこかアイディア的で、観念的なニュアンスがありました。
しかし、グロフ博士は、クライアントとの数千回にわたるLSDセッションを行なう中で、人間の深層に文字通りの物理的・体験的記憶として「出生外傷(バース・トラウマ)」が実際に存在することを発見していったのです(そう判断していったのです)。

クライアント自身の「胎児として、子宮から膣道を通って出産される」という物理的な体験の記憶です。
それはある種、「天国的」であると同時に「地獄的な」体験の記憶です。
これが人間の深層に横たわっており、さまざまな「天使的」または「悪魔的」な欲望の基盤となっていると考えたのです。

グロフ博士は、これを基本的分娩前後マトリックスBPM (Basic Perinatal Matrix)と名づけて、BPMⅠ~ BPMⅣまで4つのフェーズに分けて解説しています。
実際の「産道体験」である同時に、その(それぞれのフェーズに)特徴的な存在状態の解説となっており、そして、どのフェーズで、トラウマな固着をもった場合に、人生でどのような傾向の問題(妄想)を引き起こすかを体系化したのです。

そして、重要なことは、この深層記憶が「ホロトロピック・ブレスワーク」ではしばしば戻ってくるということなのでした。
そして、そのトラウマ的な記憶を解消していくということなのでした。

◆セッション体験例

ここでは、実際に筆者のセッション体験を引用しておきましょう。
ところで、ブリージング自体は、過去に何回も行なっていますが、ここでは、はじめて顕著な体験をした時の事例を拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』から引用しておきます。


さて、以下を体験する前の時点で、既に何回かブリージング自体は行なっていましたが、これといって特別な体験は何も起こっていなかったので、
この時も、さしたる期待もなく、セッションを始めたのでした。

「……………………………
………………………
…………………

いつものように、
音楽に気を紛らわし、
過換気呼吸に、
集中していく…

過換気自体は、
不快なだけ、
苦しいだけ、
といってもいい…

探索するよう、
手さぐりするよう、
感覚と手がかりを求め…
呼吸を続けていく…

…………
………………
熱気が高まってきて…
顔や皮膚に、
ちりちりと、
蟻が這うよう、
痒さが走る…

茫漠とした不安に、
さきの見えない、
不快感が、
つのっていく…

呼吸に集中し…
気づきを凝らし…
内側から、
深層のプロセスが、
生起して来るのを、
見つめている…

光の斑点が、
眼の裏に、
交錯し、
輪舞する…

どのくらい、
経ったのか…
汗ばむ熱気の中、
苦しさは薄まり…
痺れとともに、
遠いところから、
満ちて来る、
生理の、
深いざわめきに、
気づく…

呼吸を続け、
その波を、
増幅し、
持続させることに、
集中する…

いつものよう、
手足のさきが、
痺れはじめ…
熱気の中、
斑らに現れる、
奇妙な汗ばみ…
冷たさの感覚… 

とりとめのない、
記憶や映像が、
夢の破片ように、
去来する…

どこへ向かっているのか、
予想もつかない…
しかし、
何かが、
満ちて来る気配…

内側の遥かな底に、
荒れ騒ぐよう、
何かが高まり、
生起する感覚…

呼吸を続け…
意識が、
途切れがちになる…
呼吸を保ち…
意識をただし…
気づきを凝らし…

………………………
………………
…………

どのくらい、
時間が経ったのか…
明滅する意識の向こうに、
ふと気づくと、
そこに、

「胎児である自分」

がいたのである…

それは、
記憶の想起ではなく、 
今現在、
今ここで、
「胎児である自分」
なのであった… 

感じとられる、
肉体の形姿が、
からだの輪郭が、
いつもの自分とは、
完全に違っている…

巨大な頭部に、
石化したよう、
屈曲した姿勢…
激しく硬直する、
腕や指たち…

手足のさきが、
堅く曲がり、
樹木のよう、
奇妙な形に、
ねじくれている…

からだ全体が、
胎児の形姿、
姿勢である…

そして、
気づくのは、
今ここに、
自分と重なって、
「その存在がいる」
という、
圧倒的な、
臨在の感覚である…
その存在の、
息吹である…

それは、
自分自身である、
と同時に、
かつて、
そうあったであろう、
「胎児である自分」
との二重感覚、
だったのである…

「いつもの自分」
の意識と、
「胎児である自分」
の感覚(意識)とが、
二重化され、
同時に、
今ここに、
在ったのである…

分身のよう、
多重化された、
肉体の、
感覚の、
意識の、
圧倒的に、
奇妙な現前が、
在ったのである…

そして、
ふと気づくと、
手足は、
異様なまでの、
硬直の激しさである…

その筋肉の凝縮は、
普段の人生の中では、
決して経験しない類いの、
岩のような硬直と、
巨大な圧力である…

自分の内部から、
このように、
途方もないエネルギーが、
発現している事態に、
驚いたのである…

肉体の深い層から、
生物学的で、
火山的なエネルギーが、
顕れていたのである…

………………
…………

何の感覚か…
まとわり、
ぬめるよう密閉感… 
粘膜のよう、
煩わしい、
冷たい汗ばみ…
奇妙な匂い…

内奥に、
深く凝集し、
細胞的に遅延する、
時間の感覚…
生理的な、
生物的な、
渇き…

胚のよう、
種子のよう、
濃密に凝縮する、
発熱の、
震え…

暗闇に、
ぼうと浮かぶ、
輝くような、
始源の感覚…
宇宙的な、
未明の、
けはい…

肉と骨の奥処に、
岩のよう、
苛烈な硬直の、
軋み…

烈火のよう、
力のエネルギーが、
尽きることない、
火力が、
終わることなく、
滾々と、
放出されていたのである…

………………………………
………………………」

さて、このセッションは、「胎児のとしての自分を見出し、体験する」ということを体験の絶頂として、身体の猛烈な硬直もそれ以上には進まず終息に向かっていきました。

主観的には、この胎児との遭遇は、大きな感情的なインパクトを持ちました。生命の自律性に対する畏怖の感覚や、その原初の輝きを、目撃し、同一化する体験となったのです。


◆体験の後

さて、このセッションの目覚しい効果は、その翌日朝にすぐ現れました。
肉体の深層に埋め込まれていた、硬化した緊張感が忽然と無くなり、膨大な量のエネルギーが解放されていたのでした。
からだが、信じられないくらい、軽くなっていたのでした。
そして、羽毛のように軽く、フワッと身を起こしたのでした。
自分のからだの軽さに、驚いたのでした。

そして、あらためて(逆算的に)過去を振り返ってみて、昨日までそのような膨大なエネルギーの重圧感を抱えて生きていたことに気づいたのでした。

普段、そのような深層の抑圧(重圧)には気づきもしていませんでしたが、膨大な緊張感が無くなってみてはじめて、心身の深層にそのような苦しく圧迫的なプログラムが埋め込まれていたのにあらためて気づいたのでした。
そして、自分がすでに「解放された存在」になってしまったことに、その朝気づいたわけでした。

続き→ ブリージング・セラピー その2 BPM (Basic Perinatal Matrix)

※体験的心理療法や、変性意識状態(ASC)についての総合的な方法論は拙著↓
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をご覧下さい。

↓動画「ブリージング・セラピー(呼吸法)」

↓動画解説 「変性意識状態(ASC)とは何か その可能性と効果の実際」

※多様な変性意識状態についてはコチラ↓動画「ゲシュタルト療法 変性意識 『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』」


体験的心理療法とは はじめに

当スペースで、

「体験的心理療法」と呼んでいるものは、

主に、1960年代に、

米国西海岸を中心に広まった

心理療法のタイプの一群です。

 

当スペースの中心技法である、

ゲシュタルト療法エンカウンター・グループ

ボディワーク・セラピーや、ブリージング・セラピーなどが

代表的なものです。

また、当時の普及のメッカとしては、

エサレン研究所 Esalen Instituteなどが

知られています。

 

エサレン研究所の所長、

マイケル・マーフィーは、

その活動初期に、

エンカウンター・グループを体験し、

これは、「サイケデリック物質と同じくらい、

人を恍惚とさせるものだ」と感じたようです。

そして、これを、

「新しい、アメリカのヨガであり、

個人と宇宙とを結合する道だ」

と思ったようです。

(W・T・アンダーソン 『エスリンとアメリカの覚醒』 誠信書房)

 

そして、実際、

この地から、

心理療法の新しい潮流も、

ひろまっていったのでした。

 

「私は、以前より、開かれ自発的になりました。

自分自身をいっそう自由に表明します。

私は、より同情的、共感的で、忍耐強くなったようです。

自信が強くなりました。

私独自の方向で、宗教的になったと言えます。

私は、家族・友人・同僚と、より誠実な関係になり、

好き嫌いや真実の気持ちを、

よりあからさまに表明します。

自分の無知を認めやすくなりました。

私は以前よりずっと快活です。

また、他人を援助したいと強く思います」

(ロジャーズ『エンカウンター・グループ』畠瀬稔他訳/創元社)

 

エンカウンター・グループ体験者の言葉です。

このような、心のしなやかさや感度の獲得は、

どのような体験的心理療法を体験したとしても、

それが、充分に深められた場合には、

おおよそ、共通している要素です。

 

ゲシュタルト療法エンカウンター・グループは、

実際に表現してみることや、

人間相互のやりとりを通して、

知的な解釈ではない、

深い感覚(感情)的体験を、

直接経験していきます。

 

ボディワーク・セラピーや、

ブリージング(呼吸法)・セラピーは、

身体に直接働きかけ、

そこから出発することで、

知的に乖離しているクライアントの、

存在の深部から、

直接に作用をさせます。

その分、効き方も、

強いもの(強度の体験)になります。

そのことにより、

深部の心理プログラミングを、

書き換えていきます。

 

知的なフィルターのせいで、

袋小路に陥ってしまっている、

現代人の多くにとっては、

めざましい自然治癒を活性化させる、

有効な療法でもあるのです。

 

また、体験的心理療法は、

深部からの心身一元的な領域で、

開放を促すため、

意識の多様な領域を、

開示することにもなります。

 

変性意識状態へのアクセスにおいて、

特に、実践的で、

有効なアプローチとなっています。 

 

筆者自身、実際に、

さまざまなセッションを体験してみて、

そのめざましい効果や、

体験世界のひろがりに、

圧倒されたのでした。

また、自分が自発的に持っていた、

変性意識状態を理解する、

方法論であることを、知ったのでした。

 

 

現代の日本では、

体験的心理療法は、

あまり一般の認知がなく、

場合によっては、

自己啓発セミナーなどと混同されてしまうという、

残念な結果となっています。

 

当スペースでは、

ゲシュタルト療法の他に、

周辺領域にある、

さまざまな体験的心理療法の、

知見や技法も活かして、

心の悩みの解決や、

潜在的力の開発に、

役立てています。

 


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

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(スタニスラフ・グロフ博士のインタビュー

http://hive.ntticc.or.jp/contents/interview/grof 

日常生活のクラウニング

 

・自分の好きなことを見つける

 

・自分を受容し、尊重し、楽しむ

 

・他者とより創造的に協力しあう。

 

・寛容な精神を生み出す。

 

・自分のペース、リズム、タイミングを発見する。

 

・自分をもっと効果的に表現する。

 

・深い層の高次の自己に自分を明け渡す。

 

・遊ぶ能力を快復する。

 

・古いパターンを破る。

 

・心の制約から自由になる。

 

・他人とものを尊重する。

 

・現在の瞬間のすみずみに注意を向ける。

 

・あらゆる状況下で、自発的で建設的な行動をする能力を高める。

 

・ストレスをなくす。

 

・自己の内なる能力に自信を持つ。

 

・新しいコミュニケーションの形を実験する。

 

・共感をもちながら自分と他者を笑う。

 

・心を開放する。

 

 

リッキー・リビングストン

(吉福伸逸訳)



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クラウディオ・ナランホによるゲシュタルトの基本姿勢

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クラウディオ・ナランホ(claudio naranjo)博士は、

南米チリ出身の精神科医ですが、

フリッツ・パールズの直弟子であり、

また、スーフィズム(イスラム神秘主義)、

チベット仏教、サイケデリックスの研究家、

グルジェフ系の第四の道の探求者、

現在流布するエニアグラムの、初期の伝承者(構成者)等々、

様々な顔をもつ、興味深い精神の探索者です。

その彼が、ゲシュタルト療法伝播の初期に、

ゲシュタルト療法の基本姿勢について、

簡潔にまとめた文章があります。

「気づきの3つの領域」を意識したものです)

 

時代の中での、

ゲシュタルト療法の位置づけを感じさせる、

禅と実存主義を強調した、

魅力的な条項です。

 

 

①今に生きよ。過去や未来ではなく現在に関心をもて。

 

②ここに生きよ。目の前にないものより、

 目の前に存在するものをとり扱え。

 

③想像することをやめよ。現実を体験せよ。

 

④不必要な考えをやめよ。

 むしろ、直接、味わったり見たりせよ。

 

⑤操作したり、説明したり、正当化したり、

 審判しないで、むしろ表現せよ。

 

⑥快楽と同じように、不快さや苦痛を受け入れよ。

 

⑦自分自身のもの以外のいかなる指図や指示を

 受け入れるな。

 偶像崇拝をしてはならない。

 

⑧あなたの行動、感情、思考については、

 完全に自分で責任をとれ。

 

⑨今のまま、ありのままのあなたであることに徹せよ。

 
 
 



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【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
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心理学的な人格統合

さて、それでは、

ゲシュタルト療法を

続けていくと、

私たちは、

どんなところに

たどりつ着くのでしょうか?

どんな心理状態に

なるのでしょうか?

 

ここでは、

ゲシュタルト療法が導く、

人格統合の姿を、

記してみたいと思います。

 

 

◆玉ねぎの皮むき

 

ゲシュタルト療法では、

「玉ねぎの皮むき」

という言葉があります。

 

ゲシュタルト療法では、

セッション中の、あらゆる場面(局面)が、

欲求(または欲求不満)の表現であり、

気づきの対象となります。

そのため、

それらに刻々に焦点化し、

気づきを深めることで、

心の部分的な統合が得られていくのです。

ひとつ小さな統合が得られると、

次の心の新しい局面が、

現れて来ます。

次は、そこに焦点を当て、

気づきを深めていきます。

 

玉ねぎの皮を剥くように、

次々に、

未完了の心理部分が、

統合されていくことになります。

 

この譬えは、

もっと、大局的にも、

大きくも敷衍することが可能です。

人は、

「やり残した仕事」

「未完了のゲシュタルト」を、

沢山持っているので、

ワークによって、

それをどんどん完了させていくのです。

 

つまり、

人格の中に堆積した、

未完了のゲシュタルトを、

未完了の経験を、

玉ねぎの皮のように、

どんどんと剥いていくのです。

 

そして、

未完了の体験で覆われた、

自己の皮を剥き、

中心にある、とらわれのない、

本来の自己(オーセンティック・セルフ)を、

表出できる状態を、

目指すのです。

 

実際、

ゲシュタルト療法のセッションを、

長く続けていくと、

未完了の体験が、

次々と完了していき、

大物の「やり残した仕事」が、

おおよそは、

無くなってしまう時期が来ます。

 

ゲシュタルト療法では、

未完了の体験がないと、

未完のゲシュタルトに妨げられることなく、

「今ここを、充分に体験できるようになる」

といいます。

つまり、自己の歪みに曇らされることなく、物事を、直接的に、

見られるようになるというわけです。

 

また、欲求行動についても、

自由で、速やかな表出が、

時々に、できるようになります。

 

私たちは、

囚われることの無い、

エネルギーに満ちた、

「自分自身」を、

充分に体験できるようになるのです。

 

ここが、

ひとまず目指すゴールです。

 

しかし、

未完了のゲシュタルトについていうなら、

未完了のゲシュタルト自体が、

完全になくなるということも、

ないのです。

人生は、継続的な創造過程であり、

生きて、新しいゲシュタルトを形成している限り、

未完了のゲシュタルトは、

何かしら生み出されるからです。

それらは、自分の人生の創造的要素として、

考えていけばいいのです。

 

 

◆人格の統合

 

ゲシュタルト療法では、

「人格の統合」という言葉で、

そのゴールを指しますが、

筆者の考える「統合」とは、

ただ、単一の自我システムに、

回収されることではありません。
 

私たちの内部ある、

多様な自我の創造性が、

互いに阻害することなく、

協働的な形で働くこと、

それが、筆者が実感し、観察してきた、、

人格的統合の姿です。

 

 

 

異質で個性的な自我が、

生き生きと相互に活きている、

そのような、響きあう存在として在る、

極彩色の、創造的なあり様です。

 

そして、さらには、

自己内の多様な自我と響きあうように、

同じように、他者に対しても、

その創造性を活かすように、

響きあう存在として、

共に在ることということです。

 

他者との関係性においても、

統合過程が進むのです。

そのようなあり様を進めていくのが、

この心理的統合の向かう先なのです。

 

 



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「ワーク」とはⅠ 目的と効果

ゲシュタルト療法では、

クライアントとファシリテーターが行なう

セッションのことを、

ワーク work と呼びます。

そこで、

なんらかの悩みや課題を

解決することを目指します。

 

米国由来の体験的心理療法では、

クライアントとして、

セッションをすることを、

大体、「ワークする」と呼びます。

 

ゲシュタルト療法は、

基本的には、

グループ・セラピーなので、

ワークを希望するクライアントが手を挙げて、

ファシリテーターと、

皆の前で、ワークをします。

 

個人セッションの場合は、

二人で行ないます。

1回のワークは、

大概30分~90分位かけて行ないます。

 

※実際のワークのイメージをつかむには、

セッション(ワーク)の実際」をご覧ください。

 ここでは、より原理的、構造的な解説となります。 

 

それでは、

ワークの目的と、その効果について、
見てみましょう。
 

◆ワークの目的① 「未完了の体験」の完了

最初のところで、

ゲシュタルト療法の基本概念として、

「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」

見ました

 

そして、人は、

その欲求充足の過程(サイクル)の中で、

強度の欲求不満を持つと、

「未完了の体験」

「未完了のゲシュタルト」が、

心の中に、

残ってしまうということについて、

触れました。

 

そして、そのことが、

私たちの中に、

苦痛を生み出し、

人生を生きていく上での、

欲求や行動の制限、

生きづらさを、

つくり出しているというわけです。

 

さて、

(少し単純化していうと)

ゲシュタルト療法のワークの、

第一の目的は、

この「未完了の体験」

「未完了のゲシュタルト」を、

ワークの中で、

「完了させる」ことにあります。

 

ワークを展開する中で発見した、

「やり残した仕事」

「未完了の体験」を、 

技法的な工夫により、

「その時やれなかったことをやる(行なう)」ことによって、

完了(充足)するのです。

 

そのことにより、

クライアントの方の中にあった、

強い感情の塊り(緊張し鬱積していたもの)が、

弛緩・解放され、

心理的なプログラミングが、

書き換えられるのです。

 

 

◆ワークの目的② 「葛藤状態」の解消

さて、別のところで、

私たちの内部にある「複数の自我」が、

葛藤・対立することによって生ずる、

「葛藤状態」についても見ました。

このことにより、

私たちの中に、

生きづらさの苦痛が、

生じているのです。

 

さて、ワークの第二の目的は、

この「葛藤状態」を解消することです。

 

エンプティチェア(空の椅子)の技法などを使い、

「複数の自我」を、

複数の椅子に分けて配置し、

自我同士の対話・交流を、

行なっていきます。

 

そうすることで、

分裂・対立していた自我の間に、

情報とエネルギーの交流が起こり、

「葛藤状態」が、解消されていくのです。

葛藤解決の技法

 

 

◆ワークの効果

「未完了のゲシュタルト」が完了すると、

心の底に閉じ込められていた、

膨大なエネルギーが解放されます。

(未完了のエネルギーを、

閉じ込めるのにも、

また膨大なエネルギーが必要だからです。

ここにも、実は葛藤が存在していたのです)

 

そのため、

これらの葛藤がなくなると、

主観的には、

大きな高揚感や、

エネルギーが増大した感覚を得ます。
 

実際、心の葛藤の解消は、

同時に、肉体エネルギーの解放性を高めるので、

実際、物理的にも、

体力(エネルギー)は高まっていくのです。

 

また、葛藤状態(という内的分裂)が減った分、

「統一した自分自身」という、

より強い、主体的な力の獲得の感覚を得ます。

その結果、

生きていくこと全般に対して、

能動的で、肯定的になっていくのです。

 

また、

未完了の体験(ゲシュタルト)の完了は、

それによって生じていた、

認知の回避や歪み、

制限的信念(リミティング・ビリーフ)を壊すので、

物事を洞察する際の、

不要な囚われ(心理的投影)がなくなり、

創造力や能力においても

明らかな拡張を得るのです。

 

過去に較べて、

頭抜けたパフォーマンスを、

出しやすくなるのです。

 

そして、これらが、

プログラムの改変として、

恒久的な効果として、

現れて来るのです。 

 

次の、エンカウンター・グループ経験者の言葉が、

このあたりの消息を、よく伝えています。

 

「私は、以前より、開かれ自発的になりました。

自分自身をいっそう自由に表明します。

私は、より同情的、共感的で、忍耐強くなったようです。

自信が強くなりました。

私独自の方向で、宗教的になったと言えます。

私は、家族・友人・同僚と、より誠実な関係になり、

好き嫌いや真実の気持ちを、

よりあからさまに表明します。

自分の無知を認めやすくなりました。

私は以前よりずっと快活です。

また、他人を援助したいと強く思います」

(ロジャーズ『エンカウンター・グループ』畠瀬稔他訳/創元社)

 

ゲシュタルト療法においても、

これらと同様の成果が、

見られていくのです。

 



※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。



【PART1 Basic】ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法【基礎編】
ゲシュタルト療法【実践・技法編】
ゲシュタルト療法【応用編】
「セッション(ワーク)の実際」

【PART2 Standard】
気づきと変性意識の技法 基礎編
変性意識状態(ASC)とは
「英雄の旅」とは
体験的心理療法
NLP 普及・効果・課題
禅と日本的霊性
野生と自然

【PART3 Advanced】
気づきと変性意識の技法 上級編
変性意識状態(ASC)の活用
願望と創造性の技法
その他のエッセイ

【PART4 当スペース関係】
フリー・ゲシュタルトについて
セッションで得られる効果
なぜ、ゲシュタルトなのか
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心身一元論的なアプローチⅠ

①心身一元論 ―全体論

 

さて、思い起こしていただきたい。

 

私たちが、初めての人に会った時、

何をもって、

その人の人格や存在を感じとり、

「この人は、信用できる」とか、

「この人は、信用できない」とか、

評価したりしているのでしょうか?

 

私たちは、

その人の表情やしぐさ、声の調子、

全身から発散する雰囲気を感じとり、

その人を、評価しています。

 

さて、

人間の本質を見る時に重要なのは、

その人の「話している内容(コンテンツ)」では、

ありません。

 

その人の「話している状態(プロセス)」、 

その人の「話し方」と、

その調子・雰囲気に、

その人の本質が表れているのです。

 

このことを、

私たちは経験上、知っています。

 

 

◆自己一致と不一致

 

自己一致self-congruence

という言葉があります。

その人の、自己概念と実際の経験とが、

意識と無意識が、

一致している状態を示す言葉です。

 

よく自己一致している人は、

自然です。

私たちに、

心地良い波動を感じさせます。

自己一致とは、

自己の存在に、矛盾なく根ざすことによって、

可能となるものです。

 

一方、

私たちの多くは、

自己一致してところを色々持っていますが、

特に強く、自己一致していない人は、

その感じが態度に出ます。

 

その自己不一致、違和感、不協和音が、

からだの緊張、不自然さ、こわばりとして、

表に、雰囲気として、出ています。

どこか不調和な、

居心地の悪い波動を

感じさせます。

私たちが、

嘘をついている人を見破れるのは、

そのためです。

 

では、

この自己不一致は、

どこから来るのでしょう?

 

 

◆身体という表現の経路

 

この自己不一致は、

別に記した複数の自我(私)の、

葛藤状態から来ているのです。

 

内的葛藤は、

言葉(話している内容)と、

身体との不一致。

声の調子(言葉と音声の不一致)。

身体の雰囲気として表れるのです。

 

大概、人は、

自分が同一化している

自我を主体として、

その他の自我たちを抑圧しています。

 

しかし、抑圧された自我たちは、

身体という回路(チャンネル)を通して、

自己を表現して来るのです。

 

他人は

身体に現れた別の自我に、

分裂しているその人や作為に気づき、

違和感を感じるのです。

 

そのため、

自己不一致している、

その裂け目に、

その人の本質が、

見え隠れしているともいえます。

 

ところで、ゲシュタルト療法では、

このような心身一元的な人間理解を、

そのまま、具体的なセラピー技法としても、

活かしていきす。

 

クライアントの方が、

心身の統合進めていくための、

有効な介入の糸口として、

利用していくのです。

「ボディシグナルへの介入」

 







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複数の自我(私)について―心のグループ活動

 

さて、

ゲシュタルト療法のワーク、

実践経験を積んでいくと、

ある奇妙な事柄を

理解(実感)していきます。

 

ゲシュタルト療法の技法では、

有名な、

エンプティ・チェア(空の椅子)の技法

というものがあります。

 

さまざまな使用場面がありますが、

代表的な使い方に、

セッション(ワーク)の中で、

クライアントの中から出てきた(見出した)

複数の感情や思考を、

それぞれ切り分け、取り出して、

それぞれの、エンプティ・チェア(空の椅子)に、

置いていくというものがあります。

 

そして、

クライアントに、

実際に、その各椅子に座ってもらい、

それぞれの感情そのものに

成りきってもらいもらい、

それを表現してもらうものです。

 

さて、

筆者も最初、

実際にそれらを経験をしてみるまでは、

はたで見ていて、

そんなことをやって、

本当に効果があるのかと疑問に思いましたが、

実際にやってみると、

驚いたことに、

それぞれの空の椅子に座るごとに

それぞれの、

「生きた感情・感覚・意欲・記憶の有機的なセット」、

つまりは、

「自我状態 ego stateそのものが、

自分の内側から忽然と、

出現してくるのでした。

 

そのような、実体験を、

数多く繰り返して、

理解(痛感)できたのは、

私たちの自我とは、

「複数の存在である」

という事実でした。

 

私たちの自我の単一性とは、

意識面での表象機能であり、

その内実をつくる、

「自我そのもの」は、

その下方で、

次々と、入れ替わっているということでした。

 

精神分析や交流分析(TA)などでも、

心の機能の分化や、

自我状態 ego stateといって、

私たちの内部にある自我状態を区別しますが、

これは、単なる機能ではなく、

本当に、そのような自我状態が、

「人格的として」存在し、生きられている、

ということなのでした。

 

そしてまた、実際のところ、

この複数の自我は、

三つ(三区分)に留まるものではなく、

さまざまな状況や経緯により、

数限りない自我を創り出している、

ということなのでした。

 

つまり、心は、

「グループ活動」

をしている存在であるのです

 

………

 

さて実は、

私たちは、日常生活でも、

普段からこの事態に遭遇しています。

 

ある時、何かを決断して、

「これからは、絶対○をやるぞ!

「もう、こんなは絶対にしない!

などと、あれほど強く決断したのに、

翌日には、ケロッと忘れてしまいます。

 

しかし、

それは、忘れたのではなく、

違う自我()だから、

自分の経験(決意)ではないのです。

記憶はあっても、

その自我にとっては、

自分の経験ではないため、

感情的な動機付けがないのです。

 

上に図にしましたが、

「自我A」があることを、強く決めても、

いざ実行するときは、

別の「自我C」になっており、

なんとも、気持ちが乗らないということに

なっているというのは、

よくあることです。

 

図にあるように、

「自我は複数」の存在です。

「意識」が、都度都度、

各自我に同一化することで、

「私」の、

見せかけの同一性や連続性が、

保たれているのです。

 

そして、「自我」とは、

一般のイメージと違って、

必ずしも「意識」ではなく、

大部分が、

「無意識」の領域にある、

ということです。 

「意識」に同一化されて、

各自我は、

はじめて「私」となりますが、

大部分を無意識の状態として、

棲息しているということです。

 

ゲシュタルト療法では、

技法的には、

エンプティ・チェア(空の椅子)の技法などを使い、

無意識にある各自我を、

意識の下に取り出し、

自我間の対話や、

情報の交流を促していきます。

そのことにより、、

各自我間の葛藤や分裂を、

統合していくこととなります。

 

(※1)

ちなみに、原理面を、

補足説明しますと、

上記のエンプティ・チェア(空の椅子)の技法で、

それぞれの椅子に座ることによって、

それぞれの自我状態が、出現してくるというのは、

各椅子と、各自我状態との間に、

催眠療法でいう、

「アンカリング」が施されていて、

ヒモづけられているためです。

(→「用語集」)

 

(※2)

「複数の自我」という用語は、

当スペースが便宜的に使っている言葉で、

ゲシュタルト療法の、

教科書的用語ではないので、

その点、ご留意ください。




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やり残した仕事 未完了のゲシュタルト

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◆「やり残した仕事」 Unfinished Business

ゲシュタルト療法には、「Unfinished Business やり残した仕事」という言葉があります。私たちが人生の中で、やり残した事柄のことです。同様の概念で「未完了の体験」「未完了のゲシュタルト」というものがあります。フリッツ・パールズという人は、くだけたフザケた表現が好きな人なので、そのような言い方をしたのです。

「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」のところで見たように、ゲシュタルト療法では、欲求の単位としてのゲシュタルト(かたち)の充足をとても重視します。
欲しい欲求の単位ごとに、私たちの欲求は充たされ、満足し、完了していくのです。
(或る大きな欲求の中に、小さな欲求の単位が沢山あるということもあります)

例えば、振り返って思い出してみてください。
生活の中で、ふと気がつくと、理由はわからないけど、「なんか気持ちがモヤモヤしてるなぁ」というような状況があると思います。
それをそのままにしておくと、長時間、モヤモヤは残っています。
しかし、「なんでモヤモヤしているのかな?」と、そのモヤモヤに注意を向けて、じっくり感じていると理由がわかってきます。
「少し前に、或る人に言われた一言が気になって、モヤモヤしてたんだ!」
「少し前に、見かけたネット記事が、不愉快でモヤモヤしてたんだ!」と。
そして、そのことに気づくと、モヤモヤは無くなります。もしくは弱まります。
原因となった欲求不満のゲシュタルト(かたち)に気づくと、そのゲシュタルト(かたち)に閉じ込められていた感情エネルギーが解放されるので、スッキリするのです。
そのゲシュタルト(かたち)と欲求不満との結合が、問題の核心なのです。

満足していない欲求(感情)、欲求不満というものは、そのゲシュタルト(かたち)とともに、身を隠して残っているということです。
そして、「完了していない incomplete」「充足していない」ゲシュタルトは、とても重大な意味を持つと考えられるのです。

ところで、この関連で、フリッツ・パールズは、「通俗的な」トラウマ(心的外傷)の理解に疑問を持ちました。
もし過去において、たとえ、強い苦しみの
体験があったとしても、もし本人が、その体験を充分に受け入れて、ゲシュタルトとして消化(完結・完了)できているのであれば、それはトラウマ的にはならないと考えたのでした。

「セラピーで大切なことは、今までに何をしてきたかということではなく、何をしてこなかったかということである。何をしてきたかは完結してしまったことであり、充足と統合を通じて自己形成に取り入れられたものである。きちんと完了していない未完結状況というのは環境から自己への取り入れに失敗したものであり、現在まで残っている過去の遺産とも言えるものである。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

トラウマ的になるというのは、出来事の体験ではなく、その体験がゲシュタルトとして完結(完了)できなかった場合に、過度の欲求不満とともにゲシュタルト(かたち)が残ってしまい、トラウマ的になると考えたのでした。つまり、未完了の体験、未完了のゲシュタルトこそがトラウマ的になると考えたのでした。

そして、未完了の体験や未完了のゲシュタルトというものは、欲求不満の感情的な強さを、今も当時のままの強さで持ち続けているものなのです。

人生のその時に、
「伝えられなかった言葉」
「表現できなかった感情」
「とれなかった行動」
が、
強い感情、欲求不満の塊として、今もここに存在しているのです。

「やり残した仕事」「未完了の体験」とは、喉に刺さった魚の骨のように、心の中にありつづけ、似たような人生の場面(ゲシュタルト)で、私たちの激しく苦しめ、刺激し、行動を妨げる煩わしいものであるのです。

また、私たちの生体(魂)にとって、「やり残した仕事」「未完了の体験」は、肉中に刺さった棘のようなものです。
そのため、私たちの潜在意識は、(棘を抜くために)人生のあらゆる機会や似たような場面をとらえて、この「未完了の体験」を完了しようと企んでいます。
似たような場面の中で、「あの時、満たされなかった欲求(感情)」を今回は満たしてやろうと、リベンジ(復讐)してやろうと目論んでいるのです。
また、むしろ、わざわざ似たような場面を再現して、そのリベンジ(復讐)を果たそうとしているのです。

例えば、父親に愛されなかった女性が、大人になって、わさわざ自分を愛してくれない(父に似た)男を探してきて、その男に愛してもらおうとしている(復讐を果たそうとしている/未完了の体験を完了しようとしている)ケースなどは、とてもよくあるケースといえます。残念ながら、そのリベンジ(復讐)は必ず失敗するのですが…。
このように、私たちの潜在意識は、自分の「やり残した仕事」をリベンジするためのさまざまな場面を創り出そうとしているのです。引き寄せようとしているのです。
そのため、私たちは、自分が「嫌だなぁ」と思うパターン(人間関係、出来事)にかぎって、繰り返し遭遇するという事態になっているのです。
これが、本当のところの「引き寄せの法則」なのです。
その結果として、私たちの人生の苦痛や生きづらさが、つくり出されているのです。

◆「やり残した仕事」「未完了」を完了させるセッション

パールズは、指摘します。

「神経症の人は、過去の未完結なことが邪魔をするので、現在に十分に関わることができない人たちである。問題は『今―ここ』にあるのに、気持ちが他のところに行っているので、目の前の問題に集中できないのである。セラピーを通じて、クライエントは現在に生きることを学ばねばならないわけで、セラピーでは、クライエントが今までやったことのないことの練習をすることとなる。」(パールズ、前掲書)

さて、ゲシュタルト療法のセッション(ワーク)の中では、私たちを苦しめるこの「やり残した仕事」「未完了のゲシュタルト」「未完了の体験」を完結・完了させるということを行なっていきます。

「ゲシュタルト療法は、言葉や解釈のセラピーではなく、経験的なセラピーである。我々はクライアントに過去の記憶の中にある問題やトラウマを再体験するように勧める。もしもクライアントが過去の問題のノートを閉じたいのなら現時点において閉じなければならない」(パールズ、前掲書)

セッションにおいては、さまざまな技法を使って、その欲求不満のゲシュタルトを解放する作業を行なっていきます。
丁寧に心身感覚などを再現していき、問題の芯にある感情(欲求)を解いていきます。その結果、未完了の体験/ゲシュタルトが無くなっていくということが起こってくるのです。
その結果として、私たちは、妨害や制限を感じることのない、十全な自己というものを感じることができるようになっていきます。自由自在な自分を、生きられるようになっていくのです。
そのようこと体験した人たちは、皆「自分の人生が一変した」と言います。
セッション(ワーク)においては、実際にそのようなことが起こってくるのです。

 

【ブックガイド】
ゲシュタルト療法については、基礎から実践までをまとめた拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
をご覧下さい。

気づきや統合、変性意識状態(ASC)へのより総合的な方法論は拙著↓
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。




 

 

気づきの3つの領域 エクササイズ

◆気づき awarenessとは

 

ゲシュタルト療法では、

〈気づき〉 awareness

の持つ機能(力)を、

とても重視しています。

 

この点が、

ゲシュタルト療法を、

単なる心理療法を超えて、

禅や各種の瞑想流派に

近づける要素でもあります。

 

これは、

〈気づき〉という機能が、

通常の注意力や意識に対して、

メタ(上位)的な働きを含め持ち、

それらを統合していく力を、

持っているからです。

 

「『気づく』ことは、

クライエントに自分は感じることができるのだ、

動くことができるのだ、

考えることができるのだということを

自覚させることになる。

『気づく』ということは、

知的で意識的なことではない。

言葉や記憶による『~であった』という状態から、

まさに今しつつある経験へのシフトである。

『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

 

気づきの力は、

自分が意識している体験自体に、

気づくことができるのです。

 

ゲシュタルト療法では、

この気づく能力を高めることで、

統合的なプロセスを進め、

治癒過程を深めていくのです。

 

「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、

行動への可能性をひらくものである。

決まりきったことや習慣は学習された機能であり、

それを変えるには

常に新しい気づきが与えられることが必要である。

何かを変えるには別の方法や考え、

ふるまいの可能性がなければ変えようということすら考えられない。

『気づき』がなければ新しい選択の可能性すら思い付かない。

『気づき』と『コンタクト』と『現在』は、

一つのことの違った側面であり、

自己を現実視するプロセスの違った側面である。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

 

パールズは、

「自覚の連続体 awareness continuum」

とも呼びましたが、

意図的な気づきの力は、

それだけでも、

心の治癒を促進する、

大きな効力を持つものです。


 

気づきの3つの領域

 

さて、

ゲシュタルト療法では、

気づきがとらえる3つの領域を、

区分しています。

 

通常、人は、

無自覚(無意識)のうちに

注意力を、

これらの各領域に、

さまよわせています。

 

ゲシュタルト療法では、

自分の注意力が、

どの領域にあるのかに、

瞬間瞬間、

気づくことによって、

また、

各領域にバランスよく注意を向け、

気づけるようになることを通して、

統合のプロセスを、

促進していきます。

 

3つの領域とは、

上に図にしたように、

外部領域、内部領域、中間領域と呼ばれます。

それぞれは、以下を意味しています。

 

外部領域

 →目の前や周りの環境、外部に実在している物質世界、

  自分の皮膚の外の世界を、直接知覚する五感の領域です。

 

内部領域

 →自分の皮膚の内側の領域です。

心臓の鼓動、動悸、胃の痛み、血流、体温、興奮等々、

内的な感覚です。情動が働く領域でもあります。

 

中間領域

 →思考と空想の領域です。

  外部でも内部でもない世界です。

諸々の想念(心配、不安、希望、意欲、妄想)の

るつぼです。

 

ゲシュタルト療法では、

「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」で見たように、

環境に生きる生き物として、

内部への「引きこもり」から、

外部への「接触(コンタクト)」までの、

欲求行動を、

速やかに、とらわれなく、

自由に実行できることを、

健全な能力と見ます。

 

しかし、人は、

さまざまな要因(トラウマや癖)により、

偏った領域に、

「注意力」を、

集めがちです。

 

たとえば、外部領域の経験で、

傷つきやトラウマの体験を持った人が、

中間領域(空想や思考の領域)に、

引きこもりがちになってしまうというのは、

常識的な感覚からいっても、

納得されることでしょう。

 

そして、

自分が、無自覚に、

どの領域に、

「意識」や「注意力」を、

向けているかに、

〈気づき〉を持てるだけでも、

その偏差に対する、

統合(修正)効果となるのです。

 

 

気づきのエクササイズ Exercise

 

さて、そのため、

ゲシュタルト療法では、

以下のような、

「気づきのエクササイズ」を、

行なっていきます。

 

このことを通して、

自分の「意識」や「注意力」の、

偏りの持ち方に

気づいていくのです。

 

ABの二人が、

一組になって行なう、

エクササイズです。

 

1人が、

相手の人に、

問いかけを続けます。

(数分間つづけます)

問いかける側が、

応える人の答えを、

メモしていきます。 

 

A: 「あなたは、今、何に、気づいていますか?

B: 「私は、今、○○に気づいています」

 

Bの答えの例としては、

 

「私は今、

 あなたの声のかすれに、気づいています」 

 →外部領域

私は今、

 首の痛みに気づいています」 

 →内部領域

私は今、

 明日の会社の仕事を考えているのに気づいています」 

 →中間領域

等々がありえます。

 

これを、

数分続けます。

 

エクササイズ終了後、

振り返りの中で、

それらの回答(気づき)が、

3つの中の、

どの領域に、分布しているかを、

お互いに見ていきます。

 

人によって、

ある領域が、多かったり、

ある種の傾向性があったりと、

自分の癖やパターンが、見えてきます。

 

ゲシュタルト療法では、

このパターンの偏りが、

心の可動域をせばめたり、

充分な体験を阻害したりと、

能力の制限にもなっていると考えます。

 

この部分を、

ゲシュタルト療法では、

ワーク(セッション)などを通して、

心の可動域が広がるようにします。

 

この能力は、

頭(中間領域)で理解しただけでは、

なんの解決にもなりません。

 

日々の気づきと、

ゲシュタルト療法的な実践の中で、

3つの領域に、

自在に〈気づき〉をめぐらせる訓練の中で、

開放されていくものなのです。

 

現代人の場合、特に、

「中間領域」(空想領域/心配/妄想)への耽溺が、

大きな特徴として上げられます。

思考過多(中毒)なのです。

 

ゲシュタルト療法のアプローチは、

この現代人の中間領域志向についても、

強い解毒作用を発揮します。

この点などが、などとの共通点ともなっているのです。

 

ゲシュタルト療法普及の初期に、

その実存主義と禅の風味を強調した時代に、

クラウディオ・ナランホが示した、

ゲシュタルト療法の基本姿勢は、

このあたりの感覚を、よく表現しています。

ゲシュタルト療法の基本姿勢


関連記事

→気づきawarenessと自己想起self-remembering


 


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フリー・ゲシュタルト・ワークスについて

とらわれなくただ楽に自由に生きる在り方… 悟り的な、ただありのままに澄みきった在り方… トランスパーソナル(超個的/超越的)に、多層的に開放された在り方…

この人生には、さまざまな素晴らしい自己実現、自己超越のかたちがあります

当スペースは、進化型のゲシュタルト療法と変性意識状態(ASC)の習得を通して、それらを実現するサポートを行なっています



【内容の目次】

  1. はじめに
  2. 当スペースの3つのポイント
  3. 次のような方にお役立ちします
  4. 3つのスキルが導くもの
    1.心理的な統合感、変容と力の増大
    2.変性意識状態(潜在意識)に関するスキル
    3.創造力(心の流動化と組織化)増大
  5. 埋もれていた才能や潜在能力の発掘
  6. フリー・ゲシュタルト・ワークスで得られるもの
  7. フリー・ゲシュタルト・ワークスの特徴

はじめに

当スペースは、 ゲシュタルト療法変性意識状態(ASC)を使って、潜在能力を解放していくさまざまなスキルをご提供しています。それらのスキルを通して―

・人生で願っている目標や目的の達成
・望んだ未来や状態の獲得
・抜きんでたアウトプット(成果)の達成
・日常での卓越したパフォーマンスの発揮
・まわりや他者への影響力を増大
・自信や意欲、自己肯定感の向上
・人間関係の悩みや心の葛藤解決
・能力と独創性(天才性)の開花
・アウェアネス(気づき)とマインドフルネスの向上
・意識拡張と意識の特殊な使い方の習得
・自己実現 self-actualization 至高体験 peak-experience の具現化

が得られる専門スクールとなっています。
 ご自身の変容を体験していただきながら、さまざまなスキルを得ていただけるのが当スペースの特徴となっています。そのための、潜在能力活用&創造性開発のマインド・コンサルティング・スペース(セラピー&カウンセリング・スペース)です。

当スペースでは、
①潜在意識とつながり、活用できる意識状態である変性意識状態(ASC)の利用と、
②心を変容させる技法である「心理療法(ゲシュタルト療法トランスパーソナル心理学)」の利用が主な方法論となっています。
(①②は技法的・実践的には一体のものです)

 そのような観点から、人間の本来の「根っこにある能力(基盤的意識)」を拡張していくのが当スペースの方法論です。このような取り組みを継続的に行なっていくことで、私たちの心の能力というものはまったく新しい自由の世界(次元)に入り込んでいくことになります。その取り組みのうちに、いつしか魔法のように変容した自己を見出すことになっていくのです。
 その事態は、あたかも海の底から浮上していって、海面に顔を出すような体験と似ています。
 当たり前だと思っていた重いまとわりと苦労をフッと抜けて、突然、どこまでも澄みきった青空のひろがり出会ってしまうのです。
 そのとき私たちは、自分がまったく〈新しい自由の次元〉にいることに気づくことになるのです。私たちのアウトプット(成果)もまったく質を変えたものになっていくことになるのです。

 人生が、飛躍的に新しい領域に入っているのです。それが当スペースが招待する流れる虹のマインドフルネスの世界なのです。ぜひ、実際に、そのような驚異にみちた世界を体験してみて下さい。


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▼さまざまなスキルが習得できます。


▼心の幅広い領域があつかえます。

▼進化型ゲシュタルト療法+変性意識で、心を変容させるスキルが習得できます

▼進化型のゲシュタルト療法で、心の基礎的なパワーがガッツリ育ちます。自己肯定感が高まります。

▼生涯役に立つ、相手(他者)に価値を生み出すスキルが身に付きます


▼最終的に、私たちの内に、青空のように開かれた超越的な領域ができてきます。〈青空の通り道〉ができてきます。

※ウィルバーの「意識のスペクトル」モデルに付記


▼意識や心身が、拡張した感覚が得られます。



当スペースの3つのポイント

当スペース方法論的は、3つのアプローチ手法を軸に持っています。

・ゲシュタルト療法(心理療法)
・変性意識状態(ASC)の活用

・コーチング的な方向づけ

 この3つの要素を有機的に統合することで、効果を最大化させる最適なセッションが可能となってます。この統合によって、心理面での変容と統合(自由、癒し)、意識拡張、創造性開発、優れたアウトプット(成果)による人生の目標達成も可能となってくるのです。それは、知覚や意識が拡張されたトランスパーソナル的要素までを含んだ目覚ましい意識状態であります。そのような新しい色鮮やかな人生をぜひ体験してみていただければと思います。



次のような方にお役立ちします

人生で具現化したい目標(願望・夢)がある方
・人間を変える普遍的な方法論(スキル)を手に入れたい方
・自分の才能・能力をより開花させたいと思われている方
・独創的なアウトプット(成果)を出したいと思われている方
・仕事の能力をもっと高めたいと思われている方
・自分の限界を超えたい、突破したいと思われている方
・自分には、もっと才能があるはずだ、と感じられている方
・もっと自信や確信を持ちたい、と思われている方
・なかなか行動を起こせないと、感じられている方
・自分をもっと変えていきたい、自己変革したいと思われている方

・自分には、才能やスキルがないと思われている方
・今のまま(仕事、会社等)では、将来に不安がある方
・解決したい心の悩み(課題)がある方
・人間関係の苦しみをなくしたい、苦手な人にうまく対処したいと思われている方
・自己肯定感を高めたい、もっと自分に自信を持ちたいと思われている方
・決断したことが実行できない、先のばしにしてしまうと感じられている方
・生きづらさを、感じられている方もっとエネルギッシュに生きたい、と感じられている方

・自分や宇宙の中の、未知の神秘的状態を探求したいと思われている方

このような気持ちを持っている方は、当スペースで人生を変えていく方法論を入手いただけるでしょう。そして、ご自分の大きな潜在能力に出会うとともに、新しい心身の能力と望むような変化を獲得していっていただけるでしょう。





◆3つのスキルが導くもの

当スペースでは、ゲシュタルト療法、変性意識、コーチングという3つのスキルと対応した能力、
・心の変容と統合 〔←ゲシュタルト療法〕
・心の流動化 〔←変性意識状態/潜在意識の活用〕
・心の方向づけ・組織化 〔←コーチング的アプローチ〕
が得られていきます。

 以下では、それらが育つことで、よりパワフルになる心の原理についてご説明したいと思います。まず、核となるのは、ゲシュタルト療法的なスキルです。それは、心の基礎力全般を高めるスキルとなります。

1.心理的な変容・統合・エネルギーの増大

 ゲシュタルト療法は心理療法ですので、セッション学習を通して、心理的制限や苦痛の消滅、心理的なパワーの増大が起こっていきます。その取り組みによって、私たちを制限し妨害する心の阻害要因がとり除かれ、心の能動的な力が育っていきます。心のストッパーやブレーキがなくなっていきます。

 その結果、(普段は気づいていなかった)バラバラになって葛藤していた感情や欲求、自我状態のあいだに心理的統合(融合)ということが起こってきます。心がまとまりを増し、方向づけられたエネルギーと意欲が生き生きと溢れてくることになります。パワーが高まります。

 深いレベルから豊かな感情の力が湧いてくることになります。生きる意欲と自己肯定感をつくり出す、力強いジェット・エンジンのような心の速度が高まってくるのです。私たちは「本来の自分」「本来の自分自身のあり様 Being 」として、生き生きと楽に生きられるようになるのです。

 そうなると、以前は、なかなか気の進まなかった事柄に対しても、(なにも気にならずに)すばやく、たやすく行動ができるようになるのです。力の増大した感覚と妨げ(妨害)のない感覚が高まり、行動に対するハードルが無くなっていることに気づきます。振り返ると、いつの間にか、新しいことにやすやすとチャレンジしている自分自身を見出すことになるのです。人生の風景が明るく一変していたのです。 

2.変性意識状態(潜在意識)に関するスキル

 セッションを通して、クライアントの方は、ご自身の心の領域を探索する能力が開発されていきます。そこにおいて、変性意識状態(ASC)という意識の変異した状態に入りこむスキルが得られていくこととなります。変性意識状態(ASC)とは簡単にいうと、日常意識と潜在意識とが融合した状態です。その変性意識を操作するスキルが感覚的に得られてくるのです。

 その結果、従来の日常意識のレベルではあまりあつかうことのできなかった、自分の潜在意識とより密接な交流を持てるようになるのです。自分の潜在能力をより身近なものとして活用できるようになっていくのです。これは、人生の中で創造力を発揮するにあたっての決定的なスキルとなります。自分の底の鉱脈から自在に宝物を取り出す能力を手に入れたということなのです。

3.創造力(心の流動化と組織化)の増大

 ところで、創造力や才能とは何でしょうか?
 その仕組みや原理はどうなっているのでしょうか?
普段、私たちは、そのことをよく突き詰めて考えないで、「自分には才能がない」「自分には創造力がない」などと勝手に言ったりします。しかし、創造性や才能がない人などは存在しないのです。
 実際のところは、創造性や才能をうまく引き出さないようにするリミッター(心理的な制限的な信念・感情・考え・ブロック)が沢山存在しているだけなのです。
 では、そもそも、創造性とは何でしょうか?
 創造性の原理は、理論的にはよく知られているように、結論的には「単なる組み合わせ」です。
 「拡散と収束」によって「多様な素材を斬新に組み合わせる力」というだけのことです。
 独創性とは、組み合わせの中に、意外で斬新さ、新しい価値と意味、論理性をつくり出し、アウトプット(物体)を具現化することことです。
 そのため、創造性には、
①「斬新な素材そのものを膨大に生みだす(産出する)こと→拡散作用
②「その素材の間に、ある見えないつながりを見出し、斬新に組み合わせる→収束作用、組織化
の両極性(対極性)が必要となるのです。

「拡散的思考」と「収束的思考」の統合が創造性です。心を開いたり閉じたり、解放したり組織化させたりすることが創造性です。
 ということは、セラピーで心理的統合・変容が起こるときと、原理的には同じなのです。

 ですので、創造性開発のために心理療法が役に立つというのが、当スペースの基本的な考えであるのです。とりわけ、自我状態のダイナミックな流動と統合の作用を持つゲシュタルト療法が最適であるというのがスペースの観点なのです。

 たとえば、実際のところで、ビジネスの場面でアイディア出しのために、「ブレイン・ストーミング(ブレスト)」などを行なった方もいられると思います。これは拡散的思考によって、素材を膨大に出すための方法論です。しかし、実際やってみると、ブレイン・ストーミングなども望むほど上手くいかなかったのではないでしょうか?
 というのも(その理由は)、そもそも私たちの心が、既存の知覚イメージ、旧弊な価値観や信念体系、心のブロックにより硬化してしまっており、自由な発想(連想)が流れにくくなっているからです。また、まわりの他者に迎合する抑圧的なシステムが内部に満ちてしまっているからです。
 つまりは、私たちの内に既存のレールの上を自動的に走るプログラムができてしまっているからです。新しい発想を否定してくる過去の体験や否定的プログラムが染み込んでしまっているからです。実際のところ、創造力のためには一番必要なのは、それら既存体験の固定化した記憶や硬化した感性を噴き飛ばし、それを溶かしていくことなのです。極端な話をすれば、1960年代ならサイケデリック物質(幻覚剤)などでも使ったかもしれません。実際、アップルの故スティーブ・ジョブズは、自身のLSD体験を人生最大の出来事ととして自伝で述懐しています。

 さて、そのような心と思考を解放する方法論として、当スペースが推奨して使っているのが、心理療法(および変性意識状態)のアプローチなわけです。
 その働きかけの結果として、心の中の、既存体験や信念体系の硬化が溶けて、知覚や意識における自由度、流動化(拡散、解放)組織化(収束、集中)の能力が高まっていくことになるのです。
 この能力の高まりとして、必然的に創造的能力の増大が起こってくるのです。つまりは、①によるイメージ・霊感・情報量の流出と、②による結合力・構成力です。この二つの両極的・対極的バランスにより、より高いレベルの独創性とアウトプットが生み出されてくることになるわけです。

◆埋もれていた才能や潜在能力の発掘

 また、このような取り組みを行なう過程(プロセス)で、今まで自分ではあまり意識されていなかった、ご自身のさまざまな「才能」「個性」について気づかれていくことにもなります。
 多くの人は、「自分に才能などない」と思い込んでいます。実は、その思い込み(否定的信念)こそが、才能を発揮させないようにしている最大の要因なのです。
 当スペースでは、意識と感覚を流動化させるプロセスを通じて、クライアントの方が、既存体験や既成概念を乗り越えて、ご自身の豊かな才能を出していけることになっているのです。


変性意識状態(ASC)と心理療法によって創造力が高まります


当スペースで得られるもの

以上のような取り組みの結果、当スペースでセッションを続けていくと次のような心理状態が手に入ってきます。

・生きることが楽になり、楽しみが増える。
・苦痛や苦しみの感情が減る。
・セルフ・イメージが上がる。
・自信と自己肯定感が高まる。
・自分の中の感情的な雑音(ノイズ)が無くなる。
・まわり(他者)に感じていたわずらわしい事柄が気にならなくなる。
・自分の能力(底力)に信頼感が生まれる。
・新しい才能が予感され発掘される。
・心に余裕ができる。
・不要なこだわりがなくなる。
・内側の感情がなめらかに流れるようになる。
・過去の不快な出来事が気にならなくなり、むしろ肯定できるようになる。
・肉体がしなやかになり、からだが軽くなる。
・肉体がエネルギーを増す。
・高速で動けるようになる。
・存在に〈中心の感覚〉が生まれる。
・肚が据わる。
・自分がまとまりを持ち、力を組織化し方向づけられるようになる。

・「今ここに」生きている感じがする。
・「今ここに」泰然と安らっている感じがする。
・集中力や瞬時に焦点化する力が増す。

・自分の才能の再編集・再構成がなされる。
・より自己一致congruenceする。
・自分の気持ちをより素直に表現できるようになる。
・他者の心とじかにコンタクトでき、交われるようになる。
・より共感的になる。
・知覚力が拡大し、五感や六感が豊かになる。
・意識が拡大・拡張する。
・超越的な感覚が生まれる。

・未知の微細な情報をわかるようになる。
・快(快楽)をより強く感じるようになる。
・フロー体験が生まれやすくなる。
・行動を起こす際のハードルが低くなる。
・瞬時に行動できるようになる。
・並外れた積極性が出る。
・貫通するようなやり抜く力がつく。
・目標(目的)を達成しやすくなる。
・ストレス耐性ができる。
・行動そのものが速度感を増す。
・冒険的なことができるようになる。
・遊び心やユーモアが増す。
・感受性が増し、自然や宇宙が美しく感じられる。
・想像やイメージが豊かになり、発想力が増す。
・愛の力が増し、開花する。
・変性意識状態(ASC)に容易に入れるようになる。
・自分の夢のメッセージが理解できるようになる。
・神秘的な出来事や体験に会いやすくなる。
・飛躍的なアイディアが出て来る。
・的確な表現力が増す。
・斬新で独創的なアウトプットが出せるようになる。
・「自分という存在」を相対化し、またその味わいがより深くなる。
・生きること自体が価値を持ち、楽しくなる。
・深い感情を生きられるようになる。
・直観力が鋭くなる。
・心が純粋さを増す。
・濃密に生きている実感を得られる。

ぜひ、このような内的状態や生きる力の充実を実感していってください。人生を変えていくさまざまな力を獲得していただけます


お客さまの声より

ミラクルな体験でした。予測だにしなかったこと。
まさに welcome to the new world でした!

(…)ワークを体験したことで、なにかこの世界に対しての核心のようなものを得ることができたと思いました。愛の雲に明晰さという光のスペクトルが限りなく広がっていく、まるで最後には荒野からその上空の雲海に舞い上がったような体験でした。これは自分にとって世界への確信的な自覚でもありました。まさに新世界。この意識経験は、世界に対しての絶対に信頼できる体験というか、これまでのそして今後の自分の人生のクサビというか、転換点になるような体験でした。

O・Hさん 男性40代

◆当フリー・ゲシュタルト・ワークスの特徴

 進化型ゲシュタルト療法 × 変性意識状態 →心理変容、創造性開発、意識拡張

 他団体と較べた場合の、当スペースの進化型ゲシュタルト療法の特徴は、単なるカウンセリング的な弛緩作用だけでなく、クライアントの方のより肯定的な自己実現、変容体験、意識拡張、創造性開発の技法として方法論を構築している点です。

 また、理論・原理・技術面でのきっちりとした方法論が存在していることです。世間によくあるカウンセリング的な曖昧な理解(ちなみに古典的なゲシュタルト療法の理論も相当曖昧なものです)で終わらないようにしている点です。さまざまな周辺の文化的知見を総合して、方法論的に再構築している点です。そのため、クライアントの方のその後の実際的使用が、理解をともなう実践的なものとなっている点です。

 また、ケン・ウィルバー的なトランスパーソナル心理学までも射程に含んだ、ゲシュタルト療法だといえる点です。クライアントの方自身が、セッション中に、そのような豊かで超越的な意識拡張的体験に入っていくことをサポートできる点です(これは筆者がもつ実体験からできる点でもあります)。

 そのような意味合いにおいて見ると、現在、日本で行なわれているゲシュタルト療法の多くは、カウンセリングの亜流的な形態となっています。過去の出来事の清算や、未完了の体験の完了といった古典的な心理カウンセリングのレベルに終始しているともいえます。
 それは、心理的苦痛・不調というマイナス・レベル(-レベル)の要素を、ゼロ・レベル(0レベル)にまで戻そうとする作業です。しかしながら、そのような見立てでは「マイナスからゼロ・レベル(-→0)」へ持ち直すことさえ満足にはできないのです。
 喩えていうと、ボールを投げて、高さ100mの地点に届かすには、高さ120mの地点に届かすくらいのエネルギー(余裕あるパワー)が実際は必要なわけです。最初から100m先を目指して投げても届きません。心も一緒です。最初からゼロ地点までの回復をいっぱいいっぱいで目指すエネルギーでは、ゼロ地点(100m)にさえ回復させることはできないのです。見立ての時点で、かえって、人間の持つ無際限な潜在能力に制限的・抑圧的な影響を与えてしまうことにもなるのです。

 また、ネガティブ(否定的・消極的)なものばかりに焦点化していても、それは本当の癒しにはならないのです。また、そのような限定的なアプローチは、長くやっているとしばしば、その場での「緩和・弛緩・カタルシス」以上の効果をもたらさないということにもなるのです。「全体的な構造」の変容を生み出さないからです。これは、古典的なゲシュタルト療法にかぎらず、多くの近代主義的な心理療法が抱えている問題でもあります。それが「効かない心理療法」をつくっている要因ともいえます。

 一方、当スペースでは、ゼロ・レベルまでの健康回復ではなく、人間の基底にある自己超越性や、本来拡張されている基盤的意識というものを中心に、その実現を考えています。なぜなら、それが私たちの存在の本性(潜在能力)であり、実際的にも大きな変容と効果を生み出すポイントでもあるからです。それはいわゆるトランスパーソナル的(超個的)な体験領域と関わる要素ですが、単なる理論(理想像)ではなく、実践的なセッションの中で確認された事実として、当スペースでは位置づけられているのです。それらは過去の多数のセッションで確認された事柄であるとともに、筆者自身の実際の変容体験から裏づけられたことでもあるのです。その点が、当スペースが、他に較べて効果を生み出しやすいセッション・スペースとなっている理由でもあるのです。そのため、他のゲシュタルト療法の団体で限界を感じた方にもご利用いただける形となっているのです。

 以上、さまざまな点が、かぎりない能力開発・創造性開発として、ゲシュタルト療法&変性意識状態(ASC)を方法論としてご提供している当スペースの特徴となります。
 ぜひ一度、お試しいただき、人生の新しい可能性を実体験してみていただければと思います。




セッション内容、料金等については
「メニュー/コース/料金」

効果と成果については
セッションで得られる効果と成果

実際に行なうセッションのイメージについては以下をご参考下さい。
「セッション(ワーク)の実際」

ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。
お問い合わせ


【ブックガイド】

ゲシュタルト療法については基礎から実践までをまとめた解説、拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
をご覧ください。

気づきや変容、変性意識状態(ASC)を含むより総合的な方法論については、
拙著
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。


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使命 Mission
フリー・ゲシュタルト・ワークスは
変性意識やゲシュタルト療法をはじめとした、
遊戯的、表現的、療法的な、変容と超越の技法を通じて、
個人が、多次元的な意識、本来的なヴィジョンや愛情、尽きない創造力を、
自由に、探求的に、自然に、十全に、
生きられるようになることを、目的としています。

       


ゲシュタルト形成と破壊のサイクル

ゲシュタルト療法では、「人間」のとらえ方において、生体(生物)としての有機的「全体性」に注目します。
人間の活動は、全体として生物的な首尾一貫性を持っているということです。
そして、そこには生体の統合機能や、統合的な感覚、
生き生きとしたダイナミズムが存在しているということです。
ここでは、そのポイントのひとつとなる欲求のゲシュタルト指向をとりあげてみたいと思います。

別のセクションで見ましたが、「ゲシュタルト」とは、ドイツ語で「形」を意味し、それは「分割できない固有の形」「ひとまとまりの形」を指しています。
ゲシュタルト gestalt とは何か

ところで、私たちの欲求とは、或る「ゲシュタルト(図)」への欲求として存在しています。
欲求とは、対象への欲求だからです。
私たち
は、このゲシュタルトの単位で欲求というものを持っているのです。
そして、いつも、さまざまなゲシュタルトへの欲求を充たそうとしているのです。
ゲシュタルト療法では、人間が持つこのゲシュタルトへの欲求(感情、欲望)のあり様や、その欲求不満に注目します。下に、サイクルの図表をあげました。これはゲシュタルト療法の世界では「ゲシュタルトの形成と破壊(解消)のサイクル」「気づきのサイクル」「体験のゲシュタルトサイクル」として知られているものです。

この図は、人間(生物)に生ずる欲求とそれを充たすための一連の行動を、循環(サイクル)として表現したものです。たとえば、肉食動物の捕食行動をイメージすると分かりやすいでしょう。肉食動物が獲物を見つけて捕らえるプロセスです。この図は一番下の「引きこもり」を起点に、時計回りに回っていきます。

(1)引きこもり →引きこもりは、生物になんの欲求衝動も生まれていないニュートラルな状態です。たとえば、眠っている状態です。

(2)感覚 →生物が何か気配(情報)をとらえようとしている感覚的段階です。生物は、危険や獲物を感覚を澄まして、世界から情報を感覚的にとらえています。

(3)気づき・図になる →獲物を発見する。獲物に気づく段階です。この時、獲物が「対象=図」となり、風景が「背景(地)」となり背後に消えます。この段階で「ゲシュタルト」の形成されるのです。獲物を明確にゲシュタルトとして気づきます。

(4)興奮・衝動 →動化と訳されます。ゲシュタルトが生まれると同時に、図(獲物)への強い衝動が生じます。興奮が高まり、行動へつながる内的な動きが高まります。

(5)行動 →実際に、衝動を行動に移します。実際に獲物に近づきます。

(6)接触 →獲物(相手)に、実際に攻撃することで、物理的な接触(コンタクト contact)が生じます。

(7)充足/統合(integration) →獲物を捕らえたこと、食することで欲求が満たされます。充足します。獲物が吸収され体内化されます(異物が統合されます)。目的を達成し役目が終わった「ゲシュタルト(図)」は解消(破壊)されて無くなります。

(1)引きこもり →捕食に満足した動物は、静かに引きこもります。元のニュートラルな状態に戻ります。サイクルは完了します。待機の状態に戻ります。次のサイクルを待ちます。

このように、(3)で形成されたゲシュタルトが、(7)の欲求の満足により、解消(破壊)されるため、この図が「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」と呼ばれているのです。

さて、ここでは外部世界に対する獲物の捕食行動を例に取りましたが、環境の中で生きる生物は、このようにして欲求の外部への働きかけと充足(統合)をサイクルとして回しています。
生物のプロセスとしては生きるために、外部から栄養を摂り込み吸収して、自己を成長させるシステムです。その過程でゲシュタルトの形成と破壊のサイクルを回しているのです。

ところで、パールズたちは、このように生物が欲求をもって世界と関わるシステムを、人間の「心理面」「心の体験」でも同様のものであると考えたのでした。
心も、外部世界のもの(新しいもの・新しい体験・異物)をとらえて吸収し、体内化(統合)しているというわけです。
そして、環境との格闘体験を通して「自己」をダイナミックに生成させていくモデルを組み立てていったのです。
ゲシュタルト療法が、自己と環境の間にある「境界 boundary 」を重視する理由です。

パールズも影響を受けた、実存的な哲学者として知られるハイデガーは、人間の存在(「現存在」)を「世界内存在」と一語で定義しましたが、そのように環境と一体化した存在として人間を、ゲシュタルト療法でも考えているのです。

そして、ゲシュタルト療法では、このような欲求対象とその吸収統合を、「図」の形成と欲求充足の完了行為として、「ゲシュタルトの完了 complete」という概念としてとても重要視しているのです。

未完了のゲシュタルト(未完了の体験)

さて、上記の「ゲシュタルト形成と破壊のサイクル」ですが、普通に考えてみても、私たちが人生でいつも欲しいものが手に入ったり、欲求を充足できるとはかぎりません。ゲシュタルトへの欲求が完了するとはかぎらないわけです。欲求を充足できないと、欲求不満に陥ります。
上記の動物の捕食行動も、獲物として形成されたゲシュタルトが「得られなかった」とすると、生体は欲求不満に陥ります。しかし、おそらく動物の場合は、それが後を引くケースは少ないと類推されます。
当然、未完了の体験や未完了のゲシュタルトは、経験内容や欲求(感情)の強さから、軽度から重度までの幅を持ちます。多くの場合は、欲求充足が充分でなくとも、ゲシュタルトは諦められて解消されていくことになります。

しかし、ゲシュタルトへの強い欲求が解消されずに、そのまま残ってしまう場合もあります。
ゲシュタルト療法では、このようなゲシュタルトへの強い欲求が完了していない状態を「未完了 incomplete の体験」として重視します。欲求が完了していないゲシュタルトという意味で「未完了のゲシュタルト」と呼びます。
そして、人生の経験の中において、とりわけ強い欲求(感情)が充足されないで残ると「とりわけ強い」未完了の体験」になると考えました。それがトラウマ的になると考えました。
そして、それが人を苦しめ、人が自分の人生を充分体験したり、活動するのを妨げるものだと考えました。また、神経症的症状を現すようになると考えたのでした。
「Unfinished Business やり残した仕事 未完了の体験」

そのため、セッション(ワーク)の中では、まず第一に、クライアントの方の中に生き続けている「未完了のゲシュタルト」「未完了の体験」を完了(充足)/解消させていくことを狙いとします。

そのことを通して、クライアントの方は、葛藤に煩わされる(妨げられる)ことなく、より十全に人生を感じとり、味わっていくことができるようになると考えるのです。

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ゲシュタルト療法とは はじめに


ゲシュタルト療法 gestalt therapy は、元精神分析家のフリッツ・パールズ Fritz Perls らによって創始された心理療法の一流派です。主に1960年代後半、パールズが晩年をすごした米国西海岸のエサレン研究所を中心に世間一般には広まりました。
1960年代の当時、(晩年のカール・ロジャーズが熱中した)グループ・セラピーであるエンカウンター・グループ encounter group などとともに「自己成長・自己発見のための新しい心理療法」として、ゲシュタルト療法は注目を集めたのでした。
ゲシュタルト療法そのものは、すでに1950年代に東海岸で旗揚げされていましたが、単なる風変わりな心理療法として、理解も注目もされていませんでした。それが時代とシンクロ(共振)する形で、1960年代に突然、エサレン研究所で注目をあびたのでした。

ところで、エサレン研究所は、ワークショップ・センターのようなものであり、特に医療機関でもアカデミックな機関でもありません。というのも当時は、治療のために心理療法を受けるのではなく、自分の心の解放・能力の開発・自己成長、また潜在能力の可能性を探るために、多くの人々が新しいタイプの心理療法(体験的心理療法)を試してみたのでした。そのような状況だからこそ、大胆な新しい実験がさまざまに行なえたという側面もあります。
また、日本では一般的ではありませんが、心理療法(心理学)のテクニックを、能力開発や心のさらなる解放に使うというのは、現在でもアメリカや先進国などではごく一般的な現象(使用法)であり、そ
のような環境の中でさまざまな心理療法が流行してきたのでした。必ずしも治療のために、心理療法を受けるということではないのです。ゲシュタルト療法の影響を受けたNLP(神経言語プログラミング)などもそのような状況の中で誕生したものでした。
一方、日本では、心の自由や健康、自己実現のための心理療法の利用という面が、とても遅れている現状があり、とても残念(悲惨?)な結果となっています。これは大変もったいない状況といえます。適切な心理療法メソッドの利用で、人生は簡単に飛躍的に変容させることができるからです。

「私は、以前より、開かれ自発的になりました。 自分自身をいっそう自由に表明します。 私は、より同情的、共感的で、忍耐強くなったようです。 自信が強くなりました。 私独自の方向で、宗教的になったと言えます。 私は、家族・友人・同僚と、より誠実な関係になり、 好き嫌いや真実の気持ちを、 よりあからさまに表明します。 自分の無知を認めやすくなりました。 私は以前よりずっと快活です。 また、他人を援助したいと強く思います」(ロジャーズ『エンカウンター・グループ』畠瀬稔他訳、創元社)

これは、エンカウンター・グループというグループ・セラピー体験者の言葉ですが、このような心のしなやかさや感度の獲得は、体験的心理療法のセッションを深めて、心理的な統合を達成した場合のおおよその共通した要素といえます。ゲシュタルト療法においても、同様の心理的統合が達成されていきます。

◆ゲシュタルト療法の特徴―構成要素

ゲシュタルト療法は、元精神分析家のフリッツ・パールズらによって創られました。そのため、パールズが影響受けた要素を理解することで、ゲシュタルト療法の特徴を理解することができます。

フロイトの精神分析 (深層心理学) →「無意識」「潜在意識」の存在の重視
  ライヒの精神分析 (筋肉の鎧) →心身一元論的(ボディワーク的)なアプローチへの理解
ゲシュタルト心理学 (知覚の統合機能/全体論的見方) →「体験の統合性・全体性(ホリスティック)」の重視
③その他の「姿勢」など
 ハイデガーの実存主義 (実存〔世界内存在〕的な人間のあり様) →責任 responsibility の重視=反応する能力 response-ability の重視

  (存在と世界をありのままに体験する) →気づき awareness の機能の重視

精神分析への批判が、パールズがゲシュタルト療法を創った大きな原動力のひとつですが、その前提として精神分析からの影響があります。精神分析の重要な知見は、人間が「無意識の衝動」に突き動かされている存在であるというです。当然、ゲシュタルト療法にもその視点が前提としてあります。
次に、パールズの教育分析家であったヴィルヘルム・ライヒの精神分析の影響があります。それは、「心身一元論的」なものの見方です。ライヒは、クライアントの「肉体」に心の症状が現れていることを最初に見抜いた天才でした。彼の洞察から、後のさまざまなボディワーク・セラピーが生まれることになりました。この心身一元論的な視点が、ゲシュタルト療法にもあります。心とからだは一つであり、同じテーマが心にもからだにも同様に現れるという視点です。ここからゲシュタルト療法の興味深い介入技法がさまざまに生まれました。

ゲシュタルト心理学は、その名称にもとられた「ゲシュタルト」の概念の元になった認知心理学です。ゲシュタルト心理学が唱える、人間の認知構造(統合的・全体論的視点)は、ゲシュタルト療法の中核的な要素となっています。

実存主義やも、ゲシュタルト療法の「姿勢」に強い影響を持ちました。パールズ自身は、芸術家志望の側面があり(晩年の自伝によく現れていますが)、若い頃に交流したボヘミアンたちの風情や考え方にとても強い影響を受けています。この側面が、ゲシュタルト療法が多くの生真面目で退屈な心理療法との違い生み出す大きな要素ともなっています。
ちまたで有名になった「ゲシュタルトの祈り」などは、ゲシュタルト流の実存主義の表明といえるものです。
また、パールズは、世界旅行の中で京都に寄って参禅体験もしています。自伝で回顧していますが、その体験は、彼がセラピーの探求上えられた結論の確証としての体験であったようです。禅そのものへの評価は若干批判的なもの(疑念をもったもの)でもあります。
また、このような姿勢は、直弟子のクラウディオ・ナランホ claudio naranjo が書いた「(ゲシュタルト療法の)基本姿勢」などにもその影響を強くとどめています。

このような構成要素が、ゲシュタルト療法の特徴となり、他にないユニークで実践的な心理療法となったのでした。
結果として、すばやく効果を出す劇的な方法論となったのでした。

◆気づき awareness の力 マインドフルネスの効力

ところで、ゲシュタルト療法では、感じることや表現することと同時に、「気づき awarenessの能力」というものをとても重視します。そこに、心理的な変化を生み出す飛躍的な力を見ているからです。

「気づき」とは日常的な言葉であるため、この言葉が意味している本当の意味が分かりづらくなっていますが、日本でも最近「マインドフルネス」という言葉のひろまりとともに、この気づき awareness の能力の本当の意味や重要性が少しずつ知られるようになってきました。

パールズは語っています。

「『気づく』ことは、クライエントに自分は感じることができるのだ、動くことができるのだ、考えることができるのだということを自覚させることになる。『気づく』ということは、知的で意識的なことではない。言葉や記憶による『~であった』という状態から、まさに今しつつある経験へのシフトである。『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる」「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、行動への可能性をひらくものである。決まりきったことや習慣は学習された機能であり、それを変えるには常に新しい気づきが与えられることが必要である。何かを変えるには別の方法や考え、ふるまいの可能性がなければ変えようということすら考えられない。『気づき』がなければ新しい選択の可能性すら思い付かない」(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

「今ここの気づき」のなかに、変化の因子が潜んでいるのです。もし、心の何かが変化するとしたら、 それは 「今ここの気づき」 を通して起こってくるのです。セッションの中では、このような「今ここでの気づき」を利用して、さまざまな取り組みを行なっていきます。

クライアントの方は、セッションの中では、その瞬間の気づきで得たことをもとに、実際に新しい自己表現を試してみたりします。そして、そのことで「自分が新しい行動をとれること」「自分が新しい感情を味わい、表現できること」をまざまざと実感していくことになるのです。

子どもの頃のように、自分が制限されていない、可能性に満ちた存在であることを実感していくことになるのです。そして、そのようなセッションを重ねることで、クライアントの方の中に、確実な変化や力が蓄積されていくことになるです。

◆ゲシュタルト療法の可能性 心理療法を超えて

さて、ゲシュタルト療法が広まった当時は、カウンター・カルチャー(対抗文化)的な思潮の盛んな時代でありました。のちにアップルをつくる若きスティーブ・ジョブズが、サンフランシスコ禅センターなどに熱心に通ったような時代です。

そのような時代の雰囲気の中で、ゲシュタルト療法のもっている禅的で風変わりで直截的なスタイルが、そのめざましい治癒効果とあいまって注目を浴びたのでした。
しかし、時代の流行も去って、ゲシュタルト療法もさまざまな効果検証を経ながら、時代とともにそのスタイルやアプローチ方法をより洗練させてきました。時代によっても、個人の療法家によっても、ゲシュタルト療法のスタイルやアプローチは多様です。人によってのスタイルの違いにより「とても同じゲシュタルト療法とは思えない」と言われることもあります。

ただ、ゲシュタルト療法自体の持っているエッセンスは、今も変わらずに、その可能性と有効性を秘めているといえるのです。パールズ自身は、かつて自分のことを「ゲシュタルト療法の創始者ではなく、再発見者にすぎない」と言いました。
そのココロは、ゲシュタルト療法の「原理」自体は、近代的な心理学などよりもずっと普遍的なものであり、人類の歴史文化の中で、いたるところに存在していた(している)普遍的な気づきと表現の技法であるという意味合いなのです。

たとえば、ユング心理学の流れを汲むプロセスワーク(プロセス指向心理学)の創始者アーノルド・ミンデルは指摘します。

「現代のゲシュタルト療法の創始者であるフリッツ・パールズは、先住文化のシャーマンがいれば間違いなく仲間として歓迎されたであろう。パールズは、自己への気づきを促すために、夢人物(ドリーム・フィギュア)や身体経験との同一化ならびに脱同一化法を用いた。そして、モレノの「サイコドラマ」から、夢見手が自分や他者を登場人物にすることによって夢の内容を実演化する方法を借用している」
(ミンデル『ドリームボディ』藤見幸雄監訳、誠信書房)

当スペースでは、そのような普遍性と特徴をもつゲシュタルト療法を使って、自己実現や能力開発、意欲・自信の回復や自己肯定感の向上、人間関係の改善や心の癒しなどさまざまな心理的サポートを行なっています。

特に、ゲシュタルト療法は上記の引用のように、それが元来含み持っている普遍的な特性(シャーマニズム的な特性)によって、心理療法にとどまるものではない人間意識の拡張や創造力の開発に他にない劇的で目覚ましい効果を生み出すものでもあります。そのため、その領域でご提供できるものも多岐に渡っているのです。

↓【ゲシュタルト療法の各項目解説】

【ブックガイド】

ゲシュタルト療法については基礎から実践までをまとめた拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
をご覧下さい。


※ゲシュタルト療法の効果は

 →「セッションで得られる効果」
※実際のセッションのイメージは
 →「セッション(ワーク)の実際」
※他の方法論に較べた場合のゲシュタルトの特徴
 →なぜ、ゲシュタルトなのか ゲシュタルト療法を技法として選択した理由
※当スペースについて
 →フリー・ゲシュタルト・ワークスについて

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コチラ

ゲシュタルト療法と、ケンタウロスの領域

◆ケンタウロスの領域としての心理療法

 

さて、ゲシュタルト療法は、

通常、心理学の歴史の中では、

マズローらの「人間性心理学」の中に、

分類されるものです。

 

ところで、

次世代のトランスパーソナル心理学の理論家、

ケン・ウィルバーは、

その「意識のスぺクトル」論の中で、

ゲシュタルト療法を、

「ケンタウロス」の領域にある心理療法であると、

位置づけました。

この位置づけとイメージは、

なかなか、言い得て妙でもあるので、

このことの意味合いを、

はじめに見ておきたいと思います。

 

まず、ウィルバーは、

さまざまな心理療法を、

タイプ分けするにあたって、

「人間が持つ、心の分裂と抑圧を、

どのような観点から統合していくのか」

ということをポイントに、

各流派を、マップ上に、位置づけました。

下図が、その図式です。

下にいくほど、統合するものの範囲が、

広くなっているという図表です。

 

その本人が、

「『意識や主体』として、

何に、同一化しており、

逆に、何を『無意識や客体、他者』として、

抑圧・排除しているのか」

「人間が、統合(治癒)されるとは、

何と何が、統合されることなのか」

その答えが、各流派によって、

大雑把に、タイプ分けできるというのが、

ウィルバーのアイディアでした。

上の図では、オレンジ線の、

左側が「意識や主体」、

右側が「無意識や客体、他者」

となっています。

 

例えば、

現在の多くの心理療法が、

(そのような立場ですが)

健全な「自我」が、確立されることが、

心理的な統合であると、

見なしています。

その場合は、

「仮面」(偽りの自己像)を主体として、

「影」を抑圧してる人々に対して、

「影」の部分を意識化し、

主体に、統合させていくことが、

治療的アプローチとなっていきます。

 

そのことで、

「仮面」と「影」の分裂が融解・統合され、

健全な「自我」主体が、

確立されてくるというのが、

その理論と実践アプローチとなります。

 

しかし、

別の流派(心身一元論派)の視点では、

健全な「自我」主体の確立だけでは、

統合が、不十分(部分的)であると見なされます。

そこでは、「身体」が、

抑圧され、排除されているからです。

しかし、

心身一元論的な心理療法の中では、

身体の中にこそ、重要な感情や表現、

生の基盤があると、

考えられているのです。

そこでは、「有機体」全体を、

ひとまとまりの全体性として、

主体として生きられることが、

必要な「統合」だと、

考えられているのです。

 

ところで、このような、

心と身体を合わせた「有機体」全体を、

主体と見なす、

心身一元論的な心理療法各派を、

ウィルバーは、

ケンタウロスの領域の心理療法であると、

見なしたのでした。

 

ゲシュタルト療法は、

ボディワークを主体とした、

ローウェンのバイオエナジェティックスらとともに、

この領域の心理療法に、

位置づけられています。

 

この位置づけは、

有機体全体の生命力を、

溢れるように発現させる、

ゲシュタルト療法の位置を、

正確に示しているとも、

思われるのです。

そして、また、

その生命力の拡張された流動性と、

セッションで現れる変性意識状態(ASC)ゆえに、


充分にこなしていくと、

隣接したトランスパーソナル(超個的)な領域も、

自然に開いてくる、

ゲシュタルト療法の性格をも、

よく表現しているように思われるのです。 


ところで、

ケンタウロスとは、

ギリシャ神話に出てくる、

半人半馬の存在です。

腰から上が人間、

腰から下が馬の姿となっています。

人間の精神性と、動物の野生性とを、

結合させたシンボルとなっています。

馬のような、力強い速さで、

走る存在なのでしょう。

このイメージは、

私たちが、通常、想定するものより、

大きなパワーを持っている、

生命有機体の、自然の潜在力を、

よく表しているようにも思われます。

ウィルバーが、このイメージを採用したのも、

その力のポテンシャルゆえでしょう。

 

そして、

この神話上の存在の姿は、

ゲシュタルト療法の持っている、

野生的で、遊戯的な、

十全な生命を発露する、

その方法や姿勢を、

なかなか上手く表現しているとも、

思われるのです。

 

 

さて、このパートでは、

当スペースの基礎的な方法論である、

ゲシュタルト療法と、関連事項について、

まとめています。

 

1.ゲシュタルト療法【基礎編】

 

→基本的な理論や用語についてまとめています。

 

2.ゲシュタルト療法【実践・技法編】

 

→具体的なセッションのプロセスや技法について、

 解説をしています。

 

3.ゲシュタルト療法【応用編】

 

→応用事項から、

 周辺のポイントまでを、解説しています。

 

4.「セッション(ワーク)の実際」

 

→ゲシュタルト療法のセッションは、

 どのように進められ、

 どのようなことが体験され、

 解決されるのかを、

 プロセスにそって、解説しています。

 

「セッションで得られる効果と成果」

 

→ゲシュタルト療法による効果と、

 人生で役立てる成果について、

 解説しています。

 


※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。



 

 

↓動画「ゲシュタルト療法と、生きる力の増大」

 

 

↓ゲシュタルト療法の基本については、第一部、第二部の解説をご参照ください

リスク・テイカー 危険をとっていく者

危険をとって生きている者は、

どんなことを、

その感覚のうちに、

知っているのでしょう。

 

通常、私たちは、「合意的現実」の中で、

その因果律の中で、

予測可能な現実を、

選んで生きています。

その場合、

私たちの見る未来は、

想定可能な未来でしかないでしょう。

 

しかし、

ギャンブラーのような、

リスク・テイカーは、

想定可能、予測可能ものの向こうに、

身を投げ出して、

冒険していくことを好みます。

 

おそらく、

その感覚と経験のなかで、

私たちが想定するもの以上の

ものを見ているのでしょう。

それは、

賭けと危険の感覚の中で鍛えられた、

野生の感覚、透視力と言えるでしょう。



※気づきや統合、変性意識状態(ASC)への

より総合的な方法論については、拙著↓
入門ガイド
および、
『砂絵Ⅰ 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧下さい。


 

ごあいさつ

こんにちは 
フリー・ゲシュタルト・ワークスのサイトへようこそ!
当サイトにたどり着かれたあなたは、とても〈感度〉の高い方と思われます。また、とても〈運〉を持っている方でしょう。
当スペースでは、世間で信じられている「人生ゲーム」から抜け出し、この人生を彩り豊かに拡張していくための具体的な方法論、超越の技法、生きるアートをご提供しています。
ぜひ、サイト・コンテンツやセッションをお役立ていただければと思います。
(他にこのようなサイトもないので、ブックマークをおすすめいたします)


【内容の目次】

  1. 当スペースの方法論―ゲシュタルト療法&変性意識状態(ASC)
  2. 頭で(知的に)わかっていても、人生は変えられない
  3. 心が変わる=アウトプットが変わる=世界が変わる
  4. 【コラム】ビジネスとマインドフルネス
  5. 当スペースの方法論2 コンテンツの位置づけ
  6. ゲシュタルト療法と変性意識状態(ASC)の統合的活用法
  7. 次のような方にお役に立ちします
  8. 当スペースで得られるもの
  9. 各種案内

【1】当スペースの方法論――ゲシュタルト療法&変性意識状態(ASC)

当スペースは、かぎりない潜在能力を活かすための心理学(変性意識状態ゲシュタルト療法トランスパーソナル心理学などの各種心理療法)をベースに、

  • ほしい未来や状態の実現、目標/目的の達成
  • 卓越したパフォーマンスの発揮(発現)
  • 並外れたアウトプットの具現化
  • 自信や意欲の向上、自己肯定感のアップ
  • まわりの人々(他者)への影響力の増大
  • 人間関係の悩みや葛藤解決、過去の囚われからの解放
  • 才能と独創性(天才性)の発掘/発揮
  • アウェアネス(awareness 気づき)とマインドフルネスの向上
  • 意識と知覚の拡大、覚醒 awakeness 状態の実現
  • 既存の自己(世界)からの超越と変容
  • 自己実現と至高体験 peak-experience の達成

などが得られる専門スクールとなっています。

そのための潜在意識活用、能力&創造性開発のマインド・コンサルティング・スペース(セラピー&カウンセリング・スペース、コーチング・スペース)です。
さまざまなビジネスやアート、創造活動を行なっていられる方は、アウトプット(成果、作品)や能力発揮の中でより優れた結果が出せるようになるでしょう。

また、すでに心理カウンセリング、セラピー、コーチング、NLPその他のテクニックを実践されたり、学ばれている方にとっては、当スペースのスキルを得ることで能力アップに加えて、他社と差別化された決定的な違い(本物の技/魔法)を手に入れられるでしょう。
心理カウンセラー資格や、コーチング、NLPの資格などを色々とってみたけれど、なぜか本物の感覚が身につかないと感じられている方、付け焼き刃ではない本当の技、一線を越えた紛れもない腕の感覚(確信・自信)が欲しいと感じられている方にとっては当スペースで、本物の力を得ていただくことができます。本物の基礎能力、一生役に立つ普遍的なスキルが得られることとなるのです。
また、現在は特に何かを学ばれていないという方や、方向性を模索している方にとっても、基礎からセラピーや能力開発・創造性開発の技法を学んでいただくことができます。そして、心身の基盤からの能力向上やご自身の人生の変容、大いなる自己実現への道を得ていくことができることになっています。
そして、さらにはまた、世間がボンヤリと「悟り」だとか「覚醒」だとか呼んでいる真に拡張された意識状態(超越的な意識)に対しても、より明確なステップで接近いただけることができるようになっています。それは意識状態の変移として存在しているからです。

どのような事柄を望まれる方にとっても、他では得られない形での「ホンモノのルート」がありますので、ぜひ、ご期待いただければと思います。

▼効果と心理変容の方程式

①変性意識活用(日常意識+潜在意識の交流、超越的技法)
   +
②進化型のゲシュタルト療法
 (ゲシュタルト療法+トランスパーソナルな基底意識 awareness の利用)+プロセス指向

   =
 心身の深い癒し・深い心理的統合・大きな心理的変容
 意識・身体・能力の恒常的な拡張状態

 超越的意識の活用 (心理学的シャーマニズム)
 「流れる虹のマインドフルネス」(開放された真の存在状態)

当スペースの方法論は、
①潜在意識をより活用できる心の状態である変性意識状態(ASC)の利用、その延長にある超越の技法」
②心を変化させる実践的な「心理療法(ゲシュタルト療法、トランスパーソナル心理学など)の活用」
が基本となっています。
(変性意識状態とは簡単にいうと日常意識と潜在意識とが融解した特殊で可能性にみちた意識状態です)

 このような心理療法的技術によって、人間の根っこにある能力書き換えて、向上させてしまうことができるのです。そのことが世間一般では、なぜあまり知られていないのかというと、単に、その方法論(流派)の限界や、単に技量(腕)がないからだけということでもあります。しかし、深められた心理療法的技術によって、私たちは過去の自分から解き放たれ、能力・才能の質を(また性格そのものを)、根本的なレベルから変えることが可能なのです。なぜなら、深い潜在意識につながることで、私たち人間の心の底には「無尽蔵の潜在意識(能力)の世界」がひろがるからなのです。そのことを、当スペースは、さまざまな事例や実体験(多様な変性意識体験など)からお約束することができるのです。
【図解】心の構造モデルと心理変容のポイント 見取り図

【ブックガイド】
ゲシュタルト療法については、
『ゲシュタルト療法ガイドブック 自由と創造のための変容技法』
をご覧ください。
また、私たち人間の潜在意識に秘められた途方もないパワーや意識の多元性については、筆者の実体験事例も踏まえた拙著、
入門ガイド
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』
また、変性意識のより深い変容世界をまとめた、
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』
をご覧いただけると幸いです。

【2】頭で(知的に)わかっていても、人生は変えられない

 ところで、世の中には、多くの成功哲学や学習法、コーチングやNLPなどがあります。しかし、そのようなことに取り組んでも、実際にはなかなか効果を出せないという事実があります。その理由は、それらの方法論が本当の意味での「心理学」(※)に足りていない部分があるためといえます。センスのいい人は、なにか「深さ」に欠けるなぁと物足りなさを感じてしまうものです。それらは、真に実存的な心(意識・思考・感情・記憶・身体の総体)の本質についての理解が足りていないからです。

 多くの方法論は、心の表面的で、日常的・思考的・言語的・意識的な部分に、フォーカスが当てられており、心の深層の部分、基盤的な感情プログラムの部分にまでリーチ(サポート、介入)が届いていかない形になっています。ところが、頭で(知的に)考えただけの理論や、その気になるだけのような動機づけ手法では、残念ながら、私たちの深い潜在意識を活性化したり、変えたり、深い意欲を引き出したりすることは不可能なのです。私たちは感情によって生きているからです。

 その結果、多くの人が、或る方法論に取り組んでも長続きせず挫折してしまいます。そして、また次の新しい方法論に飛びついてみては、また同じこと(挫折)を繰り返すという事態になってしまっているのです。そして、離れて見てみると、人生は一歩も前に進まないということになってしまっているのです。

 一番肝心なことは、物事をうまく行なえない心の状態を深く理解し、障害となっているもの(心の状態)を丁寧に取り除き(統合し)、心のプログラムの変容させながら、能力をより引き出せる状態に変えることです。それが結局は一番の早道となります。
 よくあるコーチングやNLPなどは、「底が浅いなぁ」「無理やり盛り上げようとしてるなぁ」「本当の問題を避けようとしているなぁ」と違和感を感じられている方は、すでに物事の本質に近づいていると思われます。また、通常のお話を聞いてもらうだけのカウンセリングなどに、心に働きかける要素(具体的な介入技法)がないと不足感(不満)を感じられている方にもご理解いただける事態かと思われます。
(※古典的な心理学や心理療法にも、実は問題や限界も多いのですが、ここでは一旦、脇に置いておきましょう)
【図解】心の構造モデルと心理変容のポイント 見取り図

▼変わるための具体的な技法=技術=方法論 思考ではない、存在 Being の技法 = 一生役に立つ技法

 そのために、当スペースではスタンダードな心理療法変性意識のアプローチを使い、クライアントの方ご自身に深い潜在能力とつながっていただく中で、心を癒したり、制限を解いたり、創造力をより解放する能力を得ていただくことを方法論としています。正統な心理療法であるゲシュタルト療法ベースの方法論であり、さらにそれを補い、超えるアプローチを当スペースは多々持っているため、人生のどんな場面においても一生役に立つ創造性開発の方法論となっているのです。

 その取り組み過程を通じて、クライアントの方の中で、潜在能力(意欲、直観力、創造力、アイディア、霊感)や、生きる力(底力)が、より引き出しやすくなってくるのです。
 そのような豊かな心(意識)の状態に慣れてくると、私たちはより進化した「意識拡大の感覚」「変性意識の感覚」がつかめてくることになってきます。自分自身を止めていたこだわりが次々と溶けていき、まるで自分自身がバージョン・アップ(パワー・アップ)したかのように、気分が楽になり、並外れた行動力や創造力も発揮されてくるのです。自分の内側からインスピレーションや発想が豊かに湧いてくる状態が得られるようになってくるのです。たとえば、アスリートの世界で知られるゾーン ZONE と呼ばれる特殊な集中状態(心理学でいうフロー体験)などもより起こりやすくなってくるのです。そして、ご自身の中に、確固たる自信や確信、核となる肚の力、頑とした存在力 Being が育ってくることになるのです。

【3】心が変わる=アウトプットが変わる=世界が変わる

 そうなってくると、実際的に、生活のさまざまな場面・領域において、並外れて頭抜けたアウトプット(成果)や、目覚ましい目標達成も行なえるようになってくるのです。さらには、そのような、ご自身のスキル(変容)をもとにして、他の人々に影響を与えたり、サポートを行なっていくことも可能となってくるのです。ご自身の中に、核となる Beingの力(存在力)が育ってきたからです。他人に本当の(真の)影響を与えられるのは、このようなBeingの力(存在力)だけです。口先だけのサポートなどでは、相手にこちらのレベルなど見抜かれてしまいますし、相手を動かすことなどできないのです。当スペースではそのような相手に伝わる、核となるBeingの力が育ってくることになるのです。それが、当スペースがご案内する〈流れる虹のマインドフルネス〉という世界(存在状態)なのです。

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4.【コラム】ビジネスとマインドフルネス

 山口周さんの評判になった『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』(光文社新書)の中に、次のような一節があります。

「現在、多くの企業でマインドフルネスに関するトレーニングが行われていますが、これはセルフアウェアネス=自己認識の重要性が認識されてきているからです。ビジネスを率いるリーダーを育成する、というのがビジネススクールの目的ですが、では今日求められるリーダーの素養として、もっとも重要度の高いものは、なんでしょうか?コーン・フェリー・ヘイグループは、全世界で実施しているリーダーシップアセスメントの結果から、変化の激しい状況でも継続的に成果を出し続けるリーダーが共通して示すパーソナリティとして、この「セルフアウェアネス=自己認識」の能力が非常に高いということを発見しました。セルフアウェアネスとはつまり、自分の状況認識、自分の強みや弱み、自分の価値観や志向性など、自分の内側にあるものに気づく力のことです。現在、多くの教育機関・研究機関でも、セルフアウェアネスの重要性は高まっており、例えばスタンフォード・ビジネススクールでは、教授陣が構成する評議会において、「これからのビジネスリーダーの素養として、最も重要な要素とは何か」というテーマで議論したところ、満場一致で「それはセルフアウェアネスである」という結論に至っています。(中略)そしていま、世界中で最も難易度の高い問題に取り組む人たちにとって、最も重要な資質は「セルフアウェアネス」であると考えられており、この「セルフアウェアネス」を高めるためのトレーニングとして、瞑想を中心としたマインドフルネスへの取り組みが世界中で進んでいるのです」(前掲書)

 さて、「セルフアウェアネス self awareness」の概念は、日本の一般社会ではあまり馴染がありませんが、専門家の一部などでは「自己覚知」などとして、昔から知られていた概念ではありました。仕事で他者の内面に深く関わるには、前提として、自分自らが自己の内面や深層に潜むものに「あらかじめ気づきを持っていること」が必要だからです。そうでないと、相手との感情的な関係性(転移/逆転移など)に巻き込まれてしまうからです。

ちなみに、欧米社会で、ビジネス面でも、このような自分の存在(自己存在)を対象化する「気づき awareness」のテーマが現れやすいのは、appleの故スティーブ・ジョブズに典型的に見られるように、欧米では、60年代にカウンターカルチャーやサイケデリック(意識拡張)・ムーブメント禅や瞑想、先進的な心理学(ゲシュタルト療法、エンカウンター・グループ、商業セミナー)の流行があったという背景があります。そこで、多くの人々が、「気づき awareness の重要性」に気づくというチャンスを得たのでした。それは、現在のマインドフルネスの流行までの一貫した流れでもあるのです。

 このことは、「セルフアウェアネス(自己覚知)」「気づくこと」「心をあつかうこと」を避けようとしがちな日本人が、現在、世界で直面している行き詰まり状況を考える上で、とても示唆に富む事柄であるといえるのではないでしょうか? 現状を打破するために、今まで行なってきたこと(気づきの回避)が何であったのかを真摯に検証し、今までとは違う別の何かをすることが必要なことは明らかだからです。

 そのため、当スペースでは、変性意識状態(ASC)やアウェアネス、マインドフルネス、心理的変容など、特に日本で一般の認知度の低く、かつ重要度と効果の高い事柄をテーマとして取り扱っているというわけなのです。
日本のNLP(神経言語プログラミング)はなぜ退屈なのか
サイケデリック体験とチベットの死者の書
「聖霊」の階層、あるいはメタ・プログラマー ジョン・C・リリーの冒険から

 ところで、アウェアネス awarenessとは、「気づき」という意味ですが、この「気づき」というものは、自分の持っている既存の型=パターンに当てはめて、対象をとらえ整理する、通常の「思考」や「認識」とは違います。ここがまず理解されていない点でもあります。
自分自身の体験全体(自分も含めて)を、一段階高いメタ(上位)レベルから(あたかも自分の外から)一挙に全体的にとらえる作用が、気づき awarenessというものの作用です。
最近「メタ認知」という言葉が使われますが、それも単なる客観視であり、思考の延長であり、「気づき」ではありません。「気づき」とは、主客を超えたもっと飛躍的・全体的なものなのです。

 当スペースのゲシュタルト・アプローチ(進化形のゲシュタルト療法)の中では、この気づき awareness、変性意識状態(ASC)をさまざまに駆使することを通して、その結果としての心理変容を通して、そのマインドフルネス、自己覚知のスキルを確実速やかに育てていくことができるのです。

▼フリーゲシュタルト 図解ギャラリー

▼【図解】心の階層構造と、各方法論の見取り図

 ↑適用領域の大幅広さと深さが、当スペースの特徴です。

【図解】心の構造モデルと心理変容のポイント 見取り図

▼当スペースで獲得いただけるスキル

生涯役に立つ創造性のスキルです

メニュー/コース/料金

心の3つの力が育ちます。その結果、創造力が大きく高まります

当フリー・ゲシュタルト・ワークスについて

▼セッションで得られる効果

自信の欠落や葛藤感がなくなり、力強い意欲とエネルギーが生まれます
アイディアや発想が、イメージ豊かに流れ出します。

セッションで得られる効果と成果

心の基礎の部分がきっちり育ちます
心身のすべてで、解放と能力の向上を感じていただけます
まわりの人々に対して、さまざまな効果的なサポートができるようになります

セッションで得られる効果と成果

当スペースの方法論 その2 サイト内の区分



【5】 当スペースの方法論その2

当サイトのコンテンツは、以下のPART区分で構成されています。


【PART1 Basic】 ゲシュタルト療法
【PART2 Standard】 それ以外のコンテンツ〔気づきと変性意識の技法〕

  当スペースの実践上は、ゲシュタルト療法と変性意識状態(ASC)の技法は、統合的・融合的に存在していますが、サイトでは解説の都合上、PART1「ゲシュタルト療法」とPART2「変性意識状態(ASC)その他」と構成で解説しています。PART3はより進化したレベルでの応用展開となります。その内容は、詳しくは拙著『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』等をご覧ください。

 PART1の「ゲシュタルト療法」によって、私たちは、通常の現代日本社会では想像できないほどのレベルで、心身の健康な解放を創り出すことができます。 心の葛藤やブレーキをなくして、開放的な気分、自信と自己肯定感、エネルギーに満ちた、とらわれのない自由な心がつくられていきます。この一種、超健康状態は、そのさきの真の自己実現 self-actualizationを準備する素晴らしい解放・統合状態となります。

▼「ゲシュタルト療法」から、その先の「トランスパーソナル的状態」へ


 トランスパーソナル心理学(最近はインテグラル理論で有名ですが)の理論家ケン・ウィルバーなども指摘するように、ゲシュタルト療法での体験が充分に深められ、心身が目覚ましく解放・統合されていくと、より進化した心身状態(超越的な意識状態)がごく自然に現れてくることになります。個人の人格的制限を超えたトランスパーソナル(超個的/超人格的)な領域の登場です。この領域に関しては、通常の科学的心理学を乗り越える、さまざまな事例が存在しています。
 トランスパーソナル(超個的/超人格的)とは聞きなれない言葉ですが、このトランスパーソナル(超個的/超人格的)という概念は、「自己実現」「欲求の五段階説」で有名な心理学者A・マズローが晩年、「自己実現」を超えた「自己超越」状態というものが、人間の成熟(統合)として存在しているという確信(検証)の元に打ち出したものでもあるのです(彼がその学会を設立しました)。

 つまりは、ウィルバーが指摘するように、ゲシュタルト療法などで心身を統合していく中で、その先の超越的な状態がだんだんと花開いてくるのです。そして、当スペースではさらに意識的に、ゲシュタルト療法と変性意識状態(ASC)を融合させることで、他の能力開発技法にはない心身の変容や潜在意識の開発が実現されてくるのです。自分の中に、狭い「今までの自分」を超える超越的な感覚、トランスパーソナル(超個)な次元が開いてくるのです。

 ところで、(しばしば勘違いされますが)トランスパーソナル(超個的)な意識は、なにか恍惚として浮世離れした状態ではありません。それは空想的なものではありません。真のトランスパーソナル(超個的)な意識と通常の個人的な実存(意識)は排除しあうものではないのです。トランスパーソナル(超個的)な意識は、個的状態を透過しているのです。それらは重層的・多層的に重なり合って統合されているのです。つまりは併存しているのです。また併存することで、両者がより強度に生き生きしているのです。それが統合されたトランスパーソナル状態というものです。そのため、トランスパーソナル(超個的)な体験を深めれば深めるほど、それを統合すれば統合するほど、普段の私たちは、より「個人」としても生き生きとし、とらわれなく自由で、豊かな生き方をできるのです。

 つまりは、喩えると、自己の中に確固とした〈青空の通り道〉のようなものができてくるようなものです。自分でいながら、自分ではない〈本質的なもの〉に透過されているような状態です。
 その結果、私たちは人生で、優れたアウトプットの創出やさまざまな豊かな成果を生み出すことができるようになるのです。

 ところで、当スペースが、技法面でのベースに使っている「ゲシュタルト療法」とは、精神分析とゲシュタルト心理学、実存主義に由来を持ち、NLP(神経言語プログラミング)などの元にもなった体験的心理療法ですが、短期間に、大きな心理的変化・改善をつくり出す大変実践的な効果を持っています。

 また加えて、ゲシュタルト療法が、心理的プログラムを書き換えられる強力な技法である理由は、テクニックによっては、「変性意識状態(ASC)」という特殊な意識状態に人を導く独特な要素を持っている点にもあるのです。
 
 この点は、各ファシリテーターのテクニックやアプローチ方法によってさまざまに変化します。また、テクニックの使い分けで、さまざまな意識状態の調整が可能になっています。実は、この点は、ゲシュタルト療法家自身でさえ、よくわかっている人はほとんどいません。そのような状態把握の概念が、古典的なゲシュタルト療法の中には存在していないからです。それが、古典的なゲシュタルト療法の限界や問題ともいえる点です。それらは歴史的には、次世代の心理療法他によって、より明確にされていくことになるのです。

 そして、この点が、当スペースのゲシュタルト療法では、癒しが治癒効果が大きく、また、トランスパーソナル心理学的側面を強く持つ側面でもあるのです。変性意識状態(ASC)を理解できているか否かによって、効果が大きく変わってくるのです。

▼「変性意識状態(ASC)」がもつ潜在能力の覚醒

 さて、そして、当スペースのセッションが大きな変容効果を持つ理由は、実は「変性意識状態(ASC)」自体が、私たちの潜在意識の巨大な治癒力と創造力を引き出すという事実ととても関係しているのです。その状態が、私たちの自然治癒力や心の自律的調整能力を働きやすくする状態でもあるからです。

 私たちは、変性意識状態を通して、潜在意識にアクセスすることで、自身の底から、本来の治癒力と創造力を引き出すことができるのです。そのことで、私たちは、日常意識では接することのできない深層意識や潜在意識、自己の隠れた才能(天才性)を引き出すことができるのです。

 これが、当スペースの方法論(ゲシュタルト療法+変性意識=トランスパーソナル的なゲシュタルト療法)の、他に類例を見ない強力な効果の秘密でもあるのです。ただ、この方法論は、ムリヤリ頭で考えだしたものではないのです。長期間にわたるクライアントの方へのセッション体験や、筆者自身の変性意識体験、変容体験からごく自然に導かれたものでもあるのです。
 そして、その変容の原理(構造)を、あらためてよく観察してみると、世界中の伝統によく見られる「シャーマニズム」の構造や、神話学でいう「英雄の旅」モデル(映画『スター・ウォーズ』の元ネタとしても有名になった)と大変似たものでもあるのです。
 ですので、これらの変容構造は、近代的な心理学に局限されるものではなく、人類が長い期間にわたって経験し、検証してきた普遍的なモデルとも言いうるものなのです。

 また、「変性意識状態(ASC)」について一言加えると、これは、世間で「スピリチュアル(霊的)」と言われる事柄や「サイキック(超能力)」言われる事柄に、安易な信仰やオカルトではない形で、一定の構造的理解をもたらすことにもなる概念でもあります。そういう側面に、興味がある方にとっても、とても有効な面があるのです。

▼普通の人生では、決して得られない体験とスキル得られます

 さて、そのような「変性意識状態(ASC)の覚醒」や「潜在意識の活性化」「気づき awareness の深い体験」は、普段の日常生活の中では、決して経験することのない体験となっています。そのため、当スペースでは、普段の日常意識レベルをあつかうだけのコーチングやカウンセリングは違う、深い心理的変容や、創造力の爆発的開花などの目覚ましい実際的効果を得ることができるのです。
 心の制限をとりはらい、本来の自分の本当にやりたいことに思いっきり集中したい、楽しみながら、自分の深いところから自発的なすぐれた創造性を発揮したい、人生の目的と願望を成就したいと思われる方にとっては、最適なスペース(スクール)となっているのです。


【7】次のような方にお役に立ちします◆

▼フリー・ゲシュタルト・ワークスは、次のような方のお役に立ちます。

・人生で具現化したい目標(願望・夢)がある方
・人間を変える普遍的な方法論(スキル)を手に入れたい方
・自分の才能(天才性)・能力をより開花させたいと思われている方
・独創的なアウトプット(成果)を出したいと思われている方
・仕事のパフォーマンス・能力をもっと高めたいと思われている方
・自分の限界を超えたい、突破したいと思われている方
・自分には、もっと才能があるはずだと感じられている方
・もっと自信や確信を持ちたいと思われている方
・自己肯定感を高めたいと思われている方
・なかなか行動を起こせないと感じられている方

・自分をもっと変えていきたい、自己変革したいと思われている方
・自分には才能やスキルがないと思われている方
・今のまま(仕事、会社等)では、将来に不安がある方
・解決したい心の悩み(課題)がある方
・人間関係の苦しみをなくしたい、苦手な人にうまく対処したいと思われている方
・決めたことが実行できない、行動を先延ばしにしてしまうと感じられている方
・生きづらさを感じられている方
・もっと爆発的に、エネルギッシュに生きたいと感じられている方
・自分や宇宙の中の、未知の神秘的状態を探求したいと思われている方

 このような気持ちを持っている方は、当スペースで、人生を変えていく能力や方法論をきっと手にしていただけるでしょう。

【8】 当スペースで得られるもの

 当スペースがベースとして使っているゲシュタルト療法は、世界中で使われている古典的・正統的な心理療法のため、現代日本の世間一般によくある「その気になるだけ」の手法とは違う、心理的変法や心理プログラミングの書き換えを確実に起こすことが可能な方法論となっています。特に、心と肉体をひとつにとらえる心身一元論的なアプローチを用いるため、その効果も、物理的で直接的、エネルギッシュで確実なものとなっています。心身の筋肉的な緊張や硬直が解かれ、肉体が深い部分から弛緩し、解放され、リラックスしていきます。脳や肉体が、明瞭に変化しリフレッシュされます。心身の奥底から、新しいエネルギーとイマジネーションがひろがりはじめるのです。そのため、当スペースで、セッションを続けていくと、心身のしなやかな解放が進み、以下のような数々の事柄(心身状態の変容)が起こってくるのです。

・生きることが楽になり、楽しみが増える。
・苦痛や苦しみの感情が減る。
・セルフ・イメージが上がる。
・自信と自己肯定感が高まる。
・自分の中の感情的な雑音(ノイズ)が無くなる。
・まわり(他者)に感じていたわずらわしい事柄が気にならなくなる。
・自分の能力(底力)に信頼感が生まれる。
・新しい才能が予感され発掘される。
・心に余裕ができる。
・不要なこだわりがなくなる。
・内側の感情がなめらかに流れるようになる。
・過去の不快な出来事が気にならなくなり、むしろ肯定できるようになる。
・肉体がしなやかになり、からだが軽くなる。
・肉体がエネルギーを増す。
・高速で動けるようになる。
・存在に〈中心の感覚〉が生まれる。
・肚が据わる。
・自分がまとまりを持ち、力を組織化し方向づけられるようになる。

・「今ここに」生きている感じがする。
・「今ここに」泰然と安らっている感じがする。
・集中力や瞬時に焦点化する力が増す。

・自分の才能の再編集・再構成がなされる。
・より自己一致congruenceする。
・自分の気持ちをより素直に表現できるようになる。
・他者の心とじかにコンタクトでき、交われるようになる。
・より共感的になる。
・知覚力が拡大し、五感や六感が豊かになる。
・意識が拡大・拡張する。
・超越的な感覚が生まれる。

・未知の微細な情報をわかるようになる。
・快(快楽)をより強く感じるようになる。
・フロー体験が生まれやすくなる。
・行動を起こす際のハードルが低くなる。
・瞬時に行動できるようになる。
・並外れた積極性が出る。
・貫通するようなやり抜く力があまり
・目標(目的)を達成しやすくなる。
・ストレス耐性ができる。
・行動そのものが速度感を増す。
・冒険的なことができるようになる。
・遊び心やユーモアが増す。
・感受性が増し、自然や宇宙が美しく感じられる。
・想像やイメージが豊かになり、発想力が増す。
・愛の力が増し、開花する。
・変性意識状態(ASC)に容易に入れるようになる。
・自分の夢のメッセージが理解できるようになる。
・神秘的な出来事や体験に会いやすくなる。
・飛躍的なアイディアが出て来る。
・的確な表現力が増す。
・斬新で独創的なアウトプットが出せるようになる。
・「自分という存在」を相対化し、またその味わいがより深くなる。
・生きること自体が価値を持ち、楽しくなる。
・深い感情を生きられるようになる。
・直観力が鋭くなる。
・心が純粋さを増す。
・濃密に生きている実感を得られる。

 このように列挙しても、あまりイメージがつかないかもしれません。しかし、実際にセッションを体験し、その「構造的な原理」を理解していくと、このような事柄が起こって来ることは当然のことだとわかってくるのです。そして、ご自身の潜在能力の途方もないひろがりに、あらためて気づかれていかれることとなるのです。
 ぜひ実際にセッションを体験して、確かめてみて下さい。

【9】各種案内

具体的な効果と成果は、
「セッションで得られる効果と成果」

▼実際のセッションなど詳しい内容につきましては、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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【ブックガイド】

全体についてはコチラ
著作案内

①ゲシュタルト療法については基礎から実践までをまとめた拙著
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』
Amazomページ
『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』

気づきと変性意識状態(ASC)については以下の拙著をご覧下さい。
②入門ガイド
…ビギナーの方にも分かる領域から、サイケデリック(意識拡張)領域まで、広く網羅しています。内容紹介↓
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

Amazomページ
『気づきと変性意識の技法:流れる虹のマインドフルネス』

③よりディープな世界を知りたい方は
…変性意識状態(ASC)な事例からトランスパーソナル(超個的)な領域まで含めた統合的実践の決定版です。内容紹介↓
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

Amazomページ
『砂絵Ⅰ: 現代的エクスタシィの技法 心理学的手法による意識変容』

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